Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【マッチレビュー】19-20 ラ・リーガ第33節 バルセロナ対アトレティコ・マドリー

こんにちは。さて、今季リーグ戦の大一番がやってまいりました。2位バルセロナと3位アトレティコ・マドリーの一戦です。首位マドリ―を追走するために、もう勝ち点を落とせないバルサと、CL出場権を早めに確定させたいアトレティコ。両者は今季リーグ戦とスーペルコパで1回ずつ対戦し、1勝1敗の戦績となっています。

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アトレティコは再開後4勝1分と好成績をキープしています。今季最高の状態でバルサ戦に臨むわけですね。一方のバルサは前節セルタ戦で痛恨の引き分けを喫し、とにかくピッチ内外で落ち着かない時期が続きます。それでも今節好調のアトレティコを叩ければ、再びチームに勢いが出てくるはず。勝利あるのみです。

 

■スタメン

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ホームのバルサは前節から2人の先発変更。セルジ・ロベルトが招集メンバーに戻ってきたものの、流石に即スタメンとはいかず。中盤には4人の選手が起用されるサプライズ。最近出場機会がぐんと伸びたリキも2試合連続でスタメンに名を連ねます。グリーズマン、アンスは残念ながらベンチスタート。配置が気になるところです。

一方のアトレティコは主力のサビッチ、コケが出場停止により欠場。CBのフェリペはこれが負傷からの復帰戦となります。右SBにはトリッピアーではなく、アリアスが起用されます。両サイドハーフにはコレア、カラスコ。そして前線には絶好調のジョレンテとコスタが配されます。これはかなり前からアグレッシブなプレッシャーをかけられそうなメンバー選考ですね。

 

■前半

両チームの形

まずは両チームの意図確認からスタートします。アトレティコはいつも通りの4-4-2でスタート。それに対してバルサはリキをトップ下に置く4-3-1-2の布陣を組みます。バルサボール保持時の噛み合わせは次の通り。

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バルサボール保持時

バルサはボール保持時、ラキティッチを左ハーフスペースに下げるいわゆる「クロースロール」で3バックを形成。ブスケツは最終ラインに落とさず、中盤中央に常駐。SBは高い位置を取り、リキ、メッシ(またはビダル)がハーフスペースの高い位置へ。最前線はスアレスビダル(またはメッシ)が並ぶ3-1-4-2の形を取ります。

3-1-4-2といえば、セティエンが就任当初基本フォーメーションとして使っていた形ですね。しばらくは封印していましたが、この大一番に自分の得意な形で臨んできたわけです。

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狙いとしては、下がったラキティッチを餌にして、アトレティコの守備の基準点を狂わせること。前半戦のレビューでも触れましたが、アトレティコが構造的に弱いのは4-4-2の「2」の脇のスペース。

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アトレティコの弱点

特にバルサの左サイドに関しては、コレアが進軍するジョルディ・アルバに付いていくため、ラキティッチを誰がチェックする?問題が発生するわけです。トーマスが出てくれば後方のリキが空いてきます。ということで2トップの一角に入るマルコス・ジョレンテが頑張ることになります。

しかし、前半戦にスタメンだったモラタとフェリックスに比べると、ジョレンテはかなり頑張れる選手ではあるので、2トップ脇のスペースは前半戦の一戦やスーペルコパよりは弱点ではなくなってる感もありましたね。ジョレンテとコスタはブスケツへのコースを限定しながら、必要があればCBとラキティッチにプレッシャーをかける役目。これはこのコンビでしかできなさそうなタスクではあります。

SBに付いていく右サイドハーフのコレアに対して、左サイドハーフカラスコは内側に絞って中央のスペースを消すタスクを担います。バルサの右サイドは頻繁にメッシとビダルが配置転換するので、そこへのケアという意味合いは強そうです。攻めあがってくるセメドに対しては主に左SBのロディが対応します。

続いて、アトレティコのボール保持時。

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アトレティコボール保持時

アトレティコがボールを持つ時間は長くなかったですが、ボールを持った際は図の様にサイドハーフが内側に絞ってボールを受けるシーンが目立ちました。この日のバルサのボール非保持時の陣形は4-3-1-2。WGもサイドハーフいない陣形であるため、必然的に相手のSBがフリーになりやすくなっています。

ということで主にバルサはロディをどうするか。という問題に直面するわけです。当然メッシはジョレンテのように頑張れはしないので、ビダルが出て行くか出て行かないかになるわけですが、ここがものすごく曖昧でした。中途半端な立ち位置に終始したため、結果的にハーフスペースで待つカラスコがフリーでボールを受けるシーンが多くなります。

アトレティコの同点弾に繋がったのはカラスコのPK奪取ですが、注目して欲しいのはその前のプレー。オブラクからのフィードを受けた低い位置のロディにプレッシャーをかけたのは右SBのセメド。このタイミングでカラスコがサイドに流れ、セメドの裏を突きます。カラスコは見事にスピードに劣るピケとのオープンスペースでのマッチアップの状況を作り出したわけです。これは綺麗な流れでしたね。

普段はフラットの4-4-2で守るバルサですが、この日は横幅を3人で守らなければならない場面は散見されました。いくらビダルラキティッチといっても限界はあります。リキはあくまでトップ下としての守備タスクが与えられているだけで、中盤のラインに入って4枚で守る!みたいな感じではありませんでした。

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ボール非保持時はこんな形でも良かった気がする

また、ジョレンテ、コスタは積極的に斜めのランニングでボールを引き出そうという意図が窺えました。彼らは攻守にエネルギッシュでしたね。ただ、ジョレンテに対してはラングレが上手く対応していたと思います。彼は本当に頼れるCBに成長しましたね。2年目とは思えません。

トランジションなら

両チームともやはり、トランジションの部分はかなり意識していたと思います。バルサはボールを失った瞬間、取り返しにいく意識は統一されていました。

しかし、それを搔い潜られたときにやはり脆さが出るのが今のバルサです。特に右サイド。セメドが高い位置を取り、ビダルセカンドストライカーとしての役割を担うため、ブスケツの右側のスペースは構造的に広いスペースができてしまいます。左はラキティッチが低い位置を取っている分、まだ予防的な配置はできているんですけどね。

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ブスケツの脇

特に図のような立ち位置になっている時、この弱点は露わになります。前線にいるビダルは物理的に戻ってこれませんし、メッシもここを埋めることは流石にしないので、攻守に元気なカラスコがここをとにかく突いてきました。メッシを使う以上、仕方のないことではあるものの、このシステムを使いたいのであれば、覆い隠すべき弱点の1つではあるでしょうね。

バルサのCBに機動力があれば、解決するのかもしれませんが、今のピケ・ラングレコンビにはそこが不足していますから、難しいですね。まあなので、トランジションからの速攻はやはりアトレティコに分があるかなと思いました。バルサは一発目のプレスが交わされるともうどうしようもない上に、撤退守備の設計もやばいので、とにかく奪われたボールはすぐ奪い返す以外に選択肢はない感じです。

首尾よくセットプレーで先制したはいいものの、すぐにカウンターで失点してしまったのはすごく勿体ないところ。これはいつかのレビューでも書きましたが、ボール保持しても、試合は支配し切れていないのが今のバルサの良くないところですね。あんまり流れの中から崩せる気配もないまま、前半終了。1-1でハーフタイムへ。

 

■後半

取って取り返されて

前半の情報量がかなり多くなってしまったような気はするので、後半はサラっといきますかね。ハーフタイム明けの選手交代は両者なし。

バルサは右サイドの循環が良くなりました。前半はメッシ⇔ビダルの配置転換が多かったのが、ここにセメドも加われるようになりました。これはセティエンが「セメド君も入れてあげて!」と言ったのでしょうか笑。メッシが大外に張ることも増え、ロディとカラスコの守備の基準点を壊し始めます。

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3人の関係性

その結果として、開始早々にセメドがPKを獲得。実際にPKだったかは微妙ですが、でもVAR以前の感覚はもう捨てた方がいいかなって感じですかね。それにしてもセメドの縦へのスピードは一級品ですね。今季PKも3回くらい取っている気がしますし、もう少しサイドアタッカーとして重宝してもいいような気はしてきました。

これをメッシが沈めて、勝ち越し。メッシはこれで公式戦700ゴールだそうです。最早凄いのか凄くないかもよくわかりませんね。しかもオブラクを嘲笑うかのようなパネンカでした。そういえば、メッシは最近PKを外さなくなったような。

しかし、やられたらやり返すのが今日のアトレティコ。再びカラスコがハーフスペースでボールを受けて、ピケを釣りだした上でレイオフ。お手本のような形で抜け出すと、追走するセメドの足が引っかかり再びアトレティコにPK。これも議論は分かれそうですが、抜け出された時点でアウトですね。

後半になっても外にプレッシャーをかけるのか、内側を締めるのか曖昧なままのバルサ右サイド。ここがハーフタイムで修正されなかったのはちょっと痛恨でしたね。カラスコが凄かったので、尚更何か対策して欲しかったところです。

交代策も実らず

失点直後、セティエンはセルジ・ロベルトを投入。待ってたぜ!と思ってたらまさかのラキティッチとの交代。まあセメドのコンディションは良さそうでしたし、今起用可能な中盤は全員先発で起用していたので、誰かを休ませたかったというところなので、まあ理解できなくはないかなと思います。

ただ、個人的にはラキティッチと同じタスクではなく、右サイドのほうに配置して欲しかったなと思います。左にリキ、右にセルジ・ロベルトとカンテラーノを両サイドに配置することで、メッシをよりゴールに近い位置に置きたかったんですよね。どういうわけか、今日バルサにはストライカーがいなかったので()

アトレティコの方は、前線の選手たちを順番に変えていき、チームにエネルギーを注入しましたが、セティエンが次にカードを切ったのは試合終了5分前。今のグリーズマンが正直起用し辛いっていうのは理解できますが、アンスはもう少し早めに投入すべきだったかなと思います。

試合は結局このまま2-2で終了。バルサが再び勝ち点を落とし、優勝争いでまた一歩後退する形となりました。

 

■まとめ

残念でした。勝てなかったことももちろんですし、セティエンの采配があまり腑に落ちない部分がありましたね。やはりセティエンバルサは、ボール非保持時の設計が非常に甘く、格下相手であればボール保持率でごまかせても、強豪相手だとどうしても粗が目立ってしまいます。

今日に関しては、DFラインと中盤3人で撤退守備は頑張れ!的な感じで、なんだかMSNの時代を思い出しました。MとSには当時ほどの凄みはありませんし、リキは相も変わらずめちゃくちゃ上手いですが、チームが払う犠牲としては割に合ってない!が本音ですかね。

セティエンが監督になってから、マドリーとバレンシアに敗れ、セビージャとアトレティコに引き分けました。リーガの有力のライバル相手に勝てていないことは問題視すべきでしょう。セティエンにはエクスキューズが山ほどあるので、可哀そうな部分も多いのですが、今日の采配は非難の対象になってもおかしくなかったのかなと思います。

アトレティコは素晴らしいパフォーマンスも見せたと思います。結局バルサは最後までアトレティコの守備を崩しきれませんでしたし、攻撃面ではカラスコが光り輝きました。点を取られてもすぐ取り返す姿からは連勝を続けている今のチームの自信を感じましたね。

さて、今節マドリ―が勝てば勝ち点差は4に広がります。これはかなり厳しくなりますね。ヘタフェが勝つことを祈っていますが、今のマドリ―はかなり状態がいいですから、厳しい状況は変わらないでしょう。

とにかく選手たちにもセティエンにも最後までパッションを持って戦って欲しいものです。セティエン監督には是非、こんなスタメンを試してほしいですね。

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