Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】20-21 CL第6節 バルセロナ対ユベントス

こんにちは。先週末カディスに手痛い敗北を喫したバルサはCLグループステージ最終節を迎えます。

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ここまで無傷の5連勝で首位のバルサを4勝1敗のユベントスが追走する形。トリノで一戦はバルサが2-0で勝利しましたが、ユベントスはデリフトやロナウド、アレックスサンドロなど主力が戻ってきているので、今回はベストメンバーに近い形になるのではないでしょうか。

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1-3や2-4以上で負けなければバルサの突破が決まる状況ではあるものの、リーグ戦が本当に散々なので気持ちよく勝って首位通過を決めたいところです。

 

スタメン

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バルサは前節カディス戦から4人の先発変更。CBのアラウホは怪我からの復帰戦ユベントス戦でケガをして、ユベントス戦で復帰する形になりました。さらにデンベレの負傷離脱を受けてトリンコンが今季4回目の先発出場。前節上手くいかなかったコウチーニョではなくペドリが先発起用されました。尚、ベンチには久しぶりにウムティティが戻ってきています。

一方のユベントスは前節から5人の先発が入れ替わっています。特に中盤のメンツは前節からガラリと変わりました。前回対戦からの変化としてはコロナ感染で欠場したロナウドと負傷中だったデリフト、アレックス・サンドロがチームに戻ってきています。アルトゥールは先発としてカンプ・ノウに戻ってきました。

 

両チーム陣形・配置・噛み合わせ

対照的な両チームのアプローチ

前半の早い時間帯で2ゴールを奪われたバルサ。前半の25分くらいまではかなりユベントスに押される展開となりました。

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ユベントスボール保持時

ユベントスは第2節と同じく、3-2-4-1の形でビルドアップを開始します。人は変わっていますが、形自体は変わりません。前回対戦ではディバラがかなり中盤に落ちてきていましたが、モラタとロナウドは前線に留まっていることが多く、より配置重視の陣形になっていたと思います。

対してバルサは4-4-2で迎撃。プレスはあまりかけず、4-4-2でミドルサードにブロックを作って対応を試みました。結果論ではあるものの、この消極的な姿勢が仇となりました

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第2節で見られた左右のCBへのアプローチ

トリノでの対戦時は上図の様に左右のCBに対して、サイドハーフがプレッシャーに行く場面が多くあり、ユベントスのビルドアップを遮断していました。が、この試合ではそのプレスが見られず、ユベントスの3バックは2CF(メッシ・グリーズマン)の2人が監視する形となりました。

そのため、ユベントスの左右のCBには比較的多くの時間とスペースが与えられ、自由にボールを持ち運びできるような環境が整えられました。これが殴られポイントその1です。ここで前進し放題になってしまうので、バルサの守備陣は後手を踏み続けることとなりました。

バルサがホームにも関わらず消極的な姿勢を敷いたのは、大差で負けなければ首位通過という状況のせいなのか、はたまたロナウドとモラタの2トップを恐れたのが原因だったのかはよく分かりません。ただ、序盤の入り方はまずかったと思います。1点目のPKは微妙な判定でしたが、あそこまで持ち込まれてしまったのはバルサの消極的な姿勢が招いたものであることは言及しておきたいと思います。

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ユベントスの同数プレス

また、ユベントスは前回対戦と違い、かなり高い位置からプレッシャーをかけてきました。前線モラタ・ロナウドのペアなので、そこまでプレスをかけてこないと踏んでいましたが、結構ガンガン来ました笑。同数も辞さないプレスができたのは前線の選手よりもむしろCBに入ったデリフトの存在が大きいのかもしれません。機動力があり、前で潰せる彼の存在がそれを可能にした可能性は大いにありそうです。やはり彼はCBとして非常に優秀です。

ボールを奪い返せない。奪い返せてもプレスに絡めとられてしまうという悪循環が20分くらい続いてしまった印象です。ユベントスが2点奪って通算成績をイーブンに戻した時点でプレスを緩めて、ようやくバルサの時間帯が始まった感じですね。

ダブルボランチの連携の問題

もう1つの殴られポイントがダブルボランチの守備挙動。これはかなり深刻な問題です。シンプルなチャレンジ&カバーすらできていないのが現状です。チャレンジ&カバーとは名前の通り、1人が出て行ったら、1人がカバーするというサッカーの基本的な動きのことです。これができないと後方のスペースをガツガツ使われてしまいます。

とってもわかりやすいのが2失点目。

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2失点目直前の陣形

こちらは2失点目直前のスローインが投げ入れられる瞬間の配置なのですが、明らかにおかしいのはボランチの位置関係。左からのスローインなので、右ボランチピャニッチがサイドに寄るのはまあ分かるのですが、左ボランチのフレンキ―が何故か右の高い位置にいます。そしてペドリがその状況を見て慌てて、ラムジーを掴まえにいきます。

結果として、一番守らなければならないCBの前の赤でマークしたスペースががら空きになりそこを上手いこと使われ失点しました。アラウホの対応に疑問符をつける向きもありますが、バイタルを空けてしまった時点で詰んでました。

絶望的なのはこれがスローインの対応ということです。素早く投げ入れられたスローインではありませんでしたし、十分に陣形を整える時間はあったにも関わらず、です。フレンキ―は降りていくアルトゥールについて行った格好でしたが、本来であればトリンコンかメッシに受け渡して、ピャニッチの後方のスペースを埋めるべきでした。

これはほんの一例で、ダブルボランチの動きが連動していないばかりにCBの前のスペースを突かれてピンチを招く場面は多くありました。この試合だけではなく、ブスケツ・フレンキ―ペアでも起こっているので、これはもうこのチームの明確な課題と言っていいでしょう。

フレンキーは結構人に引っ張られることが多く、大事なスペースを埋めきれない場面が散見されます。昨季も書きましたが、「スペースを守る」感覚はアンカーの選手にとって必要不可欠です。フィジカル的な強度は非常に高いだけにここは要改善です。

で、試合観ながら何か既視感あるなと思ったら、今まで書いてきたのって昨季のバイエルン戦と全く同じやられ方なんですよね。怖いくらい同じこと書いてるので、お時間ある方是非笑。

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流石にクーマンもまずいと思ったのか前半の途中から非保持時グリーズマンを左サイドに下げ、ペドリを中央に入れて中央の守備を分厚くしましたが、別に今に始まった課題ではないですし、それやるなら4-1-2-3でもいいんじゃない?って感じはしました。後半のブライスワイト投入後も保持時CF・非保持時左サイドハーフの無理タスクは続きました。

結局のところブライスワイトでもグリーズマンにしてもCFの位置から下がってくるとなると物理的に左サイドの守備に間に合わないことが多くなっちゃうので、なんだかなあって感じで。それを考えて、クーマンはアルバを下げてジュニオルを入れたのかなってのはちょっと思いました。ま、ジュニオルも守備はめちゃくちゃですけど、アルバよりフィジカルはあるので笑。

クーマンの後半の采配

2点ビハインドを背負ったクーマンは後半からブライスワイトを投入。消化不良のトリンコンが下がって、グリーズマンが右に出ます。

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後半の陣形

これまでの起用の傾向からすると、ブライスワイトCF、メッシ右、グリーズマントップ下、ペドリ左の配置になりそうですが、流石にユベントス相手にメッシの右は守備面でリスクがあるという判断でこのような陣形になったのでしょう。先述した通り、ダブルボランチの守備がアレですし。

ただ、グリーズマンは右で活きる選手じゃないですし、ブライスワイトも左寄りでプレーするのであまり攻撃面で機能したとは・・。両翼が彼らになったことであまりデスト・アルバがあまり目立たなくなったという側面もありました。まあトリンコンを残していても微妙だったので、判断は難しいところですね。やはりデンベレもアンスも負傷でいないのはきつすぎます。

その後のウムティティ・ジュニオル投入についてはどうでしょうか。ラングレもアルバもパフォーマンスが良くなかったので交代は仕方ない部分もあります。しかしDFラインンのメンバーを結局計3人変える羽目になってしまったのはどうなんだろうという気も。特にラングレ交代は懲罰的なニュアンスがあったと思うので、今後はちょっと心配です。まあただ、ラングレはそろそろ腕を縛り付けないといけないかもしれません()

バルサ息を吹き返したのはリキ・プッチ投入後。66分と比較的早めの時間に投入されると圧巻のパフォーマンスでユベントス守備陣を翻弄しました。現在、アタッカー陣にけが人が相次いでいるということで、トップ下での起用となりましたが、出し手としてクオリティの高い彼の存在でメッシはライン間でボールを多く受けられるようになりました。

正直、先発で使え!とは言いません。彼に守備面の問題があるのは事実でしょうし、使い勝手がいい選手ではないでしょうから。ただ、今日のようなビハインドの局面で、ジョーカーとしての価値は高いのではないでしょうか。彼はアクセントになり得るアイデアを多く持っていますし、ゴールに直結するパスを放つことができる選手です。

今日はコウチーニョではなく、彼がチョイスされていいパフォーマンスを見せたので、次のリーグ戦でも出番があるといいなと思っています。

 

試合雑感

書いた通り、試合の入りがあまりに消極的過ぎたのが1つの敗因でした。試合全体を振り返るとめちゃくちゃ悪かったわけではありませんが、序盤主導権を渡しすぎてしまいました。1失点目のPKは微妙でしたが、2失点目・3失点目は勿体ない失点でした。決して防げないものではなかったと思います。

この試合、バルサは20本のシュートを放ち、その内11本はメッシによるものでした。あまり言いたくはないですが、決めなければならないシーンは何本かあったと思います。明らかに決定機!というものはなかったにしても昨季までのメッシだったら決めていたものがGKの正面に飛んでしまうシーンは今季何度も目にしています。

メッシは依然としてスーパーな選手ですが、今季はメンタル面のダメージがもろにフィニッシュの局面に影響している気がしてなりません。メッシをチームに組み込むコストを鑑みると、彼には相応の結果を残してもらわなければチームが勝っていくのは厳しいでしょう。何度か言っていますが、結果が出なければメッシも批判されるべきです。今日は決めるべきでした。

クーマンはそろそろ、4-1-2-3の導入も視野にいれるべきかもしれません。クーマンは試合後、こんなことを言っていました。

スカッドから鑑みて、4-2-3-1はベストな選択だ」とのこと。この発言は間違っていないと思います。グリーズマンコウチーニョと高額アタッカーが揃ってトップ下でしか輝きませんし、豊富な2列目の選手たちを起用するには4-2-3-1がベストであることは否定できません。

しかし、現状はそれ以上にダブルボランチが全く機能していない状況です。デンベレ・アンスが負傷で不在であり、トリンコンコウチーニョが苦しんでいる現状を考えると、中盤を3枚にした方がバランスは取れるような気はしています。ウイングいないけど。

尤も、4-1-2-3にしたところで問題の全てが解決するわけではなく、あくまでベターな選択として4-1-2-3というシステムの回帰があるってだけの話です。多分、今のバルサの問題はメッシが退団するまで解決しない問題でしょうし、もう少し守備をきちんと整備できる監督が来ないとどうしようもない部分はあります

ということでCLは2位で決勝トーナメント進出という結果に終わってしまいました。高確率でベスト16では強敵と対戦することになります。バイエルンリバプール、PSGを引いてしまう確率は高いので、かなり怖いですね。決勝トーナメントまで2ヵ月くらいあるので、それまでに少しでも状況が改善していればいいのですが。

さて、バルサは週末レバンテとのゲームに臨みます。流石にリーグ戦連敗してしまうと後がないので、何とか勝ち点3を勝ち取ることを望むばかりです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。