Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【マッチレビュー】19-20 CLグループステージ第2節 バルセロナ対インテル

はい、こんにちは!今回はCL2戦目、ホームのインテル戦のマッチレビューです。前回の開幕戦ドルトムント戦でも辛くもスコアレスドローに持ち込んだバルサですが、今節はホームで白星を挙げることができるでしょうか。

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■スタメン

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ホームのバルセロナはメッシがスタメンに復帰。ジュニオルは試合前に負傷し、招集外に。右サイドバックにはセルジ・ロベルト、左にはセメドが入ります。今シーズンの定番になりつつある中盤のセットとMSGの共演はこれが初めてになります。

一方のインテルはいつも通りの3バック。コンテ十八番の布陣ですね。国内で猛威を振るっている超重量系FWルカクは負傷により、招集外に。エースのラウタロとコンビを組むのは元バルサアレクシス・サンチェス。古巣との対決で違いを作れるか注目が集まります。

 

■前半

インテルのプレスそして先制点

開始から激しくプレッシャーをかけたのはインテル。かなり高い位置からバルサのビルドアップを阻害しにかかります。

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インテルのプレス

このようにかなりガッツリ前からハメにかけてきました。CBと中盤は同数で監視します。ブスケツ番は左インテリオールのセンシが基本的に務めていました。バルサのSBは状況によってWBが監視するか、CFもしくはCHが二度追いするという原則があったようです。WBが出る場合は図のようにDFラインがスライドし、4バックを形成します。

バルサもこのプレスにめげず、グリーズマンフリック→アルトゥールのコンビネーションで回避すると、開始1分でグリーズマンミドルシュート。激しい攻防が予感されました。

しかし、試合はいきなり動き出します。サンチェスがセンターサークル付近でラングレのファウルを誘い、インテルがFK獲得。これをインテルがリスタートしてセンシにボールをつけます。慌ててピケが潰しにいきますが、センシはサンチェスに落とし、ピケが空けたスペースにサンチェスがスルーパス。ここに走りこんだラウタロ・マルティネスとラングレが競争しますが、ラウタロが一歩早く。ラングレに体を寄せられながらも左足でゴールにねじ込んでインテルが先制に成功します。

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インテルリスタート時の陣形

またも悪癖が出てしまいました。このチームはプレーが切れると集中も切ってしまう傾向があります。あのリバプール戦の反省があまり活かされていないのでしょうか。インテルは決して素早くリスタートをしたわけではありませんでしたが、ご覧のようにバルサの陣形は隙だらけでした。もう少し引き締め直したいところです。

またラウタロのゴール自体は素晴らしかったですね。裏へのランニングコース、スピード、体幹の強さ、左足のシュート。どれをとっても完璧なゴールでした。今後ラウタロは世界最高峰のFWに成長するのではないでしょうか。そしてバルサはこのあともラウタロの動きに悩まされることになります。

インテルの5-3ブロック

さて、いきなりカンプ・ノウでビハインドを背負ってしまったバルサは立て直しを図りたいところ。しかしコンテが築き上げた今季セリエA全勝を誇る守備組織を攻略するのは簡単ではありませんでした。

先制してもインテルはハイプレスに行けるときはハイプレスをかけ、そうでない時はしっかりと5-3-2のブロックを作って守ってしまいます。特筆すべきはDFラインで、かなり整備されているという印象を受けました。先ほども紹介した通り、コンテのシステムのメリットは状況に応じて3バック・4バック・5バックを使い分けられる点にあります。

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前半8分のシーン

メッシがセンターサークル付近でボールを受けたとき、素早く3CBのセンターのデフライが寄せていきます。このときのDFラインに注目です。他の4人が素早く収縮して4バックを形成しようとしています。前半のインテルはここのチャレンジ&カバーの部分がほぼ完璧でした。このような背景もあり、インテルのCBはかなり頻繁に前に出て「潰し」のタスクを担っていました。

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5-3-2に出来やすいスペース

5-3-2というシステムの構造上、スペースが生まれやすいのは図で示したような3の脇。バルサもそれを理解しているのでこの脇のスペースを有効活用しようという意図は見受けられました。 

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前半12分のシーン

右に寄せて左のハーフスペースを使うパターンですね。このパターンは何度か意図的にやっていたと思います。特にメッシという選手には基本相手の視線とマークが集中するので、比較的このようなボールの運び方はし易かったのではないでしょうか。

問題をここから。前半のバルサはなかなか崩しの局面で上手くいきません。インテルの5-3ブロックが堅いというのも一因ですが、ラスト30メートルでスピードアップすることができません。昨シーズンのバルサであれば崩しの局面でリズムチェンジをする方法は主に2つ。

1つはメッシのドリブル、もう1つがジョルディ・アルバの大外から斜めのフリーランニング。この2つのプレーをスイッチにバルサは一気に崩しへギアを上げるのです。この試合の前半に関して言えば、メッシはインテルの監視+負傷明けという条件もあり、なかなかドリブル突破することができず。左サイドバックに入ったセメドは上がるタイミングやポジショニングを心得ていないので・・。

ちなみにセメドに対しては賛否両論あるようですね。上記の通り、ボール保持時は問題を抱えている彼ですが、やはり守備面では頼りになる。前半のバレッラのシュートブロックと、ラウタロに食らいつきコーナーに逃れたこの2つは文字通り決定的なプレーだったと思います。

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14分には大外からのセルジ・ロベルトのクロスからグリーズマンがヘディングで合わせますが、これはかなり再現性が低い攻撃でしょう。インテルの守備陣を高さがありますし、あのようなハイクロスはあまりバルサでは好んで使われないものなので。

シンプルなインテルのボール保持時

そしてインテルのボール保持時の目的はいたってシンプルで、第一優先は「バルサのハイラインの裏を突く」でした。特にラウタロのスピードを活かしていこうという意図は窺えましたね。

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前半15分 ラウタロの裏抜け

このシーンのようなラウタロの2CB間を抜けるような斜めのランニングにバルサ守備陣はかなり手を焼きました。先制したということもあって、早い段階で裏のスペースを狙うというのはチーム全体の共有事項だったと思います。ゆったりとしたポゼッションでバルサを押し込めるというシーンはあまり見られませんでした。

そのため、この試合ではあまりバルサが4-4ブロックを自陣に作るというシーンが見られませんでした。負けていたということもあり、バルサはかなり前からのプレッシャーを意識していました。これが得点が必要だったからなのか、それとも元々のこの試合でのコンセプトだったのかは分からずじまい。

しかし、あまり引いて守る必要がなかったことは後半の戦いにおいてバルサを優位に立たせる一つの要因になっていきます。

■後半

ビダルトップ下という解決策

とりあえず後半開始からのメンバー交代は互いにありません。前半と同じくバルサインテルを自陣に押し込んで、突破口を開こうとしますが、なかなかこじ開けることができません。そこでバルベルデは最初のカードを切ります。51分、ブスケツに代えて前半からアップを続けていたビダルを投入します。

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ビダルトップ下

フレンキ―をアンカーに下げて、ビダルをインテリオールに入れるのかな~なんてなんとなく考えていましたが、バルベルデはこのようなビダルトップ下の4-2-3-1にシステム変更してきました。ブスケツを下げたのは機動力を重視したからでしょうか。ビダルトップ下といえば昨シーズンのアトレティコ戦やベティス戦でも採用されていますから、常にバルベルデのオプションとしてあるのでしょう。

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18-19ベティス戦 ビダルトップ下 

さてビダル投入の意図はどこにあったのでしょうか。 まず1つはプレッシングの強化でしょう。カバーシャドウに優れ、2度追いもどんとこいの彼を前線に入れることで確実に相手選手にかかる負荷は上がります。そしてもう1つ。ボール保持時に、ビダルを左のハーフスペースに配置することで、相手に与えるプレッシャーを強めます。

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メッシとビダルがハーフスぺース

例えば、後半9分の配置はこのようになっていました。アルトゥールがボールを持った時に、ビダルとメッシが中盤脇にポジションを取り、グリーズマンとセルジ・ロベルトが幅を取っています。後ろからの走り込みに優れ、空中戦にも強さを発揮するビダルがこのポジションに配置されることで、攻撃に厚みが出ます。実際、このあと左のグリーズマンのロークロスからいきなりビダルがシュートを放ちます。

そして後半13分、バルサがついに同点に追いつきます。メッシがペナルティーエリア右の深い位置までドリブルで進入すると、インテルのディフェンスと中盤のラインはペナルティーエリア内に全員が入って守備。そのため、手薄になるのはペナルティーエリア手前のスペース。メッシは後方のビダルにパスを出すとビダルペナルティーエリアの角からクロスボール。これをスアレスがエリア外でボレーシュート

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スアレス1点目 メッシのドリブルが8人を引き付ける

シュートは超絶ゴラッソでしたが、やはり光ったのはメッシの存在感。メッシのドリブルに気を取られて、インテルはラインを大幅に下げてしまい、ビダルスアレスは自由になることができましたね。スアレスのポジショニングも秀逸で、インテルの目線がメッシに集まったのを確認してゴールから離れる動きでフリーになりました。この辺りはスアレスがストライカーとして非凡なところですね。

後半15分にもビダルがライン間で受けてメッシに繋ぎ、グリーズマンの決定機に繋がりました。バルサらしい交代かといえば、NOかもしれませんが、この試合に限っていえばビダルトップ下の一手は有効だったと言えるでしょう。

逃げ切りたいコンテ 無慈悲なメッシ・スアレス

畳み掛けたいバルベルデは後半20分にグリーズマンに代えてデンベレを投入。この日のグリーズマンもあまりインパクトは残せませんでしたね。昨シーズンから何度かお伝えしていますが、バルサの左ウイングはかなり難解なタスクを要求されるので、もう少し長い目で見てあげたいところですかね。

ビダルに手を焼いていたインテルは2トップの一角に入っていたサンチェスを下げて中盤にガリアルディーニを投入。センシをトップ下気味の位置に配置します。さらにカンドレーバに代えてよりSB色の強いダンブロージオを投入します。この辺りからコンテはカンプ・ノウで勝ち点1ならオーケーの考え方だったのだと思います。

デンベレ投入後は、フレッシュな彼がドンドン左サイドから仕掛けていきます。まあぶっちゃけ有効だったかと言われると何とも言えないのですが、ビダルが左のハーフスペース、セメドが左SBという配置においてはグリーズマンよりもデンベレの方が活きそうな印象は受けました。グリーズマンもアルバがいるともう少しやりやすいと思いますが。というか僕はデンベレにもう少し幅取って欲しいなって思ってたのですが、あれはバルベルデの指示なのか、本人の何となくのポジショニングなのかどちらでしょう笑

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本当は大外で違いを作って欲しいな

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そして、後半38分、バルサがついに逆転に成功します。バレッラのクロスをテアがキャッチすると素早くビダルにスロー。ビダルは右サイドのメッシにパスを出します。ここからがメッシ劇場。アサモアをあっさり躱すと、ペナルティーエリア手前まで侵入。4人を引きつけると中央のスアレスにパス。スアレスは完璧なファーストタッチハンダノビッチとの1対1を創出するとこの勝負に勝利。バルサが見事なカウンターでリードを奪いました。

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スアレス2点目

まあメッシのドリブルは流石の一言ですし、決めたスアレスもお見事。圧倒的な個の力でねじ伏せてしまいましたね笑。見逃せないのはビダルがランニングでメッシのドリブルをサポートしていました。いや、本当にビダルの貢献度はエグいですね笑。彼がもし今22歳くらいならどんなに良かったでしょう笑。

追いつきたいインテルですが、一旦守勢に回ったチームに再びテアシュテーゲンを脅かすエネルギーはありません。試合はこのまま2-1で終了。バルサは貴重な勝ち点3を手にしました。

 

◾︎雑感

バルベルデの修正とメッシ・スアレスの個の力で押し切るという昨シーズンを彷彿とさせるような勝利でした。負ければグループ突破に暗雲だったので、まあまず勝てて良かったねが先に来るのですが、モヤモヤ感は残ります。

インテルは非常に強敵でしたが、やることが明確すぎたなという印象です。前半の部分で少々触れましたが、もう少しポゼッションでバルサを押し込む時間帯があると、リトリートの時間が増えてバルサとしては厳しかったかなと思います。まあ就任数ヶ月でかなり色は出ていたのでそこは流石コンテといったところでしょうか。サン・シーロでのリターンマッチが怖くもあり、楽しみでもあります笑。

バルサはこの試合、負けていたということもあり、トランジションの部分をかなり頑張っていたので、比較的高い位置でボールを奪えたのは大きかったなと。逆にそうでない場合、このメンバーでも4-4-2でリトリートするのでしょうか。となると心配なのは右インテリオールに入るフレンキーの負担の大きさ。広範囲に動き回りたい彼の特性と、このポジションに求められるタスクは親和性が低いだけに。

となると、今日の後半のように明らかに機動力の弱いブスケツを外して、若いフレンキー、アルトゥール+走れるビダルorセルジ・ロベルトという中盤のソリューションをバルベルデは好んで使うかもしれません。ブスケツのデビューシーズンから欧州サッカーを見始めた僕としては、彼の立場が危うくなっているこの状況は何とも筆舌に尽くしがたいのですが…。この辺はいずれまた考察します。

さて、次はカンプ・ノウでセビージャを迎え撃ちます。しっかりと勝ち切って代表ウィークを迎えたいところです。応援しましょう!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。