こんにちは!Hikotaです!
遂にバルセロナのプレシーズンマッチが開幕します!本当は23日にユベントス戦が予定されていましたが、バルサのチーム内でウイルスが蔓延したことにより試合が中止になってしまいました。他のチームよりも始動が遅くなってしまいましたが。幸いなことに選手たちも十分回復したようです。ここから巻き返していきたいですね!
オフシーズンに色々記事を書いたので読んでいただければ幸いです。
両チーム状況
財政難ではあるものの、バルセロナは今オフで4人の選手を補強。フリーエージェントでイルカイ・ギュンドアンとイニゴ・マルティネスを、450万€でオリオル・ロメウを獲得しました。お金をかけず30代の即戦力を確保してチーム力を保つ方針で強化を進めてきました。最も高値で買ったヴィトール・ロケは登録の関係上、2024年1月もしくは6月の加入になるようです。
先述した通り、ユベントス戦が延期になったのでバルサにとってこれが最初のプレシーズンマッチとなります。リーガの開幕戦まであと2週間ちょっとなので、急ピッチでギアを上げる必要があります。若い選手のテストもしつつ、新生バルセロナとしてのメカニズムを早めに確立したいところ。
昨季はミケル・アルテタ監督の下、プレミアリーグで躍進。最後まで欧州王者マンチェスター・シティとタイトルを争いました。最終順位は2位でしたが、復権の1シーズンと言っていいでしょう。若いチームなのでここからの伸びしろも期待できます。今オフは大型補強を敢行。総額2億€超を投じてデクラン・ライス、カイ・ハヴァーツ、ユリエン・ティンバーを獲得しました。
アーセナルはこの試合がプレシーズン4試合目になります。8月7日にマンチェスター・シティとのコミュニティ・シールドを控えていることもあり、バルサと比べると仕上がりのスピードは早そうですね。コンディションに差があるというのは念頭に置いておきたいです。
メンバー&得点
前半
スコア:2‐2
得点者:(バルサ)レバンドフスキ、ラフィーニャ(アーセナル)サカ、ハヴァーツ
前半のメンバーはこちら。
バルサ、思ったよりも本気モードのメンバーです。アーセナルも仕上げに来ているメンバーって感じですね。ベストに近い形でしょう。
7分、アブデがホワイトから単独でボールを奪うとそのままドリブルで50メートルほど前進。カバーに来たサリバを抜き切る前にエリア内にグラウンダークロス。ラフィーニャのシュートはDFに阻まれますが、レバンドフスキが詰めて先制点をあげます。
13分、アーセナルの右サイドからの崩し。ホワイトのパスはクリステンセンが難なく処理できる類のものでしたが、対処が中途半端になったところをサカが見逃さずに押し込んでゴール。早々と追いつく形になります。
34分、右サイドで得たフリーキックをラフィーニャがセット。左足で放ったボールは壁に入ったウーデゴールに当たってそのままゴールイン。ラッキーな形でバルサが勝ち越しに成功します。
43分、アーセナル。セットプレーの素早いリスタート。サカが右サイドでマルコス・アロンソをフィジカルで吹き飛ばしてクロス。ウーデゴールが頭で繋いで最後はハヴァーツが押し込んでゴール。アーセナルが同点に追いつきました。
後半
スコア:1‐3
得点者:(バルサ)フェラン(アーセナル)トロサール×2、ヴィエイラ
後半のメンバー。バルサは11人総とっかえ。一方のアーセナルの後半開始からの変更はハヴァーツ→スミスロウに留まりました。カッコ内の選手は後半途中から登場した選手になります。
55分。アーセナルのゴールキックの場面。ラムズデールのキックをジェズスがエリックを背負いながらポストプレー。落としを受けたトロサールがドリブルで持ち込んで左足でシュート。これがクンデの股下を抜けてファーサイドに吸い込まれ、アーセナルが勝ち越しに成功します。
78分。アーセナルの自陣右サイドのスローインから。フレンキーのヘディングが後ろにこぼれたところをトロサール→サカ→ティアニーと繋ぎ、エリア内手前のクロスをトロサールが巧妙に押し込み4点目。アーセナルが突き放します。
88分。ホールディングが自陣でトラップミスしたところでフェランがボールを奪い、デンベレへ預けて自らは右サイドのスペースへダッシュ。デンベレからのリターンを受け取ると、ファーサイドへ落ち着いて流し込んでゴール。バルサが1点を返します。
90分。バルサの自陣からのビルドアップがあっさり失敗してボールロスト。ジョルジーニョの縦パスをマルティネッリが受けます。これはエリックが足に当てますが、ボールはファビオ・ヴィエイラの足元に転がります。ヴィエイラの左足のミドルシュートが綺麗に決まり、5点目。
アーセナルが5-3で勝利を飾りました。
試合総評
得点がたくさん入ってプレシーズンらしい試合だったと思います。スタジアムにいたら満足度は高かっただろうなあと(笑)。ただ、バルサを応援しながらTVで見ている分にはフラストレーションが溜まる試合でもありました。
プレシーズンなので結果はどちらでもいいですし、何失点してもいいんですけどチームとして今後の方向性としてこれはどうなん?という部分がありました。個人的に気になった所をまとめます。
ギュンドアンとペドリの位置関係
試合前最も注目していたのがこのポイント。シャビが今季の中盤をどのように構成していくのかという部分でインテリオールにギュンドアンとペドリを並べた時に左右と役割をどのように分けていくのか興味がありました。
結果としてはギュンドアンを左、ペドリが右に入る形でスタートしました。役割としてはペドリが下がり気味でビルドアップに深く関わり、レバンドフスキの近い位置にギュンドアンが立つ分担になっていました。
イメージとしては4-2-3-1に近い形ですね。SBが高い位置を取らなかったので、ペドリが下がる分、右のハーフスペースにはレバンドフスキは頻繁に落ちてくる形を取っていました。
イルカイ・ギュンドアン
— Hikota (@BarcaHikota) 2023年7月25日
直近5シーズンのゴール&アシスト
18-19 50試合 6G8A
19-20 50試合 5G5A
20-21 46試合 17G5A
21-22 51試合 10G6A
22-23 51試合 11G7A
安定してG+Aが10越えてる。アシストよりもゴールの方が近年は多い。レバに近い位置でプレーさせるのが起用法としてはベストかな。
やはりギュンドアンの大きな魅力の1つがその得点力。シャビの最初の考えとして彼のその能力を最大化するという意向は見えました。ただペドリを低い位置で使うのもそれはそれで勿体ないというのもあるのでここはもう少し試行錯誤するかもしれません。
ボール保持の機能不全
この試合でフラストレーションの主因となったのがバルサのボール保持。バルサの選手たちのコンディション不良、より仕上がったアーセナルの選手たちのプレス強度、ピッチコンディションの悪さなどなどエクスキューズは多々ありますが、それにしてもどうなの!という出来でした。
特にアーセナルの主力選手が元気だった前半は酷く、ほぼ敵陣に前進できない展開でした。前半バルサが放ったシュートは3本。1点目のラフィーニャとレバンドフスキ、2点目のラフィーニャのFKのみです。つまりシュートは得点に繋がったシーンのみというわけです。決定力めっちゃある!と好意的に捉えることは...まあできません(笑)。
バルサの問題点は陣形を4-1-2-3ないしは4-2-3-1のままビルドアップを進めること。特に4バックのまま後ろに重たい陣形で前進することを目論んで失敗することがほとんどです。
あるあるなのが上記画像の状態。低い位置のSBにボールが入った時にこのような形でビルドアップが詰まります。同サイド圧縮でアーセナルの選手たちがパスコースを潰し、ボールを持っているアロンソの選択肢は右SBを背負うアブデへの縦パスしかない状況です。結果、前線の選手たちは常に相手を背負った状態でボールを受けることになります。
一旦前線にボールを当てる→レイオフで中盤の選手に前向きでプレーさせるがバルサのパターンですが、アーセナルの選手たちはプレスバックも整備されてるので「ひたすら縦につけて潰される」が繰り返された格好です。結局蹴って回収されて押し込まれるのが悪い時のバルセロナ。
これは昨季の序盤も起こった現象です。シャビは両ウイングをサイドに張らせることを好むので、SBどこにいたらいいねん状態が起こるわけです。これを打破したのは「4人のミッドフィールダー同時起用」でした。左ウイングに中盤のガビを登用することで中盤の構成力を高め、左SBのウイング化、右SBのCB化を実現することでチームの配置バランスを整えた経緯がありました。詳しくは下記のメモを。
ウイングを2枚使いたいのであれば、SBに所謂偽SB的なものを仕込んで上手くチームの配置を整えられるようにしたいところですが、シャビにあまりその意向は見えませんね。個人的にはトランジションを意識して4バックをあまり崩したくないのかなあなんて考えていますが、今季は保持で闘えないとCLでの上位進出は不可能なのでなんとかしたいです。
結局後半はバルデが左ラテラルに入ってなんとか質で解決するというシーンが目立ちました。
アンカーフレンキーのメカニズム
後半から登場したフレンキー・デ・ヨングはオリオル・ロメウに代わってアンカーのポジションに入りました。実質左インテリオールのケシエとダブルボランチ気味のようにも見えましたが。
オリオル・ロメウがまだ信頼を掴み切れないうちは普通に彼がアンカーポジションに入る試合が多くなるかもしれませんね。領域範囲が右サイドだったということもあって彼の良さが出ている感じはあまりしませんでしたが。フレンキーは左ハーフスペースに置いてこそではあります。
というか、ケシエを右、フェルミン・ロペスを左に置いてケシエを一列下げる前半と同じ形じゃ駄目だったんですかね。それだったらフレンキーを左に置ける分マシだったかなあという気がします。
気になった選手寸評
デスト
戦術的に苦しかった部分はありましたし、気の毒ではありました。高い位置で頑張らせたかったのが本音。が、この環境でどこまでやれるのか?というところで光るものを見せられなかったのはアピールが必要な立場としてはマイナスポイント。結局左にバルデを使う分、右ラテラルは低い位置で何ができるのかというのが評価ポイントになります。
バルトメウ時代の契約であるがゆえに給与も高いので、うーんという感じです。デモミギサイドバックチームニイナイ...
デビュー戦であまりにも少ないタッチ数が話題になりました。彼が悪いとまでは言えない試合だったと思います。ブスケツと比べてどうのこうの言われるとは思いますが、彼らしく頑張って欲しいですね。まずはチームメイトの信頼を勝ち取るところからです。
アブデ
1点目のボール奪取からのドリブルは圧巻でした。シャビバルサの4-3-3の左ウイングなら1人で頑張れる彼が1番の適任かもしれません。残留に大きく近づくプレーだったかも。
逆に4-3-3のウイングだと単騎で何ができるのか?を問われるので難しいのがこの選手。攻めあがるデストによって大外から解放されるラフィーニャは見たかった。
クンデ
CBってやっぱり試合勘が大事だなあと思います。1年間ラテラルをやり続けたのでセビージャ時代に見せていたCBとしての凄みが見られないのはちょっと心配です。初戦とはいえ、ちょっと安定感が気になりました。
バルデ
この試合バルサ側で最もよかった選手でしょう。後半マシになったのは低い位置で受けても独力で何とか回避できる彼の存在が大きかったです。怪我の影響もほとんどなさそうで何より。こんなに頼れる選手になってくれるとは。
ケシエ
この試合の中盤の選手の中ではパフォーマンスは悪くなかったと思います。アンスやバルデと上手く繋がりましたね。退団の可能性が1番高いですが、逆転残留は起こり得るのか。
フェルミン・ロペス
B所属の選手の中で1番に出てきました。シャビの評価も高いんですね。小さいですが、ライン間で上手く立ち回れる選手です。それこそ3-2-2-3の2列目で見てみたい感じはします。
アンス
フィジカル的にかなり戻ってきていそうな印象を受けました。体格もフィジカルトレーニングの成果もあってかなり大きくなりました。ネーションズリーグ決勝でも短い時間で仕事ができることは示しました。あとは70分以上の出場でどこまで出力が出せるかどうか。
フェラン
魂の追撃弾。CFの位置で後半45分間をプレー。レバンドフスキと同じく頻繁にハーフスペースに下がってボールを引き出していました。動き自体は悪くなさそうです。ある程度点を取ってくれるのであればレバンドフスキのサブとして残留の可能性も。
今回はここまで!次回はクラシコ。楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございます。