Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】プジョル以来の闘将 19歳ガビがバルサを引っ張る時代へ 後編

こんにちは。

それではガビ記事、後半行ってみましょう。

↓前編はこちらから!

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ガビの凄みを語る

前編ではガビの輝かしいデビューからの約2年半のキャリアを振り返りました。後編では彼のプレーヤーとしての凄みを詳細に書いていきたいと思います。

技術と狂気を併せ持つオールラウンダー

多くのカンテラ出身者と同じく、ガビのプレーを支える大きな要素の1つが基礎技術の高さ。パス、トラップ、ドリブルの技術が安定しており、非常にミスの少ない選手です。特筆すべきはターンの鋭さで、ピッチ上のどこにいても綺麗に回転することが可能。左右どちらの足も器用に使えることに加えて、ボディコントロールが巧みであり、ライン間で守備者と入れ替わる一連の動作にはため息が出ます。

ターンの技術に代表されるように、デビューから1年半でガビが見せたのは「レシーバー」としての有用性。狹いスペースでのプレーを苦としないため、ライン間でのプレーを恐れません。22-23のバルセロナが途中から安定した要因は2列目にガビ(主に受け手)、3列目にフレンキー(主に出し手)とボールロストの少ない2人を左サイドに並べたことでした。

しかし、水準以上の技術を持ち合わせてはいるものの、クリエイティビティという意味では偉大な先輩であるシャビ・エルナンデスアンドレス・イニエスタ、または同年代のペドリといったトップオブトップのクラックと比べると見劣りします。それでもガビが現代のバルセロナで欠かせない選手になったのは、技術だけでなく、「狂気」と形容できるほどのアグレッシブなプレースタイルが可能なフィジカルとメンタルを兼ね備えている故と言えるでしょう。

カンテラ出身者において彼ほど非保持時に相手と身体的なデュエルができるミッドフィルダーは珍しいでしょう。ペドリも守備が上手い選手ですが、あくまで巧みなのはスペース管理とカバーリングの類。一方、ガビは自らの身体を相手にぶつけ、ボールを奪い切れる生粋のファイターです。わざと相手にぶつかる位置でボール受けてないかと疑うほどにファイターです。

身長は173㎝と小柄な部類ですが、ターンの美しさにも表れているように体幹が信じられないほど強く、負けん気の強さも相まって(時には反則スレスレ、もしくは反則ど真ん中の)ハードタックルで相手からボールを奪い返します。

ボールを相手から取り上げる力が弱いがために、近年のバルセロナはポゼッションに長けた相手にタコ殴りにされる試合が少なくありませんでした。リオネル・メッシの退団直後に突如としてトップチームに現れたガビはまさに贈り物。バルセロナの言語でボールゲームの一員となりながら、相手からボールを奪い返してくれる選手はまさにバルサが追い求めていたタイプだったと言えるでしょう。

ガビのアグレッシブさはプレッシングとネガティブ・トランジションの際に大いに発揮されます。奪えると判断するや否や凄まじい勢いでボールホルダーに襲い掛かり、一気にボールを奪取。バルセロナにおいてもスペイン代表においても彼のボール奪取がそのままゴールにつながったシーンは数多くあります。

↓2023年6月ネーションズリーグ準決勝イタリア戦開始早々のピノのゴールを演出(0:36~)

このシーンではガビはトップ下で起用されており、中盤の選手をマークしていましたが、GKにボールが下がった時点で既にCBをロックオン。意図通り、CBにボールが出るとダッシュであっという間に間合いを詰めるとボールを突き、それがジェレミーピノの先制ゴールに繋がりました。

このシーンに代表されるようにガビの前方向へのプレッシング(勿論プレスバックも)はチームを前方へ駆り立てます。トランジションの徹底と、ハイインテンシティを拠り所とするシャビバルサにおいて、ガビはまさに不可欠な存在と言えるでしょう。

ボールを持てば安定感のあるプレーでチームの血脈となり、相手のボールになれば果敢に襲い掛かりボールを奪い、ゴールへ結びつける。ガビはまさにエネルギーの塊であり、あらゆる局面においてチームを活性化させる潤滑油のような選手なのです。

「ぶっ飛んだ」メンタリティ

ガビのピッチ上における堂々たるパフォーマンスは彼の尋常ならざるメンタリティによって成り立っています。

言葉を選ばずに言えば、「ぶっ飛んで」います。ビルバオ戦で明らかに相手が蹴ろうとしているボールに頭から突っ込んでいった例のシーンは狂気のエピソードとしてあまりにも有名だとしても、ガビの負けん気の強さはちょっと異常です。

思えばデビュー以来、ガビが緊張したり怯えている姿をテレビで見た記憶がありません。長年トップチームでプレーしている重鎮かのように堂々と自分のスタイルを貫くだけの精神力をガビは備えているわけです。遠慮するどころか、16歳も年上でレジェンドであるレバンドフスキを試合中に怒鳴りつけ、ど突くくらいですから(笑)。

負けん気があまりにも強すぎるが故に、相手に躱されることを嫌がり、不用意にユニフォームを引っ張ってイエローカードを貰う悪癖は玉に瑕ですが、彼の溢れんばかりの闘志は近年のバルセロナに欠けていたものだったように思います。

まだ若いが故に冷静さを欠くシーンも少なくありませんが、バルセロナというクラブを愛し、自身の犠牲を顧みず、ユニフォームを汚してチームに貢献する姿は伝説のキャプテンであるプジョルに重なる部分があります。

↓エンブレムにキスするシーンで僕はプジョルを感じました。

youtu.be

あまりのハードタックルにヒヤヒヤすることもありますが、これだけ熱い選手はバルセロナというクラブにとって本当に貴重な存在です。チームメートからの「愛され力」も十分。次代のキャプテンとしての資質は兼ね備えていると見て間違いないでしょう。

 

10代最後に訪れた試練を乗り越えて

本来であれば、今後の課題・展望として、今季新境地を開いた3列目のプレーのことなど色々書きたいことがありました。しかし、今回全く違う方向でこの章を書かなければならなくなったことを本当に残念に思います。

2023年11月19日は恐らく、ガビにとってキャリアワーストの日になりました。グルジア代表との一戦にラ・ロハのスタメンとして名を連ねたガビは試合中に大怪我を負い、負傷交代。診断の結果は、前十字靭帯断裂及び半月板の損傷。当初の想定よりも重い診断となり、離脱期間は7ヶ月から~9ヶ月と報道されています。今シーズンは勿論のこと、6月に開催されるEURO2024の出場も不可能となり、長引けば来季の開幕にすら間に合いません。

前十字靭帯断裂と半月板の損傷は難しい怪我で選手生命を左右しかねない代物です。スペインのレジェンドの1人であるダビド・シルバも今夏、前十字靭帯の損傷で引退を決意しました。現在ブライトンにレンタル中のアンス・ファティは2020年に負った半月板の損傷で大きくキャリアが狂った選手です。同じ怪我でも骨折や筋肉系の怪我とはその重みが違います。

僕自身、このニュースを聞いた時本当にショックを受けました。ここ5年のバルセロナ関係で言うならリオネル・メッシの退団に次ぐ衝撃でした。アンフィールドでの大逆転負けも、バイエルンの2-8も、財政破綻も、ガビの負傷のニュースに比べれば些細な出来事だったように思います。

それくらいこの2年半、特にシャビが監督に就任してからの約2年間のバルセロナにとってガビは不可欠な存在であり続けました。ボロボロのクラブ状況の中で、休みもせず、必死に闘い、チームを鼓舞する10代のカンテラーノの強大なエネルギーに励まされるように、バルセロナは2023年、2つのタイトルを獲得しました。

本当はバルサはもう少し低迷するはずだったのかもしれません。バルトメウ前会長の悪政とリオネル・メッシの退団で、グアルディオラ時代から続く「メッシ・バルサ」の大きなサイクルが終わりを迎えたバルセロナはもう少しタイトルから遠ざかる運命だったのかもしれない、とふと思うことがあります。

ガビの力だけで獲ったタイトルだとは勿論言いませんが、昨シーズンのスーペルコパの優勝、そしてラ・リーガの奪還はガビの存在無くして成し得ることは難しかったのではないでしょうか。ネガティブな話題が多かったここ2年のバルセロナにおいて、ガビは象徴であり、ファンの希望であり続けてくれました。最も頼りになる選手でした。本当に大好きな選手です。今も、これからも。

輝かしい10代の最後に、とんでもない試練を迎えることになったガビ。でも、振り返ると若くしてあまりに急速に進み過ぎたと思うのでこれを機にゆっくり休んで欲しいです。これまでも不屈のメンタリティでファンを驚かせてきた彼なので、必ずピッチに戻ってまたエネルギッシュなプレーを見せてくる日が来ると信じています。こちらが心配になるくらい元気なガビがまた見れるはず。

そして、いつの日かプジョル以上のカピタンとなって腕章を巻いたガビが、大きなタイトルを掲げる姿が見れることを、1ファンとして切に願うばかりです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。