Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】19-20 ラ・リーガ第28節 マジョルカ対バルセロナ

こんにちは。遂に!ついに!リーガが。バルサの試合が帰ってきました!いやー、長かったですね笑。ようやく日常が戻ってきた感がありますね!ということで再開初戦のマジョルカ戦のレビュー行ってみましょう!

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↑前回対戦のレビューはこちらから!

 

■スタメン

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ホームのマジョルカは4-4-2でスタート。4-2-3-1でも5-4-1でもないのは少々意外でしたね。注目の久保建英が右で、左にはダニ・ロドリゲスが起用されます。またダブルボランチはババがベンチに座り、セビージャとペドロサがコンビを組みます。

一方のバルサ。まず注目は左CB。ラングレが出場停止、ウムティティがコンディション不良のため、Bチームのアラウホが抜擢されます。中盤最後の1枚はビダルがチョイスされました。復帰初戦のスアレスはベンチに座り、ブライスワイトがメッシ、グリーズマンと3トップを組みます。

 

■前半

マジョルカの意図確認

さあ、試合開始!じっくりマジョルカの陣形を確認しようと思ってた矢先、いきなりバルサが先制点を奪いました。バルサから見て左サイドで、久保がフレンキーからボールを奪ったかに思われましたが、フレンキーは素早いトランジションで奪い返すと、すぐさま大外のアルバへ。アルバがアーリークロスを放つと飛び込んだのはビダル。素晴らしいヘディングが決まりました。

いきなりの先制点。これはアルバのクロスとビダルのヘディングを褒めるべきですね。あのヘディングは簡単ではなかったですが、確実にゴールにねじ込むビダルの兄貴、最高です。ちょうど先日、中盤の得点に関する記事を書いたばかりだったので、これは嬉しかったです。

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それでは、久々のレビューなので丁寧にいきましょう。まずはマジョルカの戦法から。前回対戦では、再三セルジロベルトに大外裏を突かれ、5失点を喫したマジョルカ。対バルサを考えた時に、進撃してくる両SBを如何に食い止めるかは重要な要素の1つです。

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そのため、僕はそこに蓋をするためにこの試合は5バックでスタートしてくるのでは?と予想しました。

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僕の予想はこんな感じ

しかし、現実はまさかの4-4-2。2トップが両CB+ブスケツを監視し、ボールサイドのサイドハーフがSBを、インテリオール2枚はボランチの1枚とボールサイドと逆側のSHがチェックする形。ボランチのどちらか1枚は余っていることが多かったです。ラインは浅めに設定されており、縦方向にも横方向にも圧縮してバルサのプレーエリアを制限しようという意図が窺えました。

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4-4-2の守り方

前からはそこまでプレスをかけずにミドルプレスでそこでボールを奪ってカウンターというのが意図でしょうか。まあ、当然この状況で常時ハイプレスなんかできませんし。

そして、マジョルカの攻撃はこの試合、かなり久保建英のいる右サイドに偏っていました。これは左サイドに本来中央の選手であるダニ・ロドリゲスが起用されたこと、また頻繁に攻めあがるジョルディ・アルバの裏を突くために、このようにしたのでしょうか。エイバル戦は逆に左からの攻撃が多かったので、ここは相手によって変わるのかもしれません。

特に前半は久保のドリブル、シュートがかなり目立ちましたね。バルサとは因縁深い彼ですが、この試合のパフォーマンスはマジョルカの中では傑出していたと思います。もう少し彼と関わる動きがあれば、変わっていたかもしれませんね。でもあの年齢の日本人があれだけ躍動するのはシンプルに嬉しいですよね笑。

メッシの立ち位置とマジョルカの配置転換

しかし、マジョルカはあまりバルサのビルドアップを止めることができません。この試合、目立ったのはメッシの立ち位置。普段よりも右大外に立つことが多く、このポジショニングがマジョルカの左SBのサストレの悩みの種となりました。

4-4-2で横に圧縮してくるチームに対してメッシが大外に立って起点を作るやり方は、バルベルデ政権最後の試合となったスーペルコパのアトレティコ戦や19節エスパニョール戦でも披露されています。大外であってもメッシをフリーで放置するわけにはいかないので、メッシにプレッシャーをかけると内側は必ず空いてきますよね。

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参考:19節エスパニョール戦

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さらにこの日の右SBはセルジ・ロベルトで、右インテリオールはビダル。メッシとのプレーを心得ている彼らはメッシが外なら内側、メッシが内なら外側と、ポジションを入れ替えます。対面の相手がローテーションで変わる左SBのサストレは混乱。右利きの左SBということもあり内側への意識が強く、メッシの外から内側に入る動きに大苦戦。その結果セルジ・ロベルトに裏のスペースを再三突かれました。

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セルジ・ロベルトが裏を突く

で、これは前回対戦と同じ展開なんですよね。マジョルカの4-4-2は大外に致命的な弱さを抱えていて、そこを修正してくると思ったんですが。ちょっとここは残念でもありました。

マジョルカは15分経ったあたりで、配置変更。ダニ・ロドリゲスをトップ下に、クチョエルナンデスを左サイドに配置します。ダニ・ロドリゲスを明確にブスケツにぶつけ、フィジカルに優れたクチョを左に配することでバルサの右サイドの進攻を食い止めようとします。

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マジョルカ配置転換

この変更でしばらくはマジョルカの時間帯が続きましたが、バルサブスケツを一列下げることで対応。これによってロドリゲスと中盤を分断することに成功します。そして、37分、マジョルカの右サイドの大外をアルバが突き、最後はブライスワイトが右足でねじ込み、嬉しいバルサでの初ゴールで追加点。バルサが2点のリードを奪います。

やはりSBの進軍を4-4-2で止めるとなると、重要なのはサイドハーフの守備。しかし、唯一攻撃で違いを見せる久保が下がり過ぎるとカウンターが機能しませんし、実際左サイドのクチョは守備にエネルギーを使い過ぎて、攻撃面でほとんど存在感がありませんでした。難しいところですが、ちょっと中途半端な守備原則だったなとは思います。

 

■後半

奪いに来るマジョルカと戦術兵器GK

後半開始とともにマジョルカは2枚替え。散々振り回されたサストレとクチョをベンチに下げ、フラン・ガメスとラゴ・ジュニオールを投入します。バルサの方はビダルに代えてラキティッチを投入。もしかするとこれは事前のプラン通りかもしれません。

点を取りに行かなければならないマジョルカはボールを奪いに行きます。

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マジョルカ前プレ

後方の同数を受け入れ、このようにスライドしてバルサのビルドアップを阻害しにかかります。久保が前に出てきているのはカウンターの威力を最大化するためでしょうか。中断明けのコンディションと日程を考慮すると、この試合のマジョルカのように前後半で守備のやり方を変えてくるチームは増えてくるかもしれません。

バルサの前半のポゼッションは71%で、後半が59%。バルサの邪魔をするのに、やはり前から制限をかけるのは効果的です。しかし、バルサには前プレ対策戦術兵器のテア・シュテーゲンがいます。彼がペナルティーエリアを出て、11人目のフィールドプレーヤーとして振舞うことで、マジョルカのプレスは思ったほど機能しませんでした。彼の存在は本当に大きいですね。

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 また、マジョルカに2度追い、3度追いできるだけの体力が残っていなかったのも事実。中断と過密日程で各チームプレス強度が下がりそうなのは、バルサにとって大きいかもしれません。

追加点と不安なグリーズマン

余裕が出てきたバルサは積極的な選手交代をします。57分にはルイス・スアレスグリーズマンに代わって久々の登場。71分にはセメドとアルトゥールが登場します。

グリーズマンにはとても懸念を感じてしまいました。彼はこの試合CFの位置で起用されましたが、シュート0本で交代してしまいました。キーパスこそ2本記録しているものの、ブライスワイトがゴールを決め、スアレスが復帰したこのタイミングはかなり彼にとって正念場なのではないでしょうか。彼に関しては個別に記事を書こうと思います。

時折マジョルカの攻勢を食らいながらもバルサは追加点を首尾よく奪います。メッシが一瞬の隙をついて左サイドにスルーパス。これに反応したアルバがGKとの1対1に勝利し、3点目。さらにアディショナルタイムにはメッシがスアレスのアシストから右足でねじ込みダメ押し。メッシはこれで今シーズン20ゴール14アシスト。今季序盤離脱していたとは思えない数字ですね笑。

試合は4-0でバルサの勝利。バルサが再開初戦を会心の勝利で飾りました。

 

■まとめ

まずは再開初戦、白星を飾れたのは大きいですね。久々のバルサの試合、本当に楽しかったです。バルサも万全だったわけではありませんが、記事で散々書いたようにマジョルカどうなの?って思うところの方が大きかったです笑

優勝争いに向けてスアレスの復帰は大きなトピックです。崩し、ビルドアップの局面でCBとデュエルができる彼の存在は思ったよりもチームにとってありがたいでしょう。その一方、メッシ・スアレスが並ぶとなると中盤に過負荷がかかるのはこれまで書いてきた通り。その辺をセティエンはどう判断するでしょうか。

さて、次はホームレガネス戦。いきなり中2日でのゲームとなります。フレンキーが足の違和感で交代したのも気になりますし、その次はセビージャ戦なので、ここは思い切ってメンバーを入れ替えたいところです。もちろん、油断は禁物ですが、上手くやりくりして欲しいですね。

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最後までお読みいただきありがとうございます。