Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【考察】衝撃のデビューシーズン アンス・ファティは新時代の希望になれるか 前編

こんにちは!今回は久々に選手個人にフォーカスを当てた考察記事を書いていきたいと思います。今回はアンス・ファティ。この選手について、ようやく書くときが来ました。今季彼がここまでの活躍を見せると、いやトップチームの一員として1年通してプレーをすると想像していた人はいるでしょうか。

今季一番の衝撃であり、またポジティブな出来事であったのがアンス・ファティの台頭でしょう。今回は彼のデビューシーズンを振り返りながら、今季の評価と今後の展望も綴っていきたいと思います。

それでは!

※記事内のデータは『SofaScore』、『FBREF』を参照

 

■デビューシーズンにして

2019年8月31日、19-20シーズン第3節オサスナ戦。1点ビハインドの状況で後半開始から投入されると、その5分後でした。カルレス・ペレスからのクロスをヘディングで叩き込み、同点弾を記録。これがアンス・ファティというプレーヤーが初めてFCバルセロナのスコアシートにその名前を刻んだ瞬間でした。

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ところで、この記事を読んでいる皆さんはこのアンス・ファティの存在をいつからご存じでしたか?僕がアンスの存在を知ったのは彼がこのゴールを決めた約3週間前のことでした。Twitterで知り合ったある友人とJリーグを観に行った帰りに、バルサの将来の話をしているときです。以下その時の会話です。

友人「そういえば、フベニールにすごいFWがいるんですよ」

Hikota「へ~、なんて選手?」

友人「アンス・ファティって言うんですけど、知ってますか?」

Hikota「あんすふぁてぃ・・?何歳の選手?」

友人「16歳です。めちゃくちゃ点とってるらしいです」

Hikota「へ~そうなのか。じゃあ近いうちトップデビューあるかもね笑」

的な話をしていたんですけど、その3週間後にその選手がトップチームで初ゴールを奪うわけですから、本当に仰天しました。「近いうちにトップチームデビュー」どころの騒ぎではありません笑。16歳の選手がバルサのトップでデビューするだけでも大変なことです。しかもアンスはバルサBを経験していませんから、いきなりの飛び級なわけです。

久保建英がまだバルサカンテラにいた期間、共にプレーしていたようですから意外と日本でも知名度が高かったアンス(トップデビューの直前まで知らなかった自分が恥ずかしい・・笑)ですが、ここまで早くデビューし、活躍すると予見していた方はいないでしょう。いないですよね?笑

今季序盤はメッシ・スアレスデンベレが揃って負傷離脱をしてしまったため、前線の選手が足りない状況ではありました。それでもカンテラの選手の登用に慎重だったバルベルデがいきなり使ってくるとは・・。それだけアンスのクオリティを高く評価していたということなのでしょうけど。

バルベルデの大抜擢に応えたアンスは今シーズン、リーグ戦24試合に出場。うち11試合で先発を果たし、プレータイムは合計1000分を越えました。1027分出場で、7ゴール1アシストを記録。今季のリーガにおいて彼の得点頻度(1ゴールあたりに要した時間)は149分。これはメッシ、スアレスアンヘル・ロドリゲス(ベティス)に続いて堂々の第4位。

さらにシュート1本あたりのゴール数は0.21でこちらはリーグ内で5位(ちなみにビダル先輩は0.32で1位タイ)。ゴール-ゴール期待値はなんと3.2で8位。これらのスタッツは彼の素晴らしい決定力を表していますね。

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際立つ決定力

他のスタッツも載せておきましたが、やはり決定力が素晴らしいですね。出場機会が少ないながらも、シュート総数はチーム内4位、ドリブル総成功数はチーム内6位と、積極性も目立ちます。良いスタッツしか載せなかったので見栄えがとてもいいですね。他サポの方が読まれていたら顔をしかめてらっしゃるかもしれません笑。

ただ、贔屓目抜きに16歳~17歳の選手がプリメーラ初挑戦でここまでの数字を残すのは普通ではありません。シーズン7点は昨シーズンのコウチーニョより2点も多く、デンベレより1点少ないだけです。1億€以上で買ってきた選手たち以上の結果をカンテラーノの選手が残している事実は、僕達にとってこの上ない喜びですね。

 

■アンス・ファティってどんな選手?

一通り今季のアンスの活躍に触れたので、今度はアンスのプレースタイルについて語っていきたいと思います。尚、先述したように、僕は彼のカンテラ時代のプレーは一切知りません。今から書くのは今季1シーズンを見た上での僕の印象になりますので、そこはご了承ください。

まず、基本ポジションは4-3-3の左ウイング。セティエンが就任して始めのリーグ戦2試合は3-1-4-2の右WBとして起用されたりもしていましたが、まあここの機能性はイマイチでしたし、左サイドがベストでしょうね。身長は178㎝とバルサのウイングとしては大柄な部類です。今季は成長痛による欠場もあったのでまだ伸びるかもしれません笑。

彼の左ウイングとしての能力的な武器は大きく分けて3つ。

①サイドのレーンでのスピードを活かしたドリブル突破

②左サイドから中央方向への飛び出し

③得点パターンの多さ

まず目につくのは、サイドのレーンでのドリブル突破。特にスペースがある状態での突破力は目を見張るものがあります。リードしている試合での途中出場の際はもうやりたい放題です。1on1にも強いですが、特筆すべきはDF2人の間をすり抜けるドリブル。あれはちょっとネイマールっぽさがありますね。相手を引きつけてフリーの味方にパスを出す冷静さもあります。

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引き付けてパスも

アンスの突破が存分に見たい方は是非今季の6節ビジャレアル戦の後半をご覧ください。 

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そして、右からのスルーパスを左サイドからのランニングで引き出すレパートリーも持ち合わせています。第22節レバンテ戦のゴールは、この形でメッシからのスルーパスを受け、GKとの1対1を制したものでした。これはダビド・ビジャを思い起こさせる動きでした。アンスのスピードはオープンスペースで大いに発揮されます。オフザボールの動きはバルサのウイングにとって、とても重要ですね。

アンスの魅力は得点パターンが多いところにもあります。今季CLを含めるとアンスが挙げたゴールは8つ。うち1つは前述したメッシのスルーパスをスペースで受けてGKとの1対1を制したもの。右からのクロスに合わせて決めたのが3つ。そのうちの1つは初ゴールとなった打点の高いヘディングシュートです。エリア内で受け縦に持ち出し左足で決めたものが1つ。

インテル戦ではスアレスのワンツーからエリア手前でファーサイドにグラウンダーのシュートを叩き込みました。レガネス戦ではペナルティーアーク内の中央の狭いスペースで横パスを受けると、すぐさま足を振り抜きゴール。後半戦のビジャレアル戦では、カットインからノールック股抜きシュートで名手アセンホのニアサイドを抜きました。

彼が他の若手ウインガーと比べて優れているのは、サイドのレーンだけでなく、中央で仕事ができるストライカーの役割も並行して担えるところでしょう。基本技術が高いのでよりスペースの少ないハーフスペースや中央でもボールを引き出すことができ、よりゴールに直結する位置でプレーを完結させることができます。仕掛け一辺倒にならず、ボールを放すべき時は時は放す状況判断力も年齢の割に成熟しています。

俗に言う「消えている」時間が少なく、少ないスペースでも仕事ができるのは流石バルサカンテラーノといったところでしょう。スピードが大きな武器ですが、それが彼にとって武器になりすぎていないのが彼の大きな強みだと思います。定位置は左のワイドのレーンですが、そこから左のハーフスペースに移動し、ジョルディ・アルバにスペースを提供する動きも自然とこなしています。

また、逆サイドからのクロスに対して斜めに飛び込むパターンも既に会得しており、ストライカーらしさも垣間見せます。サイドのレーンでは突破力を武器とするウインガーとして、中央ではセカンドストライカー的な振る舞いをしており、頭のスイッチングがしっかりしている選手でもあるのです。

そして、相手を手玉に取れるだけのドリブルスキルを持ちあわせていながら、それをひけらかすことはほとんどなく、常にゴールに向かう姿勢も見られます。ウイイレ的に言うと「ウイングストライカー」みたいなプレースタイルの形容がしっくりくる選手ですね。無駄が少なくシャープなアタッカーですね。本当に17歳とは思えません(n回目)。

さらにこの記事で強調したいのはアンスの勝負強さ。今季アンスが決めた8ゴールの内、4つが先制点、2つが勝ち越し点、1つが同点弾と7点が勝敗に直結するゴールになっているのです。勝敗が決した後のダメ押し点的なものはビジャレアル戦の得点のみ。試合を決定づけられるアタッカーとしての片鱗を見せつけた格好です。

 

■まとめ

さてさて、また長くなってしまったので前編はこの辺にして、続きは後編として出そうと思います。後編ではアンスのもう1つの絶対的な強みと、今後課題になってきそうな懸念点、さらには来期以降の起用法について言及していきたいと思います。

これだけ心躍る若手アタッカーはちょっと久しぶりなので、前編はかなり舞い上がって書いてしまいました笑。ちょっと褒め過ぎたかもしれません。後編はもう少し、冷静に感情を抑えて執筆したいと思いますので、後編も是非是非よろしくお願いします!

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 ↑後編はこちらから!

 

 

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