こんにちは!
こちらの記事の続編いきます!前編では散々だった3節〜12節のクーマンバルサについて書きました。この頃を思い出して眩暈がした方もいたようです笑
今回は前編に比べるとかなりポジティブ要素強めですので、ご安心ください笑
それでは。
光明期(13節、19節、14節)
リーグ戦勝敗:2勝1分 5得点3失点
基本フォーメーション:
CLグループステージ首位攻防戦となったユベントス戦で0-3の敗北。そして、昇格組であるカディスに1-2の敗北を喫して、クーマンを取り巻く空気は非常に厳しいものになりました。
そのような状況下で、クーマンは原点、つまり最初の3試合に立ち返ることを決断します。つまり、メッシを再びCFのポジションに戻したのです。結局そうするんかい!というツッコミを思わず入れたくなりますね笑。流石にクーマンもメッシを2列目で起用することに限界を感じたのでしょうか。
メッシの両翼は本来中央の選手であるグリーズマン、ブライスワイトが務めます。チーム事情的にアンス、デンベレが負傷離脱中でトリンコンがあまり適応できていなかったので他に選択肢がないというのはあったのですが。ただ、メッシがボールを受けに下がったタイミングで彼ら2人が背後を狙うやり方は一定の効果がありました。
基本フォーメーションは4-2-3-1としましたが、13節レバンテ戦と14節バレンシア戦は4-1-2-3寄りの形を取っており、これまで頑なに4-2-3-1を貫いてきたクーマンの姿勢に変化が見られたのがこのタイミングでした。
この頃にはペドリの存在感は眩いばかりになっていました。
前編で書いた低迷期に出場機会を増やし、その類まれなる才能を発揮したペドリはこの時期にはもうすっかり主力。サイドで使われることもありましたが、この3試合では4-2-3-1のトップ下や4-1-2-3のインテリオールで本領を発揮。
単に技術が高いだけではなく、賢く、ポジショニングに優れるペドリ。ボール保持時ではイニエスタの様にメッシと上手く連携、サポートし、非保持時はラキティッチやビダルの様にスペースを埋め、ボールを奪う。まさにメッシのいるチームが求めていた2つのピースをあっさり1人で埋めてしまったのがこの18歳だったのです。
13節レバンテ戦は4-1-2-3で挑んだものの、苦戦。1-0で何とか辛勝しました。この試合にペドリが先発していなかったことからも彼の重要性が透けて見えます。
続く19節ソシエダ戦(前倒し開催)は2020年のバルサのベストゲームだったのではないでしょうか。ブスケツ、フレンキー、ペドリ、そして、メッシの4人はソシエダの中盤を制圧。ブライスワイト、グリーズマンは斜めの動きで背後を狙い、両SBの攻め上がりが光った好ゲームでした。
ペドリと並んで非常に大きかったのはアラウホの台頭。CLグループステージ第2節ユベントス戦の負傷から12月にようやく戻ってきたこの若きCBはピケ不在のDFラインの中心として君臨します。
アラウホが重用された理由はその圧倒的なスピード。快足アタッカーと走り合っても決して競り負けない能力は、現チームのCBの誰も有していないものです。それまではCBのスピード不足でラインを上げきれなかったバルサですが、彼1人の存在で勇気を持ってラインを上げることができるようになったのは非常に大きかったと思います。
アラウホと並んでこのタイミングで一気に株を上げたのがBチームのミンゲサでした。ピケとウムティティの負傷、そしてラングレのパフォーマンスが安定しない中での抜擢に見事に応えました。
正直ミンゲサが今季トップチームで試合に出場すると予想していた人はほとんどいないでしょう。Bチームでもあまり評価は芳しくなかったようですし(僕がたまたま見た昨季のプレーオフでもベンチだった)、今季最大のサプライズと言っても過言ではありません。
ペドリ、ミンゲサ、アラウホ、そしてクラシコで素晴らしいパフォーマンスを見せ、セルジ・ロベルト負傷の穴を埋めた20歳のデスト。彼ら若手4人の台頭でバルサは息を吹き返したと言えます。
ソシエダ戦に続くバレンシア戦では勝ち点を落としてしまいましたが、成績が低迷していた頃と比較すると幾分かチームのプレーは上向き、光明が射した3試合だったのではないでしょうか。
不可解期(15節、16節)
リーグ戦勝敗:1勝1分 4得点1失点
基本フォーメーション:
メッシCFを復活させてから2勝1分と持ち直したかに見えたクーマンバルサ。しかし、クーマンはまたしてもチームに手を加えます。
バレンシア戦の次のバジャドリード戦で突然の3-4-2-1の採用。
3バックには売出し中のアラウホ、ミンゲサと左利きのラングレを並べ、ピボーテにはフレンキーとここまでほとんどリーグ戦で出番のなかったピャニッチが入ります。最前線は唯一の9番であるブライスワイトが入り、彼の下にメッシ、ペドリが並びました。
バジャドリードに3-0の完勝を収めると、続くエイバル戦にも同じ形で臨みますが、メッシ温存が裏目に出て1-1の引き分け。年内最後の試合で勝ち点を落とす後味の悪い終わり方となりました。
なぜクーマンが突然3バックを採用したのかその理由は定かではありません。
バレンシア戦に引き分けてしまったのは確かに痛恨だったものの、あれはどちらかと言うと勝ち越し後のクーマンの采配に問題があったと思います。試合を通じてバレンシアに苦戦したのは事実ですが、その要因の1つはコウチーニョのインテリオール起用かと。コウチーニョのインテリオールが上手く行かないのは18-19からです。
ミンゲサとアラウホを継続的に使いたかった(かつラングレをベンチに置き続けるのもあれなので)という事情があったのかもしれませんし、デンベレが怪我でいなかったというのも影響したかもしれませんね。まあいずれにしても突然の3バックでこちらはびっくりしまたしね笑。
3バックにした時のメリットもありました。
まずは4-2-3-1採用時代に見られたライン間密集現象が軽減されたこと。CFにはあまりライン間に降りてこないブライスワイトが起用され、幅取り役は両WBが務めます。つまりライン間に入るのはメッシ(グリーズマン)とペドリのみ。ライン間がすっきりしたことでメッシはプレーしやすくなったと思います。
また3バックで逆サイドの大外を捨てたプレッシングの形も見られました。
中盤とペドリの運動量は多く要求されるものの、ある程度前からプレッシングに行く姿勢は見せていました。少なくともバジャドリード戦は3バックもオプションとしては悪くないね!的な雰囲気はあったと思います。
しかし、疲労を考慮してメッシをベンチ外に置いたエイバル戦でまさかのドロー。カンプノウでのエイバルとのゲームだったので、ここで勝ち点2を落としてしまったのはかなり痛かったですね。
エイバル戦で露呈したのは対ハイプレスの脆さ。特にアラウホとミンゲサの所を狙われてしまい、バルサはなかなかリズムを作れずに苦しみました。エイバルの先制点もまさにアラウホのビルドアップのミスを突かれてのものでした。まあメッシとブスケツがいなかったので、3バックどうこうに関わらずビルドアップは苦戦していたとは思いますが。
この後は4バックに戻したのでこの時期の3バックに関して手ごたえはなかったのかもしれませんね。結局この2試合であっさり3バックは終わってしまいましたから。
ただ、もしかするとここ最近の3バック採用は、この時期の3バックと関係があるのかもしれません。実は2020年の年末の2試合が、セビージャやPSG戦のヒントになった的な。同じ3バックでもコンセプトが全然違うので可能性は薄いですが、一応3バックの実験的なことはここでやっていたから、こそなのかもしれません。
うーん、考えすぎな気がしてきたので、これは単なるクーマンの気まぐれだったのかもしれませんね笑。
はい、ということで中編はここまで。後編まで書くと5000文字(一応1記事当たりの基準にしている文字数)を軽く超えてしまいそうなので、続きはもう1記事に書きます。
最後までお読みいただきありがとうございます。