こんにちは。前節ウエスカに4-1で勝利したバルサ。今節はソシエダのスタジアム、アノエタに乗り込んでのアウェイゲームになります。
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ソシエダはここまで12勝9分6敗で5位に位置しています。ELはマンチェスター・ユナイテッド相手に敗退してしまいましたが、リーガ屈指の強豪チームであることに変わりありません。
前半戦の対戦は2-1でバルサが勝利しましたが、スーペルコパでは120分間で1-1の引き分け。辛くもPK戦の末勝利したものの、非常に苦戦を強いられました。今節はアウェイでの1戦ということで厳しいゲームになるかと思いますが、アトレティコにプレッシャーをかけ続けるには勝つしかありません。
スタメン
ホームのソシエダは怪我人が多い状況。エルストンド、シルバ、グリディ、モンレアルらがこの試合を負傷により欠場します。特にダビド・シルバの欠場は残念です。彼は結局今季のバルサ戦は全て不在ということになりました。欠場者以外はベストメンバーだと思います。
バルサは3試合連続で同じスタメンになりました。久々に1週間近く試合の間隔が空いたことで、選手たちのコンディションもある程度フレッシュになっているといいのですが。セルジ・ロベルトは練習に戻ってきているようですが、今節でのメンバー復帰とはなりませんでした。
プレッシング回避と制圧した中盤
この試合、ソシエダはいつもの4-3-3ではなく、5-4-1のような陣形でバルサに挑んできました。これはスーペルコパ準決勝と同じようなアプローチです。
ただ、ソシエダは5-4-1で常時ベタ引きになるわけではなく、バルサの後方からのボール出しに対しては前からプレッシャーに行く姿勢を見せます。行くときはほぼ同数に近い形で前からハイプレッシャーをかける方針でした。
同数プレスということはピッチ上で1対1の局面が増えるということ。バルサが明確に優位性を持っていたのは、最前線のデンベレ対スビメンディの局面でした。
本来アンカーの選手であるスビメンディはこの試合3バックの真ん中に入ったわけですが、マッチアップは爆発的なスピードを誇るデンベレ。バルサは困ったらデンベレへのロングボールでプレッシングを回避していたのですが、ここである程度デンベレがキープorラインブレイクできていたのは大きかったと思います。
ここ数試合で見せているように相手のプレッシャーを攪乱するのはグリーズマンの役割。左サイドに留まらず、低い位置や右サイドまで幅広く動きボールをレシーブしてリズムを作るエネルギッシュな本来の彼らしいプレーが見られました。
3バックでもソシエダのプレッシャーをさほど苦にしなかったのはチームの成長を感じますね。
これも前節のレビューと重なるところがありますが、フレンキーのリベロ起用は相手のプレッシャーを剥がす上でかなり効いています。彼は相手が寄せてきても平気な顔してボールを持ち、ドリブルで剥がす力を持っているので、相手のCFからすると対応が難しい選手になっています。
ビルドアップ時には画像のように中盤の選手の様に振舞うことも当然できるので、相手からすると的が絞りにくい状況になります。フレンキ―のリベロはチームに柔軟性をもたらす一手だと言えるでしょう。ピケが戻ってきたときどうするのか、嬉しい悩みになりそうですね。
ソシエダはプレッシャーを回避された場合、5-4-1のブロックで後方のスペースを消す方針。ハイプレスとリトリートを使い分ける戦術ですね。
ソシエダとしては5バックにして後方のスペースを消してバルサの攻撃を膠着させようという狙いだと思いますが、5バックにした分中盤中央は薄くなってしまいます。バルサはブスケツ、ペドリの中盤2人、そして幅広く動くグリーズマンとメッシの計4人でソシエダの中盤を翻弄します。
リトリート時のソシエダは5バックのラインを崩さないことを重視していたと思うので、ここを比較的自由にできたのは大きかったですね。ソシエダとしては5バックで耐えたかったところだと思うのですが、中盤を自由にできたほうがバルサとしては大きかったなと思います。
前半の2得点のブスケツからメッシへの楔のパスに代表されるようにこのラインを抑えられなかった印象の強いソシエダ。メッシかグリーズマンのどちらかが浮いてしまうことが多く、彼らがハーフスペースで上手くボールを引き出せたことがバルサが優位に試合を進めた大きな要因の1つでしょう。
そして中盤が上手く運べば、当然サイドも空いてくる好循環が生まれます。この日デストが2ゴール、アルバが2アシストを記録したのは上手くチームが中央のスペースを活用できていたから。特にデストの2ゴールは素晴らしかったですね。
ソシエダは引いて良さが出るタイプのチームではないので、ゲームプランミスの向きもあるかと思いますが、ここ数試合のバルサの出来を考えると難しいところですね。個人的には3センターでバルサの中盤を抑えにかかるかなとは予想していたのですが。
素晴らしい守備とトランジション
「いい攻撃はいい守備から始まる」という言葉があります。それを体現しているのがここ数試合のバルサです。
リーガのトラッキングデータを確認する術がないので、最終的な数値は分かりませんが、後半半ばに表示されたチーム総走行距離のデータはソシエダとイーブンの90.2kmでした。メッシを擁するバルサが相手と同じだけの走行距離を記録するのは稀です。それだけこの試合のバルサは走っていたという裏付けになるデータですね。
この試合も同数でプレッシャーをかけるバルサ。メッシも含めて全員で前からプレッシングをかけていきます。
ソシエダはバルサのプレッシャーに対してイサクが左に流れ、オヤルサバルが中央に落ちる形でプレス回避を試みていました。身長が高く、フィジカルの強いイサクをサイドに流すことでそこで起点を作ろうという意図だと思います。ポルトゥも内側に入ることが多いので、ボール保持時は3-4-1-2のような形になっていましたね。
興味深かったのがこのオヤルサバルとイサクの配置換えに対して、対面のフレンキ―とミンゲサは受け渡しをあまりせず、そのまま自分のマーカーについていくシーンが多かったこと。ここはルールだったのでしょうか。試合中何度かミンゲサとフレンキ―が話し込んでいる所は抜かれていたので、もしかすると彼等の判断だったのかもしれませんが。
フレンキーは一度イサクに入れ替われらたシーン以外はよく対応していたと思います。彼はやはりフィジカル面での強さがあるので、中盤の選手ながらCFに対しても簡単に走り負け、競り負けしないところが他の選手との大きな差です。
いずれにしてもソシエダからすると、前から常にプレッシングをかけてくるバルサは厄介だったと思います。前半戦やスーペルコパでは見られなかったバルサの超ハイプレスはかなりストレスを与えましたね。
この日のバルサのポゼッションは69%を記録しました。これは決して持たされたものではなく、ソシエダに果敢にプレッシャーをかけてボールを取り上げた結果です。ボールを持ってこそ真価を発揮するソシエダからああいう形でボール保持を許さなかった時点でバルサの優位は決まっていました。流石に6-1で勝つとは思わなかったですけど笑
また、プレッシングだけではなくトランジションの意識も素晴らしかったのが今日のバルサ。特にその先鋒になったのがグリーズマン。誕生日ブーストがかかっていたのか1人だけコンディションのレベルが違っており、圧巻のトランジションでボールを奪い返すシーンが何度もありました。
グリーズマンは得点数の少なさや攻撃面のクオリティで批判されることが多い選手ですが、この3-4-2-1においては不可欠な選手だと思います。メッシもデンベレもトリンコンもブライスワイトもプレッシングをかけることはできても、グリーズマンのように中盤を助けることはできないでしょう。
グリーズマンは3人目の中盤兼3人目のアタッカーとして機能しているのです。まさに中盤と前線を繋ぐリンクマンの役割を果たしており、攻守に渡って目立たないながらも貢献度は高いと思います。グリーズマンを外すのであれば、中盤を3枚にする必要があるのではないでしょうか。
ちなみに3-4-2-1における各選手のタスクのイメージはこちら。
クーマンがどこまで意図しているのかは分かりませんが、結果的に各選手の持ち味が出るような配置とタスクになっていると思います。
しかしながら、際立つのはやはりペドリ。彼はどのタスクでもこなせるのでしょうか。インテリオール時代と比べるとややバランスを意識したポジション取りが求められる度ブレピボーテの一角にも難なく適応。ブスケツと彼の所でボールが回収できてしまうのは大きいですね。
1月から始めた4-1-2-3も各選手の良さが出るようなコンセプトでしたが、今やっている3-4-2-1はそれに加えてチームのバランスも是正されたような感じですね。
試合雑感
素晴らしいゲームでした。敵地アノエタで6-1の勝利はポジティブ以外の何者でもありません。結果だけでなく内容も伴った好ゲームでした。リーガ屈指の強豪に対して6得点の勝利など、シーズン前半戦では考えられなかったことです。
気持ちよく代表ウィークに臨めそうですね。選手たちが全員無事に帰ってくることを期待したいです。
代表ウィーク明けはバジャドリード戦を経ていよいよクラシコ。ここで勝てればリーグタイトルも見えてきます。必ず勝ちたいです。今のバルサなら勝てるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございます。