Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】23-24 PSM エル・クラシコ バルセロナ対レアル・マドリー

こんにちは!Hikotaです。

リーガの開幕まで2週間を切りました。いよいよ23-24シーズンが幕を開けます。あっという間だったような待ち遠しかったような気持ちですが、今季はどんなシーズンになるでしょうか。それを占うプレシーズンクラシコ。今季もアメリカで開催されることになりました。プレシーズンマッチとはいえ、負けたくない試合がやってきました。

ということで今回はこの試合のレビューを書いていきます。

前回のアーセナル戦のプレビューはこちらから!

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マドリーチーム状況

さて、宿敵のマドリー。今夏の目玉は何といってもジュード・ベリンガム。1億€超を費やして時代のスター候補筆頭のMFを獲得してきました。楽しみな選手がまたマドリーに加入してしまいました。チュアメニ、カマヴィンガ、ベリンガムと近年のマドリーは中盤の若い才能を次々に獲得してきています。

一方で気になるのは、カリム・ベンゼマが退団したストライカー。ここ数シーズン2桁ゴールを続けているカンテラーノのホセルを確保しているものの、10年以上マドリーのCFの座を守り続けてきた重鎮の穴を埋めるのは簡単ではないでしょう。ということで今夏もエンバペ狂想曲は続きそうです。

ストライカー不足もあってか、マドリーはここまでのプレシーズンマッチでベリンガムをトップ下に置く4-3-1-2をテストしているようです。ここまでのPSMではミランとユナイテッドに連勝しています。

 

前半

メンバーはこちら。

前半メンバー

バルセロナはいつもの4-1-2-3ではなく、3-4-2-1のポジションをベースに組んできました。非保持時は4-2-3-1気味になることもあったので、いつもとは少し違うメカニズムです。新しいフォーメーションというよりもマドリーに合わせてきた格好でしょう。

一方のマドリーはモドリッチ、クロースの重鎮2人をベンチに置いて若手4銃士を中盤で起用してきました。2トップはロドリゴとヴィニシウスのブラジリアンコンビ。ホセルはベンチスタートで純粋なストライカーが不在の配置となりました。

前半は1-0。

得点シーン。15分。右サイドの深い位置で得たFK。ギュンドアンはサインプレーでエリア外のペドリへパス。ペドリからボックス内で受け取ったデンベレが豪快に右足を振ってファーサイドに叩き込み先制点。

前半はインテンシティが非常に高い試合でした。序盤はバルサがボールを上手く保持しているように見えましたが、デンベレの先制点後はマドリーにボールを譲り、自陣に引いて守るシーンが目立ちました。

前半のシュート数はバルサの5本に対して、マドリーが16本。明らかに攻め込んでいたのはマドリー。バルサは少し受けすぎているような印象も受けました。ヴィニシウスのPKが決まっていれば全然違うスコアになっていたかもしれません。

残念だったのは前半で負傷者が3人出てしまったこと。バルサ側はギュンドアンとクリステンセン、マドリー側はメンディ。PSMでも熱くなれるのがクラシコですが、前半はちょっと全体的にヒートアップしすぎた感もあります。

 

後半

後半メンバー
()内は途中出場

後半頭からの選手交代はなし。両チームともにこの試合を開幕に向けての重要な調整と位置付けていたことがよく分かります。ただ、インテンシティは流石に前半から比べると下がりました。両チームとも監督から落ち着けと言われたのかもしれません(笑)

強度が下がったこともあって、バルサがボールを持てるシーンも増えてきましたが、後半も基本的にはマドリーのペース。チャンスもマドリーが作っていましたが、ゴールを奪うには至らず。

するとなかなかチャンスを作れなかったバルサが終盤に報われることに。輝いたのはBチーム所属のフェルミン・ロペス。

85分。クロースのボールロストからゴール正面エリア手前でボールを受けたフェルミンは左足を一閃。ボールはクルトワが伸ばした手から逃げるようにアウトカーブがかかりゴールに吸い込まれます。

そして90分。フェルミンが右斜め方向にボールを持ち出しながら角度をつけてフライスルーパス。これに反応したフェラン・トーレスクルトワを巧みにかわして反転シュート。ダメ押しの3点目が決まり、バルセロナが勝利を決定づけました。

交代完了後のバルサ

 

試合総評

勝負にこだわったシャビ

試合内容からすると、3-0というスコアは少々出来すぎかもしれません(笑)。シュート本数は最終的に12本対29本と圧倒的にマドリーが打ちまくった試合でした。ここで注目したいのは枠内シュートの本数。バルサの7本に対してマドリーは5本に留まりました。

マドリーに純粋なストライカーがいなかったというのはこの結果の1つの要因ではあるでしょう。しかし、バルサの対応も1つチェックしたいところ。

この試合のバルサは3-4-2-1といつもと違う形で試合に入りました。この形は先述した通り、シャビが新しいことを試したというよりも、マドリー対策として採用したと考えられます。

昨季のデフォルトだと、バルセロナは4‐1‐2‐3をベースとしながら左サイドに中盤の選手を配置する偽ウイングシステムで保持時に3‐2‐2‐3に可変する形を取っていました。今回のバルサがそれと異なると断定できるのは両サイドの位置で、この試合のデンベレとバルデはウイングというよりもウイングバックのような立ち位置でした。

ただ、必ずしも左右対称ではなく、バルデはサイドバック寄りの左WB、デンベレはウイング寄りの右WBといった感じでした。そのため、非保持の際はデンベレは対面のメンディを掴まえに行きますが、バルデはカルバハルを掴まえるよりも左サイドのスペースを守ることに重きを置いていたように思えます。

バルサ守り方イメージ

バルデが出てこなかった分、大変だったのはギュンドアン。カルバハルとチュアメニを両方ケアする必要があって1番の過負荷ポイントでした。これがケガに繋がったとするのは流石にこじつけがすぎるとは思いますが。

マドリーのシステム上サイドのレーンは基本SBが務めることになるので、デンベレウイングバック化することによって左SBのメンディの攻撃参加の威力を抑えた格好です。そして中央密集のフォーメーションに対してバルサは3バック+ロメウ、フレンキーのダブルボランチでガチガチに固めます。

引いた分、シュートはボコボコ撃たれたもののエリア外からのシュートやクロスボールが多くなりペナルティーエリア内の大チャンスは与えなかったというのはある程度シャビの狙いがハマったのやもしれません。

アラウホをヴィニシウス対策で例外なく右サイドで起用していることから分かる通り、シャビはクラシコになるとマドリー仕様の準備をしてきます。今回もマドリーの4-3-1-2システムを鑑みてこのような形にしたのではないかなと思います。プレシーズンマッチといえども、クラシコは絶対に勝ちたいシャビのこだわりが出た感じはしました。

しかし、個人的には少し受けすぎたなと思います。結果的には無失点で終わりましたが、あれだけ引いてしまうとどんなに上手く守れていても事故で失点することはこの先あるでしょう。ヴィニシウスのPKが決まっていればその後大量失点していた展開もあり得たでしょう。バーに救われるシーンは他にもありました。

今回は4人のMFを起用しましたし、リードした時にボールを上手く保持しながら時間を進めたり2点目を獲りに行く柔軟性はシンプルに欲しいです。バルサなので。そこから逃げてしまうとCLでの上位進出はやっぱり厳しいんじゃないかなあと思います。

もちろん、クラシコは勝つのが全てなので当然嬉しいですけどね!(笑)

選手の去就問題

トップチームの選手で起用されなかったフィールドプレイヤーはガビ、イニゴ・マルティネス、ラングレ、ケシエの4名。内ガビ、イニゴは負傷中です、なので、ラングレとケシエが明確に構想外であることが浮き彫りになったと思います。

また、セルジーニョ・デストも同じく立場が厳しいでしょう。今回の試合では途中出場を果たしましたが、先発フル出場で体力の落ちているヴィニシウスに全くついていけず。今、右サイドバックがいないチーム状況ではありますが、代役が見つかれば構想外扱いになりそうな雰囲気です。

逆にこのプレシーズンで評価を上げていそうなのがフェラン・トーレス。2試合連続でゴールを決め、レバンドフスキに次ぐストライカーとしての残留を勝ち取りそうな勢いです。昨季までの頼りなさそうな風貌とは一転し、フィジカルトレーニングを経てどこか自信満々に見えます。僕は前線の放出候補筆頭だと思っていましたが、評価を改めなければいけないかもしれません。

また、帯同しているBチームの選手は序列を上げきることができていないようです。ここまでの2試合で出場機会を得たのはフェルミン・ロペスとラミン・ヤマルのみ。シャビのお気に入りであるガリードや、大物の風格を醸し出すファイエもまだ出番がありません。

返す返す、ユベントス戦が中止になってしまったのが惜しいですね。ミラン戦では何人か見れるといいのですが。

 

 

気になった選手寸評

テア・シュテーゲン

流石のビッグセーブを連発。今季もやってくれるはずです。

クンデ

3CBの真ん中で躍動。アーセナル戦のパフォーマンスが怪しかったので心配していましたが、この試合ではしっかり仕事をしてきました。フィールドプレーヤーの中で唯一のフル出場ですし、コンディションも良さそう。あとはそろそろ鬼の攻め上がりも見せて欲しい所ですね(笑)。

ロメウ

出色のパフォーマンス。フレンキーとのコンビは抜群でした。この試合は広いスペースをカバーする必要がなかったので、彼のいいところが発揮されたと思います。シンプルな捌きと強靭なフィジカルで中盤中央を安定させました。何度も言うようですが、ブスケツの代わりになる必要はないので彼らしく思いっきりやって欲しいですね。

フレンキー

新たな中盤の王は自分だと言わんばかりのパフォーマンス。デュエルでは無双し、持ち前の推進力で躍動しました。中盤を取り仕切っていたのは彼。やはり1ピボーテよりも隣にピボーテがいる状態で衛星的に動くのがベターです。

ペドリ

まだ身体が重そうな印象はあります。肉体改造で重量アップした分、まだプレーがフィットしていない可能性も。シーズンが始まったらやってくれるとは思います。

ギュンドアン

前半序盤に見せたパスワークは流石の一言。内転筋を痛めて途中交代してしまったので心配です。

デンベレ

先制点。ただ、デンベレにはカウンターで無慈悲に1人で点を奪いきるくらいの理不尽さを求めたいところ。まだまだ詰めが甘そうなので引き続き厳しい目線を送りましょう(笑)。

レバンドフスキ

ちょっと状態が心配なところ。

エリック

クリステンセンのアクシデントで緊急出場し、奮闘。大きなミスなく試合を終える。ロドリゴにあっさり置き去りにされたシーンに代表されるように対人の課題を克服できるかどうか。

フェラン

ビーストモード。

フェルミン・ロペス

シャビの期待に応える1G1A。鮮烈なクラシコデビューを飾りました。結局結果がナンボの世界において一発回答を出せる選手は期待できます。昨季3部にレンタルに出た選手がトップチーム帯同の確約をもらうというまさにシンデレラストーリー。ペドリ、ギュンドアン、ガビの2列目争いに新たな才能が名乗りをあげることになりました。

 

今回はここまで!次はミラン戦です。リアタイできないので書くかは分かりません!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。