こんにちは!今回は「セティエンバルサを読み解く」の続編です。いつまで続くのかは分かりませんが、いろんな角度から書いていければいいなと思います。其の壱はこちらから。
さて、キケ・セティエン体制のバルサの試合が2つ終わったところで、今回はこの2試合の選手起用から、見えてくるポイント、さらには補うべきポジションについて考察していきたいと思います。丁度冬の移籍市場が開いているところですし!今回はシンプルに書きます。シリーズ化の秘訣はシンプルさだと思うので笑。それでは!
↑初戦のレビューはこちら。
■セルジ・ロベルトCBというサプライズ
この2試合、共通して3-1-4-2のシステムが採用されました。これだけでもかなりの変化ですが、特筆すべきは右CB。なんと2試合連続でセルジ・ロベルトが起用されました。知っての通り、セルジ・ロベルトと言えば、この5シーズンサイドのレーンでのプレーが評価されてレギュラーに君臨してきた選手です。
メッシとも好連携を築いており、ちゃんとパス交換をしてもらっています。バルサファン以外の方からするとえ?って感じだと思いますが、メッシは本当に信頼している相手じゃないとパス出さないんですよ。
こういったシーンがセルジ・ロベルトの良さだったわけですが、そのプレーが出にくい3CBの一角としてセティエンはセルジ・ロベルトを起用したわけです。特に2試合目は守備力に長けたセメドがいたのにも関わらず、セルジ・ロベルトはCB、セメドが右WBとして起用されました。ここは確固たる意志を持って起用したと思われます。
ちなみに、多分イビサ戦で左CBで起用されたジュニオルはちょっと事情が違うと思ってます。彼はベティス時代はWBとして活躍していたので、イビサ戦はシンプルにメンバーの兼ね合いでCB務めたのかなーなんて考えてます。
■CBの一角に求められる能力
この事実から読み取れるのは、
CB→ビルドアップに優れた選手
WB→突破力・スピ―ドに優れた選手
こういう選手が最低条件のようです。まあどちらも予想されていたことではあるので、新発見!ではなく再確認みたいな意味合いが強いですかね。さらに追加の条件として右CBは右SBを難なくこなせる選手が好ましいのだと思います。なぜなら、左WBを務めるのはほぼほぼアルバだと思うので、スライドすれば簡単に4バックに戻せますからね。
さらにもう1つ。ひとえにCBのビルドアップといっても単純にパスが上手いだけでは十分ではありません。大事なのはポジショニングやタイミングを心得ていることです。そして3バックのCBに特に求められるのが、ドリブルで空いたスペースに運ぶ能力。例えば相手が1トップもしくは2トップであれば、1枚or2枚はフリーになれますから、ドリブルで運ぶことで、相手の守備陣形にダメージを与えることができます。
セルジ・ロベルトの得意なプレーの1つとしてスペースへのドリブルがあげられます。これまではサイドのレーンで披露することの多かったこのドリブルを、セティエンはもっと後方のビルドアップの局面で活かしたいと考えているのかもしれませんね。これは僕の憶測ですが。
また、ここにラキティッチのような選手を起用するのは1つの手です。ラキティッチはセルジ・ロベルトとは違ったタイプの選手ですが、彼の1つの武器として対角線へのロングパスが挙げられます。セティエン監督の元で中盤でプレーするのはもう厳しいのでは?との厳しい批判に晒される彼がポジションを下げる可能性もありますね。
2試合見て、ラキティッチに関して中盤よりも3CBの右が面白いかなと感じていて、ロベルトがWBをやることがでるのでメッシのあまり使わない右のスペースを有効活用できると思ってます
— ちゃっぴー (@t_y_a_p_y) 2020年1月24日
速さで劣るがアンスよりもロベルトならネガトラ時の強度と幅の確保、基点になれてメッシもやりやすくなると思いました https://t.co/cU8UJvZxIZ
■サイドは「聖域」
さて、次はサイドの選手についてです。セティエンのフォーメーションにおいてサイドの選手は両サイド1人ずつだけです。そして木村浩嗣さんの言葉をお借りするのであれば、両サイドのレーンはセティエンのサッカーにおいて「聖域」なのです。
こちらの記事で非常にわかりやすく表現されていたので、そのまま引用させていただきます。
ベティスの場合「聖域」となっているのがサイドである。縦割の両サイドのレーンはジュニオールとフランシスのもので、誰も侵してはならない。(中略)グラウンドを広く使うのがポジショナルプレーの原則で、両サイドの選手は常に開いているし、インサイドMFと同じかさらに前という高い位置にポジショニングしている。ボールを触っていれば相手は自然と引きつけられる。そうして一気のサイドチェンジから相手ゴールを急襲する。
クライフやセティエンのサッカーにおいて、サイドの選手の役割は左右に大きく開き幅を取ることで、相手の守備陣形を広げることにあります。相手をサイドに引きつけることで中央や逆サイドにはスペースができますからね。それこそ今のバルサにはメッシという世界で最も相手を引きつけられる怪物がいますから、ここでいうサイドチェンジの効果は計り知れませんね。
もちろん、サイドの選手はただサイドで突っ立っていればいいわけではありません笑。サイドのレーンで相手に脅威を与えられる選手でなければ、相手を引きつけることなどできませんから。だからこそスピード豊かでドリブルが仕掛けられるアンスと、ラインブレイクの動きに優れ、メッシと抜群の連携を見せているアルバが現時点でのファーストチョイスになるわけです。
左は現時点ではアルバ一択かと思いますが、右は議論の余地ありです。まだ17歳のアンスに多大な期待を寄せることも、後半戦フル稼働させることもできれば避けたいところです。となると、右サイドのファーストチョイスに浮上するのが現在負傷中のデンベレです。ハマった時の爆発力は凄まじいものがあり、圧倒的なスピードも兼ね備えています。セティエンの彼に対すると期待も高いものがあると言われています。
しかし、僕らファンからするといや大丈夫か?と思ってしまうわけです。この2シーズン半、負傷と規律違反を繰り返し続けた彼にもそれほど期待はしないほうが賢明なのかもしれません。もちろん彼がポテンシャルの全てを出し切れば、問答無用でファーストチョイスだと思うのですが。ポジショニングやオフザボールの動きなど改善点は山ほどあります。
ということでサイドのレーンで違いを生み出せる選手が今冬以降、補強ポイントになってきそうな予感はあります。もっとも、緊急度が高いのは、スアレスが長期離脱で頭数の足らないCFだと思いますが。エリクセンの話も出ていますが、現時点での優先順位はCF>サイド>エリクセンなのかなと。そもそもエリクセンの話は必要だからよりも取れそうだからのほうが強い気がします。
じゃあ具体的に誰を補強すればいいの?という話ですが、例によって特に具体的な名前が思いついているわけではないので、むしろ皆さんに教えて欲しいです笑。意外と枯渇しているポジションなんですよね、サイドアタッカー。
まあ、蓋を開けてみれば、普通にセルジ・ロベルトが右ワイド担当するかもしれないのでそこは様子見なのかもしれませんね。いずれにしても冬の市場の挙動には最後まで注目していきたいところです。
ちなみにペレスの移籍話が出ていますが、セティエンの中では、サイドの選手として彼は物足りないのかもしれません。メッシからのパスを受けやすい左サイドとは違って、右サイドはより個人での突破が求められてくるのではないでしょうか。そして真ん中でプレーするにはキープ力が足りないので、セティエン体制で活きるのは厳しいと評価されてしまったのかもしれません。
個人的には彼は頑張って欲しい選手の1人ではあったので、もし放出されることになれば、非常に残念です。ただ、バレンシア戦のリストからも外れてしまいましたし、構想外なのであれば、退団もやむなしです。
さて、シリーズ第3弾では何を書きましょうか。バレンシア戦終わったら考えたいなと思います。引き続き、感想・要望待ってます。
最後までお読みいただきありがとうございます。