Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【マッチレビュー】20-21 ラ・リーガ第8節 アラベス対バルセロナ

こんにちは!先のユベントス戦で2-0の完封勝利を収めたバルサは今節、敵地でアラベスと対戦します。

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昨季順位は16位とギリギリで残留を決めたアラベス。今季は元セビージャ監督の戦術家パブロ・マチンを指揮官に迎えました。マチンといえば3バックの使い手として知られますが,彼の就任でアラベスはどう変わるか楽しみです。ちなみに昨季はアラベスに対してバルサが2勝。9得点1失点という対戦成績です。

 

 

スタメン

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ホームのアラベスは前節バジャドリード戦から2人の先発変更。昨季のリーグ戦で11ゴールずつ奪ったルーカス・ペレスとホセルが揃ってベンチへ。代わり起用されたのはヘタフェから加入したデイヴェルソンと、サイドアタッカーのリオハ。前線の配置は大いに注目です。

一方のバルサはCLユベントス戦から3人の先発変更。ピケ、ブスケツ、アンスの主力組が先発に戻ってきました。ユベントス戦で先制点を奪ったデンベレは2試合連続の先発出場。

 

両チーム陣形・配置・噛み合わせ

マチンが用意したバルサ対策

今季からアラベスを率いるパブロ・マチンは先述した通り、3バックの使い手です。前節バジャドリード戦をチェックした限り、保持時3-1-4-2、非保持時4-4-2の可変型システムを採用しているようです。先日対戦したユベントスと似た可変の仕方ですね。

しかし、このバルサ戦ではその形を捨ててきました。

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アラベスボール非保持時

マチンがこの試合採用したのは4-1-4-1のシステム。恐らくこれは上図のようにバルサの4-2-3-1のフォーメーションに噛み合わせることを狙ったものでしよう。システムを噛み合わせることで自分のマッチアップは明確になります。

特にマチンが口を酸っぱくしていたと思われるのがサイドの攻防。右サイドハーフデンベレに関してはリオハ(左SH)がプレスバックすることで1対2の関係を作って自由にさせず。逆サイドではアルバにエドガル・メンデス(右SH)がしっかりついて行くことで蓋をした格好です。デンベレはそれでも何度かいい突破がありましたが、アルバは恐らく裏のスペースで一度も良い形でボールを受けられなかったと思います。

さらに最終ラインを浅めに敷き、全体をコンパクトに保つことでライン間を狭めていました。これによりバルサの中央突破は思うように上手くいきません。

外もダメ、内側も密集してるなら狙うべきは裏のスペース。アラベスの左インサイドハーフのホタは状況に応じてピケの位置までプレスをかけていましたが、右インサイドハーフのピナはラングレのところまではプレスに行かないことが多かったので、必然的にラングレはフリーでボールを蹴れることが多くなります。ラングレのロングパスにアンスが抜け出したシーンは2度ほどありました。

これが決まっていれば上手くアラベスの弱点を突いた形になったのですが、残念ながらネットは揺らせず。マチン監督からしても裏のスペースを突かれるのはある程度覚悟しての設計だったのかもしれません。アラベスの守備陣やGKパチェコはそれほど守備範囲が広いわけでもありませんし。

噛み合わせをズラすバルサとそれを利用するアラベス

バルサはこのような対策を敷いてくる相手に対してメッシが下がることで噛み合わせをズラす傾向が強いチームです。この試合でも同じようにメッシが下がり、その動きに連動してブスケツやフレンキーが1列ポジションを上げるといった流動性を見ることができました。

これをやることによってシステムの噛み合わせをズラし、相手の守備の基準点を崩すという効果が期待できる一方、リスクもあります。

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メッシが下がった時

図のようにメッシが下がってボールを受け、ブスケツもしくはフランキーが1列前に出ている状況。一見すると全体のバランスはポジションチェンジによって保たれているように「見えます」。

しかし、これが落とし穴。メッシはパスの名手ではあるものの、シャビのような「ゲームメイカー」では決してありません。試合を「作る」のではなく、「決める」選手です。つまり彼のプレーのプライオリティはたとえ低い位置であっても、得点に直結するドリブルや、スルーパスが高くなってしまうわけです。

勿論成功すれば決定機に直結するわけですが、当然相手にカットされる可能性も大いにあります。ブスケツやフランキーより低い位置でボールをロストすれば、後ろに残るのはCBのみ。メッシも自分がロストした時は懸命に守備する傾向にありますが、それでもチーム内で1番守備で計算出来ない選手であることに変わりはありません。

この試合ではかなりブスケツやフレンキ―が前に出るシーンが多く、メッシもパスを出した後、前に出て行くため、必然的にCBの前のスペースは空いてしまっているシーンが多かったです。そしてバルサの2CB(ピケ・ラングレ)は共にスピード不足なので、このスペースを思い切って埋めるのは難しくなっています。

アラベスの狙いはこの時に生じるバルサボール保持時の2CBと2ボランチのライン間のスペースをカウンターで突くこと

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アラベスのカウンター

時にLIHのホタは積極的にこのスペースでボールを引き出し、カウンターの起点となっていました。アラベスのカウンターに主に参加するのはこのホタとCFのデイヴェルソン、左サイドハーフのリオハの3人。右サイドハーフのメンデスはメインタスクがアルバ封じなので、そこまでリスクを冒さず。2SBも殆ど攻め上がりを見せません。

マチンの意図としては、4-1-4-1の配置をできるだけ壊さないこと。その上で、バルサのボール保持時緩くなる部分(ライン間のスペース)を最少人数で的確に突くこと。このやり方は特に前半ハマり、バルサアラベスの守備を思うように突き破れず、カウンターを受ける展開になりました。

クーマンの交代策

前半で1点ビハインドを食らったクーマンは後半開始から3枚替え。ラングレ、ブスケツデンベレを下げ、ピャニッチ、ペドリ、トリンコンを投入します。これに伴い、システムは4-2-3-1から4-3-3へ。

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後半開始時のバルサ

恐らく今季初の4-3-3導入。アラウホが負傷退場したユベントス戦と同じく、フレンキ―がCBへ下がり、ピャニッチがアンカーに入ります。2インテリオールはメッシとペドリ、3トップは右からトリンコングリーズマン、アンスと並びます。

結果的にホタが退場して数的不利になるまで得点を奪えなかったわけですから、この采配が当たりかどうかと言われれば微妙なところですが、少なくともクラシコのアタッカー特攻策よりは遥かにマシな采配だったと思います。特にペドリの左インテリオールは上々の出来でした。左のハーフスペースでボールを引き出し、アラベスの守備陣に難しい対応を強いました。

ただ、アラベスは後半から重心を下げて守りに入り、中盤の選手たちもペドリ、メッシ、ピャニッチの中盤に上手く対応できていました。メッシが不調の時のもう一押しというのが足りないのはこの試合でも変わりません。崩しの部分と最後の一押しというところでは、ルイス・スアレスのような選手の不在が今のところ響いているような印象はあります。

 

試合雑感

勝ち点3を逃がしたというより、勝ち点1を拾ったというニュアンスが強いゲームだったと思います。ホタの退場は1枚目も2枚目も軽率で不要なプレーでしたから、かなりバルサとしては幸運な数的優位だったと思います。その直後のプレーでグリーズマンが今季初得点を挙げました。この時もアラベスはまだ10人になってどうするか定まっていない段階での「奇襲」でした。

グリーズマンの初得点はこの試合でのポジティブ要素の1つです。ここまで決定機を外し続けてきただけに、この1点は彼にとって大きいかもしれません。「あのアラベス戦を契機にグリーズマン点取るようになったよね」と後々言われるようになれば、この得点に価値はあったと言えるのではないでしょうか。

心配なのはやはりメッシの状態。この試合では10本のシュートを放ちましたが、得点に至らず。今季公式戦7試合を終えて、PK以外のゴールは0。原因はいくつか考えられます。

1、位置の低さ、ドリブルの数

2、身体的疲労

3、 迷い

戦術的な話をすると、このクーマン体制でもセティエン政権と同じく、下がってボールを受けることが多いメッシ。これでチームのビルドアップは助かるのですが、メッシ本人はゴールから遠ざかってしまいます。さらに着目すべきはドリブルの数。今季の最初の3試合はそれほど多くなかったのですが、ここ3試合のドリブル数は8回(対マドリ―)、8回(対ユベントス)、15回(対アラベス。明らかに増えています。多すぎますね。

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今年のこちらの記事でも書いた通り、フルスプリントのドリブルによる足への負担はボール無しのスプリントと比べても大きいものがあります。セティエン時代からメッシはドリブルの数が多ければ多いほど、シュートに力がなくなったり、あと一歩踏み込めなかったりすることが多くなると僕は感じています。

それに加えて身体的な疲労も要素として含まれます。ここまでバルサでの公式戦7試合+代表戦2試合で全てでフル出場しているメッシ。長距離移動も含めてメッシにかかる負担というのはかなり大きいはずです。次のディナモ・キエフ戦、もしくはベティス戦で少しでも休めるといいのですが。

3つ目が1番深刻かもしれません。メンタルの問題はかなり大きいと思います。彼もいつも通り全力でプレーしているとは思いますが、どこかまだ吹っ切れていないようなそんな印象を受けます。

メッシも人間なので、メンタルによってプレーを左右されます。それは憎きバルトメウが辞任してもメッシにとって拭いきれないものなんだなと思います。

ともかく、クーマンももう少しメッシの負担を軽減するような仕組みを作るべきだと思います。しかし、序盤戦はCFで起用していたものの、最近の試合ではCF(の役割の選手)+メッシの形で試合に臨むことが多くなってしまいました。個人的にはメッシはトップ下で自由奔放に動かすよりも、ラスト30メートルの仕事に集中させた方がいいと思いますが・・。

メッシ以外で気になったのはフレンキ―のCB起用。もちろん慣れはこれからだと思いますが、スピードがある分、1つのソリューションにはなり得るかもしれません。アラウホも怪我をしてしまいましたし。ただ、中盤にフレンキ―がいないのも困るので、そこはジレンマですね。

さて、次の試合はCL第3節ディナモ・キエフ戦。リーグ戦は苦戦しているバルサですが、CLでは2連勝中。ひとまず早いところCLのグループステージの突破は決めて欲しいので、ここは勝ってグループ突破に向けて前進して欲しいところです。

何かの記事にも書いたと思いますが、今季は我慢のシーズンです。まだあのバイエルン戦から2ヵ月ちょっとしか経っていません。長い目で応援していきましょう!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。