こんにちは。Hikotaです。引き続きレビューを習慣化していきたいと思います。
試合背景
チェコ王者であるスラヴィア・プラハは今季の国内リーグで無敗を誇っています。対照的にCLでは未勝利と、厳しい時間を過ごしていますね。プレーオフ圏内までは4ポイントで決勝トーナメント進出は絶望的な状況となります。日本代表の橋岡大樹が今季から所属していますが、総プレータイムが僅か293分と定位置確保に苦しんでいるようです。
ちなみにチェコ・ファーストリーグは開幕が他リーグよりも早い分、ウィンターブレイクが長いのが特徴で、この試合の前の最後の公式戦は12/14でした。1ヶ月以上のブランクを経て初戦がバルセロナというのは、彼ら目線ではアジャストが難しいかもしれませんし、逆に言えばゴリゴリに対策する時間はあったかもしれません。
バルセロナは週末のソシエダ戦の敗北で公式戦の連勝が11でストップ。このゲームで仕切り直したいところです。
選手層の薄いバルセロナとしては試合数が嵩むのは避けたいため、決勝トーナメントへのストレート圏内である8位をめざしたい状況。幸い、前日のゲームで上位陣が勝ち点を落としたこともあり、残り2試合で勝ち点6を取れば僅差でストレート突破できる可能性は見えてきました。そのために、この試合の目標は得失点を稼ぐことを念頭に「大差で勝つ」ことになるでしょう。
スタメン
スラヴィア・プラハ

直近(といっても12月のゲームですが)のリーグ戦からは4人の先発変更。橋岡大樹はベンチからのスタートになります。
バルセロナ
週末のソシエダ戦から4名変更。 マルティン、ルーニー、ラフィーニャ、レバンドフスキが先発します。ベンチにはBチームからファン・エルナンデスとダニ・ロドリゲスが入りました。ダニ・ロドリゲスは先発したものの負傷退場を強いられた昨季のバジャドリード戦以来のトップメンバー入りとなりました。
欠場者はクリステンセン、カンセロ、ガビ、ドロ、ヤマル、フェラン。ヤマルはサスペンションによる出場停止。カンセロは途中加入のため、リーグフェーズ中の登録は不可になります。フェランは10日ほどの欠場になるようです。
尚、テア・シュテーゲンのジローナへのローン移籍は決定済です。ドロは未発表ですが、今冬での退団は既定路線となっています。
試合展開
前半
前半はスラヴィア・プラハの健闘が目立つ45分となりました。
非保持はマンツーマンベースのスラヴィア。基本的にバルサの選手たちに人ベースでついていくことでバルサの攻撃の遮断を狙います。ミドルゾーンだけでなく、押し込まれた際もマンツーマンベースは変わらず、背後に抜け出した選手にそのままマーカーがついていくことが原則になっていました。

ただし、マンツーマンベースと言っても全局面1人1殺ではなく、レバンドフスキに対してはCBが1枚余る形で後方の数的同数を確保。主にバルサの右CBのエリックをフリーマン設定にしており、ここで運ばれるリスクは許容しているように見えました。
スラヴィアの日頃の非保持のスタイルは分かりませんが、バルサの中盤対策としてマンツーマンでペドリにどこまでもついていくというのは今季セビージャやPSGも採用したメジャーな対応です。案の定、バルサは前に進むのに苦労します。
保持時はボールサイドに多くの選手を集め、局面で数的優位を作る動きが目立ちました。サイドで数的優位を作って地上戦で前進し、セットプレーを獲得することで高さの優位性を活かすという意図は見られたと思います。トップ下のプロボドが上手く時間を作って味方を楽にしてて良かったと思います。
非保持で上手くバルサを止めたスラヴィアは、狙い通り10分に先制。右サイドからのコーナーキックをニアでそらし、ファー側の選手が身体で押し込んだゴールネットを揺らします。
バルセロナは寒さもあってかなかなかギアが上がらず、スラヴィアのプレッシャーを受けてイージーなミスを連発。ペドリやフレンキーでさえ、簡単なパスミスが目立ちました。このような対応をしてくる相手に、ダブルチームでないと止められないヤマル不在で臨まなければならないのはバルサとしては痛かったですね。
しかし、徐々に時間が経つにつれて状況に順応していきます。フリーマン設定のエリックのボールキャリーや、ペドリとフレンキーの縦関係構築によるマーカーの分断、1タッチのコンビネーションなどに活路を見出していきます。
バルサが反撃の狼煙を上げたのは34分。まさにフリーマンのエリックのパスからワンタッチのコンビネーションで中央を攻略し、フェルミンがエリア内右から強烈なシュートを決めます。自陣でも誰もエリックにアプローチに行かないスラヴィアの割り切った姿勢を逆手に取りました。さらっとしていますが、フリーマンのやりづらさを苦にしないエリックの性能の良さが際立ちました。
更にその8分後。今度は敵陣右寄りで時間を作ったペドリからのパスを中央で受け取ったフェルミンが、エリア手前から右足を振り抜き、ゴール左上に突き刺します。フェルミンの今季10ゴール目でバルサが逆転に成功します。
しかし、ここでバルサの「悪癖」が発生。逆転直後の右コーナーキックで、デジャブのように再びニアで合わされ、レバンドフスキのオウンゴールであっという間に同点に追いつかれます。失点の2回ともニアの選手がフリーだったのはいただけません。ここは修正が必要ですね。
結局前半は2-2で終了。後味悪くハーフタイムを迎えます。
後半
ハーフタイムで動いたのはスラヴィアの方でした。右SBとボランチの1枚を入れ替えます。マーク担当としてはペドリとラフィーニャのところなので、バルサの重要人物への対応強度を落とさないような采配といったところでしょうか。

スラヴィアとしてはあまり前半とスタイルは変えずに引き続きマンツーマンベースでの対応を継続しますが、後半はバルサがやや優位に進めることになります。
バルサ側の意識として変わったのはフレンキーの使い方。明らかに前半と比べると彼が中盤でマーカーを剥がしてボールキャリーを試みる回数が明らかに増えました。
マンツーマンベースのチームからすると、中盤で1枚剥がされると一気に前進されてしまうので辛いところです。フレンキーのコンディションは年末からかなり良いように見えており、ここのマッチアップで優位性を保っていたのはバルサにとって大きかっだと思います。
しかし、ここでバルサにアクシデント。珍しくこの試合でボールフィーリングが悪かったペドリが、右ハムストリングを痛めて負傷退場。かなり気温が低かったので筋肉系の怪我は懸念していましたが、最も欠きたくない選手を再び負傷で失ってしまいました。
ペドリの負傷のタイミングでフリックは2枚替え。ペドリとルーニーを下げ、オルモとラッシュフォードを投入します。結果的にこの交代が当たることになり、バルサは勝ち越しに成功することになりました。
交代から僅か2分後。相手のクリアをエリア手前で拾ったオルモが左寄りの位置から右足を一閃。美しい軌道を描いたボールがゴール右上に突き刺さり、バルサが勝ち越しに成功します。今季シュートがヒットしないことが多かったオルモに会心の一撃が生まれます。
更に交代で入ったラッシュフォードからも得点が生まれます。左サイドのポケットを突いてシュート性のクロスを入れると、待っていたレバンドフスキのコントロールは高く浮きますが、空中のボールに素早く触りGKを破って得点。背番号9の真骨頂のような一発で点差を2に広げます。
その後はアラウホとベルナルを投入し、チームのバランスを確保。5点目を狙いつつクローズ体制に入ったバルサ。本来であれば得失点を稼ぐために攻め込みたいところでしたが、ベンチに攻撃のカードが乏しかったため、リードを広げるよりも保つ方に重心を置いた印象はありました。
バルサがトーンダウンしたことで攻め込みたいスラヴィアでしたが、バルサのハイラインに苦戦。やはり初見殺しというか、初めてフリックバルサと対戦するチームは超ハイラインとオフサイドトラップに困惑することは多い印象です。ビッグクラブだと一発でアジャストしてきますが…。
また、スーペルコパ決勝以来の出場したアラウホの対応も良かったと思います。メンタルの問題なのでフリックも慎重に起用していそうですが、クバルシやエリックの負荷の大きさを考えると、ひとまずはクラシコや今回のようなクローザータスクで彼を活用できるとありがたいなと思います。
試合はこのまま4-2で終了。バルサが苦しみながらも勝ち点3をゲットしました。
雑感
得失点はもう少し稼ぎたかったのが本音はあるものの、まずは勝ち点3を積み上げるという最低ラインをクリアできたのは良かったと思います。出ずっぱりだったクバルシやヤマルを丸々使わなかったのもポジティブな要素の1つでしょう。
これでバルサは勝ち点を13に伸ばし、9位に浮上。現時点で勝ち点13のチームが8チーム並んでおり、大混戦になっています。最終節は得失点も絡む壮絶なレースになりそうです。勝ち点3かつできるだけ得点を稼ぐという方針は次節も変わりません。
Arsenal and Bayern München through to the round of 16 ✅
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) 2026年1月21日
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スラヴィアは勇敢に戦い、バルサは大いに苦しみましたが、こういうゲームできちんと跳ね返せているのは今のチーム状態の良さを表していると感じます。昨季はヤマルがないとどうしようもないみたいな雰囲気でしたが、今季はルーニーがいることもあって彼不在でもやりようがあるのは良いことですね。
なんと言っても特筆すべきはフェルミンでしょう。重苦しかった前半を右足の二振りでガラッと変えてくれました。これで今季の公式戦で10G10Aを達成しました。1514分というプレータイムから考えても素晴らしい数字と言えるでしょう。完全にレギュラーを奪った感があります。
気になるのはペドリの負傷。初期報道では3〜4週間の離脱になるということで少なくとも次節の出場は不可でしょう。おまけにフレンキーが終盤にカードを受けてしまい、最終節のコペンハーゲン戦は出場停止。ストレートインがかかった一戦に自慢のダブルボランチが不在となることが確定しました。
この難所をどう切り抜けるのかは注目ポイントの1つです。最近のカサドの扱いを考えると、現実的なのは再びエリックを一列上げる下記のような形かもしれませんね。

コペンハーゲンには僕が日本代表で今1番注目している鈴木淳之介がいるので試合はとても楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございました。