Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】グローブなしでもメッシ級 テア・シュテーゲンの凄さとは

こんにちは!Hikotaです。中々新型ウイルスの影響で落ち着きませんが、細々とブログを更新して参ります。前回記事では簡単なセティエンバルサの振り返りをしました。

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今回はそのセティエンバルサのキープレイヤーであるテア・シュテーゲンに、スポットを当てて記事を書いていきたいと思います。テアと言えば、今や押しも押されぬバルサの絶対的な守護神です。これまでテアの考察記事を書いてこなかったこともあり、いい機会なので、ここでまとめておきたいと思います。ちなみにまだ考察記事にしていない選手は、

セメド、ピケ、ネト、ブライスワイト、アンス

の5人ですね。余裕があったら書いていきたいですが、この5人は実は僕の中でハードルが高かったりします笑。

ちなみに、このブログで宣伝するのをすっかり忘れていたのですが、ちょっと前にnoteの方で、選手名鑑を作成しました。ライターは僕ではなく、Twitterで募りました。よろしければ、こちらも是非お願いします。

note.com

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それでは記事の方、行ってみましょう。

 

■GKとしても、11人の中の1人としても

2014年にバルサに加入したテア・シュテーゲンですが、加入した当初はクラウディオ・ブラボに次ぐ2ndGKという扱いでした。リーグ戦はブラボ、CLはテア・シュテーゲンと完全に分業されていましたね。そしてブラボの退団とともに、正GKに昇格。以来、バルサゴールマウスを守り続ける守護神として君臨し続けています。

バルサに加入した当初の印象は、ビッグセーブはあるし、足元も上手いけど、安定感がなく、どこか頼りないというものでした。しかし、正GKになり試合数を重ねるごとに、いつしか頼りなかったこのドイツ人はチームで最も頼れる男になりました。カンテラーノで構成するのが基本方針であるバルサの4人のキャプテンに推す声もあるほど、ファンからの信頼も厚いです。

テア・シュテーゲンの凄さは多岐にわたります。まずはキーパーとして必要な能力を高水準で兼ね備えています。以前は、ハイボールに弱いとの声もありましたが、近年はそれを感じさせない処理能力を見せつけています。シュートストップが神がかっていることは最早言うまでもありませんね。

彼のセービングを見ていて1つ凄いなと思うのが、我慢ができること。普通のGKなら倒れたり飛び込んでしまうところで、上体を崩さずにアタッカーの動向を待てるメンタルと体感の強さを感じます。今季もディフレクションで、完全に逆を突かれたボールを掻き出したシーンが何度か見られました。

あまりにチームを救うプレーが多いので、いつからだったか、テア・シュテーゲンは「GKグローブをつけたメッシ」と崇められるようになりました。これはバルサの選手が贈られる最大の誉め言葉です。それくらいの貢献度だということです。個人的にもメッシ、ブスケツと並んで代えの利かない選手だと思っています。

しかし、テアの凄みはGKとしての守備能力に留まりません。今回、取り上げたいのはテアのビルドアップの才覚です。もう、これ書きたくて仕方なかったです笑。今回のタイトルに「グローブなしでもメッシ級」とつけましたが、そういうことです。単なるGKではなく、フィールドプレーヤーの一員として不可欠な存在になりつつあるのです。後方からショートパスでのビルドアップを重視するセティエンバルサでは尚更の存在感です。

ということでここからはテアの驚異のビルドアップ能力について見ていきましょう。というか僕GK未経験なので、これ以上GKのスキルについて書くと専門の人に怒られてしまいそうなので・・・笑。

 

■両足で様々な

まず、当たり前ですが、足元の技術がべらぼうに高いです。技術に自信があるので、顔が上がっている時間が長く、その分最良の選択肢を選ぶことができています。そして何より、両足で同じように扱うことができるのが大きな強みです。GKに限らずですが、両足を使えることの有用性は見逃されるべきではありません。

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両足使えない(右利き)GKだったとして

例えば、図の様にGKがボールを持っていて相手が右からプレッシャーに来たとします。この状況で、GKが左足(利き足ではない)を使えない選手だった場合、かなり苦しいですよね。 右SB、アンカー、左CBにはマークがついており、右CBへのパスコースは切られています。唯一フリーになっているのが左SBですが、人体の構造的に、この身体の向きから右足で、左サイドまでパスするのは結構難易度が高くなってしまいます。身体を捻らなければ、出せませんからね。

となると、ここで多くのGKは大きく前方に目掛けてロングキックを飛ばす、もしくは無理やり不得意な左足に持ち換えてなんとか逆サイドに展開するでしょう。いずれにしてもボールロストする確率は高いと思います。それが悪いということではありません。GKにとって避けるべきは不用意なミスからの失点ですから。しかし、バルサというチームでGKのところで毎回ロストするようでは、機能しません。

では、テア・シュテーゲンならどうなるのか。っていうのはもう図を作らなくても大丈夫ですよね笑。彼なら自然にプレスしてくる相手から遠い足(左足)でボールを持ち、自然に左足で左SBまでボールを飛ばせるはずです。これは当たり前のことではありません。昨今GKのビルドアップ能力の重要性が叫ばれ、足元の技術が高いGKが増えてきました。しかし、その中でもテア・シュテーゲンレベルで両足を器用に扱える選手は殆どいません。

さらにすごいのは彼は両足を用いてかつ様々な球質でパスを出せるんですよね。高いボールはもちろん、スアレスに通す低弾道のロングパスは特徴的です。さらにグラウンダーのパス1つ取っても強さを変え、次のボールホルダーにどのようなビルドアップをして欲しいのかメッセージのこもったパスを出しているのが印象的です。緩いパス、強いパスを使い分け、次の選手にプレーしやすい環境を提示できるGKという評価を僕はしています。

 

■プレスから逃げるのではなく、呼び込む

さて、ここまで読んでいただければ、テア・シュテーゲンの凄さがなんとなくわかっていただけたんじゃないのかなと思います。ここからは彼のこの特異な能力がどのようにセティエンバルサで活用されているのか具体的に見ていきたいと思います。

突然ですが、皆さんがGKだったとします。CBからのバックパスを受けました。すると相手FWが猛然と自分のところへダッシュしてきます。さて、皆さんならどうしますか?僕なら、間違いなく遠くにボールを蹴りだします。なぜなら僕がここでボールを奪われるようなことがあれば、即失点ですから。学生時代に何度か練習試合でGKをやらされましたが、ボールを足で持つのは本当に恐怖でした笑。多くのプロのGKもここでボールを失うことは幾ばくか怖いはずです。

しかし、テア・シュテーゲンのマインドはまるで違います。彼はむしろ相手が自分にプレッシャーをかけるのを待っています。サッカーは11対11のスポーツですが、今のところ、ボール非保持側のGKがFWのマークにつくようなことはないので、GKがボールを持っている状況では一時的に「11対10」の状況になっています。 

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11対10

つまり、相手のフィールドプレーヤーの誰か1人でも、GKにプレッシャーをかければ、その時点でフィールドは「10対9」の数的優位が生まれることとなります。この原理を最大限に活かそうとしているのがセティエンバルサであり、テア・シュテーゲンのプレーなのです。

テア・シュテーゲンは相手を自分に引き付けることで、フリーの選手を創出します。セティエンバルサになってからバルサゴールキックの方法を工夫するようになりました。CBが素早くボールをセットしてテア・シュテーゲンに素早く下げるやり方を多く使っています。チームとしてテア・シュテーゲンの高いビルドアップ能力を活かそうという意図が窺えます。

相手が自分に寄せてくれば、素早く空いているところにパスを出す判断力の高さが光りますね。良く見られるのが、下図のパターン。図はレバンテ戦で用いた画像です。ボールを持ったテアにモラーレスがピケへのパスコースを切りながら寄せていきます。ここでテアはギリギリまでモラーレスを引き付けると、そのタイミングでブスケツがマークを外し、テアがブスケツにパスを出します。そしてブスケツはピケへレイオフ(落とし)。こうして、ピケが前向きでボールを持てるわけです。加えてテアがモラーレスを引き付けた分、ピケと相手選手の距離が空いているのはポイントですね。

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中盤に当ててレイオフ

やはり光るのは、このような局面でのテア・シュテーゲンのメンタル面の強靭さ。相手に寄せられても焦る素振りが一切ありません。これは自身の技術に対する絶対的な自信と、彼のパーソナリティそのものに起因するものでしょう。「不安定」という言葉はもう彼には似つかわしくありません。

相手からすると、テア・シュテーゲンがボールを持つと結構困った状況になります。そのため、明確にテアには絶対プレスをかけない!という方針のチームも出てきました。その代わりパスコースは全て塞ぐという形です。この対策を取られた時のビルドアップには改善の余地がありそうです。ここの進化には注目していきたいですね。

 

■まとめ

いかかでしたか?これ3か月くらい出したかった記事なので、力を入れて書きました。たまに、世界最高のGKは誰か?みたいな議論があるじゃないですか。あれって結構難しい話で、実際チームスタイルに結構左右されるというか。オブラク、アリソン、エデルソンなど、超絶優秀なGKは他にいます。しかし、バルサにとって最良な守護神は誰か?と問われれば間違いなくテア・シュテーゲンの名をあげます。

少し前にテア・シュテーゲン退団の報道が出ていますが、とんでもありません。繰り返しになりますが、今のバルサにとって彼はメッシ、ブスケツと並んで必要不可欠な選手です。最早、ファンの間では次期第一キャプテンとして推す声もあるくらいです。もし彼が退団するようなことがあれば、バルサは本当にマズい状況に陥るでしょう。あり得ないと思いますけど。

今シーズンのリーグ戦再開は難しいと思います。テア・シュテーゲンのビルドアップが見られないのは寂しいですが、来シーズン更に進化したバルサのビルドアップが見られることを楽しみにしたいですね。そして、この記事を読んでテア・シュテーゲンのことをもっと好きになってくださる方がいれば幸いです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。