Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【考察】19-20シーズン前半戦総括

こんにちは。いよいよ2019年も残すところあと僅かとなりました。この1年間皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。僕はブログを始めたこともあり、バルサを今までで一番深く追った年でした。

さて、2019年最後の記事では、19-20シーズンの前半戦を総括したいと思います。厳密に言うと、前半戦はあと1試合残っていますが、1月はちょっとバタバタしそうなので、このタイミングで記事をあげることにしました。それでは。

 

■ジェットコースターのような半シーズン

何もかも順風満帆に進んでいると思われた昨シーズン。全てを狂わせたのはCL準決勝2ndレグのリバプール戦でした。あの試合1つで昨シーズンの評価は「失敗」と断じざるを得なくなりました。そのあとのバレンシアとのコパ決勝も敗れてしまいましたから、印象としても最悪のシーズンだったと思います。

そんな18-19シーズンからの捲土重来を期した今シーズン。新たにフレンキ―・デ・ヨングアントワーヌ・グリーズマンというスターを獲得して心機一転を図りました。果たして昨シーズンからの変化はあるのか、今シーズンこそCLのタイトルに手が届くのか。ファンの関心事はそこにありました。

結論から言うと、19-20シーズン前半戦のバルセロナはジェットコースターのようなチームでした。結果だけ見るとリーガは首位、死のグループに入れられてしまったCLのグループステージも無敗で通過しています。これは悪くない結果です。しかし、ピッチ上のプレー内容は安定感という言葉から程遠いものです。昨シーズンは良くも悪くも「安定」していただけに今シーズン、特に失点の部分で粗はかなり目立ちます。

まずはそのジェットコースターのような前半戦を時期ごとに振り返っていきたいと思います。尚、時期分けはあくまで僕の主観なので、ご了承ください。

1、スタイル転換疑惑期(第1節~第4節)

メッシの負傷から始まった今シーズン。開幕戦ではブスケツがスタメンを外れ、新加入のフレンキ―がアンカーのポジションに入り、アレニャが先発起用されるなど、世代交代を意識しているかのような人選となりました。しかし、この試合はアドゥリスのゴラッソを食らい、敗戦。さらにはスアレスデンベレを負傷で失ってしまいます。

厳しい船出になるかと思いましたが、ここから若手カンテラーノの躍動が始まります。カルラス・ペレスとアンス・ファティの活躍は序盤戦の大きなトピックとなりました。ペレスはベティス戦で、アンスはオサスナ戦とバレンシア戦でゴールを奪います。彼らの存在は未来に向けてファンが希望抱くだけの大きな光となりましたね。

さらに僕達が希望を持ったのは、プレー内容の改善です。幅広く動き回りハードワークができるグリーズマンを最前線に置き、両サイドにはカンテラーノを配置。幅を取ったウイングが作ったスペースにインテリオールが進出する、昨シーズンとは変わったフットボールを観ることが出来ました。オサスナ戦こそ勝ち点を落としたものの、ベティスバレンシア相手には5得点を奪い、圧勝。特にベティス戦ではメッシ・スアレス不在で5得点を記録したわけです。これは今まででは考えられないことでした。

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バレンシア戦 スタメン

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この時期は本当に見てて楽しかったです。若手の躍動と魅力的な試合内容に酔いしれました。勿論この時点で懸念はあったわけですが、バルベルデとチームが変わりつつあるのだろうかと思える時期ではありましたね。

2、2大エース+新スタイル融合試行期(5節~8節)

アンスが躍動した4節バレンシア戦の後半で輝いたのが負傷明けのスアレスでした。まるで世代交代に待ったをかけるかのようなゴラッソを2発叩き込んで。次のCLグループステージ第1節のドルトムント戦では、メッシが今シーズン初出場を果たします。メッシはこのあと負傷を再発させますが、ともかくここから新機軸とメッシ&スアレスの2大エースを融合させられるかというのは大きなテーマになってきます。

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ビジャレアル戦ボール保持時

第6節ビジャレアル戦ではこのような新たな形になっていましたね。両インテリオールはかなり攻撃的に振舞い、かつメッシはほとんどの時間中央でプレーをしています。ただ、当然バランスは崩れてしまいました。インテリオールが高い位置でプレーする分、ブスケツの両脇が晒され、危険なピンチを多く作られてしまいます。

この問題の解決策としてバルベルデが編み出したのは、ブスケツを外し、より機動力の高いフレンキ―をアンカーに置くプラン。アルトゥールとコンビを組むインテリオールにはビダルが起用されるようになります。CL第2節インテル戦では後半の早い時間にブスケツを下げ、ビダルをトップ下で起用。アルトゥールとフレンキ―にダブルボランチを組ませ、逆転勝利を演出しました。

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インテル戦後半

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その次の8節セビージャ戦でブスケツはスタメンを外れ、ビダルが先発入りします。4-0でセビージャを一蹴したことで、ブスケツ外しに現実味が出てきます。メッシ・スアレス同時起用とスタイルの原点回帰の両立を図ろうとした結果、バルサスタイルの権化ともいえるブスケツが割を食うのは何とも皮肉な話です。

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3、バルベルデ思考停止期&Hikotaブログサボり期(9節~14節)

ただ、ブスケツをいつまでもベンチに置くわけにもいかなかったのでしょう。そして何故か冷遇され続けるラキティッチ。ここからチームは迷走を極めます。恐らく、バルベルデはこの時期、制約が多すぎて全く思考をしていなかったと思います。誰々を使えとか使うなという上からの要求が多すぎて。僕の勝手な推測ですが。

なので、適当にスター選手を並べてみました!みたいなウイイレ采配が目立ったのがこの時期。そしてこのような試合分析する価値もねえぜ!とマッチレビュー執筆を放棄したHikota。はい、完全な言い訳ですね、ごめんなさい笑。

中盤のメンバーが毎試合の様に変わり(フレンキ―以外)、それでもバランサーの役割を担ってきたラキティッチはほとんど使われず、この時期は本当にカオスでした。CL第4節スラヴィア戦では、伝説に残る6トップを披露します笑。これ試合を見ると、相手のDFラインに本当に6人の選手が張り付いていました。前線にはスペースがなく、グリーズマンは孤立。メッシも本来の輝きを披露できずにいました。

ホームで格下相手であれば、個の力をふんだんに使って大量得点で勝ってしまえるのですが(バジャドリー戦、セルタ戦)、アウェイだと相手の圧力に屈してバランスを崩してしまいます。第11節のアウェイレバンテ戦では1-3の完敗を喫してしまいます。最下位のレガネス戦では勝つには勝ちましたが、見るに堪えない辛勝でした。

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ホームでスラヴィアに引き分け、アウェイでレバンテに完敗。今シーズンの行く末を案じるには十分すぎる要素でした。まさに暗雲立ち込めるとはこのことですね。この時期は見てて本当に苦しかったです。

4、バルベルデ吹っ切れ期(第15節~第18節&第10節)

レガネス戦の次の試合はドルトムントとCLグループステージ突破をかけた大一番、さらにはアトレティコとの決戦が控えていました。この2連戦にバルベルデはどう挑むのか注目が集まりました。バルベルデが選んだのは「バルベルデスタイル」への原点回帰でした。その象徴だったのが「元愛人」ラキティッチの先発復帰です。

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インターナショナルウィーク中にフロントとの間に何らかの話し合いがあったのか、バルベルデが吹っ切れたのか分かりませんが、ひとまずバルベルデは昨シーズン上手くいっていたやり方に戻し、この過酷な2連戦で勝ち点6を確保しました。丁度アルトゥールの離脱と重なったということもあり、ここからラキティッチは毎試合先発出場します。インテリオールを低めの位置に下げ、バランスを取らせ、メッシにスペースを作るお馴染みのプレースタイルです。

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しかし、続くソシエダ戦とクラシコでは相手のハイプレスに苦しみ、勝ち点2の獲得に留まってしまいました。特にクラシコでのプレー内容はかなり悪かったですね。やはりハイプレス&ボール保持が上手いチームにはとことん弱いというバルベルデバルサ攻略法が改めて各チームに知れ渡ってしまいました笑。

それでも個の力でねじ伏せてきたのがバルベルデバルサなわけですが、メッシはともかくとしてスアレスの衰えが顕著な現状ではクラシコのようなインテンシティの高い一戦では勝てなくなる可能性が大いに高くなることが予想されます。そういう意味で示唆的な2試合だったと思います。

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バルベルデのスタイルは現状を考えれば、ベターな選択の1つであるかもしれませんが、限界は見えているだけに後半戦に向けてどう課題を克服していくのか注目していきたいところです。

 

■新加入選手たちの評価

ここまで簡単に前半戦を振り返ってきました。次に、新加入選手について触れていきたいと思います。

まずは、フレンキ―から。ここまで全公式戦に出場と早くもチームに不可欠な存在となりました。当初はスタイルの変化に戸惑っていましたが、アジャストは早かったです。技術はもちろんなんですけど、目を引くのがサッカーIQの高さと身体能力。ちょっとここまでの逸材だとは思わなかったので、シンプルな驚きでした。今後10年にわたってバルサの中盤の牽引できる存在です。本当にすごい。

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次にグリーズマン。某媒体で前半戦のチームワースト選手に選ばれていましたが、初年度の前半戦で8ゴール4アシストは上出来でしょう。守備貢献も高いですし、わりとシンプルにプレーしてくれるので、流れが壊れにくいというのはあります。単独での突破力が低いので、周囲との連携が良くなればさらなる活躍も見込めるはずです。メッシからの信頼も徐々に掴みつつあります。

ジュニオルは厳しい船出になりましたね。アルバの負傷離脱という絶好の機会を活かせませんでした。イージーなミスが多く、まだ遠慮がちにプレーしている感が強いです。もっとも、彼は即戦力というより、将来のために買われた選手だと思うので長い目で見ることが必要ですかね。

ネトは1試合しか出ていないので評価のしようがありません。コパ頑張って欲しいですね。

 

■雑感

さて、ここまで簡易的にまとめてみましたが如何でしたか?19-20シーズンの前半戦の評価は難しいものになってしまったと個人的には思っています。冒頭でも述べたように結果は悪くありませんが、プレー内容が良くない上に安定感を欠いてしまっているので、その分昨シーズンよりも試合を観ていてストレスが溜まりやすくなっています。

何か、フロントが今シーズンは結構采配に介入している感が強いなとは思っていて。それこそラキティッチの冷遇もそうですし。フロント主導で無理矢理世代交代しようとしているような感じですかね。世代交代は歓迎すべきことなのですが、それ本当に今の状況分かってやってる?とツッコミを入れたくなるのもまた事実なので悩ましいです。

僕は元々、メッシとスアレスがいる間は原点回帰は難しいと考えている人間なので、結局ラキティッチが重用されるバルベルデスタイルに戻ることは特にサプライズではありませんでした。しかし、対戦相手の対策が進んでいる中、難しいなりに何か変化が欲しいというのがファン心理というものでしょう。特にクラシコのような試合を見せられると尚更ですね。

メッシとスアレスの2人が守備をしない(できない)という異常なチーム状況ではあるものの、もう少し何とかできないのかなと思う次第です。選手にもバルベルデにも。まあ一番の癌はフロントですが。少なくとも昨シーズンのような負け方はもうしたくないなあと思います。

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勿論、悪いことばかりではなかったです。序盤戦は面白かったですし、大量得点で勝つ試合は意外と多かったです。ただ、後半戦、特にCLを考えると不安は募ります。何度かブログで書いていますが、CLで勝ち進むカギはグリーズマンにあります。彼が強豪相手のアウェイ戦で得点を奪うことができればあるいは…。

ちなみに前半戦MVPはテア・シュテーゲンですかね。ボコボコ失点しましたが、彼でなければもっと増えていたはずです。キック精度も流石の一言。なんせここまで2アシストを記録していますから笑。メッシはスペシャルな存在ですが、テアもそれに匹敵するとまでは言えないものの、アンタッチャブルですねもう。

あ、あとデンベレの名前を一応出しておきます。負傷期間が長いのと、最初の離脱の経緯がしょうもなかったということもあり、最近彼がスカッドに入っていることを忘れてしまうので備忘録です笑。後半戦では、こんな失礼なことを言う僕を見返してほしいものですね。もう崖っぷちですから。アルトゥールも。良くない噂が多いので。

もう1つだけ。29日、アレニャのベティスへのレンタル移籍が決定してしまいました。2年目の飛躍に期待していただけに残念ですが、出場機会のことを考えると致し方ないと思います。彼には頑張って欲しいです。ベティスで研鑽を積み、来季重要な戦力になってくれれば。

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■1年間ありがとうございました

本記事で2019年の更新はラストとなります。皆さん1年間ありがとうございました。今年の1月に始めたブログですが、読んでくださる皆さんのおかげでここまで続けることができました。ブログを始めたことで僕の生活はよりサッカーに傾倒していきました。本当に幸せなことですね。

2020年も変わらず更新を続けていきたいと思いますので、今後もご贔屓にしていただけたら嬉しいです。それではよいお年を。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。