Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】23-24シーズン FCバルセロナ前半戦 選手評価(S評価・A評価)

あけましておめでとうございます。2024年、日本では激動の始まりとなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年はバルセロナにとって更にいい年になるといいなと思っておりますが、新年一発目のラス・パルマス戦では、薄氷の勝利。まだまだ世界中のバルセロニスタをハラハラさせる展開が、今年も待ち受けていそうな気はします(笑)。

さて、今回の記事ですが、ラス・パルマス戦で前半戦が終了したので、ここまでの23-24シーズンの選手評価やっていきたいと思います。フライングでチーム全体の前半戦総括は別で書きましたので、よければ是非!

 

選手評価基準

査定対象はトップチーム登録の19名+Bチーム所属で常時トップ帯同のラミン・ヤマルとフェルミン・ロペスを加えた21名としました。その他の選手は出場時間が短いので対象外としました。冬加入のヴィトール・ロケも当然対象外となります。

今回はS~Dの5段階評価で各選手の貢献度を格付けしました。ぶっちゃけ言うとかなりフィーリングで採点してるので、厳密な基準はありませんが、大体のイメージは以下の通り。

S評価:花丸!よくできました。81-100点。

A評価:上出来です!この調子。71-80点。

B評価:及第点です。51点-70点。

C評価:もう少し頑張りましょう。31点-50点。

D評価:赤点...。後半戦の奮起を期待します。30点以下。

さて、結論からいきましょう。前半戦の個人的評価は下表の通り。

S評価が1人、A評価が4人、B評価が7名、C評価が5名、D評価が4人となりました。全体的に辛めにつけています。ちなみに選手ではありませんが、シャビ以下コーチングスタッフの評価はCです。

では、個別に見ていきましょう。

記事上のデータは『Football Statistics and History | FBref.com』より。

 

S評価

イルカイ・ギュンドアン

前半戦のS評価は彼のみとしました。チームで唯一2000分以上のプレータイムを記録。33歳の中盤の選手としては過負荷もいいところです。ペドリ、セルジ・ロベルト、フレンキー、ガビと相次いで中盤に負傷者が出る中で、彼だけはピッチに立ち続けました。ギュンドアンがいなければ、とっくにチームは壊れていたでしょう。

「シティではこんなんじゃなかったぞ...」というしかめ面を見せながらも、若く未熟なチームを牽引したギュンドアン。ボール保持の時は慌てずテンポを落とすように選手たちに指示を出し、非保持では前からボールを奪いに行くようにチームを鼓舞。混迷を極めるチームにおいて「良心」であり続けました。

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シーズン序盤こそシティ時代と同じく2列目として出場していましたが、今季の主戦場は3列目に。オリオル・ロメウの不適応によって、中盤の底でチームのタクトを振るう司令塔役を任されるようになりましたが、難なく適応。フィルターとしての強度不足は垣間見えるものの、今のチーム状況を踏まえればやむなしです。

クラシコアトレティコ戦といったビッグマッチにおいては、彼を中心としたパスワークで保持の時間を増やすことでチーム全体の強度不足を補いました。ここからの対ビッグクラブの試合においても、彼がキーになる事は間違いないでしょう。後半戦への期待はとにかく健康体でいることと、シティ時代と同様に徐々に得点ペースを上げることでしょうか。

 

A評価

ジョアン・カンセロ

もう1人のシティからの加入組。ギュンドアンと同じく実力はずば抜けており、あっという間に欠かせない存在となりました。第4節からの合流となりましたが、プレータイムはチーム3位を記録しており、右SBの本職バックアップがいない状況下で、前半戦をやり切りました。それが祟ってか、第19節ラスパルマス戦で無念の負傷交代。早期復帰が望まれます。

何といっても魅力はボールを持った際のクオリティの高さで、純粋な突破力は現在のバルサのアタッカーの誰よりも高いと思います。加入当初は、ボール保持時に内側のポジションを取って中盤的に振舞っていましたが、チーム全体のネガティブ・トランジションの弱さもあって、10月半ばごろからは普通のSBとしての振る舞いが目立つようになりました。

左右どちらのSBでも遜色なくプレーできることも彼の利点の1つ。バルデが信頼を失っていた期間は左SBとしてプレーし、こうやってSBはプレーするんだ、と言わんばかりに輝きを放ちました。

ハイライトはCLグループステージ第5戦ポルト戦。3年ぶりのCL決勝トーナメント進出がかかった大一番で、チームを逆転勝利に導く1ゴール1アシストを記録し、ヒーローになりました。左の高い位置でボールを受け、アタッカーのようにカットインで切りこんで奪った同点弾。ジョアン・フェリックスとの巧みな連携で彼のアシスト役となった決勝点。どちらも傑出していました。

その一方で、マイナス査定となったのはやはり非保持の部分です。技量というよりむしろ集中力に難があり、気の抜けたディフェンスで置き去りにされることも少なくありません。今季失点数が激増していることからも、手放しで評価することはできない、という判断になりました。

シティでも最終的には、この非保持の部分がネックになったと聞いていますし、メリット・デメリットを考えたときにどちらに天秤が揺れるのか。個人的には通常のSB運用であれば、どちらかと言えばデメリット側が重くなるような気はしていて、そこの起用法をどう考えるかなというのが後半戦のポイントになるでしょう。

個人的には左WGで使って欲しいなあという願望はあります。実現性低め。

 

ガビ

負傷がなければ間違いなくS評価。ギュンドアンと並んで前半戦MVPだったでしょう。それだけに代表戦での負傷が悔やまれます。

シャビバルサにおけるガビは間違いなく大黒柱でした。ガビ離脱以降のバルサはスタイルの拠り所を失い、特にプレッシングの部分で苦しむことになりました。

ガビのダイナミズムはチームに活力を与えます。特に傑出しているのは高い位置でボールを奪い取る技術であり、シャビバルサのインテンシティの高いサッカーは彼個人の守備能力の高さに大きく依存していました。

今季は従来の2列目だけでなく3列目でも起用され、プレーの幅を広げました。チームのリーダーとして更なる飛躍の気配が漂っていただけに、あの大怪我が本当に、本当に、悔やまれる。いや、言っても仕方ないですね。

またガビが元気でピッチに戻ってくることを祈りましょう。

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フレンキー・デ・ヨング

ブスケツ退団後の中盤の主として君臨。ガビと並んでシャビバルサに不可欠な存在として、今季も重要なピースであり続けています。

ネガティブ・トランジションの際に、ボールホルダーに襲い掛かるのがガビの得意分野だとすれば、フレンキーは走力を活かした背走とCBのカバーリングを得意とします。ガビとフレンキーが揃ってこそ、シャビバルサバーティカルかつハイインテンシティのサッカーは成立するわけですが、今季結局2人揃う試合が数えるほどしかなかったのは痛恨でした。

今季序盤はロメウと並んでダブルボランチを形成。ブスケツ在籍時は、主(ブスケツ)従(フレンキー)の関係を築いていましたが、今季はフレンキーが主となりゲームメイク。フレンキーが相手のマークを引き付ける恩恵を受け、ロメウは序盤戦上々のパフォーマンスを披露しました。そしてフレンキー負傷離脱後ピッチ上で途方に暮れ、自信を失うことになったわけです。

負傷からの復帰後は、ギュンドアンとコンビを組むことに。ダブルボランチに近い形でコンビとして悪くはないですが、本来の性質を考えるとやはりアンカー+フレンキーの形で、彼を「横移動を制限しつつ、縦に解放する」という起用法がやはりベストなのではないかと感じました。そのアンカーがいない状況なので今季は仕方ないのですが。

ベストな環境下ではなかったものの、フレンキーは持ち前のボールキャリーとデュエルの強さで攻守両面でチームに大きく貢献。フィジカル的に闘える中盤の選手が現段階では彼しかいないので、そこは数字以上に助かっている部分はあるんだろうなと思っています。今季はより得点に直結するプレーを増やしたかったとことですが、前述の事情もあって、バランスメイクに腐心している印象はあります。

マイナス点としては、彼もカンセロと同じく集中力を切らすことが多々あって、特にプレーの切り替えの部分でその傾向が見られます。攻守の切り替えというよりは、プレーの切れ目で足を止めてしまうことが多く、その甘さに付け込まれピンチを招くことが少なくありません。昨年はパパになったことですし、名実ともにチームのリーダーになるべき存在なので、よりパーフェクトな存在を目指していって欲しいところです。

 

イニャキ・ペーニャ

B評価にするか最後まで迷いましたが、2ndGKという立ち位置を踏まえると、彼に要求される仕事はしっかりと完遂してくれたという評価になるのではないでしょうか。

テア・シュテーゲンの負傷に伴って、公式戦合計8試合に出場。13失点を喫し、クリーンシートは僅かに1回。データ上のセーブ率は正守護神の数字を10%ほど下回る結果となっています。また、足元・キックの技術もテアに比べれば当然劣るので、そこの部分での物足りなさは感じます。チームを毎試合救うようなスーパーなGKではないと思います。

しかし、テアの代役としてのミッションは問題なくこなしてくれたと評価しています。大きなミスが少なく、安定感があるのがペーニャのGKとしての美点でしょう。メンタル的にも落ち着いており、基本に忠実なプレーが際立ちます。クリーンシートが1回と書きましたが、そもそもチーム全体の守備の仕方に原因の大半が求められるので、ペーニャを殊更に責められないという悲しい事情もあります(笑)。

2ndGKは立ち位置的にかなり難しいものがあるので、パッと試合出てちゃんとしたパフォーマンスを見せてくれる選手がテアの後ろに控えているのは頼もしいなと感じました。ハイライトはアトレティコ戦でのデパイのFKストップでしょうか。あれでバルサは勝ち点3を手にしたので大きなセーブでしたね。

テア・シュテーゲンは恐らく2月まで戻ってこれません。となると、1月のスーペルコパはペーニャと共に戦うことになります。彼のセーブでタイトルを是非掴んで欲しいところです。

 

はい、本記事はここまで。意外と1人あたりの分量が多くなってしまったので、今回は記事を3つに分けて書くことにします!次回もよろしくお願いします。

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最後までお読みいただきありがとうございました。