Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】20-21 CL第4節 ディナモ・キエフ対バルセロナ

こんにちは。リーガの大一番、アトレティコ戦で完封負けを喫したバルサはミッドウィークにディナモ・キエフと対戦します。前回対戦は2-1で勝利しています。

リーガでの低調なパフォーマンスとは対照的にCLではここまで3連勝で首位を走っているバルサ。アウェイではあるものの、しっかりここで勝ち切ってグループステージ突破を決めたいところです。尤も、ディナモキエフも主力が復帰しているので、簡単な試合にはならないでしょう。

 

スタメン

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ホームのディナモ・キエフカンプノウでの1戦から7人の先発変更。前回の試合でビッグセーブを連発したネスチェレト、1ゴールを奪ったツィハンコウが招集外になっています。恐らく主力が戻ってきているのだと思うので、前回とは違う試合になることが予想されます。

アウェイのバルサは絶対的な主力のフレンキーとメッシが休養のため召集外に。ジュニオル、アレニャ、ブライスワイト、及びBチーム所属のミンゲサが今季初先発を飾っています。負傷者が多いことも相まってかなりフレッシュなメンバー構成となりました。

 

両チーム陣形・配置・噛み合わせ

ブスケツが離脱中、フレンキ―が招集外ということで4-3-3へのシステム変更を予想する声もありましたが、クーマンはこの試合でも4-2-3-1を選択。余程のことがない限り、クーマンはこのシステムを続けることになりそうですね。

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バルサボール保持時の陣形

ここまで今季のCFはメッシ、グリーズマン、アンスが務めてきましたが、いずれも本職がCFの選手ではなく、どちらかといえば1.5列目のような立ち位置でプレーしていました。この試合ではこの3人に比べると、ストライカー色の強いブライスワイトが起用されました。

ブライスワイトは試合を通してCFの位置から殆ど動きませんでした。90分フル出場してボールタッチはわずか28回。これはGKのテア・シュテーゲンより少ないタッチ数になっています。ボールを求めて下がったり、サイドに流れることが少なく、2CBの前のスペースに陣取っていることが多かったと思います。

このようなストライカーのタスクはこれまでグリーズマンに求められることが多かったのですが、彼はボールに触ってナンボの選手なので、この役割は向いていませんでした。ライスワイトのような選手が前にいると相手のDFラインを「ピン留め」することができるので、その分2列目以下の選手がプレーしやすくなるという効果が期待できます

見方によれば、「消えている」と表現することもできますが、敢えてボールに絡まないことでチームを円滑に進めるプレーもサッカーでは必要になってきます。特にバルサは足元でボールを受けたい選手を多く抱えるチームなので、DFを引き付けるCFの存在はやはり必要なのかもしれません。

少ないながらも正確なポストプレーでチームのリズムを作りましたし、2ゴール1アシストと結果を残しました。メッシのCF起用がなくなりつつあるだけに、ブライスワイトの出場機会は12月増えるかもしれません。尤も、1月にデパイが来れば放出候補になってしまうとは思うので、リーガでも活躍することが求められます。

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他に特徴的だったのは両SBの挙動。デスト、ジュニオルは外側を回るだけではなく、トリンコンコウチーニョの位置に合わせて内側でプレーをすることも多くありました。先制点は、内側でボールを受けたデストから始まりましたよね。ウイングは中、SBは外と決まった配置ではなく、臨機応変に立ち位置を変えた方が相手は的を絞りづらくなるはずです。

ディナモ・キエフは序盤こそ高い位置からプレスをかける姿勢を見せましたが、試合が進むにつれて重心は下がっていき、結局はカンプ・ノウでの対戦と同じくリトリート→カウンターを狙う陣形へと変わっていきました。ということでポゼッションは圧倒的にバルサ。試合を通して70%のポゼッションを確保しました。ちなみにバルサのポゼッションが7割を超えたのはこの試合が今季3試合目です。

そのポゼッションの中心となったのが、左ボランチに入ったアレニャ。アレニャといえば元々ドリブルや飛び出しが得意な攻撃的な中盤の選手ですが、クーマンにはボランチとして考えられています。ほぼ戦力外の位置づけだったので、ブスケツとフレンキ―の欠場でチャンスが回ってきた格好です。

そのチャンスでアレニャはアピールを果たしました。チーム断トツトップのパス本数107本を記録し、成功率は驚異の99.1%。さらには3点目と4点目に繋がる決定的なパスをアルバに通し、得点まで演出しました。この活躍には文句がありません。

数字以上に素晴らしいのがアレニャがきちんとボランチのタスクに自分のプレーを適応させたこと。自分が得意なプレーを抑えながらチームのバランスを保ちつつ、安定したパスワークで中盤を支えました。このパフォーマンスなら次のリーガでも見たいなと思います。

前半のバルサはアレニャ、ピャニッチの散らしを中心にサイドからの攻勢が目立ちました。ブライスワイトが動かない分、左サイドのコウチーニョを中心としたペドリ、ジュニオルの連携が目立ちましたね。コウチーニョとペドリどっちがトップ下をやるのか注目していましたが、ペドリトップ下、コウチーニョが基本でした。

前半はやはりクロス攻撃が目立ち、12本放り込みましたが、成功数は僅か1本のみ。この試合はブライスワイトがいたので、普段よりはクロス攻撃を増やしたのかもしれませんが、あまり可能性を感じることができませんでした。ブライスワイトはもう少しクロスに対してのアプローチが必要だと思いましたし、外からボールを入れる時はもう少し工夫が必要ですね。

後半からの修正としては、中央突破が増えた事。やはりメッシがいない時は攻撃のルートが変わりますね。前半はコウチーニョ、後半はペドリが攻撃を引っ張ったような印象がありました。

ただ、やはりディナモ・キエフの守備ブロックはちょっと甘かったかなと思います。デストの先制点は見事でしたが、裏を返せばあっさりデストとペドリに中央を攻略されてしまった格好です。前回対戦では4-5のブロックでしたが、今回は4-4ブロックがメインでした。その分、サイドハーフの絞りの甘さが目立つ結果となりました。

やはり守備ブロックは遥かにリーガのチームの方が高いです。なのでCLのグループステージで上手くいったからといって、リーガの各チームに通用するかどうかはまた別物です。

 

試合雑感

メッシ、フレンキ―不在で4-0の大勝。出場機会が少なかったアレニャ、ブライスワイトが90分フル出場で躍動。デビュー戦で出色のパフォーマンスを発揮したBチームのミンゲサ。先制点を奪い、単騎での仕掛けで右サイドを活性化したデスト。マテウス・フェルナンデス、コンラッドのデビュー。主力の休養に成功。グリーズマンの終了間際の得点。負傷者続出の状況下で望みうる最高の結果だったのではないでしょうか。

特に大きな発見がCBのミンゲサ。緊張からミスもありましたが、終わってみればクリーンシートに貢献。インターセプトの数は両チーム最多タイの5回と積極性を見せつけました。バルベルデ時代と比べるとラインが高くなっている現チームにとって前で潰せるCBは不可欠です。3人のCBが離脱中ということを考えると、一気にトップチームに必要な人材になる可能性もあります。

個人的にMOMはアレニャとデストで迷うところです。試合をコントロールしたのはアレニャでしたが、試合を動かしたのはデスト。先制点のシュートは見事でしたし、敵陣でドリブルで仕掛けられるSBは現チームで彼だけです。エラシコまで飛び出しましたからちょっと規格外ですね笑。トリンコンとの連携はイマイチでしたが、これから合わせていければ。

個人的にはアレニャにMOMをあげたい気持ちで一杯です。よくぞ、ダブルボランチのタスクに順応したと思います。勿論、相手云々もありますが、あのパフォーマンスならダブルボランチの候補1人として計算に入れてもいいのではないでしょうか。フレンキ―がCBに回ることもあるでしょうし、今冬ボランチの補強話はありませんから。

逆にアレニャの高パフォーマンスで厳しい状況に追い込まれた感があるのがリキ。4点目の起点となったあのアウトサイドキックは彼特有のアイディアだったと思いますし、ボールを持った時の動きは流石。しかし、彼が投入されたのは中央ではなく、左サイド。しかもペドリがボランチに下がってまでの左SH起用となりました。現時点では中央での序列はかなり低いものになっていると言わざるを得ません。

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リキ投入後陣形

リキのボールスキルとパスが凄まじいのは昨季、いや恐らく3~4年前から分かっていたことだと思います。アピールをするのであれば、それ以外の部分。各監督に言及されてきた守備の部分や、この試合でも逃してしまった得点などでアピールするほかないのだと思います。得意なことではなく、苦手なことと向き合う期間ですね。

さて、これでバルサはCL無傷の4連勝で決勝トーナメント進出を決めました。これで次節のアウェイフェレンツヴァーロシュ戦もサブメンバー中心で挑めそうなのは大きいですね。最終節のユベントス戦は、ユベントスの5節の結果次第になるでしょうか。首位通過できるものならしたいですからね。

依然としてリーガでは下位に沈んでいるので、この勝利を喜んでいる暇はありません。次節はオサスナ、その次はカディスと守備ブロックの堅いチームと対戦します。特にオサスナには昨季1分1敗と負け越しているので、勝ち点は落としたくないですね。

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