Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】メッシ残留決定 悲願のCL制覇への課題とは?

こんにちは。

さて、もう全世界のサッカーファンに届いていることでしょう。リオネル・メッシが先日、『Goal』による独占インタビューにて、バルセロナに残留することを宣言しました。

www.goal.com

約2週間もの間クレの悩みの種だったメッシの去就が希望の残留という形で終結したにも関わらず、全く手放しで喜べないのは、この残留宣言が契約上の渋々のものであったからです。偉大なるクラックは、バルサへの愛を強調しながらも、1年前から退団の希望をクラブサイドに伝えていたことを明らかにしたのです。

結果的にコロナウイルスによる未曽有のパンデミックの助けを借り、クラブ(バルトメウ会長)は思惑通りメッシをクラブに留めることに成功しました。控え目な表現を用いてもクラブ史上最悪クラスの会長であるバルトメウは、自らの名前が「メッシを退団させた最悪の会長」としてサッカー界の歴史に名を刻むことを見事に回避したわけです。彼の保身への執着心は最早リスペクトに値するレベルのものですね。

いずれにしてもメッシは来季もバルサの一員としてプレーすることが決まりました。本心は全く望まないところでしょうが、それでも彼はインタビューの中でこう語りました。

この言葉にどれほどのファンが救われたことでしょうか。それでもメッシが全力を尽くすと言うのならば、クラブとチームも全力を挙げてその想いに応えなければなりません。余程のことがない限り、20-21シーズンがメッシのバルサでのラストシーズンとなるでしょう。せめてこの1年を、「残って良かった」とクラブ・メッシ双方が思えるようなシーズンにしなければならないのです。

19-20シーズンが無冠で終わってしまったため、国内タイトルの1つでも取れれば些かマシな幕引きにはなります。しかし、メッシの悲願はCL奪還。難しいのは承知ですが、今回はここ数シーズンのバルサのCLでの課題、そしてその対策について綴っていきたいと思います。

 

 

バルサのCLでの課題は?

とりあえずメッシの言うところの「プロジェクトもへったくれもない」バルトメウ会長が一番の課題であることは言うまでもありません。ただ、彼をクラブから追い出すためには、彼が自分の非を認めて辞任するか、ソシオが不信任案を提出した上でそれが可決されるか。このどちらかを実現しなければならず、識者の方々によるとこれは現実味が薄いようです。

この辺りの話は是非ジャーナリストの小澤一郎さんのYouTubeチャンネルを是非。

youtu.be

これまでと同じくバルトメウ及び彼が率いるフロントの働きに期待することは今季もできないでしょう。幸いなことにクーマンにある程度の人事権というか補強リクエスト権はあるようなので、それだけが朗報でしょうかね。

なので、とりあえずはピッチの中の課題をまとめておこうと思います。サッカーはピッチの中だけでやるものではないんですけどね。まあでもそこに期待しても仕方ないので、現場が頑張るしかないのは変わらずです。クーマンがどんなに良い監督だったとしてもこれらの課題を解決できなければ、CL制覇は夢のまた夢でしょう。

1.プレッシング

現代サッカーでこれを課題とするのは情けない話ですが、バルサの大きな課題はハイプレス、ミドルプレスが正常に作用しないことにあります。

その原因の一端は共に33歳を迎えたルイス・スアレスリオネル・メッシの2大巨頭にありました。慢性的な膝の負傷を抱えて守備に奔走できなくなってしまったスアレスと攻撃面の負担を考慮して守備を免除されているメッシ。本来プレスの急先鋒となるべき最前線の2人がこのような状況なので、プレスが機能するはずもありません。

www.footballhikota.com

ハイプレスができないのはもう仕方ないとして、中盤のラインまで誘い込んで奪うミドルプレスも機能しないので、チームとしては常に苦しい守備を強いられます。

バルサは殆どの時間を2トップを前方に残す4-4-2で守ることを余儀なくされます。これは相手の立ち位置や戦い方関係なくです。そのため相手からすると分析・対策は簡単。中央で数的優位が作りやすいので、相手のアンカー(ボランチ)の選手は簡単にフリーになります。

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バルサボール非保持時

バルサはよくこのような状況に陥ります。ミドルプレスといってもFWの仕事はちゃんとあります。パスコースの限定、プレスバック、スペースを埋めて退路を断つなど。しかし、これらのタスクも満足にできていない(恐らく2人は前に残しておきたい)ので基本8人で守らなければなりません。

DFラインは1枚余らせるが原則ですから、必然的に相手の中盤+SB2枚に対してバルサは横並びの4人の中盤が数的不利の状況で対応しなければなりません。これでプレスなどかけられるはずもありません。そうなるとスペースを埋める守備に追われ、全体的にリトリートせざるを得ません。

バルサにはカンテやカゼミーロのような独力でボールを奪い取れる選手がいません。なぜならそのような選手はクラブの伝統的に好まれないからです。バルサの選手たちはボールを奪いにいく守備は上手くても、受動的で一か八かの守備に適した選手たちではないのです。つまり伝統と現実が全くかみ合っていないのが現状というわけです。

解決策は2通り。1つは批判は承知で、この状況に見合うような守備範囲の広い守備に長けた選手を連れてくる。もう1つはチームの組織的守備を強化して、きちんと守備が機能するような取り組みをする。バルサが取るべきは当然後者です。

ルイス・スアレスの退団が間近であり、今季がメッシのラストシーズンになることが濃厚なのであれば、変わるなら今です。今まで4-4-2の守備を支えてきたラキティッチはもうチームにいないのです。昨日のプレシーズンマッチでは残念ながら昨季と変わらない4-4-2で守っていましたが、今後クーマン監督のメスが入ることを期待したいですね。

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PSM初戦ボール非保持時

昨季の終盤戦に書いたやつですが、僕の構想は大体こんな感じなので参考までに。

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2.対人・スピード系CBの不在

プレッシングについて書いてきましたが、バルサのプレスが機能してないのは前線の守備貢献度の低さや組織力の不全だけが原因ではありません。ここ最近Twitterで何度も言っている気がしますが、今のバルサに最も必要なのはスピード豊富で広大なスペースをカバーリングできる理不尽系CBです。

ピケ、ラングレはそれぞれ非の打ちどころのないクオリティのCBですが、コンビとしては微妙なところ。タイプとしては似通っているので、補完性という意味では疑問が残ります。

バルサがリトリートしてしまうのは彼らのスピード不足も影響していると僕は考えています。彼らがハイラインをキープできないので、必然的に全体が下がるしかありません。もし仮にチームがプレスをかけたとしても、CBが勇気を持ってラインを押し上げられなければ縦に間延びしてしまうだけです。

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プレスをかけても・・

スピード豊かなCBの存在は最終ラインの高さを押し上げます。今のバルサのDF陣でハイラインをキープしようとすると、途端にロングカウンターの餌食になります。特にセティエン政権ではショートパスを繋いで相手を押し込む時間が長かったため、この弱点が露わになってしまいました。

ピケやラングレの相方がフィジカルに長けた選手であれば、状況は少なからず好転するのではないでしょうか。現スカッドで言えば、トディボやアラウホがそのようなタイプに当たります。しかし、トデイボは去就が定かではありませんし、アラウホは経験と(現時点では)ビルドアップのスキルが不足しています。

今夏のバルサはあまりお金を使える状況ではないようです。売却益もほとんどあがらなそうですし。しかし、報道されているようなラウタロ・マルティネス(インテル)やメンフィス・デパイ(リヨン)獲りに動くお金があると仮定するならば、僕はお金をかけてピケとラングレのポジションを脅かせるような選手を獲得すべきだと思います。

もしCBの獲得が不可であるなら、多少勝ち点を落とすことを覚悟でトディボやアラウホを我慢して起用することが求められるでしょう。正直今のバルトメウ政権でまともなCBを獲ってきてくれるとも思わないので笑。彼らがCLの決勝トーナメントである程度使えるようになれば・・。中々難しいとは思いますが。

いずれにしてもピケ・ラングレコンビでCLの決勝トーナメントを勝ち上がるのは難しいと思います。繰り返しになりますが、これは彼らのクオリティではなく相性の問題です。

3. 厳しいアウェイゲームでゴールを奪えるFWの存在

これも有名な話ですが、バルサは非常にアウェイ戦弱いチームです。バイエルン戦は一発勝負でしたが、大逆転負けしたローマ戦、リバプール戦はアウェイで大敗北を喫しました。勿論、その主因はここまで書いてきたプレッシングとCBの問題によるところが大きいのですが、2ndレグでとどめを刺しきれない攻撃陣にも当然問題はあります。

バルサにおいてメッシの次に点を取るべきだったのはルイス・スアレスですが、彼はなんと2015年以来、約5シーズンのCLアウェイ戦でゴールがないという衝撃的なデータを残しました。当然CLレベルになるとメッシのマークはきつくなります。となると2人目、3人目のFWの決定的な働きが必要になるのですが、スアレスはその期待に応えることができませんでした。

スアレスの退団が近づいている今。今季はアンス・ファティ、アントワーヌ・グリーズマンフィリペ・コウチーニョ、ウスマン・デンベレらがその重責を担う必要があります。アンスはまだ若いので過度な期待は勿論禁物ですが、その他の3人はかかったコストからしてそろそろ本領を発揮してもらわなくては割に合いません。

クーマンが最終的に4-2-3-1、4-3-3のどちらのシステムを主としていくのかは分かりませんが、どちらにしてもメッシ以外のアタッカーがどれだけ頑張れるかに今季はかかっています。今季もメッシにおんぶにだっこ状態であれば、今季だけでなくメッシ退団後の未来も相当暗いものになるでしょう。

ちなみに僕はこんなメンバーが見たいです。これにCBの補強が加われば・・。

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見てみたい人選

 

■まとめ

最初に書いた通り、バルサが今季CLのタイトルを奪うのは極めて困難な挑戦だと思います。CLはおろか、リーガや国王杯ですら怪しいのが今季のバルサのチーム状況だと思います。

しかし、メッシのラストシーズンが濃厚な今季。メッシのラストシーズンという意味でも、メッシ後のバルサのためにも今季タイトルを獲って終わらせてくれればファンとしては嬉しいなと思います。もし、今回書いたバルサの課題が解決されれば、可能性はあるかなくらいの期待感ですけどね笑。

ということで20-21シーズンもよろしくお願い致します。今季は全試合レビューを目標に頑張ります!是非観に来てくださいね。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。