こんにちは!Hikotaです。
前節ビジャレアルと壮絶な撃ち合いの末、勝ち点3を手にしたバルセロナ。インターナショナルウィーク突入前の一戦は敵地でのオサスナ戦。昨季上位進出を果たしたチーム相手ですが、しっかりと勝ち点を積み上げていきたいところです。
今更オサスナ戦っ!?感は否めませんが、まあベティス戦前の振り返りということでこのタイミングであげます。代表ウィークあると逆にダレちゃいますね。別に書くことは義務じゃないんですけど、時間あると思ってたらいつの間にかという感じです。なのでレビュー半分、今季のここまでのバルサをざっくり振り返るのが半分くらいの感じで書きます。では!
オサスナチーム状況
昨季7位に食い込んだオサスナ。予算規模を考えると素晴らしい躍進です。2020年のプリメーラ昇格以降、4シーズン連続で中位以上を維持。アラサテ監督は今季6シーズン目。オトラのクラブとしては異例の長期政権となっています。他クラブに比べると選手の入れ替わりも少ないですし、安定しているクラブの1つです。
勝ち取ったカンファレンスリーグの出場権は過去の八百長案件でUEFAから没収されかけましたが、上訴の末出場が認められました。残念ながら先日のプレーオフでは惜しくも敗退となり本選には出場できませんが、リーガでは2勝1敗の好スタート。バレンシアとセルタ相手にしっかりと勝ち点3をつかんでいます。
昨季からの戦力の違いという意味では、エズ・アブデとマヌ・サンチェスのローン期間終了に伴う退団が大きいでしょうか。特に単独で長い距離を持ち運べるアブデとの別れは戦術的に大きなものがありそうです。主な補強としてはベティスからラウール・ガルシア、ラージョからアレハンドロ・カテナ、ビジャレアルからモヒカを獲得しています。
スタメン
ホームのオサスナは3日前のカンファレンスリーグプレーオフから9名のスタメン入れ替えを敢行。CBのカテナと左SBのファン・クルス以外GKも含めて変えてくるというサプライズに出ました。欧州カップ戦のプレーオフあるチームって序盤から週2で試合になるので大変ですよね。オサスナには是非本戦に出場してほしかった。
一方のバルサはバルデが先発に復帰。それ以外はビジャレアル戦と変わらない顔ぶれになりました。移籍市場最終盤で、アンス・ファティ、エリック・ガルシア、エズ・アブデが退団。反対にジョアン・カンセロ、ジョアン・フェリックスの2名のポルトガル人が最終日に加入し、今節のベンチメンバーに名を連ねました。
今季のバルサを象徴するチャンスシーン
序盤からチャンスを作ったのはバルセロナ。前半最初のチャンスは必見です。
バルセロナの自陣でのボール保持から。下図のようにオサスナが近くにいるバルサの選手たちを掴まえている状態です。ボールホルダーはCBクンデ。
するとクンデはすかさず前線へフィード。相手右CB-右SB間のスペースに潜り込んだガビが素晴らしいコントロールでボールを手中に収めると左サイドを駆け上がったバルデをにスルーパス。
深さを取ったバルデはペナルティエリア手前のフレンキーへマイナスのパス。フレンキーのファーサイドへのクロスにギュンドアンがタイミングよく飛び出します。ギュンドアンはシュートを選択することもできましたが、選んだのはレバンドフスキへの折り返し。これがズレて得点とはなりませんでした。
この一連の形は、①クンデCB起用②フレンキーの権限拡大③ギュンドアンの抜け出し、という今季のバルサの特徴が色濃く表れた形でした。
イージーなミスも見られますが、アラウホ右CBの時と比べるとクンデからはやはりいいパスや持ち運びが見られるなという印象です。このロングフィードもそうですし、ドリブルで相手をひきつけ切って味方に時間を与えるプレーが好きです。はい。
そしてフレンキー。オリオル・ロメウの予想以上のフィットにより今季も「アンカー+1システム」が維持され、かつブスケツの退団により名実ともにバルサの中盤のドンとなったフレンキー。ますますビルドアップに深く足を突っ込んでいくのかと思いきや、今季見せているのは、崩しの局面への深い関与です。
ビジャレアル戦のゴールに象徴されるように今季はゴール前に飛びだす機会が多いですし、決定的なキーパスを狙っている印象を強く持っています。これは多分シャビに言われてるんだろうなと思います。より決定的な場面に関わるようになったことで皇帝感が強まりました。チーム全体が昨季よりも前がかりになったように見えるのは彼の振る舞い故でしょう。
そしてフレンキーからの供給先として機能してくれそうなのがギュンドアン。オンザボールでもオフザボールでもスルスル抜けていくのが本当に上手い選手です。特にオフザボールの動きのうまさはペドリやフレンキーのパスセンスを更に引き出してくれそうな予感がします。インテリオールの飛び出しはシャビが要求している要素の1つなのでそこを体現してくれるギュンドアンの存在は大きいでしょう。
控え組でも強いオサスナ
しかし、この序盤のチャンス以降はなかなかゴールに迫れないバルセロナ。先述した通り、オサスナは大幅にメンバーを入れ替えたにも関わらず、です。
改めて語るまでもありませんが、オサスナの特徴はその組織力。リーガのクラブで監督が長期政権を築くのはあまりない事例です。そもそもオサスナは予算規模としてはリーガでも下から数えた方が早い方。それでもプリメーラに残留し続けるだけでなく、昨季は上位進出を果たしたわけですから異例の事態と言えるでしょう。
アラサテ監督はソリッドな守備構築を得意としており、それはスタメン11人だけでなく、控え組の選手たちにもしっかり浸透しているわけです。特別難しいことをしているわけではありませんが、シンプルなことを徹底するのは意外と難しいことです。
この試合のトピックで言えば、怖い選手であるギュンドアンとヤマルの監視を強めたこと。アンカーのムニョスはスペースよりもギュンドアンのマークに重きを置いているように見えましたし、アルナイスとルベンガルシアは上下動を怠らず、SBとヤマル・バルデの1on1のシチュエーションを作らせなかったことに意義があったように思います。
今季のバルサのもう1つの大きなトピックが④ラミン・ヤマルの台頭です。デンベレの退団を惜しむファンはもうほとんどいないでしょう。贔屓や好みではなく、誰が監督であっても使われる選手です。今のバルサのウインガーの中でトップのクオリティを持っています。
ただこの試合で気になったのは、右SBのセルジ・ロベルトのサポート不足。ビジャレアル戦では守備の部分での穴を指摘しましたし、このオサスナ戦でも彼の背後というのは狙われポイントの1つでした。しかしこの試合で気になったのは保持時の振る舞いで、この試合の彼は大外でボールを受けるヤマルに対して、インサイドのレーンを駆け上がるのがほとんど。
インサイドを取ってくれること自体は良いのですが、問題は十中八九走り「抜けて」しまうこと。勿論ニアゾーンに走りこむことは有効ではあるのですが、それ一辺倒だと流石にバレます。特にオサスナはサイドハーフが献身的なのでなかなか数的優位ができない状況であったので、ヤマルの特性を考えても内側で止まってボールを引き出して逆にヤマルを上手く使うくらいの余裕は欲しかったところです。
振り返ったら2節のクンデの方が良いサポート入れてたと思います。守備面の強度やフィジカルで劣るのはもう仕方ないですが、セルジがクンデに保持時でのサポートでも負けるようになるのはちょっと切ないなあという感じです。セルジ・ロベルトは不安定な時期はボールを受けたがらない振る舞いを見せるのが気になるところです。もうSBとしては難しいと思っています。
左サイドはいつものようにバルデがウイングとしての引き出しの少なさを露呈。両サイドどもなかなか難しい状況で、チャンスとシュートが少ないのも頷ける内容です。それだけにセットプレーとPKで2点取れたのは本当に助かる部分だったなと思います。試合展開をリアルに反映すると1-1か1-2くらいだったんじゃないですかね。チミー・アビラのゴール、ゴラッソすぎました。
なのでオサスナは本当に良く戦ったと思いますし、それだけに彼らのホームから勝ち点3を持って帰れたのはシンプルに大きい出来事でした。開幕3勝1分スタートは悪い結果ではありません。カンセロとフェリックスもデビューできましたし、インターナショナルウィーク明けもう少しチームの状態が上向いたらいいなと思います。
選手プチ寸評
移籍市場も閉まり選手名鑑も発売時期なので今季のトップチームの選手たちのここまでの寸評載せておきます!
今季も好調そうで何より。日本戦の4失点が気の毒でした。
アラウホ
リーガではアラウホがいなくても何とかなりそうですが、CLはそうはいかず。昨季CLで苦杯を舐めたのも彼がDFラインにいなかったという要因が大きく影響しました。2節ポルト戦には間に合いそうなので
クンデ
SBでいいじゃんと思わせておきながらCBでも質の高いプレーを披露。うーん。まあどっちもハイレベルでできるということで重宝していきましょう。
クリステンセン
途中交代が多いのが気になるポイント。開幕4試合連続で途中で代えられるCBってなかなかいないのでは。コンディションの問題なのかなんなのか。
イニゴ
デビューおめでとう。クリステンセンのコンディションが不安だとすると、アラウホがいない今が存在感をアピールする絶好のチャンスです。
セルジ・ロベルト
ピッチ外ではいい働きをしているという報道がありましたが、ピッチの上でも存在感を見せて欲しい所です。SBとしてはちょっと評価が厳しくなる。ロメウ、フレンキーに異常が出る前に3列目で早めに慣らしておきたい。
バルデ
2年目なので当然見る目も要求も厳しくなる。今季もウイング化SBとして高い位置で何ができるかが問われ続けそうです。
カンセロ
滑り込み補強。買取義務ないのはバルサ的には選択肢が増えていいのでは!左右両方できますし、クオリティの高さは証明済みなので楽しみです。偽SBもやってたので戦術の幅も広げてくれそうです。同じポルトガル語話者のラフィーニャに好影響があったらいいなあ。
カンセロの加入により、今季はより高さを活かしたクローザー的な役割が強まりそうな予感がします。
開幕4試合の陰のMVP。粗は探せばそりゃあ出てきますが、かかっているコストと期待値を考えればあまりにお買い得だったと言えるパフォーマンスです。今後相手のレベルが上がった時にどこまで闘えるか。あとはバックアッパー不在という難しい状況であることも懸念です。
フレンキー
新しいバルサの皇帝になりました。今季は加入以来最高のシーズンにしてくれるはず。
ペドリ
早く怪我を直してほしいです。本人が1番辛いでしょうが、プレーが見れないファンも辛い。
モダンサッカーにおける中盤の理想像の1つだと思います。ガビもペドリもフレンキーも彼から大いに学んで欲しいです。地味にいくつかシュート外してるのでそろそろゴールが見たいですねえ。
ガビ
ペドリ離脱の今、結局頼りになるのはこの男。19歳の癖にもう兄貴感を漂わせています。ターンとトラップが引くほど上手いので必見。今季はより数字を伸ばしてくれたら言うことありません。
ヤマル
天才です。焦らず一歩ずつステップアップして欲しい、なーんて言う前にどんどん先に進みすぎてしまいました。クラブでのデビューゴールより先にA代表で初ゴールを決めるアタッカーって過去にいたんでしょうか。怪我とメンタルだけが唯一の心配です。
ヘタフェ顔負けの肘打ちを盛大にかましてシーズンを開始したラフィーニャ。ライバルの某トニーがこちらはピッチ外の暴力疑惑で脱落した恩恵を受けてセレソンにも追加招集。ゴールも決めました。カンテラーノの至宝がライバルと追い風が吹きまくっていますが、めげずにトライし続けて欲しいです。
フェラン
追加招集されたラ・ロハの試合でもゴールを決めて帰ってきました。今季は本当に風格が違って見ていて気持ちがいいですね。そろそろスタメンで使われるべきでしょう。
フェリックス
カンセロと同じくこちらも滑り込みで加入。個人的には懐疑的なディールだったものの、年俸大幅ダウン+買取義務なしのローン加入はバルサにとって有利な条件です。本人はやる気満々のようですし、掌返しさせて欲しいところです!
基本的にレバンドフスキのプレーは彼自身がシュートを撃ちゴールを決める状況を作るという部分からの逆算で作られていると思います。この辺りがアンス・ファティと上手くリンクしなかった理由なのかと。彼自身の得点能力・フィジカルが落ち始めている中でプレースタイルを上手くアジャストできるのかというのがプレシーズンからの懸念です。
最後までお読みいただきありがとうございました。