Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【マッチレビュー】CL準決勝2ndレグ リバプール対バルセロナ 前編

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何が起こっているのかわからない。この試合が終わったときに率直にそう思いました。5月7日、バルセロナリバプールの本拠地、アンフィールドで0-4の大敗北を喫しました。カンプノウでの1stレグに3-0と完勝していただけに、この結果は間違いなくサッカー史に残るものになるでしょう。

今シーズン、CL優勝を最大の目標に掲げていたバルセロナ。昨シーズンのローマ戦での屈辱を受けて、CLを奪還することはチームにとって至上命題でした。それがまさかこのような結末で終わろうとは誰が予想したでしょうか。ローマ戦の大敗北を教訓にするどころか、同じ歴史を繰り返してしまうとは…。

勿論、最もショックを受けているのは現場の選手や監督でしょうが、2年連続で悲劇を見せつけられたファンの苦しみも相当なものがあります。試合後、Twitter上で、選手・監督への暴言、または「ファンを辞めたい」という声が上がるなど、感情的になっているファンは少なくありませんでした。

しかし、そのような姿勢はこのクラブのファンに相応しくはないと僕は考えています。この試合を「気持ちの問題だ、気合いが足りなかった」と断じたり、特定の選手や監督を責め立てることに果たして意味があるでしょうか。少なくとも僕は、1人のFCバルセロナのファンとして、ささやかながらブログを書いている者として、この現実から目を逸らすことはしたくありません。

極東に住む素人の僕が記事を書いたところで、チームに一切の影響はありませんし、無意味なことかもしれません。しかし、バルサを愛する者として少しでもチームに寄り添いたい。そして僕のブログを読んでくれる方々が少しでもこの試合を消化して前を向けるきっかけになれれば。そのような思いでマッチレビューを書きます。

正直、このような負け試合を見返す作業は簡単ではありませんでした。それでも歯食いしばりながら書いたので、最後まで読んでいただければとても嬉しいです。

では、記事に入ります。

 

■スタメン

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 1stレグで3点のビハインドを背負ったリバプールは怪我人続出でかなり厳しい状況。フィルミーノ、ケイタに加えて、リーグ戦で脳震盪を起こしたサラーも欠場します。マネと3トップを形成するのは今シーズン出場機会の少ないオリジとシャキリです。右サイドバックには攻撃的なアレキサンダー・アーノルドが起用されます。とにかくリバプールは攻めるしかない状況だけに、サラー・フィルミーノ不在が不安視されます。

一方のバルセロナは1stレグと全く同じスタメンで臨みます。既にリーグ戦の優勝を決めているバルサは、週末のセルタ戦で大幅なローテーションを敷いており、スタメンの選手のほとんどがフレッシュな状態でこの試合を迎えています(ビダルのみ途中出場)。不安要素はそのセルタ戦で切り札のデンベレが負傷してしまったこと。3点のリードを持っているだけに、どのようなゲームプランで試合に入るか非常に重要になってきます。

 

■開始7分、早すぎる先制パンチ

バルサのキックオフで試合は開始しました。当然試合開始から積極的にプレッシャーをかけるのは勿論得点が欲しいリバプールバルサとしては得点を与えないように気を配りながら、隙あらば、カウンターでアウェイゴールを狙っていこうというスタンスなのか大人しい立ち上がりになりました。

1stレグとは違い、CBやSBも積極的にインターセプトを狙って前に出てくるリバプール。中盤や前線の選手たちは「三度追い」も辞さないほど走り回ります。まあこの辺はバルサの選手たちも想定内だったと思います。3点必要なリバプールの選手たちにはこれしか選択肢がありませんから。

前半開始早々マネのパスからシャキリのファーストシュート。アンフィールドは大いに沸きます。バルサリバプールの激しいプレスをロングボールを使って回避しようとします。トランジション勝負になったら勝ち目はありませんから、とにかくリスク回避を優先に考えているプレーが目立ちました。

しかし、前半7分、思わぬ形で先制点を決められてしまいます。リバプールコーナーキックを何とか凌ぐとラキティッチが大きくクリアします。このボールを拾ったリバプールは再びビルドアップを開始。マティプが右サイドのマネに対して左足で放ったロングボールは大きく精度を欠いたように思われました。

このロングボールを処理したのはジョルディ・アルバ。フリーで余裕のある状態でした。にもかかわらず、アルバは後方にヘディングでパスをしてしまいます。これを狙っていたマネがボールを拾うと後方からスプリントしてきたヘンダーソンにパス。ヘンダーソンのシュートは何とかテアシュテーゲンが阻みますが、こぼれ球をオリジが押し込みリバプールが先制します。

バルサとしてはこれは余りに痛い失点でした。CK崩れだったので、恐らくアルバは正しくマネの位置を認知できていませんでした。コーチングもアンフィールドの大歓声で聞こえていなかったでしょうし。陣形が整っていなかっただけに慎重にプレーして欲しかったところではありますが。

 

▪️バルサの反撃

先制後もしばらくリバプールの攻勢が続きますが、追加点を許さなかったバルセロナは13分にファーストシュートを放ちます。

右サイドのビダルが前方のメッシに縦パスを入れると、動き直します。メッシの落としを受けるとコウチーニョ目掛けてサイドチェンジ。コウチーニョは駆け上がるアルバを使い、アルバがマイナスにクロス。飛び込んだメッシが左足でシュートを打つもののアリソンがビッグセーブで難を逃れます。

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バルサのネガトラ回避

1stレグでも機能したサイドチェンジはこの試合でも有効であることを示したプレーでしたね。リバプールはハイラインな上に、このシーンではメッシがファンダイクをDFラインから引きずり出していましたからかなり決定的なシーンだったと言えます。「ファンダイクが引っ張られる→空いたスペースをファビーニョが埋める→ファビーニョが空けたスペースをメッシが使う」の手順ですね。非常にハイレベルな崩しでした。

これを機にバルサは左サイドを足掛かりにいくつかチャンスを作ります。前半15分、リバプールのハイラインを出し抜いたアルバがブスケツの浮き球パスに抜け出すと、GKと1対1になります。自分で打つ選択肢は大いにあったと思いますが、アルバはメッシへのパスを選択。メッシはマティプに寄せられシュートには至らず。

17分、メッシがドリブルで中央を切り裂いて十分にDFを引き付けると、左のコウチーニョにパス。コウチーニョは余裕を持ってシュートを放ちますが、コースが甘くアリソンがコーナーキックに逃れます。

立ち上がりこそ、リバプールに押し込まれたバルサですが、このように4分間で決定機を3つ作るなど、左サイドの攻撃力をふんだんに利用してリバプールゴールに襲い掛かりました。アウェイゴールを奪えば、一気にリバプールを窮地に追いやることができたため、このあたりで点は欲しかったところです。

 

リバプールの変更点、負担を強いられたコウチーニョ

試合後、ファンやマスコミから槍玉に挙げられたのは苦境のコウチーニョでした。バルサの贔屓紙である『SPORT』も試合後採点で0点をつけるなど、散々な言われようでした。彼が本調子でないのは明らかですが、ここまで上手くいかなかった理由はどこにあったのでしょうか。

先述した通り、リバプールは右サイドバックを1stレグのジョー・ゴメスから20歳のアレキサンダー・アーノルドに変更してきました。この若き攻撃的SBがコウチーニョを苦しめることになりました。

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上図は前半16分のシーンです。マティプがドリブルでメッシとスアレスの第1プレッシャーラインを越えたとき、大まかにこのような陣形になっていました。注目すべきはこの時のコウチーニョのポジショニング。対面のアーノルドがかなり高い位置を取るので、彼のマークについた結果、DFラインと同じくらいの高さまで下がってしまっています。

コウチーニョはここまでポジションを下げられて活きる選手ではありません。守備は真面目に取り組みますが、決して得意とは言えませんね。ロングスプリントでカウンターの先鋒になるほど、走力もありません。低い位置に押し込められてしまっている状況でプレーするのは難しかったと思います。

じゃあ、何でコウチーニョを起用したの?っていう話になりますよね。恐らくバルベルデは試合開始から受け身になることは避けたかったのだと思います。最初からセルジ・ロベルトとビダルを両翼に置く4-4-2で守りに徹するよりは、ある程度こちらも攻めて、あわよくばアウェイゴールを奪取したかったというところでしょう。事実、コウチーニョが絡んでチャンスは作れていましたし、そこを仕留めてさえいればバルベルデの采配は英断だったと評価されていたと思います。

だからこそコウチーニョは前半17分のシーンを確実に決め切るべきでした。あそこで結果が出せないのなら、コウチーニョをわざわざ起用した意味はありませんよね。当ブログ的にはコウチーニョを比較的暖かい目で見るようにしていますが、結果的にコウチーニョ先発起用は失敗だったと断ずるしかありません。

ただ、コウチーニョ否定派の方々に知ってもらいたいのは今のバルセロナの左ウイングを務めることは思った以上に難しいというところです。メッシ&スアレスがほとんど守備時下がってこないため、左ウイングの選手は激しい上下動と守備負担を強いられてしまいます。この状況は彼ら2トップがバルサの中心に君臨している限り、誰を獲得しようと変わらないものです。コウチーニョの去就はまだ分かりませんが、来期バルサの選手でいる可能性はこの試合で下がってしまったかもしれません…。

 

 

■意外と少なかったリバプールの決定機

バルサが決定機をいくつか作ったものの、主導権はリバプールが握っていました。リバプールの攻撃の最優先事項はトランジションのスピードを活かした速攻ですが、それが叶わない時は先述したように、SBに高い位置を取らせてポジショナルな攻撃を展開します。

メッシ&スアレスのラインを越えるのは容易ですからボール運びはスムーズに進みました。しかし、ラインを低めに設定するバルサの守備をなかなか崩すには至りません。前半10分のテアシュテーゲンとマネの1対1の場面以降は、決定機らしい決定機は殆どありませんでした。23分、スアレスへの縦パスをファンダイクがインターセプトすると前線のマネに鋭いパス。マネのクロスのこぼれ球をロバートソンが強烈なシュートを放ちますが、これはテアシュテーゲンの守備範囲でした。

リバプールは結局前半7本しかシュートを放っていませんし、バルサの守備陣を崩したという印象はあまりありませんでした。むしろバルサのほうはシュート5本ながらも決まってもおかしくない決定機をいくつか作っています。失点はミスがらみですし、バルサが1stレグのように決定力を発揮していれば、リードしていたのはバルサだったかもしれません。

 

■看過できない、第1プレッシャーラインの非力さ

しかし、絶体絶命なピンチが少ないにも関わらず、嫌な空気が流れていたのは主にリバプールにあまりに自由にプレーさせてしまったところに原因があったかと思います。

再三申し上げているようにバルセロナの第1プレッシャーライン(メッシとスアレス)はほとんど機能していません。そのため、リバプールは簡単にボールを運ぶことができます。特に構造的にファビーニョがフリーになりやすいので彼を経由してリバプールは比較的自由にボールを展開してバルサの中盤以下を自陣に押し込めることに成功しました。

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大体のイメージ

これは別にこの試合に限った話ではなく、バルサの戦術的な欠陥になっています。例えばファビーニョを掴まえようとラキティッチが前に出たとしても、両CBに十分なプレッシャーがかかっていない場合は簡単に後ろのスペースを突かれてしまいます。リバプールの両SBが高いポジションを取ったことでよりこの弱点は浮き彫りになりました。この状況ではリトリートするしかほぼ選択肢がありません。SBのポジション取りでこれだけビルドアップは向上するのです。

いくらバルサのリトリート守備が向上したと言っても、8枚が下がって「バスを停める」だけではいつか決壊してしまいます。自陣に引きこもっているだけで守り切れるほどサッカーは甘くありません。ボールホルダーにある程度プレッシャーをかけて相手のビルドアップを阻害することで、守備は非常に楽になります。

この問題、特に自由を謳歌するファビーニョのケアをどうするのかが後半の課題となりそうな予感はありました。

 

ということで前編はここまでとします。いかがだったでしょうか。恐らくこの試合を観返したバルサファンの方はほとんどいないと思いますが、振り返ってみると意外にも前半はそう悪いものではありませんでした。ミスから失点してしまったものの、決定機を多く作りましたし、前半終了の時点では合計スコアは3-1と決勝進出は自分たちの手にありました。修正すべきところを修正し、正しいアプローチで後半に臨んでいれば勝ち抜けていた可能性は十分にあったと思います。

後編は明日以降の更新になります。後編も是非お願い致します。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

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