こんにちは!どうも、リーガ再開が待ち遠しくてたまらないHikotaです笑。その気持ちは全力で記事にぶつける所存です。ということで前回記事はこちら!
さて、今回は久々に選手1人にスポットライト当てる考察記事を書いていきます。今回、取り上げるのはジェラール・ピケ。僕がブログを始めて約1年半になりますが、ようやくピケについて書く時が来ました笑。近年のピケに関してはもしかすると人によってかなり評価は分かれるかもしれません。ここでは僕なりのピケの評価を綴っていきたいと思います!
■最終ラインのレジスタとして
2019年1月、フランスから1人の青年がバルセロナに降り立ちました。ジャン=クレール・トディボ。日本代表昌子源も所属していたトゥールーズで頭角を現し、バルセロナに引き抜かれることに。フランス人CBらしくフィジカル面で計り知れないポテンシャルを持ち、粗削りながらビルドアップの才覚も覗かせる彼にはバルセロニスタの期待も高かったように思います。
しかし、そんな期待に反してトディボの1年間のトップチーム出場数は僅か5試合。出場機会を求めて、昨冬の移籍市場でシャルケへのレンタル移籍を選択しました。若きフランス人CBの前に立ちはだかったのは、当然ジェラール・ピケ。チームで最も頼れる守備者の牙城は最後まで崩れませんでした。
モダンサッカーの観点において、そしてバルセロナという特殊なチームにおいて、ピケは極めて特別な存在です。最早バルセロナのようなチームでなくとも、後方からのビルドアップを軽視するチームなどありません。以前は中盤の選手たちが担っていた役割をDFラインの選手たちがこなす時代がもう来ているのです。
最終ラインのレジスタという意味ではピケは世界でトップクラスのCBです。認知力に優れ、ミスが少なく、確実にボールを次の局面に進めます。今季の1試合あたりのパス本数はチームの心臓セルヒオ・ブスケツ(81本)に次ぐ、74本を記録しています。ファーストステップのボール出しの役割は彼が担っていることが分かりますね。また、ロングボールの精度も抜群で、25ヤード以上のパスの成功率は87%を超えています。
相方のクレマン・ラングレが度々披露する裏へのロングフィードや、マンチェスター・シティのラポルトのような派手なサイドチェンジを披露する機会が近年は少ないため、もしかすると目立たない印象すらあるかもしれません。しかし、チームが安心感を覚えるのはピケがボールを保持しているときであり、特にブスケツへのマークが厳しいとき、彼の貢献度は高いものがあります。
ピケはプレッシャーを恐れません。テア・シュテーゲンと同じく、相手のプレッシャーから逃げるのではなく、逆に相手を引き付けて前方に優位性を作り出すだけの度胸を持ち合わせています。これは彼の絶対的な技術の高さと、パーソナリティに起因するものでしょう。プレッシャーに負けずに、ボールを離さない彼の能力はバルサのようなチームにとって大きいですよね。
特にキケ・セティエンが監督に就任して以来、バルサは後方からのビルドアップにグッと力を入れています。ブスケツへのマークが厳しくなる中で、このようなピケに前向きでボールを持たせるための仕組みもよく見られます。
ピケは大柄ですが、ドリブルでぺネレイトする動きもスムーズで、自分にプレッシャーがかかっていない時は躊躇なくスペースに向かってボールを運ぶことができます。ビルドアップの引き出しは極めて多く、常に冷静に2手、3手先を読んだプレーができるのが特徴ですね。
ボール保持時のピケの懸念点としては、やはり無謀なオーバーラップが多いことでしょうか笑。エンターテインメントとしては面白いんですが、そこでいくのか!みたいなこともしばしば。ブスケツが気を利かせてスペースを埋めてくれるので大事には至りませんが。まあ、それも彼の愛嬌なのですかね笑。
■圧倒的な空中戦と卓越したポジショニング
とはいってもやはりCBは守備力が肝。守備者としてのピケを語る上でまず外せないのは、何と言っても空中戦。今季の空中戦勝率は驚異の74.1%。この数字は今季のリーガエスパニョーラで20試合以上に出場した選手たちの中で堂々のトップ。空中戦に弱い選手が多いバルサにとって空中戦で圧倒的な力を持つピケの存在は大きいものがあります。
194㎝と上背があることが、シンプルに空中戦の強さに繋がっているわけですが、それだけが要因ではありません。ピケが卓越しているのはポジショニングの部分で、試合を観ていると細かく立ち位置を修正していることが分かります。相手の位置やボールの位置で、ポジショニングを決定し、アタッカーに対して優位に立とうとする意識が窺えます。
その意識は空中戦だけでなく、地上戦にも活きています。ピケの弱点として有名なのがスピード不足。べらぼうに遅いわけではありませんが、それでもトップレベルでは見劣りしてしまいます。しかし、ピケが安易に裏を取られたり、ドリブルで抜かれるシーンは思ったほど多くはありません。
現在のバルサはサイドのレーンはSBに任されていることが多いため、SBが高い位置を取って攻めることが多いですよね。そのため、CBは後方の広大なスペースを埋める必要があるのです。
ここでもピケは巧みなポジショニングで後ろのスペースを埋めてしまいます。特筆すべきはスライディングタックルの精度の高さ。オープンスペースでアタッカーと対峙した時、または裏に蹴られたボールに対するスライディングのタイミングは抜群です。これは偉大な先輩プジョルを彷彿とさせます。
■懸念点は?
それでもやはり物理的なスピード不足が限界を露呈するシーンもあります。特に今、コンビを組むラングレはどちらかと言えば、ピケと同じようなタイプで、スピード豊かなアタッカーへの対応に苦戦している試合は度々見られます。大体のアタッカーはインテリジェンスで抑え込めてしまう2人ですが、CL決勝トーナメントレベルのアタッカーを前にすると少し不安ですよね。
昨季の国王杯で対戦したセビージャはこの弱点を巧みに突いてきました。バルサの右サイドに人を集め、ピケを釣りだしたところでスピード豊かなプロメスとの1対1を作ったのです。これは厄介でした。
バルベルデ政権以降(ルイス・エンリケ時代からその傾向はありましたが)、チームは意図的にラインを下げて守ることが多くなったので、あまりCBの機動力が露呈する場面は少ないのかもしれませんが、この問題は看過できるものではありません。セティエンはバルベルデよりもラインを高く押し上げたいでしょうし。
個人的に気になっているのはピケのインターセプトの数。バルベルデ就任以降は1試合平均約1回。ルイスエンリケ時代以前は1.5回以上を記録していただけにちょっとここは心配ですね。もちろん前述した通り、チームスタイルの違いはあるのですが。ただ、ピケが加齢に伴い前への潰しが利かなくなっている可能性もありますが、どうでしょうか。
ちなみに本来であれば、僕はピケとコンビを組むべきはラングレではなくウムティティだと思っています。ウムティティの今季の平均インターセプト数は1.9回。積極的に前に出て相手のカウンターの芽を摘める彼はセティエン政権で特に重宝されるはずでしたが、コンディションが・・。
ウムティティのコンディションが戻らないのであれば、ピケの新パートナーを探すべきかもしれませんね。誤解しないで欲しいのは、ラングレがダメと言ってるわけではありません。むしろラングレがあの年齢でリーガトップクラスのCBであることに疑いの余地はないです。ただ、CBは相性大事ですからね。トディボ+ラングレとかなら上手くいきそうです。
■まとめ
ということで、今回はピケについて書きましたが、いかがだったでしょうか。ピケはミスするときはわりと分かりやすいミスをしがちなので、叩かれやすいですが、依然として不可欠な存在だと僕は思っています。
ピケの現行の契約は2022年まで。2022年にピケは35歳を迎えるので、恐らくそれ以降に契約が延長されることはないでしょう。なんとなくの勘ですが、ピケは契約を全うするのだと思います。つまり、最大であと2シーズンはDFリーダーであり続けるのではないでしょうか。
少なくともピケがベンチに座るのは、現状を鑑みると考えにくいです。ただ、前述した通りピケには明確な弱点があるので、そこはチーム全体で覆い隠す構造だったり、選手の補強が必要なのかなと思います。
いずれにせよ、ピケは偉大なCBです。CBの評価は難しいものがあります。1つのミスが取り返しのつかない失点に繋がってしまうポジションですし、叩かれやすいですよね。悪いところばかり見られてしまうのはもう仕方ないですが、少しでもこの記事を読んでピケを再評価してくれる人がいてくれたら嬉しいです。
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