Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【マッチレビュー】20-21 ラ・リーガ第10節 アトレティコ・マドリ―対バルセロナ

こんにちは!長い長い代表ウィークを終えて、今節バルサは今季リーガで無敗を誇るアトレティコとの大一番を迎えます。バルサはここで負けてしまうとアトレティコとの勝ち点差が9に広がってしまいますので、負けは許されない試合になります。 

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スタメン

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ホームのアトレティコは、コロナやら負傷やらでスアレス、トレイラ、エレーラ、ヴルサリコが欠場。ジエゴ・コスタが先発で来るかと思いましたが、ベンチスタート。本来左SBのレギュラーであるはずのロディもベンチスタートで本職CBのエルモソが左SBで先発します。

一方のバルサブスケツ、アンス、アラウホ、ウムティティが離脱中。怪我から復帰戦のコウチーニョはベンチスタートに。代表戦で負傷との報道もあったペドリですが、普通に先発で出てきました。今季輝きを見せつつあるデンベレもスタメンです。

 

両チーム陣形・配置・噛み合わせ

バルサボール保持時

さて、まずバルサのボール保持時の局面から見ていきましょう。

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バルサのこの試合のボール保持時の陣形は基本3-2-4-1。セルジ・ロベルトが高い位置を取らずに最終ラインに留まり、右の幅をデンベレ、左の幅を左SBアルバが取る形です。これはCLユベントス戦などでも用いられており、主にデンベレをサイドのレーンに配置するのが目的だと思われます。

後半、アクシデントで右SBに入ったデストは普通のSBのプレー、つまり大外に位置取っていたので、この右HVのタスクはセルジ・ロベルト限定のものなのかもしれませんね。まあ、前監督のセティエンも就任当初はセルジ・ロベルトをこの位置で使っていましたし、クーマンのアイディアというわけでもないのですが。

それに対してアトレティコはあまり積極的な同数プレスには行かず。5-3-2、時には6-2-2の陣形で後方のスペースを消してきました。恐らく、アトレティコの4バックは「ペナルティーエリアの幅で守る」が原則になっているはずです。中央の守りを堅固にするため、SBは迂闊に外に釣りだされないようにシメオネは設計していると思います。

とはいえ、バルサの両翼であるデンベレとアルバを自由にするわけにもいきません。ということで頑張るのは両SHのお二方。左のカラスコデンベレに張り付き、右のジョレンテは中央をケアしながらアルバを監視する重めのタスク。元々バリバリの技巧派ウイングであるカラスコデンベレのマークをさせるのは流石シメオネだなと笑。

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デンベレカラスコのミスマッチ

試合序盤はこのデンベレカラスコバルサは優位性を保っていました。今季縦への意識を強めたデンベレは何度かカラスコを抜いてチャンスを演出しました。ここは明らかなミスマッチでしたが、当然シメオネもこれは織り込み済みだったのでしょう。カラスコが抜かれてもエリア内には4人揃ってる状態ですし、バルサにはクロスに強いストライカーがいないので、クロスは本当にピンポイントでないと得点に結びつかないという事情もあります。

デンベレも試合序盤は元気いっぱいでしたが、試合が進むにつれて左SBのエルモソがカラスコカバーリングを意識し始めるとトーンダウン。ならば、右ハーフスペースに位置するグリーズマンとの連携を意識したいところなのですが、あってもグリーズマンデンベレ2人だけの関係に終始し、なかなか3人目が介入しないので、不発に終わります。ドリブルだけだと流石に苦しいですよね。

3バックでやっている分、後方のビルドアップは安定しますが、その分サイドでトライアングルを作りにくいという現象は見られました。デンベレの突破は大きな武器ですが、そこがダメになったらチームの攻撃もダメになるのではお話になりません。

そして、アトレティコの守備で特筆すべきはやはり中盤の3人。特にサウールとコケの守備範囲は異次元の領域です。ジョレンテがアルバに引っ張られる際は2人で中盤を守らなければならない局面もありましたが、類まれなる運動量とスペースを潰す感覚でバルサの中央突破をシャットアウトしました。

両SHが下がることで中盤脇のハーフスペースが狙い目だったバルサですが、そのスペースに位置したグリーズマンやペドリは効果的にプレーすることができませんでした。先述したように彼らとサイドプレーヤー、そしてもう1人が関わるともう少し効果的な崩しができたような気がしています。

こうしてサイドもダメ、中央もダメ。となってくるとメッシが下がってボールを受け始めるバルサ。下がるのは悪いことじゃないんですけど、メッシが下がってフレンキ―が上がるみたいな状態が続くのはどうなんだろうと。ネガティブ・トランジションの観点からしてもフレンキ―がバランスを取れる位置にいないのは正直怖いです。

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アラベス戦でも見られたアンバランスな配置

メッシが下がると攻撃が詰まるだけでなく、リスクマネジメントの部分が非常に弱くなるというのは認識しておくべきです。そして、後半はメッシを自由に下げるために、グリーズマンを最前線に固定。これでグリーズマンは完全に消えます。そして、最終的には前線の選手を大量に投入してスペースも消えます。自分の首を絞める方向へクーマンは進みます。

バルサボール非保持時

続いてバルサボール非保持時。アトレティコのボール保持時の陣形は3-1-4-2。この試合のバルサの可変と同じような構造でシステムが変わります。それに対してバルサは4-4-2または4-4-1-1で守りますが、いまいちプレスに行きたいんだか、引いて守りたいのか不明瞭ないつものパターン。お陰で幾つかの決定機を許します。

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脅威のチャンネルラン

アトレティコの崩しの肝はサイドに引き付けてからのチャンネルラン。例えば図の状況。まずはプレッシャーがかかりにくい(対面がメッシなので)ヒメネスから右サイドのトリッピアーにロングフィード。ここで重要になってくるのはトリッピアーのポジショニング。高すぎても低すぎてもいけません。中途半端な位置に立っていることが肝要です。

中途半端な位置に立つことでバルサの左サイドの2人(ペドリ、アルバ)はどちらがトリッピアーをケアするべきか迷います。その隙を突くのがマルコス・ジョレンテ。絶妙なタイミングでランニングをかけ、バルサのCBとSBの間のスペースを陥れます。バルサがこのスペースを突かれるが弱点であることは周知の事実です。アトレティコはこの崩し左サイドでも同じように実践していました。

ただ、やはりチャンネルランはマルコス・ジョレンテが本当に秀逸です。的確なタイミングで入り込む戦術眼。相手のCBを置き去りにする高いスプリント能力。そして厳しい角度からでもクロスやシュートに持ち込める腰の強さ。彼のような選手がいるとチャンネルランは分かっていてもなかなか止められません。

その代わり、アトレティコは中央突破の数はそれほど多くありません。これはカウンターのリスクを考慮しているのかもしれませんね。サイドで奪われる分にはカウンター対応に時間が割けますから。

そして、特筆すべきはポゼッションの上手さアトレティコは守備のイメージが強いチームですが、ボールを持っても上手いのはやはりスペインのチームです。リードしている展開でただ守るだけでなく、ボールを持つことで効果的に相手の体力を消耗させることができます。特に3バックのボール出しは非常に安定していました。

後半のポゼッションは50対50。リードされたバルサは早めに追い付きたいところでしたが、中々アトレティコもボールを渡してはくれず、非常にストレスフルな展開となりました。やはり守備組織の部分はまだ脆弱なまま。中途半端な守備の基準ではこの試合のアトレティコからボールを奪い取ることはできません。

 

試合雑感

この試合唯一の得点はバルサの致命的なミスから生まれたものでした。あそこでボールロストしては失点するのも無理はありませんし、テア・シュテーゲンの飛び出しも軽率でした。しかし、試合全体をトータルすると極めて妥当な試合結果だったと言う他ありません。

「今のバルサは弱い」。クラシコに続いて、現実を突きつけられた試合になってしまいましたね。これで今季のリーガでは3勝2分3敗。勝率は僅か37.5%。この成績は中堅クラブのそれです。まずはそれは受け入れなければなりません。とても悔しいですが。

試合を振り返ると、デンベレが躍動していた時間帯はまだ良かったと思います。守備はズタボロだったものの、デンベレの突破を糸口にチャンスは作れそうな雰囲気は確かにありました。しかし、そのデンベレを抑えられると途端に機能不全に陥ってしまいます。アトレティコ相手にドリブルが有効なのは間違いありませんが、ではそれが封じられた時、どうするのか。

バルサにはメッシが下がってボールを受けて展開するしか選択肢がありませんでした。この試合のバルサの保持時の陣形は3-2-4-1。ただでさえ、後方は3+2のユニットで後ろに重たい陣形なのにも関わらず、メッシまで下がってしまえば誰が点を取るのでしょう

本来であれば、メッシには前線で我慢をしてもらわなければなりません。純粋なストライカーがいない分、相手に最もプレッシャーを与えられるのはメッシしかいません。正直、相手からすれば、守備ブロックの前でボールを持つメッシより、ライン間をフラフラしている方が遥かに怖いはずです。そこはメッシと対話すべきではないかなと思います。

それでも、メッシのポジションを下げるのであれば相手のDFラインのプレッシャーをかけられるちゃんとしたストライカー役を前線に置かなければなりません。後半からクーマングリーズマンをハーフスペースではなく最前線に配置しましたが、あれをやらせるならグリーズマンでなくてもいいはず。グリーズマンは1トップで活きる選手でないことはセティエンがちゃんと証明してくれました。

そして、相変わらずよく分からないのはクーマンの采配。ペドリ→コウチーニョはまだ分かりますが、ピャニッチを下げ、アタッカーを投入してコウチーニョボランチに下げる意図は流石に分かりかねますコウチーニョボランチに下げるなら、ボール出しができるアレニャやリキの方がまだ適任なのではないでしょうか。

とりあえず点を取れそうな選手を並べてみた!という采配であるならば、クーマンの交代策はクラシコから何も進歩していない、という結論を出さざるを得ないですね。

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奪われた後の即時奪回などはチーム全体で意思統一されていたと思います。しかし、アトレティコトランジションに比べると、半歩遅かったです。これはまだまだチーム内の意識が足りていないのではないでしょうか。ビッグマッチだけ頑張るチームと、普段からやっているチームの差というか。

さらに追い打ちをかけるのが、ピケとセルジ・ロベルトの負傷交代。ただでさえ層の薄い守備陣には大打撃です。特にピケの方はかなり重傷っぽい雰囲気があったので、長期離脱は免れないかもしれません。これでトップチームのCBはラングレのみに。アラウホ、ウムティティの一刻も早い復帰が望まれます。

ということで中々暗雲が立ち込めてきた今季のバルサ。とはいえ、このようなシーズンになることは昨季のCLの惨劇を考えれば、ある程度ファンは覚悟していたと思います。繰り返しになりますが、今季は「我慢」のシーズンです。気長に今季は応援したいと思います。

 

 

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