Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】開幕直前! 新生クーマンバルサ5つの見どころを語る

はい、こんにちは!さて、早いものでバルサ今季開幕戦が数時間後に迫っています。バルサはここまでプレシーズンマッチを3試合消化。いずれも国内の力の劣る相手だったものの、3連勝を達成。そして少しずつ新監督のクーマンのチーム作りの意図が見えてきました。

今回は開幕に向けて、PSMの出来を踏まえながらクーマンバルサの注目ポイントを語っていきたいと思います。

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新システム4-2-3-1

まずはここに触れましょう。バルサの伝統のフォーメーションといえば中盤にアンカー1枚、その前にインテリオールを2枚配置する4-1-2-3ですが、クーマンはオランダ代表で用いた4-2-3-1をPSMの3試合全てで使用しました。

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PSM3戦目エルチェ戦スタメン

こちらはPSM3戦目エルチェ戦のスターティングメンバー。唯一の1部のチームとの対戦ということで、恐らくこのメンバーが開幕戦でもベースになってくるはずです。

一番のトピックはやはりリオネル・メッシのファルソ・ヌエベ(偽9番)起用でしょうか。初戦のヒムナスティック戦こそ右サイドで起用されましたが、その後のジローナ戦、エルチェ戦ではCFの位置に固定。メッシはストライカーの位置が定位置ながら上下左右に自由に動きながらボールを引き出していました。

そしてそのメッシの動きに伴い、2列目の選手たちは時にストライカーの位置まで上がることも。アントワーヌ・グリーズマンやトリンコンは積極的にメッシとポジションを入れ替えながら流動的にプレーしていました。

SBはバルベルデやセティエン時代の様に常時高い位置を取るのではなく、前線の4人のバランスを見ながら上がっていく様子が見られました。

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新生バルサイメージ図

「人もボールも動くサッカー」というフレーズが一昔前に日本で流行りましたが、そんなイメージなサッカーだと思います。気になったのは2戦目のジローナ戦でラインブレイクの動きが少なかった点。バルサの今のアタッカー陣は足元でボールを受けたがる選手が多いので、今後守備の堅いチームと対戦した時の対応は気になるところです。

ボール非保持時に関しては、1トップのメッシを含めて全体でラインを高く保ち、プレッシングをかけていくシーンが見られました。 これはスアレスが在籍していた頃には実現できなかった戦術です。最前線のメッシは最低限のパスコースカットさえこなせば後は後方の9人でどうとでもなります。

特にクーマンが力を入れていると見られるのが、ネガティブ・トランジションの部分。ボールを奪われるや否や、数人の選手がボールと相手を囲い込む姿勢を見せています。前線の選手はポジションチェンジをしていることが多いのですが、その中でも全体の配置を崩しすぎないことが肝要です。

後方は2ボランチと2CBがユニットを組んでバランスを取ります。戦術的に大きいのはフレンキ―・デ・ヨングの左ボランチ起用ジョルディ・アルバが高い位置を取ることが多いため、バルサの左サイドには広大なスペースが広がっています。そのスペースをスピードのあるフレンキ―がカバーしてくれているのは頼もしい限りです。

一方、右サイドのディフェンスは依然として不安なままです。右SBのセルジ・ロベルト、右CBのジェラール・ピケ、右ボランチセルヒオ・ブスケツいずれもスピードが不足しており、ここはカウンター対応が不安視されるところではあります。

ラインを高く保ってプレスに行くのがどうやらクーマンの基本方針のようです。となるとやはり背後のスペースへのケアということで、2CBと正守護神テア・シュテーゲンへの負荷は強くなっていくでしょう。この辺りをクーマンはどう考えているのかちょっと不安要素です。

レギュラー争いは?

ポジション争いも気になるところです。

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PSM各ポジション先発メンバー

簡易な表で申し訳ないですが(記事出すのもギリギリだったので・・)、PSM3戦の先発出場したメンバーを表に纏めました。この内、3戦連続で先発出場を果たした選手は黄色でマーカーしておきました。この7選手+フレンキ―(1戦目は代表明けだった)には現時点ではほぼ当確ランプをつけていいでしょう。

議論が分かれるのはCBと2列目でしょうか。CBについては後述しますので、2列目の人選について考えてみましょう。

現段階での候補者は7人。

アントワーヌ・グリーズマン

フィリペ・コウチーニョ

・アンス・ファティ

・ウスマン・デンベレ

・フランシスコ・トリンコン

・ペドリ

ラフィーニャ

この中から3選手を選ぶわけですからなかなか大変な作業ですね笑。先述した通り、PSMで2ゴールを奪い、セカンドトップ役のグリーズマンは現時点ではクーマンに重宝されていそうです。となると、最適解は真ん中にグリーズマン、右に左利きのトリンコン、左にアンスになるような気はします。

しかし、そうなるとベンチにコウチーニョデンベレを置くことになってしまいます。2人には年俸やインセンティブも含めると優に3億€以上がかかっていますから、流石に2人をベンチに置くわけにはいかないということで、PSM3戦目はあのような形に落ち着いたのではないでしょうか。

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コウチーニョトップ下、グリーズマン右サイド

開幕戦は恐らくこのメンバーがベースになるはずです。ただ、プレシーズンではトリンコンがかなり躍動しており、ペドリも随所に良いプレーを見せていました。クーマンは若手登用に定評がありますし、ヒエラルキーや金額に囚われず、積極的にパフォーマンスのいい若手は使っていって欲しいですね。

現時点では、セルジ・ロベルトのレギュラーが濃厚な右SBですが、ウルブスへ去ったセメドの代役としてアヤックスのデストの獲得が間近とか。デストのプレーをほとんど見たことのない僕はノーコメントですが、ここの争いはシーズン中に勃発しそうですね!

さらに新加入のピャニッチブスケツとフレンキ―の間に割って入るかどうかも注目ポイントの1つです。コロナウイルスに感染してしまったことでプレシーズンは出遅れてしまったピャニッチ。今季も過密スケジュールは続きますから、本職の少ないボランチの主力としてやってもらわねば困ります。クオリティは証明済みなので、あとは適応できるか。

またカンテラーノのリキ・プッチやカルレス・アレニャがどういった起用法になるのかも注目ポイント。特にリキはレンタル移籍の退路を断っての挑戦ですが、何らかの形で報われて欲しいです。

懸念のCB問題はどう解決する?

最近あらゆる場面で僕が叫んでいるのがこのCB問題。またかよって方、どうかお許し下さい笑

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今回初めて記事を読まれた方に簡単に説明すると、「ピケ・ラングレのクオリティに不満はないけど、コンビとしては圧倒的にスピードが足りない!今まではラインを下げて誤魔化してきたけど、クーマンはラインを上げてボールを奪いに行くつもりみたいだからスピードのあるCB必要じゃない?」ってとこです笑

クーマンもそこを意識しているのかPSM2戦目のジローナ戦ではBチームのスピード自慢のCBロナルド・アラウホを先発で起用。そのジローナ戦ではチーム唯一のフル出場を果たし、クーマンの期待を感じる登用でした。しかし、続くエルチェ戦では出場機会がありませんでした。

アラウホはフィジカル的な部分を見れば、1部でもある程度は通用しそうですが、やはり不安なのはビルドアップ。特に彼を起用するとなると、ビルドアップの中心であるジェラール・ピケをベンチ、または左CBに配置する必要性に迫られてしまいます。いずれにしてもチームのビルドアップの能力は大きく低下してしまうでしょう。

ある程度それに目を瞑りながらアラウホを育てるのか。それとも新しいCBを獲得するか。ただ、最近のバルサの移籍報道を眺めていてもマンチェスター・シティエリック・ガルシア以外の報道を一切見ないので、後者にはあまり期待できないと思い始めています。

となると腹を括ってアラウホを起用する勇気クーマンは持つ必要があると思います。サムエル・ウムティティやジャン・クレール・トデイボは放出が濃厚なようですし。

 

クーマンと選手は上手く関係を築けるか

僕がこれを論じてもあんまり意味ないというか、上手くいくことを祈る!ってだけなのですが、やはり気になるのはクーマンと選手たちの関係性クーマンの性格に難があるという話は何度か耳に入っていますし、就任早々、スアレスに電話一本で戦力外を伝えて選手たちの不興を買ったという報道も出ました(最もこれは悪いのはフロントだと思います)。

クーマンはクラブOBなので、色々心得ているとは思いたいですが・・。特にバルトメウ政権では監督は本当に大変ですし、クーマンはバルトメウにかなりスケープゴートにされそうな予感はあります。上手くチームと自身をコントロールして欲しいところですが・・。

ファンとして一番危惧しているのは、やはり選手と監督サイドの不和。やはり頭をよぎるのはセティエン政権末期のメッシとアシスタントコーチのエデル・サラビアの衝突です。あのような状況は観ていて一番辛いので、何とか上手くやって欲しいところです。

鍵を握りそうなのは、選手と監督の間に立つアシスタント・コーチの存在。クラブOBのヘンリク・ラーションとテン・ハーグ監督(アヤックス)の元アシスタントのアルフレッド・スロイデルの働きはチームを円滑に進める上で不可欠でしょう。僕は2人のパーソナリティを詳しく知らないので、期待している!としか言えませんが・・。

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若手選手・カンテラーノはどこまで起用されるか

やはり気になるのは今季も若手選手やカンテラーノの登用。ここはクーマンに期待したい要素の1つでもあります。ラキティッチスアレスビダルと重鎮を放出したため、その分若手にチャンスが広がったと思いたいところ。

今季は過密日程+23人招集+交代枠5枚ということで例年よりも若手選手は出場機会を掴みやすいはず。さらにコロナウイルスに感染して主力が急遽欠場というケースも想定できます。最早、スタメンを掴まん勢いのアンスはもう別格にしても、トリンコン、アラウホ、ペドリ、アレニャ、リキあたりがチームを活性化してくれると今季は一気に面白くなりそうです。

ちなみに僕の一押しはコンラッド・デ・ラ・フエンテ。昨シーズンのBチームのプレーオフから良い印象を抱いていたのですが、PSM2試合で特大のインパクトを残しました。圧倒的なスピードと斜めのランニングを武器に、左サイドを活性化させました。トップチームの試合でも物怖じせずに縦に仕掛ける姿勢は特筆に値しました。特に裏へのランニングのタイミングは流石カンテラーノ!と言いたくなるものでした。

懸念点はアンス・ファティとポジションが丸被りしていること。飛ぶ鳥を落とす勢いのアンスを序列で上回るのは容易ではないでしょう。しかし、それでも彼の速さはチームにとって大きな武器になり得るでしょう。前述した通り、2列目のポジション争いは熾烈ですが、途中出場で少しでも評価を勝ち取ってくれたら嬉しいです。

 

 

さあということで開幕まであと4時間程。ギリギリで仕上げました笑。実際は不安要素の方が多い開幕になってしまいましたが、それでもシーズンの始まりは期待を持ってしまいます。

今季も是非よろしくお願い致します。まずはビジャレアル戦、全力で応援しましょう!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。