こんにちは。今節は19位レガネスとの一戦です。前節、マジョルカとの再開初戦を4-0で制したバルセロナ。再開初戦にしては良い内容でした。優勝に向けて、勝ち点は落としたくないところです。
一方のレガネスは前節敗れ、最下位のエスパニョールと勝ち点で並んでしまう苦しい状況となっています。アウェイバルサ戦とはいえ、残留にむけて勝ち点が欲しいところですね。
↑前回対戦はこちらから。
■スタメン
ホームのバルサは前節から5人のスタメン変更。ラングレが出場停止から戻ってきました。アルバが出場停止の左SBにはジュニオルが起用されます。インテリオールはラキティッチ&アルトゥールのペア。左WGにはアンスがブライスワイトに代わって使われました。
一方のレガネスは、前節採用した4-2-3-1ではなく、従来の5バックでバルサ戦に挑みます。レガネスは前節のスタメンから6人のメンバーチェンジ。今季8ゴールをあげている攻撃の核、オスカル・ロドリゲスを出場停止で欠くのはレガネスにとって相当痛手でしょう。
■前半
レガネスの意図確認
まずはいつものようにレガネスのやり方から確認しましょうか。
まずはバルサビルドアップ時の噛み合わせから。そこまでCBにプレッシャーをかけてきたわけでもなく、ゲレーロが多少コースを切る程度。ブスケツはトップ下に入ったエラソが監視するのが基本です。WBもそこまで高い位置からプレッシャーに行かずあくまでDFラインの一員として最終ラインを形成する立ち位置が目立ちました。
この試合特筆すべきだったのは、バルサがハーフラインを越えた時のレガネスの守り方。トップ下のエラソがある程度ブスケツのマークを捨てて、中盤の3人との距離を詰め、縦と横共に守備範囲を圧縮。徹底的に4人がユニットを組んでスライドすることで、密度を高めます。
狙いは徹底的にバルサの中央突破を阻止すること。常にボールサイドに4人が寄ることでバルサが得意なパスワークを活かした中央突破をシャットアウト。その分、中盤の運動量は半端ではなく、エラソは前半だけでなんと6.9kmを走破。これって普段のメッシの90分とほぼ変わらないんじゃ・・笑。バルサは中々、バイタルエリアにボールを入れることができず、困惑している印象を受けました。
一方でレガネスは逆サイドはある程度捨てていました。特にボールサイドと反対側のハーフスペース(上図ではラキティッチのポジション)はかなり狙いどころでした。まあただ、その弱点も分かってやっているんでしょうし、こういう割り切った守備の方が中の選手たちはやり易いでしょうね。前節のマジョルカに比べるとレガネスの選手たちに迷いはあまりなかったように思われます。
レガネスのボール保持に関しては、あまり機会もなかったので割愛します。やはりメインウェポンはカウンター。ただ、前線でインスピレーションを発揮できるオスカル・ロドリゲスの不在はかなり痛かっただろうなと思いましたね。
膠着状態を救ったのは
良い守備は良い攻撃に繋がります。最初の10分でバルサを上手く抑え込むことに成功したレガネスは10分過ぎに立て続けに決定機。ゲレーロがカウンター、セットプレーから2つの決定機を迎えますが、1度目はラングレが、2度目はゴールポストがそのシュートを阻みました。これ決められてたら結構危なかったですね。
バルサは前述のレガネスの中盤守備に苦戦。危険なエリアにボールを送り込むことができません。何度か、両SBが良い攻め上がりから裏のスペースを突きますが、3枚のCBがいるレガネス守備陣をクロスで崩すのは至難の業。グリーズマンは相変わらず中央に常駐することを求められ、相手の5バックのラインは崩れないまま。
前述したような逆サイドのハーフスペースからのクロスで何度かチャンスがあったくらいですかね。ラキティッチとセルジ・ロベルトがそれぞれ1本ずつ、クロスからグリーズマン、メッシのヘディングシュートを演出しています。マンチェスター・シティのデ・ブライネの十八番のプレーです。
バルサの良くない部分としてショートパスに固執しすぎて、大きな展開をあまり使わないところが挙げられます。大きなサイドチェンジなどもう少し使ってもいいのかなと思いました。レガネスの中盤にもう少し横移動を強いることができ、穴も生まれたと思います。相手が堅い時こそ、焦れずに揺さぶりたいところです。
前半は0-0で折り返しかなと思った矢先、あの男が魅せます。42分、ペナルティーエリア付近でジュニオルからボールを受け取ると、右足を一閃。グラウンダーのシュートが相手DFの股を抜け、GKの手が届かない位置へ。17歳のアンス・ファティがこの均衡を破ったのです。このゴールには思わず声が出てしまいました笑
アンス・ファティ。久々にゴールシーンで思わず声が出た。17歳にして今季5ゴール目。絶対神のいるチームで、常に仕掛け・シュートの意識を忘れないのは簡単ではない。技術やスピードはもちろんのこと、メンタリティが素晴らしい。#俺たちにはアンスがいる
— Hikota (@BarcaHikota) 2020年6月16日
このシュート以外にもアンスは積極的に左サイドで仕掛け、この試合のドリブル数は7回を記録(うち4回成功)。この年齢であれだけ臆せずプレーできるのは頼もしすぎますね。過度な期待は禁物ですが、彼の将来は本当に楽しみです。
■後半
さて、後半です。レガネスはハーフタイム明けからメンバーチェンジ。ロケ・メサを下げ、FWのアサレを投入。エラソをインサイドハーフに下げ、5-3-2に配置を変え、より得点を狙うようにシフト変更してきました。
バルサからすると蓋をしてくる厄介なトップ下エラソが中盤に下がったことで風通しがよくなりました。前半程中盤で圧力を受けることなく、ボールが循環するようになりました。恐らく0-0のままであれば、レガネスは前半のやり方のままだったと思うので、そういう意味でもアンスのゴールは試合を大きく変えました。流石に中盤3枚でバルサを止めるのは難しいです。
プレー面で余裕が出てきたバルサは53分にセルジ・ロベルト、アンスを下げ、セメドとスアレスを投入します。これは完全に次節セビージャ戦を見据えた交代でしょう。アンスはもう少しプレーしたかったでしょうが、セビージャ戦で途中からでも出場機会があるといいですね。
バルサは66分、右サイドを完璧に破壊し、セメドのクロスにグリーズマンが飛び込み追加点をゲット。と思いきやこれはセメドのオフサイド判定。VARがなければオフサイドは取られていなかったレベルの誤差ですが、ビデオで見ちゃうとまあ出てました笑。悩めるグリーズマンにとって大きなゴールになるかと思っていただけにノーゴール判定は残念でした。
しかし、3分後バルサが正真正銘の追加点を挙げます。メッシが右のハーフスペースからドリブルで2人を剥がすとスアレスとのワンツーを試みて、走路妨害に遭い、PKを獲得します。これを自ら決めてバルサに2点目が入ります。
このメッシの崩し、本当にメッシだなって感じでした笑。股抜きましたし、ファウルされても倒れない強靭さ。普通の選手なら倒れてファウルを貰いに行ってると思います。身体は小さいですが、倒れない体幹の強さが光りましたね。本当にダイブとは程遠い選手です。
その後バルサはピケ、アルトゥールを下げ、ウムティティ、リキ・プッチを投入。ピケは安定していましたが、アルトゥールが少し微妙でしたかね。まあ、再開後初スタメンですから、そこまで評価は厳しくしなくてもいいとは思いますが、ライバルが多いだけにちょっと心配ではあります。
そしてこの試合、再びウムティティとラングレがコンビを組みましたが、いつもと違ってラングレが右、ウムティティが左になっていましたね。これはなぜでしょうね。単純にウムティティの状態が悪すぎて負担をかけないようにセティエンが配慮しただけかもしれませんが、気になります。
リキは、短い時間ながら積極的にプレーしていて好印象でした。できればGKとの1対1決めて欲しかったですね。クエージャルのコース切りも見事でしたが、スコアシートに名前が載るだけで、印象はグッと上がります。今季は途中出場が多くなると思いますが、少しでも結果が残るといいですね。
試合終盤は10分でバルサの選手に5枚のイエローカードが出るなど、少々ダレてしまった感もありましたが、無事クリーンシートを達成。試合はこのまま2-0で終了。バルサが連勝を3つに伸ばしました。
■まとめ
まずは勝てて良かったです。課題はもちろんありますが、この状況でセティエン、スタッフ、選手はよくやってると思います。何より今日はアンスの躍動が見られただけで結構お腹一杯です笑。ウムティティ、アルトゥール、グリーズマン、スアレス、そして前節足を痛めたフレンキ―の状態は心配ですが、チーム状態としてはリーグの中でもいい方だと思います。
レガネスはかなり準備してこの試合に臨んできたのが伝わってきましたし、実際前半のボール非保持時のパフォーマンスは見事だったと思います。まああれが90分続いていたかどうか怪しいところですけど。次節は18位マジョルカとの直接対決だけに注目が集まります。
やはりこの中断明けのコンディションを考慮すると、最終的にボール保持できるチームはかなり有利だと思います。そういう意味でマドリ―も前節エイバルを前半圧倒していたので、やはり2強の争いにはなってくるでしょうね。勝ったことで、今節バレンシアと戦うマドリ―にはプレッシャーをかけられましたかね。
さて、次節は敵地サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦、その次が今季2敗を喫しているビルバオ戦。ここは1つの山ですね。ここを勝ち点6で切り抜けられたら相当大きいです。2戦とも面白い試合になることを期待しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。