Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【マッチレビュー】22-23シーズン 国王杯準決勝1stレグ クラシコ感想文

こんにちは。Hikotaです。

久々に試合について書きます。なんか書きたくなったので。と言ってもそこまで時間がないので簡易版で。思ったことをつらつらと書く感想文ということで。

 

■スタメン

スタメン。

ホームのマドリーはアラバ、メンディが負傷で欠場。左SBにはマルチロールのナチョが入っています。チュアメニはコンディションが整っていないようで代わりにカマヴィンガ。前線はクラシコではお馴染みのバルベルデ右WG。サブにはセバーショス、アザールロドリゴ、アセンシオと層厚いです。

対するバルサは大ピンチ。攻撃の中心人物であるペドリ、レバンドフスキデンベレが負傷によりこの大一番を欠場。本当にピンチですね。ケシエ、ラフィーニャ、フェランが代役として起用されます。選手のやりくりは本当にカツカツな今季のバルサです。さらには追い打ちをかけるようにCBのレギュラーであるクリステンセンまで負傷で離脱してしまいます。

 

■マドリーの良さを消すことに徹したシャビ

状況としては極めて不利だったバルセロナ。勝ち点1でも御の字のこの状況において、シャビがどのような采配を振るうのか注目が集まりました。

シャビが就任してからのバルセロナの大きな変化としてインテンシティの向上が上げられます。ここ数年のバルセロナにおいて、シャビバルサは1番走るチームになっています。とにかく34歳のレジェンドレバンドフスキであろうが、怠惰なウスマン・デンベレであろうがめちゃくちゃに走ります。これは本当に大きな変化でした。

一方でボール保持にはまだ課題が残るのが現状です。ゾーン1でのビルドアップの質もそうですし、もっというとゾーン3での崩しの部分でも大きく課題が見えます。シャビはまだここにはちゃんとメスを入れられていないように思います。

前置きが長くなりました。結論から言うと、シャビの取った策は「徹底的にマドリーの良さを消すこと」でした。

ポイントは3つあります。

①ヴィニシウスを試合から消すこと

②オープンな殴り合いをしないこと

③できるだけリスクを避けてプレーすること

 

この3点について書きます。

シャビはここまで公式戦でこの試合含めて4戦クラシコを闘っています。そしてその内3試合で勝利を収めているのですが、勝利した3試合全てで右サイドバックに本来CBのロナルド・アラウホを起用しています(唯一敗れた今季前半戦はそもそも負傷でアラウホがいなかった)。

ボールホルダーとしては極めて不器用なアラウホを右で起用する理由は、ヴィニシウス対策。昨季リーガで17ゴール10アシストを記録するなど、ベンゼマと並んでマドリーの核となった彼を止められるかどうかが対マドリーの1つのカギになります。

この試合でもアラウホは右で起用され、ヴィニシウスを見事に封じ込め思ったようなプレーをさせませんでした。

ボール保持においてはアラウホ右SBはマイナスなのですが、対マドリーということを考えると収支は若干プラスに傾きます。サッカーって面白いスポーツですよね、本当に。

この試合のシャビはとにかくマドリーと「真っ向勝負」することを徹底的に避けました。

まずはボール保持を見ていきましょう。

この試合のバルサはいつものように左SBを上げる左肩上がりの形ではなく、そのまま4バックでビルドアップを進めることが多かったように思います。なので低い位置の大外レーンに両SBが構える形になりますが、当然狙われるのはアラウホ。ボールを彼のところに誘導されドン詰まってバルサのビルドアップ終了!というのはよく見られました。

このあまりにも不器用なビルドアップにはなんでやねん!と突っ込みたくなります。シャビ、修正せんのかという気持ちにもなりますが当然シャビが気付いていないはずもなく、これには別の狙いがあるのでは?というのが自然な思考かなと思います。

この試合のシャビの優先順位はとにかく「オープンな展開でマドリーに攻撃をさせないこと」だったように思えます。なので4バックは基本的にポジション維持で最大限陣形を崩さないような意図があったのではないでしょうか。アラウホはともかくとして、本来攻撃的な選手であるはずのバルデもリスクを冒して前線に駆け上がっていくシーンはほとんど見られませんでした。

4バックの陣形を保ったまま前進を試みる

もう少し踏み込んだ表現をするとこの試合のバルサのビルドアップの局面での優先順位はボールを前に進めて支配することよりも陣形を崩さず、マドリーのオープンなアタックを予防することにあったと考えられます。そういう意味では「ボール保持はある程度捨てていた」と表現することもできます。

マドリーは当然奪えれば大チャンスなので前に出てくるのですが、出てきたらすかさずテア・シュテーゲンが高精度のフィードを前線に飛ばして逆にオープンな攻撃をする意図もありました。まあこれはワンチャンあればいいなくらいの確率だったと思いますが。

このようなローリスクローリターンのアプローチが基本でしたが、非保持の部分のハイプレスは変わらず行っていました。流石にクルトワのところまでプレッシングをかける場面はあまりなかったですが、シャビバルサとしては高い位置で奪って速攻というチームの1つの武器は捨てたくないところだったと思います。実際カマヴィンガのミスを突いてこの試合唯一の得点に繋げたのはその賜物でした。

まあぶっちゃげ0-0でも構わないってアプローチだったと思いますし、状況を考えれば満足すべき結果でしかありませんね。セカンドレグは全然違う展開になりそうなのでまた別ですが。

 

■シャビのアプローチは是か非か

まあ何というか色々考えさせられる試合でしたね。支配率35%は流石に僕も記憶ないです。バルサは哲学を捨てたと言われても反論は難しいかも分かりません。

ただ、対マドリーという部分と今の負傷者状況を睨んだ時に、打てる最善の手は打ったのかなと思います。たとえ現役時代のシャビに「アンチフットボール」と言われようが、勝ちは勝ち。クラシコでの「正しさ」の基準は結果以外ありません。

改めてフットボールの難しさを感じます。シャビが指揮官なのにこの質のサッカーなのかと寂しさを覚える瞬間は今季多々あります。でも結局勝たなきゃしょうがないんですよね。今のバルサは。理想を追求したいのは山々ですが、結局勝たなきゃいけないクラブになってしまったことはバルサ・コンプレックスの読書感想文で書いた通り。

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ましてや今季は色々なもの、未来の1部を売ってお金に変えた勝負のシーズンになります。バルササッカーだ美しさだと言っている場合ではないのが現実なのかもしれませんね。シャビも今必死だと思います。必死に勝つために色々なものを捨てながら、色々なものを妥協しながらやっているんだろうなあと想像しています。

是か非かは結果が決めるのだと思います。ヨーロッパの舞台で無残に散った今、国内2冠、少なくともリーグ優勝は達成必須のノルマかなと思います。それが達成できなければレジェンド監督であっても擁護はされないのかなと思います。

もっと良い状況でシャビにバトンを渡したかったのが本音ですが、もうやるしかねえって感じです。ファンとしてシャビの指揮官としての生き様は見届けたいなと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。