Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】22-23シーズン前半戦 選手評価(SB編)

こんにちは!Hikotaです。

選手評価、続き書きます!今回はSB4人分書いていきます!

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サイドバック

セルジ・ロベルト

気がつけば30歳の大台を超えました。ルイス・エンリケエルネスト・バルベルデ両指揮官の元では絶対的なレギュラーだったセルジ・ロベルトですが、近年は負傷とライバルの出現によりベンチやスタンドに座る機会が多くなりました。

リオネル・メッシの良き理解者としてポジションを築いていた彼ですが、メッシの退団後は自分の付加価値を示すのに苦労している印象があります。

セルジ・ロベルトの良さは、立ち位置を間違えないことと、サポートの距離感・タイミングが素晴らしいこと。特に彼が何かしているように見えなくても、彼が右サイドにいると途端に上手くボールが循環するようになるという現象はバルベルデ時代に何度も見てきました。

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ただ、セルジ・ロベルトの欠点というか弱い部分は、オンザボール(ボールを持っている時)のプレゼンスが弱いところ。クリエイティビティの高いタイプでは元々ないので、セルジ・ロベルトが単体でボールを持った時にできることがちょっと限られてるかなというのは変わりません。ドリブル突破だったり、ロングレンジのパスだったり、一芸に秀でた選手ではありません。

エンリケバルベルデ時代は、適切な距離でサポートし、ボールを預ければ全てを解決してくれるメッシという存在がいたのでセルジ・ロベルトも自分の良さを発揮しきれていたと思います。しかし、メッシがいない今は相対的に「セルジ・ロベルト単体としての価値」が試されているのではないでしょうか。

22-23シーズンバルセロナボール保持時基本形

上記画像は最新のバルセロナのボール保持時の基本形最新版です。3-2-5。シャビバルサにおいて右サイドバックは幅取り役というよりも内側のレーンでプレーすることが多くなっています。セルジ・ロベルトが起用されるときはもう少し前にポジションを取ると思います。そうなると2-3-5みたいなイメージでしょうか。

元々中盤の選手なのでブスケツの横で上手くプレーできるようなイメージはあるのですが、現状だと守備面含めた総合力だとクンデには及ばないという評価でしょう。セルジ・ロベルトはトライアングルの崩しが上手い選手なので、その部分の付加価値は与えられるかと思いますが、シャビ的にはチームのバランスと守備の安定の方が優先度が高そうな。

中盤としても今のところはケシエの方が優先的に使われてるので、こちらでもバックアッパーという扱いでしょう。細かいケガが多いことも相まって計算しづらくなっているのも否めません。

それでもチームに1人セルジ・ロベルトがいれば安心なのも事実。来季ブスケツいないかもしれませんし、個人的には来季もいてほしいですね。好きな選手ですし。

 

ジュール・クンデ

昨夏の補強組。彼の補強が守備安定のラストピースでした。

本来はCBの選手ですが、今季は主に右SBで起用されています。W杯準優勝のフランス代表でも全試合右SBでしたね。ラテラルとしての評価も高いです。

バルセロナ基準で言うと、本職CBの選手がSBのレギュラーを務めるのはペップ・グアルディオラ時代のエリック・アビダル以来。たまたまですが、同じフランス人。レギュラーじゃないですけどそういえばジェレミー・マテューもフランス人でどっちもできる選手でしたね。マテューと言えば、この前バルサTV色々漁ってたらバルサの「歴史的な選手」として扱われてました。凄いメンバーの中に混ざってますね。

「BarcaTV」のフランス人レジェンドのラインナップ。お前が入るんかい!的な

ここ10年くらいバルセロナの4バックは「2CB+2SB」の構成でした。ダニ・アウベス&ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト&アルバ、セルジーニョ・デスト&アルバ、アウベス&アルバという推移ですね。「攻撃的」という言葉は最早現代サッカーにおいて陳腐ですが、ニュアンスは伝わりますよね。全員攻めあがって良さが出る「攻撃的」なSBでした。

今季はSBの1枚をバリバリ本職CBのクンデを起用していることで、「3CB+1SB」の構成に。シンプルにこれで守備が安定している感はあります。アラウホ・クリステンセンに加えて、クンデが後方にいることで守備の安心感は格段に違います。対人も空中戦も強いので相手の左ウイングのクオリティが高くても大きな問題にはなりません。

本職CBの選手をSBで起用した時に見られがちなバタバタ感もありません。基本技術が高く、アジリティも高いのでスムーズですよね。たまに集中力を欠いたパスミスが見られるのが玉に瑕ですが、申し分のない働きだと思います。

ただ、やはりクンデの良さが出るのはセンターのポジションかなと個人的には思ってます。これは本当にたまたまですが、僕昔CBクンデのプレーが好きすぎてセビージャ時代の彼の記事書いたんですよ。バルサ以外の選手の記事を書いたのは後にも先にもクンデだけ。まさか来るとは思わなかったです。

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本当はCBで見たいなあという願望は持ちつつ、今季はクリステンセンがとてもいいので右ラテラルで頑張ってもらうのがチーム的にもベターかなと思います。いずれにしても今季ここまでのパフォーマンスに文句のつけようはありません。あとはどこかのタイミングでジョルディ・アルバの顔面にボールをぶん投げてくれれば...(笑)

 

サイドバック

22-23シーズン左SBスタッツ比較(『FBREF』参照)
ジョルディ・アルバ

2012年から10年間レギュラーとして君臨してきた絶対的な左ラテラルですが、遂にレギュラーの座から陥落してしまいました。今季の先発出場数は20試合中9つ。一回り年下のバルデに完全にポジションを譲ってしまった格好です。

ここまで書くとなんだか「終わった選手」っぽい響きになるのですが、不思議と今季のジョルディ・アルバからはネガティブな印象がまるで伝わってきません。

その理由は出場した時のパフォーマンスが良いからでしょう。上の画像でまとめましたが、今季のジョルディアルバのスタッツ、なかなか良いんですよね。90分あたりのキーパス2.52ってSBとしては異常値です。これは今季のバルサの選手でデンベレラフィーニャに次ぐ3番目に良い数値です。

22-23シーズン ラ・リーガアシスト期待値ランキング(『FBREF』)

90分当たりのアシスト期待値ランキングでは、なんと今季のリーガで最も高い数値を記録しています(900分以上出場の選手に限定)。やはりチャンスメイクの質は別格です。むしろベンチに座る時間が長い分、しっかりを休養を取れているので出た試合でのクオリティが上がっている感すらあります。

個人的には、アルバは昨シーズンのシャビの就任を機にプレーの幅を広げたように思います。ウイングが大外に張るのが原則だった昨季のシャビバルサにおいて、SBは従来よりも内側でプレーする機会が多くありました。そこでのプレーを通して視野が広がったというか。逆サイドのアウベスがいいお手本だったということもあり、フットボールへの理解を深めたような印象を受けました。

守備は依然として怪しいですが、このレベルの攻撃力を誇るSBが準レギュラーの位置にいてくれることは頼もしいの一言に尽きます。そして素晴らしいのは、アルバもその役割を理解し、自分の役割に徹していること。それどころかライバルのバルデによくアドバイスを送っているようです。

さらには「減給してもいいのでバルサに残りたい」という圧倒的なベテランムーブまで。アンフィールドのロッカールームでメソメソ泣いていた姿から考えると良い重鎮になったなあという気がしてます。「成長」って何歳になってもするものだと今季のアルバから学びました。

 

アレハンドロ・バルデ

今季のサプライズ枠がクリステンセンだとするならば、ブレイクスルー枠は間違いなくバルデでしょう。昨季は5試合出場に留まりましたが、今季は左SBのレギュラーとしてピッチに立ち続けています。

昨季の印象だとまだバルサのトップチームは早いかなといった感じでしたが、シャビが辛抱強く使い続けた結果、見事に独り立ちしましたね。バルサのレギュラーに出世した結果、何とW杯にラロハの一員として出場したりしました。まさに飛躍のシーズンです。

元々ウイングの選手ということもあり、バルデの特長はオンザボールにあります。爆発的なスピードを活かしたドリブルは深い位置での1on1よりもむしろ低い位置からの持ち運びでその能力を遺憾無く発揮しているように見えます。

チャンスメイク力はまだアルバに劣りますが、それでも今季4アシストを記録するなど左サイドで躍動。最近シャビがアタッカー1枚を削って4人のMFを同時起用するようになったのもこのバルデの攻撃能力を買ってのことでしょう。

また、守備に関してもポジショニング等まだ荒削りな部分はありますが、フィジカルが強いことも相まって対人守備は悪くないです。少なくともクリステンセンやアラウホのサポートを受ければ問題なく守れるレベルにあります。個人的には守備能力が一定水準であるのもアルバよりも優先される理由の1つなのかなと思っています。

19歳でこの位置まで来たので本当に今後が楽しみです。今のうちにアルバから良い部分を盗んで、来季には世界的なSBになっているといいですね!

 

 

それでは今回はここまで!次回は中盤編です!

 

最後までお読み頂きありがとうございました。