Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【考察】クラブに不可欠な「意思決定」 バルサフロントの責任を問うべき理由

こんにちは。日本は梅雨がようやく明けて本格的に暑さが到来しましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。僕は先日、日産スタジアムで行われた横浜・F・マリノスマンチェスター・シティの試合を観戦してきました。非常に素晴らしいゲームでシティの技術もさることながら、マリノスが格上相手に披露した強気のサッカーに感銘を受けました。

やっぱり現地観戦っていいですよね。在宅DAZNがメインになってしまっているので、積極的にスタジアムにも足を運んでいきたいと思います!笑

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■ペップ・セグラ解任。だが・・・

さて、今日の本題に入っていきましょう。今日はフロントについて。というのも先日バルセロナのスポーツディレクター、ペップセグラがその職を解かれました。セグラと言えば、「カンテラ軽視」、「バルサスタイル軽視」というファン心理の綺麗に逆を行く決定を下し続けるという、ある意味鋼のメンタルを持ちあわせた悪徳SDとして有名でした苦笑。

バルベルデが留任した時点で、昨シーズンのカップ戦での失敗の責任はフロントの誰かが取らなければならないのは明白でしたから、まあ妥当な決断でしょう。ただ、セグラを解任したからといって状況が好転するとは限りません。間違いなくいい方向には進むと思いますが、今のバルサが抱える問題の根幹はより深いものがあります。

少し話が逸れてしまいますが、みなさん『footballista』という雑誌をご存じでしょうか。当ブログでも何度か触れていますが、僕が最近毎月愛読している雑誌です。毎月様々なテーマでサッカーという競技を深掘りしてくれる稀有な媒体であり、多くのサッカーファンが購読しています。ちなみに最新号のテーマは「データ分析の未来」。非常に面白いテーマでした(専門用語が多すぎて何度もパニックに陥りましたが・・笑)。

で、その『footballista』の2019年3月号が「『総力戦』となった現代サッカー」というテーマを扱いました。詳しくは是非本誌で確認してほしいのですが、掻い摘んで言うと、この号はサッカークラブにおけるフロントの重要性を論ずるものでした。お金の面はもちろんですが、現代サッカーにおいてフロントの「哲学」はますます重要なものになっているというのがこの3月号の大きな主張でした。

www.footballista.jp

ネタバレになってはいけないのでこれ以上雑誌の内容には言及しませんが、是非お手に取ってみてはいかがでしょうか。個人的にはこの号はかなりしっくり来るものがありました。今回はこちらの内容も踏まえつつ、自分の意見を書いていきたいと思います。

 

■「監督、辞めろ」の風潮

これは日本に限らずですが、チームが上手くいかなかったり負けがこんでくると、矢面に立たされるのは多くの場合監督です。まあピッチ上の決断を下すのは監督ですから、彼らに批判の矛先が向いてしまうのは仕方ないところですよね。サッカーファンって(僕も含めて)「自分だったらこうするのに!」っていう気持ちが強い人が多いので、「監督そこ替われや」みたいな笑。的を射た指摘ももちろんありますが、理不尽な批判は決して少なくありません。

バルサ界隈でもそれは同じで、現在の指揮官であるエルネスト・バルベルデは世界中のバルサファンから批判を一身に浴びています。象徴的なのが、Twitterの公式アカウントのリプ欄。特にシーズン中には#ValverdeOUTのハッシュタグが列をなしています。彼らの批判の根拠の多くは、2年連続のCL敗退はもちろんのこと、サッカーの内容やカンテラーノをあまり起用しないことや、ローテーションを好まないことなどが挙げられます。

当ブログでは一貫してバルベルデを擁護してきました。もしかするとバルサファンの反感を大いに買ってきたかもしれません笑。僕が彼を擁護する理由は過去記事を読んでいただければ大体わかると思いますが、積極的なものでは決してありません。現チームの編成や状況を考えて、バルベルデのような指揮官を選ぶのはやむを得ないと考えているのです。

www.footballhikota.com

 

バルベルデは90点のチームを作る監督

誤解を恐れずに言えば、バルベルデは90点のチームを作るのが得意な監督です(点数は適当笑)。具体的に言うと現有戦力を上手くやりくりして組織を形成する手腕に長けた指揮官です。自分の型に選手を当てはめる理想型ではなく、チームのスカッドに即してバランスの良い戦術を採択する対応型です。今のチームにはメッシとスアレスがいて、その2人を起用しつつバランスを保つにはどうすればいいのか?という難しい命題にも応えられています。

しかしながら、バルサファンが求めるのは90点のチームではなく、120点のチームです。120点の内訳は内容と結果の両立です。能動的なパスワークを基調とした美しいフットボールを展開しながらタイトルを総なめにすることが常に求められています。それが故ヨハン・クライフが築き上げたバルサの哲学です。多くのファンと同じく僕もそれに惹かれてバルサを好きになったので、バルベルデを批判する気持ちは痛いほどわかります。バルサファンという人種がバルベルデがもたらした90%よりも足りない30%に目が行くのはもう仕方ないです笑

しかし、CLの2年連続の逆転負けは別にしても、今ピッチ上でバルサらしさが失われつつある原因の本質は本当にバルベルデにあるのでしょうか。ローマとリバプールに大逆転負けを喫したピッチ上の結果に関してはバルベルデに大きな責任があると思います(ぶっちゃけリバプール戦後には解任やむなしだと思っていました)。一方サッカーの内容やカンテラーノの起用についてはどうなんでしょう。

 スアレスビダル、セメド、デンベレなどバルサスタイルとは本来かけ離れたタイプの選手が中核を占める現チームでどのように魅力的なパスサッカーを実践すればいいのでしょうか。毎年のように補強を繰り返して、高額の年俸と移籍金を費やした補強選手たちがスカッドを埋めている現状で、カンテラーノの入る隙間は果たしてあるのでしょうか。

もしこの状況で一時期噂に上がったキケ・セティエンのような理想追及型を招聘するとしましょう。間違いなくサッカーは面白くなるでしょう。しかし、現スカッドでは結果的に70点程度のチームに成り下がってしまうのではないでしょうか。まあ、人によっては勝てなくてもいいから面白いサッカーが見たいっていう意見もありそうですが笑。

そしてそのスカッドを作り上げているのはほかならぬフロントなのです。4000万€で獲ってきたマルコムがまるっきりバルベルデの必要とするタイプでなかったことからも分かるように、バルベルデに人事権はほとんどないと思います。つまり、バルサが現在抱えている問題の根幹はフロントにあるのです。

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バルベルデが90点の監督であるということ自体よりも、フロントがバルベルデを選び、支持しているという点のほうが批判されてしかるべきではないでしょうか。

 

■今を生きる監督と将来を担うフロント

言葉は適切ではないかもしれませんが、監督は所詮雇われている身です。ファーガソンベンゲルといった異常者を除けば、監督の任期は長くても3~4年でしょう。あれだけの成功を収めたグアルディオラでさえ、バルサの監督は4年間しか務めていません。派遣社員が勤め先の会社の50年後を思案することがないように、サッカーチームの監督がクラブの行く末を案じる必要性はどこにもありません。

結果が全てのサッカー界でプロである彼らにとって実績は何よりも大切なものです。カンテラーノの育成なんかは二の次になってしまうのは仕方のないことです。クラブの将来を考えるべきなのは監督ではありません。監督や選手は時代が過ぎれば去っていきます。リオネル・メッシですらいつかはクラブを去っていきます。しかし、FCバルセロナというクラブは今後も残り続けます。クラブの存続と繁栄を担うのは他でもなくフロントです。

しかし、現フロントは美しいサッカーやカンテラーノの重用などファンが求めている要素を満たすことに全く重きを置いていません。バルトメウにとって大切なのはビジネスであり、自らができるだけ長くバルサの会長職に留まることです。このような人物がトップに立っていてどうして理想的なサッカーが展開できるでしょうか。

無計画な強化プランと補強策を繰り返す現フロントにとって融通の利くバルベルデのような指揮官はまさに都合の良い存在なのです。現に、フロントは昨冬にバルベルデの契約を延長しています。あれだけ多くのファンの批判を浴びつつもバルベルデの留任を決定した事実は、他の誰よりも現執行部がバルベルデの有用性を理解している何よりの証左です。もし美しいサッカーやカンテラーノの起用を求めているのなら真っ先にバルベルデの首を切るでしょうから。

冒頭で述べた『footballista』の「総力戦」とはまさにこのことで、最早チームの方針を決めるのは監督ではなく、フロントであるというのは我々が深く認識しておくべきポイントでしょう。フロントの「意思決定」がもろにピッチ上の結果や内容に直結すると断言できるほどフロントの重要性は年々増しています。

そして現在のバルサはフロントの無謀な「意思決定」をバルベルデの采配とバランス感覚、リオネル・メッシの類まれなる神通力でギリギリカバーしている状態なのです。だからこそ僕はバルベルデを批判する気になれません。勿論、彼にも非難すべきポイントはありますし、何度も言うようにリバプール戦の大逆転負けはそれだけで解任されるだけの采配だったと思っています。

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ですが、バルベルデが置かれた状況を考えるとむしろ僕はよくやっていると思います。勿論、様々な意見があってもいいと思いますが、彼が2年間で果たしてきた仕事には最低限のリスペクトを払って欲しいと願う次第です。あくまで諸悪の根源はフロントであり、監督や数人の選手を入れ替えたところで問題の解決には繋がりません。

逆に言うと、現フロントが退陣すればすんなりとバルベルデ退任も肯定します笑。それこそ、パコ・へメスでもキケ・セティエンでもリージョでもドンとこいですね笑。彼等の理念を100%理解し、100%現場にコミットしたフロントが誕生すればという条件付きですが。

 

バルサスペシャルであり続けるために

僕がバルサを本格的に好きになったのは2010年頃でした。当時のチームは近年で最も魅力的なチームでした。ピッチ内でのサッカーは勿論のこと、僕が魅了されたのはその哲学と理念でした。当時、雑誌や本を読み漁り、クライフの思考に触れ、大いに魅了されました。「ボールポゼッション7割を保てば8割のゲームに勝てる」「バルサの育成年代はどの年代も伝統の4-3-3を使用し、トップチームと同じ戦術で戦う」「1タッチでプレーできるプレーできる選手が最も素晴らしい。2タッチは悪くない。3タッチはダメな選手」

バルサの理念は明確であり、だからこそ僕はバルサのファンになりました。そして恐らく現在のバルサは哲学を失いつつあります。今バルサスペシャルなクラブにしているのは哲学ではなく、メッシという稀代の名手の存在です。現フロントがクラブの伝統と価値に胡坐をかいた結果、バルサの哲学と品格は損なわれつつあります。

補強をめぐってローマやアトレティコリバプールなどのクラブと揉め、マルコムやボアテングなど全くフィットしない選手を獲得してくるなどクラブの足を引っ張る行動が目に余ります。今は良くても、将来的に大きなツケを払うことになりかねません。具体的にはメッシの引退後、バルサが「普通」のクラブに成り下がっている可能性は否定できません。

そうならないために必要なことはフロントがきちんとした方針を打ち出し、それに即した監督・選手を連れてくるという「意思決定」を下す必要があります。バルサファンが要求すべきはバルベルデの退任ではなく、フロントの変革ではないでしょうか。現フロントがそれを実行できないのなら、執行部の退陣を望むのが正当な筋でしょう。

現在、グアルディオラが監督を務めているマンチェスターシティはフロントと現場の連携という意味では非常にレベルの高い環境にあります。CEOにはフェラン・ソリアーノ、FDにはチキ・ベギリスタインバルサ時代からペップと旧知の仲である人物がフロントに入閣していることで、グアルディオラのサッカーを実現するうえで必要なサポート体制は整っています。

シティ・グループの野望はマンチェスターだけに留まらず、多くのクラブと提携しています。極東の横浜のクラブでさえ、本店であるマンチェスター・シティと同じサッカーを志向し、今シーズンのJリーグで2位につけるなど結果と内容の両立を目指しています。これは間違いなくフロントの働きによるものです。

隣の芝生は青く見えるという言葉があります。確かに悲観的になり過ぎている部分はあると思います。しかし、僕はバルサというクラブには他のどのクラブよりも真っ青な芝が生えていて欲しいと思うのです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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