Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【マッチレビュー】23-24 PSM バルセロナ対ミラン 

こんにちは。Hikotaです。

月末のプレシーズンクラシコを3-0で制したバルセロナですが、それ以上の大事件が月末に起こってしまいました。ウスマン・デンベレのPSGへの移籍希望が出たのです。6年前突然パリへと旅立ったネイマールの代役としてバルセロナに降り立ったデンベレが、同じようにPSGに移籍しようとしているのは因果なのか何なのか。

まだ契約だったり移籍金の部分がどうなのか分からないので、この移籍が良いのか悪いのかは評価することはできません。が、シャビからするとプロジェクトの中心であったデンベレの電撃退団はかなりショックが大きいものでしょう。中長期的な目線で言えば、必ずしも悪い話ではないと個人的には思いますが、23-24のプランは見直す必要がありそうです。

デンベレの退団は不可避でしょうから、そこを踏まえてシャビはどうするんだろうというところに思いを馳せながら、ミラン戦注目していきましょう。

クラシコのマッチレビューはこちらから!

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ミランチーム状況

昨季リーグ4位、CLベスト4という結果を残しました。久々のCL決勝に到達するか?というところまで行きましたが、主砲のレオンの負傷もあってインテルに敗れ惜しくもビッグイヤーへの挑戦を逃しました。若い選手が多いだけにこれからも楽しみなチームです。

今オフは次代のバンディエラになるはずだったサンドロ・トナーリがニューカッスルに移籍するという衝撃がありました。それに加え、レギュラー格であったブラヒム・ディアスもレンタル保有元のレアル・マドリーに戻っていきました。

その一方で、補強も積極的なのが今夏のミランチェルシーからプリシッチとロフタスチーク、AZからラインデルス、ライプツィヒからオカフォー、そしてビジャレアルからチュクウェーゼと即戦力を確保。大金を費やしての大物補強というより1人あたり1500万€~2000万€で20代前半の有望な選手を集めた印象です。

PSMはこのバルサ戦が4戦目。1戦目は格下相手に大勝。2戦目はマドリーに2-3の敗戦。3戦目はユベントス戦でのドローとなっています。

 

前半

前半のメンバーはこちら。

バルサは前回のクラシコからメンバーを7人変更。継続してスタメンなのはアラウホ、クンデ、ロメウ、ペドリの4名。クラシコで鮮烈な活躍を見せたBチームのフェルミン・ロペスもスタメンとして名を連ねました。

一方のミランユベントス戦からの変更は負傷したカラブリア→フロレンツィのみ。ミランはこれがプレシーズン最後の試合になるので、ベストメンバーに近い形でこのバルサ戦に臨むことになりました。

前半は0-0。シュート数はバルサが8、ミランが5。マドリー戦とは異なりバルサがボールを握り、ミランがカウンターを狙う形が中心でした。

この試合のバルサはオーソドックスな4-3-3で試合に臨みます。ミランは基本の形は4-1-2-3ですが、保持時は右SBのフロレンツィが中盤化する形を取っているみたいですね。非保持時は中盤の形をロフタスチークを頂点に置いた正三角形の形になっていました。

バルサボール保持時イメージ

ミランは最大の武器であるレオンのスピードを最大化するためにロングカウンターを狙います。そのためCBに対するプレッシングはそれほど行わず、むしろバルサに前進させることによって前残りするレオンのカウンターを発動するのが主な意図。

バルサがいつもと違うように見えたのが左サイドで、左ウイングのアブデは外側に立ち、左SBのアロンソは内寄りのポジショニングを意識していました。アーセナル戦も同じペアだったのですが、アーセナルミランと違って激しくプレッシングをかけてきたため、アロンソ→アブデで詰まるシーンが目立ちました。

【参考】アーセナル

そのためこの試合ではアブデがプレーしやすそうにドリブルをしているのが印象的でした。CFに入ったフェランは下がり目にプレーをして4人目の中盤としてビルドアップを補助しながら前線に飛び出していく役割です。フェランが下がってインテリオールのフェルミン、ペドリが飛び出していくシャビバルサお馴染みの形も見られました。

一方できつかったのは右サイド。ラフィーニャはいつも以上に1人で孤立してしまいます。アラウホは何となく大外の低い位置に立っています。彼の右サイド起用はヴィニシウス対策と同じ文脈でのレオン対策だと思うので、レオンのカウンターを止めてね!というのがSBとしての大きな役割。

なのでラフィーニャ1人で頑張って!という状態。元々デンベレやアブデと違って単騎での局面打開力に優れているわけではないので、この状況はなかなか難しい。結果無理矢理縦に突破したり、雑なクロスを放ったりなどなど。

マドリー戦でも書きましたけど、PSMからちょっと勝負に拘り過ぎている感もあるのがシャビ監督です。明らかに相手の良さを消す采配をプレシーズンからやるんかみたいな(笑)。

シャビとしては真剣な勝負勘、メンタリティみたいなものをこのアメリカツアーで改めて植え付けようとしているというか。そういう意味で言うとやっぱりシャビは戦術家というよりもモチベーターとしての色の強い監督ですね。

 

後半

後半からバルサは4名のメンバーチェンジ。主力組の投入です。

後半は1-0。シュート数はバルサが10本、ミランが5本となりました。前半に比べると若干バルサ側の保持風味が減少した印象です。意図的かどうかは分かりません。

56分。自陣でボールを受けたバルデがドリブルスタート。得意のロングスプリントでエリア手前まで運ぶと、左サイドを併走していたアンスに渡します。アンスは対面の相手をかわすと、右足でシュート。これがファーサイドに突き刺さり、バルサが先制。これが決勝点になりました。

フレンキーが投入されたことにより、後半はロメウとのダブルボランチ気味。左サイドの構造もウイングが中、SBが外の元々の位置関係に戻りました。ただ、バルデとアンスのコンビは結構流れの中でケースバイケースで変えたりはします。右サイドはセルジ・ロベルトが入った分、少しはラフィーニャのサポートが増えたかもしれません。

ボール保持に関しては前半のペドリ-フェルミン-フェルミンのスペイントリオに比べるとちょっと苦労したというか中盤の形がどうしても歪になってしまうので、上手くボール保持して崩しというよりも、後ろに重くしっかり守って速い攻撃というのがメンバー的にも妥当な戦法になってしまうという側面はありそうです。

中盤がL字型に

なのでまあ前半のメンバーの感じだと、アタッカー3枚の4-1-2-3でも良さげではあります。フレンキーを組み込むとなると左3列目に落ちるのがデフォルトになってしまいます。そうなってくると、現行のSBのメンツだと左には偽ウイングを置いて左ハーフスペースをちゃんと埋めた方がバランスはいいですよね。22‐23のように。僕はフレンキーの偽CBもしくは偽SB推しですけど、多分本人が嫌がります(笑)

ただやっぱりフレンキーが落ちる分、両サイドのバランスが悪くなってしまうのは自明なので、SBが中盤として振舞うことができれば変わるかもしれません。ということでカンセロの獲得を狙っているのかもしれません。

こんな感じのイメージだったりする?

最後はカサド、ファイエ、ガリード、バジェと出場機会のなかったBの選手たちが登場。まだまだこの選手たちにはトップのレベルは早いという評価なのでしょう。尤も、ファイエはもう少し長い時間見たい感じはします。

 

気になる選手寸評

イニャキ・ペーニャ

流石にフィードはテアに劣りますが、ミランの攻撃に対して好守を連発。2ndゴールキーパーとしては何の不足もないことを証明しました。

エリック・ガルシア

この試合ではあまり彼の弱点が露呈せず、持ち運びの部分で良いところが出ていました。移籍するかと思いきやPSMで気合いの入ったパフォーマンスを披露しましたね。一瞬偽CBのような動きをしましたが、本当に一瞬でした。

マルコス・アロンソ

良い所と悪い所が出た試合でした。上手くアブデを活かしていた一方で、スピードとアジリティの無さを露呈。守備面の不安がやはり強いので使いどころが難しいです。

ロメウ

2試合連続で良いパフォーマンスだったと思います。前半45分間はフレンキーなしでもやれることを証明しました。可動域は広くないと思いますが、それは能力的に求めても仕方ない感じはします。

フェルミ

初先発で若干固かったです(笑)。ペドリやロメウとのパスワークで少し落ち着きましたね。バルサの非保持時、ペドリが前でフェルミンが後ろを守ってました。結構守れるってシャビの評価なのかもしれません。まあそもそもシャビは守れない選手使わないですけど。

ラフィーニャ

SBの支援がない中で気の毒な状況ではあります。ただ、彼自身が決定的な場面におけるラストパスやシュートが雑なのも事実。デンベレ退団がほぼ決まりなので、彼には頑張ってもらわねば。

アブデ

粗削りですが、勢いが半端ではなく面白いように相手をかわしていくドリブルはやはり魅力的。デンベレの退団で重要性は増しそうです。

フェラン

この試合は捌きとラインブレイクに徹しました。ひたすらシンプルなプレーを心がけているようでした。フィジカルもプレーも本格的に中央の選手に変貌を遂げようとしています。怖さという部分は薄いものがありましたが、変化の過程なので見守りたいですね。

デスト

3試合連続出場。パフォーマンスが良いようには決して見えませんが、まだギリギリ見放されているわけではなさそうです。

アンス

素晴らしい決勝ゴールをあげました。あんなゴールを待ち侘びていました。完全復活!と言えるのはもう少し長い時間強度高くプレーできればだと思います。今日も先発させなかったあたり、シャビは慎重にタイミング見極めているのかもしれませんね。

ヤマル

いとも簡単にシュートまで持っていくのは流石のクオリティ。まだまだ線が細いので無理させる必要はないと思いますが、デンベレもいなくなることですし、今季は最後の切り札として途中出場が多くなる予感はします。

レバンドフスキ

今季1番気がかりな選手。まだプレシーズンなので長い目で見た方がいいとは思いますが、少しレバンドフスキのところでノッキングしてしまう印象はあります。できることとできないことをもう1度整理して起用したほうがいいような気はします。

 

今回はここまで!次はスパーズ戦。こちらも変な時間のキックオフなので書くかは分かりません!(笑)

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。