Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【考察】バルサスタイルに困惑中?フレンキ―・デ・ヨングの起用法を探る

はい、皆さんこんにちは。ようやくインターナショナルウィークも終わり、リーグ戦が戻ってきますね。短いようで長い2週間でした。リーガではいきなりバレンシアと対戦し、5-2で勝利しました。この後はCLでドルトムントとぶつかるというこのインターナショナルウィーク明けはシーズン最初の山場になってきそうですね。

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さて、今回扱うのは新加入のフレンキー・デ・ヨングについて。僕がTwitterでこのブログで書いて欲しいお題を募集したところ、1番多かったのがフレンキーの起用法について!でした。ということでこの段階でのフレンキーの評価、今後の起用法についてたっぷり書いていきたいと思います。

ちなみに皆さんは「デ・ヨング」というファーストネームで1番先に誰を連想しますか?僕は圧倒的にナイジェルです。はい、そうです、あの2010年W杯決勝で、シャビ・アロンソに飛び蹴りをかましたあの坊主頭のナイジェル・デ・ヨングです。なので、僕は「フレンキー」と呼ぶことにしています。まあどうでもいいんですが、念の為笑。

 

◾︎アンカー?インテリオール?

現在、ファンやメディアの間で大きく話題になっているのがフレンキーの適正ポジションはどのなのであろうかという点です。ビルバオと対戦した開幕戦はアンカーで出場しましたが、第2節ベティス戦以降はインテリオールで起用されています。まだまだアヤックス時代のように本領発揮とはいっていないのが現状でしょうか。当の本人も代表合流時にこのように述べています。

レアル・ベティス戦は良くなかった。基本的に僕はボールを受ける。僕はビルドアップにおける最初のステーションなんだ。適応する必要があった。オサスナ戦は少し良くなったが、まだ自分らしいプレーはできていない。改善していく必要がある」

(『SPORT』より)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190905-00010008-sportes-socc

 本人もバルサへの適応に苦しんでいることを認めていますね。フレンキ―は輝きを放っている(た)オランダ代表やアヤックスでは、基本的にダブルボランチの一角もしくはアンカーを務めています(した)。「僕はビルドアップにおける最初のステーションなんだ。」という発言から分かる通り、フレンキ―は比較的低い位置でビルドアップに関わることを好んでいるようです。

例えば本人が不出来を認めたベティス戦のヒートマップを確認すると、フレンキ―の位置は左サイドの高い位置、左ウイングに近いような位置取りをしていたことが分かります。

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『WhoScored』より

非常にアバウトに作りました笑。1番濃かった箇所だけ示しました。この試合で左ウイングに入っていたラフィーニャ(セルタに移籍)が頻繁に内側に顔を出していたため、このような位置取りになっていたと考えられます。

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今シーズンのバルサの特徴としてウイングがサイドのレーンに入り、その分空いたハーフスペースにインテリオールが位置するという立ち位置の変化が挙げられます。

こちらは先日のバレンシア戦のレビュー記事の引用です。今シーズンのインテリオールは高い位置を取ることがタスクになっています。ということでフレンキ―はインテリオールのポジションでは持ち味を100%を発揮することができないのかもしれません。となるとアンカーのポジションが最も適しているのかもしれませんね。

 

■高い高いブスケツの壁

さて、恐らくそれを重々理解しているであろうバルベルデはプレシーズンからフレンキ―をアンカーで起用し、その流れで開幕戦のビルバオ戦でブスケツをベンチに置き、フレンキ―をアンカーに抜擢します。

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しかし、結果的にチームは0-1で敗戦。フレンキ―もラウール・ガルシアの徹底マークに遭い、持ち味を発揮することなく90分を終えます。以下記事の抜粋です。

注目してほしいのはアンカーのフレンキ―にピッタリとラウールガルシアが付いています。ここが前半のポイントの1つで、ビルバオバルサの攻撃の起点となり得るアンカーの選手にマークをつけてきました。

ボールに触りたいフレンキーは様々な局面に顔を出し、ボールを引き出そうと試みます。多くの方が指摘している通り、ここがフレンキーの大きな課題ですね。アンカーの選手に求められる仕事は「ボールを前に運ぶこと」であって、「多くボールを触ること」ではありません。

極端なことを言えば、たとえアンカーの選手がワンタッチもしなかったとしても、良い形で前線の選手にボールが入ればそれでビルドアップのお仕事は完了です。ブスケツはこの辺りのバランス感覚が素晴らしく、マークに来る相手を上手く利用するプレーに長けています。

 この試合のヒートマップを確認すると一目瞭然です。真ん中に留まることなく、幅広く(若干左サイド寄り)プレーしていることがわかります。恐らくアヤックスではこのように動き回ることを良しとされていたと思いますが、バルサのアンカーはビルドアップ、ネガティブ・トランジションへの準備の観点から「動き過ぎない」ことを求められます。

事実、ブスケツがアンカーに入った第3節のヒートマップをチェックしてみると、ブスケツは真ん中に長い時間留まっていることが分かります。画像を載せることができないので、皆さん是非確認してみてください。

結論を言うと、現状「バルサのアンカー」としてフレンキ―はブスケツに及びません。近年衰えが目立ち、批判や不要論もささやかれ始めましたが、依然として彼以上のアンカーはいないと個人的には考えています。

今日に限らず見逃せないのはブスケツの躍動です。彼の真骨頂はパスや体格ではなく、その卓越した認知力にあります。危機察知能力とポジショニングセンスが抜群に高く、その能力を活かした相手のカウンター潰しは特筆に値します。ただフィジカル能力(特にスピード)は極端に低いので、広大なスペースをカバーする役割には向いていませんね。そしてここ5年くらいはブスケツはその苦手なタスクを負わされ続けてきました。

しかし、ここ3試合は近い距離でパスを繋ぎ、前線の選手も積極的にプレスをかける本来のバルサらしいスタイルになっているため、ブスケツの能力が光りやすくなっていると感じます。個人的にはとても嬉しいですね、ブスケツが躍動している姿を見ると。今後どうなるかわかりませんが、ブスケツのプレーには今後も注目していきたいです。

こちらはオサスナ戦マッチレビューの引用です。こちらで書いたネガティブ・トランジションでのボール奪取力は勿論のこと、ビルドアップにおけるポジショニング、判断力は芸術の域に達しています。ワンタッチでシンプルに捌き続けたかと思えば、長い脚を利用して相手の逆を突くプレーでビルドアップを円滑に進めます。
まさにバルサのアンカーになるために生まれてきたような選手です。特に今シーズンは本来のバルサのサッカーに戻りつつあるため、ブスケツの輝きが戻っているように思えます。少なくとも今の序列を考えると、フレンキ―がブスケツに代わってアンカーの定位置を確保するのは難しいのではないでしょうか。
 

■今シーズンはインテリオールが主戦場か

ということで今シーズンはインテリオールが主戦場になるのが濃厚ではないでしょうか。フレンキ―本人と彼のファンにとってはもしかすると不本意かもしれませんね。しかし、皆さんにここで考えて欲しいのはインテリオールを務めたこの3試合、フレンキ―のパフォーマンスに不満を覚えましたか?

僕はNOです。むしろフレンキ―のパフォーマンスに驚嘆したくらいです。今までとは違うタスクを要求されて、それを数試合でこなせてしまう能力と戦術理解度の高さに素直に感心してしまいました。いや、凄い選手ということは分かっていたのですが。

プロなら当たり前と思われるかもしれませんが、これは簡単なことではありません。近年ではアンドレ・ゴメスやコウチーニョが前所属チームと違うことを要求されて適応に苦しんだという事例があります。彼らは実力自体は申し分なかったのですが、適応力は残念ながらあまり高くありませんでした。

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例えば、このような状況を想定してください。僕がフレンキ―をインテリオールで起用する際に危惧していたのが、「ボールを欲しがって下がり過ぎてしまうのではないか」ということでした。しかし、実際の試合では役割をしっかり理解し、高い位置をキープしている場面が多く見られます。
図のようにフレンキ―が高い位置・ハーフスペースに位置することで相手のDFを「ピン留め」することができます。フレンキ―がここにいることで他の選手はより自由に動くことができます。まさに戦術眼の塊と呼べる選手ではないでしょうか。
もう1つ印象的な場面を見てみましょう。

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ベティス戦 

第2節ベティス戦前半8分のシーンです。左サイドを見事な連携で崩しました。フレンキ―がCB-SB間のスペースに移動すると、その動きに合わせてグリーズマンが中盤に落ちます。フレンキ―が空けたスペースに左ウイングのラフィーニャが入り、ラフィーニャがいたスペースにアルバが走りこむというポジションチェンジを瞬時に見せます。

ちなみにこのようなポジションチェンジを「リサイクル旋回」と呼ぶらしいです。先日、結城康平さんの記事で読んでこれだ!と思いました笑。是非こちらの記事を参照ください。

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アルバ→グリーズマンラフィーニャグリーズマン→アルバ→グリーズマンラフィーニャ→アルバと綺麗に動きながら崩し、ゴール前まで一気に持ち込みました。この絡みに直接フレンキ―は関わっていませんが、このような崩しを誘発したのはフレンキ―のポジショニングが要因の1つでしょう。

フレンキ―が前線にポジション取りすることで相手のDFラインは「ピン留め」され、自由にグリーズマンが動き回ることができます。特にフレンキ―がチャンネルに入り、グリーズマンが中盤に落ちるというのはここ数試合のバルサの崩しの1つのパターンになりつつあります。

この他にもフレンキ―はバルサのインテリオールらしく前線に積極的に飛び出していくプレーが多く見られます。先日のバレンシア戦の先制点もそうでしたね。

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バレンシア戦 先制点

これがベストの起用法ではないのかもしれません。フレンキ―のポテンシャルもこんなものではないのでしょう。しかし、バルサに来る選手は自分の色を出していくよりも、まずスタイルに適応することが求められます。マスチェラーノラキティッチといった前所属チームで絶対的な存在だった選手たちも、まずは適応することを求められました。

チームのピースとして機能し始めてから、自分のやりたいプレーや色を出していくのでも決して遅くはありません。そしてフレンキ―は現在要求されていることはきちんとこなしていると僕は考えています。メッシとの共存は気になるところではありますが、少なくとも現時点で彼の将来は明るいなと思います。

今シーズン(あるいは来シーズンも)インテリオールとしてバルサのサッカーの神髄に触れた上で、ブスケツの後継者としてアンカーのポジションに収まるのが完璧なシナリオではないでしょうか。それだけの才能とインテリジェンスがフレンキ―には備わっています。期待しましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。