Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】19-20 ラ・リーガ第16節 バルセロナ対マジョルカ

こんにちは!前節アトレティコとの決戦を制したバルサはホームでマジョルカを迎えます。昇格組のマジョルカは一部で苦しみ、ここまで勝ち点14の17位に位置しています。久保建英の存在もあり、注目度の高い試合にはなりますが、ここはバルサとしては確実に勝ち点3が欲しいところです。

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■スタメン

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ホームのバルサは現状のベストメンバーでこの試合に臨みます。ローテーションはミッドウィークのインテル戦で行うのでしょう。ラキティッチは3試合連続の先発に。この急な扱いの変化はなんなのでしょうか笑。ちなみにアルトゥールとアンス・ファティは負傷によりメンバー外。セメド、アルバ、デンベレも依然として離脱中です。

アウェイのマジョルカは4-4-2よりの4-2-3-1。注目の久保建英は右サイドハーフをスタートポジションに。攻撃の中心人物であるラゴ・ジュニオールは負傷により招集外になります。マジョルカとしては痛いですかね。

 

■前半

テア・シュテーゲンのアシストとマジョルカの意図

試合は予想通り、バルサのペースで進みます。ビルドアップの局面があまり上手くいっていないマジョルカはなかなか思うように前進できないので、セットプレーやカウンターで好機を作りたいところですが、先制したのはバルセロナ

マジョルカコーナーキックが外れてゴールキックになるとテア・シュテーゲンが素早くリスタート。素早く切り替えて左サイドのグリーズマンロングフィードで一発で裏を取ります。グリーズマンは40メートルほどドリブルをするとキーパーを嘲笑うかのようなループシュートを決めます。なんとテア・シュテーゲンは今シーズン2アシスト目。これはチーム4位タイの記録です。グリーズマントランジションも見事でした。

さて、ここでマジョルカの狙いを整理しておきましょうか。

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バルサボール保持時

戦前の予想では4-1-4-1のフォーメーションだったわけですが、この試合のボール非保持時はフェバスを一列上げた4-4-2でブロックを敷くことを選択しました。ブスケツにフェバスの張り付かせるのかとも思ったのですが、あくまでCFのブディミールで2人でCBとブスケツの3人を監視というのが主なタスクだったようです。後方は4-4ブロックを築きます。

続いてボール保持時。一応は後方からのビルドアップを試みるものの、特にGKレイナの足元や配球能力に不安があり、結局GKに下げて中途半端なロングボールを蹴ることが多かったように思われます。ビルドアップの局面はあまり上手くいかないので久保やフェバス中心のカウンターに活路を見出したいところだったでしょうか。

ただ、奪う位置が低すぎて、なかなかカウンターに移行できないという問題は散見されました。多分日本の報道番組で延々と流されそうな、25分の自陣深くからの久保のドリブル独走などに頼らざるを得ない状況でしたね。いや、あれが出来る彼は本当にすごいんですが、いかんせんゴールから遠いので。

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厄介なラキティッチ、フレンキ―の位置取り

アトレティコ戦に引き続き、効いたのがバルサの両インテリオールの位置取り。SBに高い位置を取らせ相手のSHを押し込み、技術の高い彼らが4-4-2の隙で安全にボールを受けることで試合を支配することが可能になります。これ4-4-2で対処するのはとても難しいんですよね。2トップがここにケアにいくと、真ん中ががら空きになる+カウンターが死にますし、ボランチが出るとフリーにしたくないメッシへのパスコースが空いてしまいます。

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結果論ですが、マジョルカは中盤3枚でこの試合に挑むべきだったと個人的には考えています。2CBはある程度捨てて、中盤3枚のうち、2枚を明確にインテリオールにぶつけ、1枚はフィルター役として機能させる。または後ろを5枚にするなど。当然、アトレティコとの試合はスカウティング済みだったと思うので、もう少し工夫があると良かったのかなと思います。

配置で壊すバルセロナ

バルサは16分、ブスケツが敵陣中央でグリーズマンに展開するとグリースマンは内側のメッシにパス。メッシは鋭く切れ込むとエリア外から豪快なミドルを叩き込み追加点を挙げます。このゴールはには笑ってしまいました。すごすぎです。

バルサのこの試合のキープレイヤーの一人だったのが右サイドバックのセルジ・ロベルト。彼はこの試合幾度となく、相手の左SBのサストレの裏のスペースを取り続け、優位性を確保しました。彼は今非常にコンディションが良く、今日の出来は圧巻でした。

マジョルカのほうはこのセルジ・ロベルト(そしてジュニオル)の進撃に対して誰が対処するのか不明瞭でした。サイドハーフが付いていきすぎるととカウンターがしづらくなりますし、サイドバックがくっつくと内側が空いてしまいます。このような難しい状況を作ったのはバルサの配置です。

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バルサの配置

先ほどと同じ図ですが、この配置は4-4-2相手には極めて有効ですよね。メッシ・グリースマンが内側に入っている分、相手は内側を締めがちになり、そのぶん大外のSBがフリーになりやすいのです。大外をケアすれば内側が空き、その上インテリオールも走りこんできますから。余談ですが、昨シーズンバルサ相手に5バックのチームが多かったのはこの大外からのSBアタックをケアするためだったと僕は推察しています。

そしてもう1つ特筆すべきはインテリオールの陰ながらの貢献です。SBの攻め上がりを上手くサポートするのは彼等の役割です。ラキティッチがそれができる選手なのはもうずいぶん前に証明されていますが、フレンキ―も見事にアジャストしてきましたね。「動きすぎる」のが難点の彼でしたが、ここ数試合は正しい位置に立ち、味方の位置的優位を誘発するようなプレーができているので本当に頼もしいですね。

さらにラキティッチもフレンキ―もこの試合は1アシストを決めるなど、必要とあらば崩しの局面にも加わることができます。現時点でのインテリオールのファーストチョイスは彼ら二人になってくるのではないでしょうか。アルトゥールはしばらく忍耐が必要になるかもしれませんね。

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 気を抜く悪癖と意味のわからないスアレス

このような完璧な配置でマジョルカを圧倒し、攻め続けていたバルサですが、35分に一瞬のスキを突かれて失点してしまいます。マジョルカの左サイドに右サイドハーフの久保が流れて数的優位を作り、バルサの選手たちが引き付けられると、真ん中のサルバ・セビージャがぽっかりと空いてしまいます。セビージャのスルーパスを受けてブディミールがラングレのと競り合いながら決め、1点差に詰め寄ります。

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35分マジョルカ得点

ここは気を抜いてしまいましたね。あの位置で中盤の選手をあれだけフリーにしてしまったら、失点にはつながってしまいます。ちょっとスライドが遅かったですし、あそこはプレッシャーをかけなければならない局面でした。昨シーズンからこの手の失点は減りませんね。まあメッシスアレス前残りをしている限り、ある程度は仕方ないのかもしれません。

しかし、ここで気落ちしなかったのが今日の素晴らしかったところ。40分、ラキティッチが相手のパスミスをカットするとカウンター発動。スアレスラキティッチ、メッシと繋いで再びファーサイドにメッシが沈め今日2点目を奪います。いやー、ラキティッチのポジショニングとワンタッチ、秀逸でしたね。

さらに43分にはスーパーゴールが生まれます。フレンキ―がブスケツとのワンツーで右サイドに移動すると内寄りにポジションを取ったセルジ・ロベルトとワンツー。エリア内に侵入すると右に流れたスアレスにパス。スアレスにはDFピッタリはりついていましたが、なんとヒールでシュート。これがサイドネットに決まります。

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4点目のゴール

これ何回見ても意味が分からないです笑。なぜ入ったのかというよりも、なぜあのシュートを撃とうと思ったのでしょうか笑。ほんとう、普通のストライカーじゃ絶対打てませんあれ。スアレスの技巧に目が活きがちですが、セルジ・ロベルトとフレンキ―の連携も秀逸でしたね。アトレティコ戦でもいい連携見せていましたし、ここは相性がいいのかもしれません。

失点?それ以上に点を取ればいいんだろ?と言わんばかりの破壊力を見せつけたバルサが3点のリードを持ってハーフタイムを迎えます。

 

■後半

後半は簡潔にいきます。

後半からの交代はなし。失うものがもうないマジョルカは積極的にいきたいところです。開始早々ジュニオルの裏を突きます。それにしてもジュニオルの守備は怪しいです苦笑。

しかしそれでも主導権はバルサ。48分にはラキティッチのミドル。52分にはフレンキ―がスピードを活かして中央をドリブルで破壊してヒールでグリースマンにラストパス(これはグリーズマン決めたかった)。57分、58分にはスアレスが立て続けにシュートを放つなどチャンスを量産します。

劣勢のマジョルカはここでメンバーチェンジ。先制点をアシストしたベテランのセビージャに代えてアタッカーのクチョ・エルナンデスを投入します。この交代に伴い、配置を4-1-4-1に変更します。これを最初からやってくると思っていたんですがね。

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4-1-4-1に変更

一方のバルサの方はフレンキ―に代えてビダルを投入。今季出場機会が多いフレンキ―なのでここは休ませる意図ですかね。ここで休ませるということは普通にインテル戦使ってきそうで怖いですね笑。ビダルは右インテリオールに入り、ラキティッチが左インテリオールに回ります。ビダルはボール保持時はほぼほぼ右サイドハーフの役割でした。

しかし、その1分後マジョルカが追撃の1点を加えます。オーバーラップをしたガメスがエリア内にハイクロスを上げると、ピケとセルジ・ロベルトの間に上手く入りこんだブディミールがヘディングシュートを叩き込みます。中が2対2になっていたので対応が難しかったですね。良いクロスでしたし。ダメ押しの5点目を先ほどのチャンスラッシュの時間帯にとっておきたかったところです。テア・シュテーゲンも珍しく目測を誤ってしまいました。

その後はしばらく中だるみの時間が続きます。マジョルカは中盤の選手を入れ替え、バルサも75分にアレニャをラキティッチとの交代で投入します。この時間帯から再びチャンスを作り始めた両チーム。バルサは75分、76分に右サイドからチャンスを演出し、マジョルカは左サイドからシュートを放ち、ブディミールに当たってコースが変わるもテア・シュテーゲンがスーパーセーブ。よく止めました。

しかし終盤強いのはやはりバルセロナ。83分、ブスケツから右サイドを飛び出したセルジ・ロベルトに浮き球スルーパス。セルジは中のスアレスにボールを出すとスアレスは相手を背負ってポストプレー、後方のメッシに落とすと、メッシはニアサイドへのシュートを選択。これがネットに突き刺さりバルサが再び突き放します。メッシはハットトリック達成です。

この後グリースマンに代えて出場機会の少ないペレスを投入するなど余裕を見せたバルセロナ。ビッグゲーム後の試合もしっかりと勝ち切りました。

 

■選手評価

GKテア・シュテーゲン

素晴らしいアシストを決め、77分にはディフレクションしたシュートを見事にセーブ。2失点目は珍しく目測を誤ってしまいましたが、逆に安心しました。最近は本当に人間やめてましたから笑。このミスで締めなおしてくれることでしょう。

CBピケ

SBが前に出る分、CBは後方の広大なスペースのカバーリングが重要なタスクになってきます。スピードはないものの、読みとポジショニングの良さで相手の攻撃の芽を摘む姿は頼もしいですね。そろそろヘディングでのゴールが見たい。

CBラングレ

ピケと同じくカバーリングに勤しみました。ただ、一つ上のレベルを目指すのであれば1失点目も2失点目もブロックしてくれればと思います。既にCBとして高いレベルにはあると思うので、よりスーパーな選手になって欲しいですね。

SBセルジ・ロベルト

今日も素晴らしい活躍を見せました。何度背後のスペースをとったでしょうか。彼の存在がマジョルカのDFラインを押し下げ、スペースを作りました。コンディションも良さそうなので、インテル戦は絶対に休ませたい選手の1人です。今日はアシストつきませんでしたが、個人的には5アシストくらいつけてあげたいです笑。

SBジュニオル

案の定、久保建英に手を焼いてしまうという笑。守備は本当に怪しいです。裏のスペースを簡単に空けてしまうのでラングレがかなり釣りだされてしまいます。攻撃面は次第にフィーリングが合ってきている段階ですかね。余計なミスは多いものの、高い位置でプレーさせればいいものは持っていると思うので。フレンキ―がカバーしてくれるからガンガン行って欲しいです。

アンカー ブスケツ

比較的自由を与えられた今日は自由自在にタクトを振るいました。セルジ・ロベルトへの配球はお見事でした。やはりラキティッチが隣にいるとやりやすいのでしょう。ブスケツは上手く休養を挟みながら使ってあげたいところです。

インテリオール ラキティッチ

放出してはいけません。絶対に。

インテリオール フレンキ―

いやー、改善しましたね。見事なアジャスト力。やっぱり賢いですよね、この選手。化け物です。

WGメッシ

ハットトリック。サッカーの神様。

WGグリーズマン

先制点のフィニッシュは見事!後半の決定機もできれば決めて欲しかったなと思います。彼への要求はシンプルです。

CFスアレス

わけのわからないゴラッソを決めました。ただ今日はかなりチャンスも潰してしまったのでそこは要反省。というか何故簡単な奴を外し続けてあんなのが決まるのでしょうか笑。

 

■雑感

面白い試合でした。バルサはだいぶ改善しましたし、相手に久保がいたということもあって、見ごたえのある一戦でした。支配率66%、シュート数25本うち枠内17本と文字通り圧倒しましたね。2失点がもったいなかったですが、まあたくさん点が入った方が面白いですからね(適当)。

これが全てだと思っていて、ドルトムント戦からは急にチームに色がつきました。ラキティッチの起用もそうですし、よりすっきりした形になりました。スラヴィア戦の6トップが懐かしいですね笑。

さて、次はアウェイインテル戦。この試合に本気で挑んだ分、次はローテーション必須ですね。最低でも2CB、セルジ・ロベルト、ブスケツ、フレンキー、メッシ、スアレスあたりはここで休ませたいところ。序盤欠場が続いたメッシは普通にでたがりそうですが笑。どうなりますかね、招集メンバーから注目しておきたいところです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。