こんにちは。ミッドウィークのCLディナモ・キエフ戦に控え組主体のメンバーで見事勝利し、グループステージ突破を決めたバルサは今節オサスナをホームに迎えます。
CLでの好調ぶりとは対照的にバルサは今季のリーガで大苦戦。前節はアトレティコに完敗し、消化が2試合少ないといえ、リーグ戦11位に沈む低調ぶり。一刻も早い立て直しが求められます。オサスナは昨季1分1敗と負け越している相手。昨季のリベンジも込めて、勝ち点3を奪いたいところです。
スタメン
ホームのバルサはCLで完全休養をもらったメッシとフレンキ―が先発に復帰。CLで活躍したミンゲサとブライスワイトも引き続き先発を飾ります。18歳を迎えたばかりのペドリは5試合連続の先発となっています。疲労が少し心配です。ベンチにはケガから復帰したブスケツが入ってきています。 負傷者が続出しているだけにノーモア怪我人でお願いしたいところです。
オサスナは前節ウエスカ戦から3人の先発変更。チームの攻撃の中心であるチミー・アビラは引き続き長期離脱中。もう1人の攻撃の中心であるロベルト・トーレスはベンチスタート。守備の部分を重視しての人選でしょうか。オサスナは今季得点力不足に苦しんでいるだけに攻撃のプロセスに注目が集まります。
両チーム陣形・配置・噛み合わせ
バルサボール保持時
CLディナモキエフ戦に引き続き、4-1-2-3でも良さそうなメンバーでクーマンは4-2-3-1を選択。やはり4-2-3-1はクーマンの中で変わらない方針なのでしょう。
トピックとしてはまずペドリのボランチ起用。ディナモ・キエフ戦の後半にもボランチやってましたが、先発でボランチは初です。ブスケツやピャニッチがベンチに控えていただけに、これはちょっとサプライズな起用でした。それだけクーマンが彼を買っているということなのでしょうけど。
ペドリとフレンキーのコンビということで役割分担は気になりましたが、ペドリはブスケツがやっているようなタスクをそのままやっていましたね。ペドリが中央でどっしり構えて、フレンキーは左のハーフスペースを中心に動く。人が変わっただけでメカニズムは変わってませんでしたね。
恐らく、クーマン的には「コウチーニョが復帰してきたし、グリーズマンもトップ下で調子が良い。メッシも2列目で使いたい。そうなると俺の愛しのペドリきゅんが使えない。ど、どうしたらいいんだ。そうだ!ボランチで使ってみよう!」くらいの起用なんじゃないかなとは思います笑。深い意味はないです、多分。
オサスナのボール非保持時の陣形は5-3-2が基本。ただ、WBは結構ラインを飛び出してボールを奪いに行く姿勢を見せていました。右のナチョ・ビダルはSBより、左のホニーはサイドハーフ寄りのポジショニングのイメージです。
さて、相手が5-3-2ということでやはり肝になってくるのは中盤の3の脇のスペース。当然中盤3枚で横幅を守るのは物理的に不可能ですから、攻める側はここを上手く活用したいですし、逆に守る側は上手くここをカバーしながら相手の攻撃を遮断したいところ。
結果から言ってしまうと、この試合のバルサはこの脇のスペースを上手く活用してオサスナを圧倒しました。右はメッシ、左はコウチーニョ、またはフレンキーが積極的にこのスペースでボールを引き出し、幾度となくラインの裏を突き続けました。
オサスナの守備の問題点は主に2つあって、1つはこの3の脇のスペースを埋めきれなかったこと。中盤の3人が頑張ってスライドするのか、HVが出てくるのか曖昧なところがありました。横幅を3枚で埋めるのは物理的に不可能なので、中盤の3人は「遊軍」として常に距離感を保ったままスライドしなければなりません。
2つ目はプレッシャーとDFラインの関係。オサスナはボールホルダーにプレッシャーがかかっていないのに、DFラインが上がりっぱなしになっていることが多く、裏のスペースに蹴り込まれるシーンが多く見られました。チームとしてプレスをかけに行くのか。リトリートして待ち構えるのか少し曖昧だったと思います。
「9番」ブライスワイトの貢献
さて、そのようなオサスナの不備もありつつですが、この試合非常に輝いたのはCLに引き続き先発出場を果たしたブライスワイト。彼の存在がチームの攻撃を非常に円滑に進めました。
今日の2列目の選手はメッシ、グリーズマン、コウチーニョと全員「トップ」下が本職の選手。トップの下って言うくらいですからやはりトップの選手がいてこその3選手なわけです。トップの選手がグリーズマンやメッシだと中盤に落ちる機会が多くなってしまい、ライン間の渋滞という現象が起こってしまうのですが、ブライスワイトは殆ど落ちてこないのでプレーエリアが被らないという利点があります。
特にメッシは自分の前にCFがいると得意のCFへの縦パス→落とし→ドリブル突破→シュートの得意なパターンが使えます。これはスアレスがいたときによく使っていた攻撃パターンで、この試合では右ハーフスペースでメッシがボールを受けてブライスワイトに縦パスもしくはブライスワイトかグリーズマンにスルーパスを出してチャンスを量産しました。
また、グリーズマンもトップ下の位置で居心地よくプレーできていました。やはりグリーズマンはトップ下の位置で自由に動かすのが最も活きる起用法ですね。パスミスが若干気にはなったものの、幅広くピッチを駆け回りながらリズムを作りました。それもブライスワイトという9番が前にいるからこそ。心なしか、メッシとのパス交換も多かったように思います。
ブライスワイトは本当に素晴らしいパフォーマンスを見せている。ポストプレーは安定していて、ラインブレイクでDFラインを下げる働きも。バルサの2列目3人はやはり9番がいてこそ本領を発揮する。おまけに守備面でも精力的にサイドの穴を埋め、泥臭くゴールまで奪った。言うことなし。
— Hikota (@BarcaHikota) 2020年11月29日
さらにブライスワイトはスアレスと違ってサイドの穴を埋める精力的な守備も見せました。ポストプレーもラインブレイクも頑張れていましたし、出来としては言うことなしです。強豪相手にどこまでやれるかは未知数ですが、やはりこのチームにはCFが必要なのでしょう。
CFがいると相手のDFラインを「ピン留め」することが可能になり、そうなってくると2列目以下から飛び出すグリーズマンやアルバも活きてきます。グリーズマンが最前線から単騎で裏抜け狙うよりも、ブライスワイトがDFを引きつけた上でグリーズマンが飛び出す方が遥かに効果は高いものがあります。
だとすると今後の最適解はCFブライスワイト、右メッシ、真ん中グリーズマン、左コウチーニョ(orペドリorデンベレ)になってくるのでしょうか。アンスがいない分コウチーニョは左サイドでちょっと割を食うかなって感じですし、デンベレも左より右の方が得意ですし、ちょっと人選は悩み所ですね。クーマンはペドリ使いたいでしょうし。
それからやはりメッシを右に置く際の守備の問題はちょっと看過できないなと。ブライスワイトやグリーズマンが埋めているシーンもあったり、デストやミンゲサが上手く対応したなというシーンが多かったのでこの試合では大事に至らなかったのですが、やはり右サイドにぽっかり穴が空いてしまうのはどうなんだろうと。
メッシを右で使うならやはりラキティッチが欲しいなと思いますし、今ラキティッチやビダルのような中盤の選手がいないので強豪相手のメッシ右サイドはやっぱり無理があるなとは思います。今後その問題とどう向き合っていくのか難しいところです。
この試合ではキーになり得たオサスナの左WBのホニーが前半で負傷退場したのもバルサにとっては幸運でした。オサスナからするともう少しバルサの右サイドで数的優位を作れるとバルサのゴールをもっと脅かすことができたのかなと思います。
試合雑感
リーガでの久しぶりに気持ちいい勝利だったと思います。クリーンシートはなんと第4節セルタ戦以来。CLに続いてBチームのミンゲサも臆することなくプレーできていましたね。後半少しダレる時間帯はありましたが、前半はオサスナを圧倒できました。
勿論、オサスナが昨季に比べると迫力不足だったのは否めませんが、それでも苦戦続きのリーガで1つ良い勝ち方ができたのは良かったのかなと思います。もうCLの決勝トーナメント進出は決まってますし、12月はリーガに専念していきたいところですね。カンプノウでのゲームが多いですし。
ただ、本当に痛いのがラングレの負傷交代。離脱期間がどの程度になるのかは分かりませんが、これでトップチーム登録のCBは全滅。一刻も早いアラウホ、ウムティティの復帰が望まれます。ウムティティはグループ練習には戻っているようですが、状態は微妙との報道も出ていますね。ラングレが軽症であることを祈りましょう。
1つ気になったのがピャニッチの不出場。実はリーガでの先発出場はブスケツが欠場した前節アトレティコ戦のみ。この試合では本職ではないペドリ、アレニャがボランチで出場する中、ベンチを90分間温めました。あまりクーマンの評価は芳しくないのでしょうか。アレニャもボランチで試合出始めましたし、今後の序列は気になるところです。
さて、次の相手はアウェイでフェレンツヴァーロシュ。CLのトーナメント進出は決まってますし、アウェイですのでディナモ・キエフ戦同様控え組主体のメンバーで挑むべきでしょう。で、欲を言えば勝って首位通過狙って欲しいですね笑
最後までお読みいただきありがとうございます。