Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】23-24 ラ・リーガ ヘタフェ対バルセロナ

こんにちは。Hikotaです!

はじまりました、23-24シーズン。今季は久々に書きたいなあと思っているので、全試合じゃないにしてもレビューしていきたいなと思います。書けるときに書く!という方針で。

前回記事はこちらから!

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両チーム状況

他のリーガ所属のチームと同様にヘタフェの今夏の補強は控えめになりました。昨季からの積み上げという意味では、めぼしい補強はカディスから獲得したFWロサーノくらい。レンタル移籍で加入していたポルトゥ、アルバレス、オマールは完全移籍で買い取りに成功。主力の流失も今のところはないのでベースは昨季と変わらずです。

昨季は最終節まで残留争いに巻き込まれながら、何とか残留。シーズン終盤にボルダラスを再登板させ、滑り込んだ形になりました。懸念としては昨季14ゴールを挙げたエネス・ウナルの長期離脱。前十字靭帯断裂の大ケガで開幕に間に合わず。絶対的なエースの不在を埋められるのかどうかがカギになりそうです。

ちなみにヘタフェは今夏プレシーズンマッチを6戦戦っています。バルサよりもかなり始動は早かったので、コンディション的な仕上がりはもしかするとヘタフェに分があるやもしれません。戦績は4勝2敗。プレシーズンの勝敗にさほど意味はありませんが、最新のゲームはフィテッセに4-1で快勝。そして元気にダミアン・スアレスも一発退場。映像見たら普通に相手選手と喧嘩してました笑

バルセロナは今夏、ギュンドアンロメウ、イニゴ・マルティネスを獲得。低コストでピンポイント補強を慣行しました。残る案件は本職不在の右SBとデンベレが電撃退団したアタッカーの獲得。右SBはマンチェスター・シティのカンセロの名前が頻繁に上がり、アタッカーはネイマールジョアン・フェリックスなどのビッグネームが紙面を踊ります。

プレシーズンは4戦を闘って、3勝1敗。マドリーやスパーズ相手の勝利はポジティブではありますが、結果ほど楽観できない試合内容ではありました。

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スタメン

ホームのヘタフェ。エースのウナルと中盤の要であるアランバリが負傷の影響で欠場。ハイメ・マタとラタサが前線でコンビを組む形になります。本来CBのジェネが昨季の終盤戦と同じく中盤の底に入って潰し役を担います。バルサファンとして注目はマシア出身のカルレス・アレニャ。この試合もスタメンに名を連ねました。

一方のバルセロナは現状でのベストでこの試合に臨みます。プレシーズン中に負傷したクリステンセンもこの試合に間に合わせてきました。スパーズ戦には先発したガビはまだコンディションが万全ではないとの報道がありました。ちなみに今季も選手登録問題が勃発しており、イニャキ・ペーニャとマルコス・アロンソがまだ登録できていない状況です。

 

前半

ヘタフェがブロックを敷き、バルサがボールを握るお馴染みの展開になりました。シュート本数はバルサが6本、ヘタフェが4本。

ヘタフェは基本的にそこまで激しいハイプレスはかけず、中盤のラインからミドルプレスをしかけてくる形。DFラインは高めに設定し、中盤-DFラインを圧縮してライン間のスペースを消す守備を好みます。非保持時は5-4-1、保持時は4-2-3-1気味に可変します。

ヘタフェの狙いはボール奪取後、素早く前線にダイレクトなボールを送り込み背後を強襲すること。シンプルなロングボールで前半は2つのチャンスを演出しました。前線にはラタサ(191㎝)、ハイメ・マタ(185㎝)とターゲットがいます。そこに右のイグレシアスとアレニャが絡んで一気にフィニッシュという形。このシンプルな攻撃でやられてもおかしくないシーンがありました。

クンデをセントラル、アラウホを右に置くとこのロングボール爆撃がなかなか怖いなと感じます。クンデも決して空中戦が弱いわけではありませんが、やはり物理的な身長が足りない懸念はあります。僕はクンデCBロマン推進派ですけど笑

さて、バルサのボール保持。この試合ではヘタフェがそこまでハイプレスに来ないこともあり、PSMのアーセナル戦とは異なり、ゾーン1(ピッチを横に3分割した内の自陣寄りの1/3)でのビルドアップからバルデが高い位置を取るのが基本線。アラウホが右HV化、フレンキーが左3列目に落ちるお馴染みの3-2の形でビルドアップを開始します。

バルサボール保持イメージ

ビルドアップに関してはこの試合ではフリーマンとなったアラウホを上手く使って逃げることができていたので、さほど問題ではなかったと思います。ヘタフェの本命も高い位置からボールを奪うことではなかったですし。

アラウホの右SBはそもそもどうなんだって話ですけど、以前と比べると相当技術レベル上がったなあと思って感動してました笑。この試合くらいのプレッシャーなら普通にプレーできますね。

昨季あまりお目にかかれなかった形としては、ゾーン2から3にかけて左ウイングが定位置のギュンドアンがサイドに流れる、もしくは一列下がる動きに伴ってフレンキーが2列目に進出していく動き。個人的にはフレンキーが周りの選手との相互作用の中で前線に飛び出していく形は好きです。ギュンドアンとフレンキーの絡みはこれから楽しみなポイントです。

ヘタフェは基本5バックで守りますが、マクシモビッチが対面のペドリをかなりケアする方針で、ペドリは前半なかなかプレー機会がない状態でした。ギュンドアンがいる分、ペドリが3列目に落ちる機会はほぼなく、ペドリはよりゴールに近い位置でプレーすることを求められていそうな感じはしました。

そのため、右サイドからの構築は難しく、主な攻め手は左サイドからのパスワークと、ラフィーニャの大外からのバックドア(裏抜け)。

特にラフィーニャの背後を取る動きはヘタフェのような守り方をする相手に有効で、出し手に十分にプレッシャーがかかっていない分、ラフィーニャは良質なボールと背後で待ち合わせすることができます。前半最大のチャンスはCBのクンデのフィードにラフィーニャが抜け出して放ったシュート。クンデと彼の持ち味が光ったプレーでした。

しかし、ラフィーニャは結果として望まれたものとは違った形でその存在をアピールする形になってしまいます。

いつものように、ヘタフェはラフプレー混じりのハードなディフェンスでバルサにプレッシャーとフラストレーションを与えていく戦法。序盤からヘタフェ戦法の餌食になっていくバルサの選手たち。ボルダラスヘタフェはずっとこういうチームなのでこの戦法にお付き合いしないように気持ちをコントロールしながら、粛々とプレーしなければなりません。

このヘタフェの挑発に我慢しきれなかったのがラフィーニャ。ボールのないところで、相手の顔面を肘で強打し、退場。これは言い訳も擁護もできないほどのクリーンヒットでした。今日のラフィーニャは悪くなかっただけに、勿体ないプレーでした。昨季も交代時に毎回ブチ切れていましたし、感情のコントロールに難はありそうなラフィーニャ。あまりに軽率だったと思います。暴力でやり返したのは本当に残念。

前半は後味悪いままスコアレスで終了。6バックも辞さないヘタフェの攻略に苦しみましたが、全部が全部悪いわけではなかったので先にこちらの選手が焦れてアクションしてしまった形になってしまいました。

 

後半

後半開始から両チームともメンバーチェンジ。バルサはクリステンセンを下げ、アブデを投入。フレンキーをCBに配置し、4-4-1の形で仕切り直しを図ります。一方のヘタフェはCBのミトロビッチが負傷により交代。代わりにポルトゥを投入して4-5-1にフォーメーションチェンジ。

後半開始時の形

ヘタフェとしては数的優位を生かして点を奪いたい采配でしょう。バルサ側は1人で持ち運べるフレンキーをCBに配置するのと、単独で打開できるだけの馬力を持ったアブデの投入で数的不利の状況でも戦える仕様にしてきた印象です。最も割りを食ったのはペドリで、中央を根城にしながら右サイドの広いスペースをカバーする役割に励むことになりました。

1人多いヘタフェは流石にボールを握る時間が多くなったわけですが、彼らは主導権を握る試合で、それほどの有効打を持ち合わせているわけではないのでバルサ側はあまり労せず攻撃を跳ね返すことに成功。隙あらばアブデを用いたロングカウンターで仕留める構え。

そして57分。上手くいかない攻撃に痺れを切らすかのように、ハイメ・マタが2枚目のイエローで退場。予想通りと言うべきか、しっかりと人数を合わせてくれたヘタフェ。10人対10人になったことで、再びバルサがボールを握る展開に。

フィールドから2人減ったことで、ようやくここでペドリに時間とスペースが与えられることに。後半は彼とギュンドアンを中心にゴールに迫ることになりました。

躍動していたのはフレンキー。CBの位置から頻繁に高い位置に上がり、ゲームを掌握していました。勿論ディフェンス面での不安はありますが、この使い方、僕は好きですね。彼が偽CBをコンプリートしたら敵なしだと思います。クンデフレンキーコンビ、ロマンでしかありません。

しかし、右サイドはウイングがいないためにアラウホの突撃のみ、左サイドは絶妙に噛み合わないアブデとバルデが渋滞を起こしてしまいサイドからの攻撃が尻すぼみに。中央の堅いヘタフェに対して結果的にエリア内のレバンドフスキに好機を提供することは叶わず。

この展開を受けてシャビは退席処分を食らいつつも76分、79分に立て続けにアタッカーを投入。ロメウギュンドアン、ペドリを下げてヤマル、アンス、ガビを投入しました。

結果としてこのファイヤーフォーメーション采配は不発に終わります。

中盤の選手たちを次々に下げたことによって出し手が不足し、ピッチ上に受け手ばかり立っている状態に。最終的にはアンス・ファティが捌き役になってしまっていたので、あまり効果はなかったように思います。まあ、結果論ではありますが、ペドリかギュンドアンどちらかは残しておいた方が良かったのではないかと。

終盤にはアラウホがエリア内で蹴り上げられました。これは確実にPKかと思いましたが、判定はその前のガビのハンドを取られてノーホイッスル。物議を醸すジャッジと共に開幕戦はスコアレスで終わりを迎えました。

 

雑感

普段は判定の話をしないようにしているのですが、この試合は触れないわけにはいきません。最後のガビのハンドを取られたのは不可解でしたし、ヘタフェのボールプレー外での襲撃が見逃され続けたのは残念でした。

正直、もっと早く点を奪うべきではあったので、勝ち点3を取れなかったのはあの判定のせいと言うつもりはありません。判定に頼らずとも勝つべき試合でした。

しかし、VARというテクノロジーが介入している判定としてはちょっと疑問が残ります。今に始まったことではありません。この試合が、というよりもラ・リーガにおいては判定が物議を醸すことがあまりにも多いように思います。どこどこのチームが贔屓されているというより、リーグ全体として問題視されている判定のレベルが非常に低いと感じます。

さらに今夏リーガでまともに資金を投じて補強ができたのはマドリーくらいなもので、移籍金総額は暗躍するサウジアラビアリーグよりも低いというデータも出ました。審判にしても経営にしてもそろそろリーグとして何かメスを入れないと競争力も魅力も減退していくばかりです。

さて、試合の総括をしましょう。

結果としては開幕戦ドローという形で23-24をスタートすることになりました。優勝した昨季も開幕戦はドロー発進なのでまあそんなに騒ぐようなことではないのかなと思います。

ただ、勿体なさはやっぱりあった試合ではありました。前半のラフィーニャの退場と、後半の終盤の使い方は要反省かなと。勝てた試合ではあったと思うので、次はしっかり決め切りたいところ。

リーガのチームってやっぱり引いて守ってくるチームが多いじゃないですか。なのでこういう展開でなかなか点が取れないというゲームは増えてくるだろうなと思います。そこで点を奪い切れるのかというのが今季の大きなポイントです。

昨季は失点数の少なさでリーガを制したバルセロナ。その安定はテア・シュテーゲンの神がかり的なパフォーマンスと、BACKと呼ばれた守備ユニット(バルデ、アラウホ、クリステンセン、クンデの4バック)に依るところが大きかったのです。

しかし、今季はクンデのCB希望もあってBACKでユニットを組むことは昨季よりも少なくなると思います。シャビバルサ自体、守備組織が強いというよりも個の能力で何とかしてしまっていた傾向が強いので人を変えた時にどうなるのか。例えばカンセロを獲得して右サイドに置いた時に「クンデ-カンセロ分の守備力」が低下するシナリオは十分に考えられるわけです。

そもそも昨季の失点数があまりに少なく、今季が昨季よりも少ない失点で済むと考える方が無理があるので、今季勝つには昨季より得点を奪わなくてはならないというシンプルなロジックが成立します。

対リーガの引いてくるチームへの攻略という意味で僕が考えるポイントは2点で、

レバンドフスキ依存からの脱却

②バルデとラフィーニャの成長

レバンドフスキは昨年のW杯以降から明らかにコンディションがガクッと落ちており、最早「理不尽」な存在ではなくなりました。それでも昨季はリーガ得点王なので凄いんですけどね。まあ、35歳という年齢もあるので、無理が利かなくなって当たり前です。

なので、今季は彼をアンタッチャブルな存在にしないことが肝要だと僕は見ています。そのためにはペドリ、ギュンドアンの得点を増やすこともそうですし、CF仕様の選手になりつつあるフェラン・トーレスがある程度安定した得点源になることが求められます。PSMで結果を残した彼はこの試合使ってあげて欲しかった。

得点という意味ではラフィーニャにも当然昨季以上のものが求められます。背後に抜け出すバックドアは一級品なので、今季はより数字に直結するプレーが求められます。昨季は公式戦10G10Aがノルマでしたが、デンベレが退団した今季は少なくともトータルで30〜35G+Aの活躍が目標になります。

そしてバルデ。ヘタフェのように人数をかけてスペースを埋める守り方をするチームには大外から背後へのスペースの強襲が肝になります。しかし、バルデは足元でボールを受けることを好む傾向があり、ボールとスペースで待ち合わせるプレーはまだまだの選手。ここは大先輩のジョルディ・アルバとの大きな差になっています。

特に今季の左サイドはこの先ギュンドアン、フレンキー、レバンドフスキらが絡む密集地帯になるでしょうし、狭いスペースでも上手く背後を抜け出せる、大外高い位置でボールを貰った時の縦突破以外のソリューションを増やす、もしくは一列下がった位置でのプレーを磨きたいところです。

個人的には低い位置でのプレーを磨いて欲しいところですが、シャビバルサにおいては恐らく左ウイングには中盤の選手が置かれることが多くなるので、大外でのバリエーションを増やすというのが現実的でしょうか。

結局リーグ戦で制するために必要な要件は、守備の安定と離脱者が出ても競争力の落ちない選手層と0-0の試合を1-0にできる選手の有無だと思います。当たり前ですね。そういった意味で今季はアトレティコに分がありそうだなあとは予想しています。

それでもCL制覇とリーガ連覇どちらが可能性が高いかと言えば後者なので、今季もリーガのタイトルは必須の項目になります。8月9月で当たる昨季の上位陣は3節ビジャレアルと4節オサスナくらいなので、まずはしっかり勝ち点を積み上げてセビージャ、ビルバオ、マドリーの待つ10月シリーズに進みたいところです。

優勝しましょう!!!

 

冒頭でも述べた通り、今季はできるだけ書けたらいいなと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。