Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】ラングレとユムティティ。左利き同士のCBコンビはあり得るのか?前編

こんにちは。久々の考察記事です。今回はタイムリーな話題を扱います。ズバリ、ラングレとユムティティのCBコンビはありか、なしか!がテーマになります。先日、4対4と壮絶な打ち合いを演じたビジャレアル戦でコンビを組んだ2人。彼ら2人の共存は果たして可能なのでしょうか。それでは記事へと移りましょう!

 

 ◎そもそも希少な左利きのCB

本題に入る前に1つ認識として確認しておきたいのは、世界的に見ても左利きのCBはかなり貴重だということです。そもそも左利き自体希少なのでCBになってくるとその数はかなり限られてきます。先日、アトレティコ・マドリードのリュカ・エルナンデスバイエルン・ミュンヘンに8000万ユーロの値札で移籍が決定しましたが、この法外とも言える価格の要因はまさに彼の希少価値によるものでしょう。能力はもちろんのこと、左利きかつCBとSBをハイレベルでこなせる選手は殆どいませんからね。8000万ユーロという値段が適正かどうかは判断がつきませんが、高額の移籍金を払ってでも獲得したいバイエルンの意図はよく理解できます。今現役の左利きのCBで世界的名声を得ているのってバルサ以外だとリュカとユベントスキエッリーニ、シティのラポルテくらいではないでしょうか(他こんな選手いるよ!って方いたらすみません笑)。バイエルンのアラバはCBなのかSBなのか判断が難しいですね。てかアラバいるのにリュカ獲るって贅沢…笑。そしてここで強調したいのはバルサはこれほど貴重なハイレベルな左利きのCBを3枚(怪我がちなヴェルマーレンも含む)も有しているという点です。これは他のチームからしたら羨むべきスカッドです。

 

◎左利きを左CBに置く利点は?

左利きのCBが希少なのはご理解頂けたと思います。では、左利きのCBであることはどのようなメリットがあるのでしょうか。答えはズバリ、ビルドアップがスムーズに進むということです。

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図1 左CBが左利き(ラングレ)だった場合

図1を見てください。分かりやすくバルサとマドリーの選手を使ってみました。見やすさの観点からベンゼマ以外のマドリーの選手は省いています。右CBのピケが1トップのベンゼマからプレッシャーを受けると左CBのラングレへパスを出します。よくあるCB間のパス交換ですが、実は大切なエッセンスが詰まっています。右方向からのパスですから当然左利きのラングレは左足でトラップ、蹴りやすいように左前にボールをコントロールをします。この時のラングレの身体の向きに注目してください。ラングレがボールコントロールをミスしていなければ、身体はほぼゴールラインに平行に前向きになっているはずです。この前向きかつフリーかつどこにでもパスが出せる状態のことを、「オープン」な状態と呼びます。ラングレは基礎技術が高い上に、視野の広さと高いフィード能力を持ち合わせていますので、ビルドアップは非常にスムーズに運びます。余談ですが、今流行りのポジショナルプレーの原則の1つとして、この「オープン」な選手を創り出すというものがあるそうです。図のような状況でなくとも、左利きが左CBを務めることで大きな恩恵があるという認識を僕は持っています。

 

では今度はCBが2枚とも右利きだった場合、どうなるのかを見てみましょう。今回はピケの相方にムリージョを採用してみましょう(恐らく現実には実現しないコンビでしょうが…苦笑)。先程と同様にピケから真横のムリージョにパスが出ます。ここでイメージして欲しいのは、ムリージョがこのパスを利き足である右足でトラップした時にどのような状況になるのか、ということです。

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図2 左CBが右利き(ムリージョ)だった場合

図2を見ていただければ大体分かるかと思います。右方向から来たボールに対して、右足で蹴りやすいように右前に置くと、身体の向きはフィールドの縦方向に対して斜めになってしまいます。左前にボールを置いた時の図1と比べると一目瞭然ですが、右足にボールを置いた時は明らかにパスコースが限定されてしまいますよね。具体的に言うと、左SBと左ウイングにパスを出せなくなってしまいます。厳密に言うと、出せないこともないけど腰を回した無理なパスになってしまうので、難易度は高くなります。フィールドプレーヤー最後尾のCBにチームとしてはそこまでリスクを冒してほしくはないですよね。視野も狭まってしまいますし、相手のプレッシャーを受けやすくなってしまいます。先ほどの「オープン」な状態とは反対に、「クローズ」な状態を誘発してしまいそうな体勢になっていますよね。

 

まあここで挙げた例は極端なものですし、実際世界には右利きのCBは山ほどいます。彼らのほとんどは自らの逆足である左足の前にスムーズにボールを置くことができています。実際、マドリ―のセルヒオ・ラモスバイエルンフンメルスは左足も非常に上手いですからね。ムリージョも恐らく実際に左CBで起用されれば、意識的に左足を使うだろうと思います。とにかくここで強調しておきたい僕の主張は、左CBには「純粋な左利き」もしくは「左足を自然に使える右利き」を置くことでチームのビルドアップはスムーズに進む可能性が高い、というところです。プロなんだから両足使えて当たり前でしょって意見もあるかと思いますが、残念ながらデンベレビジャレアルカソルラのように当たり前に両足を同じように使える選手は本当に一握りなんですよね。彼らのような先天的な両利きでない場合でも、トレーニングをすれば精度は上昇するかと思いますが、それでも利き足に比べれば精度は数段落ちてしまうのが現実ではないでしょうか。守備戦術が進化し、プレッシングが鋭さを増し続けている現代サッカーにおいては、少しのトラップのズレがボールロスト→被ショートカウンターに繋がりかねません。どのチームも左利きのCBは非常に欲しい人材なのではないでしょうか。もし仮に僕が監督になったらまずフロントに左利きのCBの獲得をリクエストします笑。

 

はい、前置きが長くなってしまいました笑。本題に全く入れませんでしたね。続きは後編に回したいと思います。後編では前編の内容を踏まえたうえで、具体的にラングレとユムティティのCBコンビの実現の可能性について考えていきたいと思います。サンプルとして第30節のビジャレアル戦にも触れながら記事を進めていきたいと思います。是非後編もお読みください!

 

(追記)

www.footballhikota.com

↑後編です!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。