Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【マッチレビュー】20-21 ラ・リーガ第27節 バルセロナ対ウエスカ

こんにちは。ミッドウィークのPSG戦で引き分け、CL敗退を喫してしまったバルサは中4日空けてウエスカと対戦します。

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CLは敗退してしまいましたが、1stレグに比べると良いゲームをしたので、近年の敗退に比べると次につながるものはあったと思います。このCLでの敗退を糧に残るリーグ戦と国王杯でのタイトル獲得を目指したいですね。

対するウエスカはここまで最下位。決して悪いわけではないものの、勝ち切れない試合が続き苦しんでいます。残留圏内のエルチェとは勝ち点4差。まだ可能性は大いにありますが、本気で残留を目指すのであればこのバルサ戦でも勝ち点を狙いたいところです。

 

スタメン

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ホームのバルサPSG戦と全く同じ先発メンバーでこのゲームに挑みます。来週はソシエダとの試合を控えていますが、CLもなくなったのでリーガに全力投資!って感じですね。尚、ベンチには離脱していたアラウホが戻ってきています。出番はありますかね。依然としてピケ、コウチーニョ、セルジ・ロベルト、アンスは負傷により離脱中です。

アウェイのウエスカは前節セルタ戦から1人の先発変更。セオアネではなく、より守備に特長があるドゥンビアが先発メンバーに名を連ねます。残念ながら岡崎慎司はベンチからのスタートとなりました。

 

再びの3-4-2-1

この試合もバルサは3バックシステムでゲームに臨みます。これで5試合連続で3バックで試合に入ることになりました。

セビージャとの2連戦とオサスナ戦では3人のCB+3人の中盤で構成されていましたが、ピケとアラウホの再離脱により、2CB+フレンキーで3バックを形成し、中盤をブスケツ+ペドリの2枚で構成する形に変更になったのがPSG戦でした。このウエスカ戦でもそれを踏襲してきた形です。

この3バックシステムをバルサが導入する最大のメリットは「ボールを保持する相手に対して激しいプレッシングをかけられる」ことにあります。従来の4-2-3-1や4-1-2-3ではそれができなかったので、セビージャ戦やPSG戦ではそれが大いに功を奏した結果となりました。

裏を返すと、あまりボールを保持しない(できない)下位相手のゲームでは必ずしも3バックである必要はないと言えます。また、相手がこの日のウエスカのように2トップ系のチームであれば噛み合わせがズレてしまうので3バックのメリットは薄れてしまいます。

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相手が2トップだと噛み合わなくなる

なので、対ウエスカで言えば、4-1-2-3でも良かったのかなと思います。正直PSG戦に比べるとインテンシティは当然低かったので、プレッシングもあまりかかりませんでしたし。特に後半はウエスカの攻勢を受ける展開になってしまいましたし。

ただ、クーマンやスロイデルもその辺は織り込み済みで敢えて3バックを続けているんだろうなと思います。勿論、確実にウエスカに勝つことも大切ですが、重要なのはマドリ―やアトレティコにしっかり勝ち切ってリーガのタイトルを目指すこと。恐らくボールを持てるチームに対しては3バックをぶつけるんでしょうし、そこへの準備をすることの方に重きを置いているということですね。

3バックのメリットは他にもあるのですが、それはまた別記事で書いていきたいと思います。

 

フレンキーのリベロデンベレのCF

この試合の前半はほぼハーフコートゲーム。バルサがボールを持ち、ウエスカを自陣に釘付けにする展開となりました。

バルサのこの試合の前半の攻撃の肝は中盤中央の優位性ウエスカの3人に対して、バルサは中盤の2人+メッシ、グリーズマンで4人。つまり、4人の中で誰かが浮くので、その選手を上手く活用しながら攻めることができたのがこの試合のバルサでした。

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中盤中央の数的優位

4人ともそれほどポジションを固定している感はなく、左右は度々入れ替わってウエスカの守備陣を混乱させます。特にグリーズマンはフリーマンとして頻繁に中央や右ハーフスペースまで進出し、ウエスカの中盤の最後のスペースを取って、彼らの悩みの種になりました。

ウエスカは中盤で数的不利な上に中盤の1人がアタッカー色の強いフェレイロであるために、ここが明確な穴に。バルサの1点目も2点目も中盤の枚数が足りなくなったところをメッシ、グリーズマンに使われてエリア外からゴラッソを叩き込んでの得点でした。なぜセオアネが先発ではなかったのは気になるところです。

ブスケツ、ペドリ、メッシ、グリーズマンが素晴らしいのは勿論ですが、彼らの存在だけでは中央で数的優位はできません。この試合目立たないながらも重要だったのは、本来のポジション以外で起用されたフレンキーとデンベレでした。

まずはPSG戦に続きリベロで起用されたフレンキーについて。

彼の最大の特徴はドリブルで長い距離を持ち運べること。当然パスも水準以上のものを持っていますが、相手のプレスを単騎で剥がせる能力こそが彼の真骨頂です。こういう選手が最終ラインにいると相手はとても困ります。なぜならCBの持ち運びに対応するのは極めて困ります。

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↑参考記事

ウエスカの2トップに対して、バルサは3バック。元々数が足りていない上にフレンキ―を放置すると簡単に状況を打開されてしまいます。つまりウエスカの2トップは中盤のヘルプに行きたくてもなかなか行けない状況になっていました。

フレンキ―のリベロはかなり面白そうな雰囲気があります。僕は昨季はフレンキ―を最終ラインで起用するのはどちらかと言えば否定的だったのですが、今季のフレンキ―のタスクの変遷を見ていると、3バックの中央は悪くないかなという意見に変わりつつあります。ここに関しても今後の記事で詳しく書いていきたいと思います。

そしてCFで起用されたデンベレ

相変わらずコンビネーションや密集地帯での繊細さには難があるものの、爆発的なスピードは魅力的です。彼はPSG戦と同じく中央からサイドのスペースに抜けるランニングで深さを作ります。

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PSG戦でも見られた斜めのランニング

 

これをやられると困るのはウエスカの左右のCB。本来であればグリーズマンやメッシを潰しに行きたいところですが、迂闊にポジションを捨ててしまうと背後を簡単にデンベレに使われてしまう恐怖があります。

デンベレ自身のパフォーマンス自体はそれほどよろしくはなかったのですが、「いるだけで、走ってくるだけで怖い」というのは間違いなくありますね。いつの時代も速さは正義なんですね。

ただ、リアルな話をしてしまうと純粋なスピードはデンべレが上でもストライカーとしての総合力ではアンスが上だと思うので、デンベレはもうちょい幅を広げないとアンスが戻ってきたときに厳しいだろうなって気はしています。

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ということでウエスカの2トップはフレンキ―が、3バックはデンベレが引き付けていたため、中盤がある程度自由にやれたという側面はありそうです。今後彼らがリベロとCFが主戦場になるかは微妙ですが。ピケやアンスが戻ってくれば・・・というのはありそうですし。

 

その他もろもろの感想

メッシとグリーズマンの得点で2点を先行したものの、前半終了間際にコーナーキックからカウンターを食らってPKを与えてしまい、1点差に詰め寄られました。判定的にどうなん?っていうPKではあったのですが、あの時間帯に2点リードしている状況を考えるとリスクマネジメント的にどうだったん?って感じのカウンターの受け方でした。

このシーンだけでなく、CKからカウンターを受けるシーンはこの試合何度か見られました。今季のバルサはセットプレーからの得点が本当に少ないので、「CKがハイリスクローリターンになるくらいならもうCB上げずに全部ショートコーナーで良くない?」とか思ってたら、後半ミンゲサがヘディングで決めてしまったので何も言えなくなりました笑

ミンゲサはこれがトップチーム初ゴール。PSG戦はエンバペに手を焼いて前半途中で交代してしまいましたが、めげずに次の試合で結果を残しました。まだクオリティが足りない部分はありますが、デビューシーズン(そもそもトップチーム登録じゃないし)でここまでやってくれるのは本当に助かります。契約は今季で切れるようですが、延長すべきでしょう。

後半はウエスカが5-4-1に変更して割り切ったため、バルサはトーンダウン。前半ボコボコに使い続けた中盤の脇のスペースが使いづらくなってしまったのと、インテンシティががっつり落ちてしまったのが主因ですかね。前半は嚙み合わせの不一致を上手く使ったバルサですが、ある程度ウエスカの時間帯になると守備がめちゃくちゃになってしまいました。

それだけにミンゲサの得点で2点リードを持ったまま試合が推移したのは幸運でした。ウエスカで厄介だったのは単騎で剥がせる左サイドのハビ・ガランと途中出場のセオアネ。彼ら2人とCFのラファ・ミルはたとえウエスカが降格してしまっても他のプリメーラのクラブからオファーがあるだろうなと思います。

後半は試合自体ダレてしまったものの、メッシが終了間際に再び理不尽ゴールを決めてダメ押し。バルサが勝ち点3を手にし、首位アトレティコとの勝ち点差を4に縮めました。

 

雑感

CL敗退後の試合でしたが、よく勝ちました。メンタル的には大丈夫そうですね。個人的にはPKを外してしまったメッシが心配でしたが、それを吹き飛ばすような圧巻の2ゴールだったのでほっとしました。

メッシはこの試合で出場数がシャビに並んだようです。素晴らしいですね。今日のようなメッシのプレーをこれからもバルサで見たいですね。できることなら。その辺の去就はまだ分かりませんが、メッシが残る決断をしてくれたら嬉しいです。

さて、苦労した今季ですが、ついに首位アトレティコの背中を捉えました。実質16ポイント差くらい離れていた時期もあったと思うので、よく挽回したなと思います。優勝争いは主にアトレティコバルセロナレアルマドリードに絞られたと思います。数字上はセビージャにも可能性はありますが。

上位3チームの残り試合はこちら。

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バルサアトレティコ、マドリ―との直接対決を残しています。ここを制せばリーグのタイトルが見えてきます。前半戦は敗れているだけに厳しい試合にはなると思いますが、ここを乗り越えて優勝を勝ち取って欲しいですね。

代表ウィーク前最後の試合になる来週はソシエダとの対戦になります。難敵ですが、きっちり勝ってアトレティコにプレッシャーをかけ続けたいところですね。

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