Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】セルヒオ・ブスケツ後の中盤スカッドはどうなる? 前編

こんにちは!Hikotaです。

そろそろプレシーズンマッチが始まりそうで、楽しみですね。毎年この時期はワクワクします。蓋を開けたらあれれということも多いですが笑

さて、今回も23‐24に向けて書いていきたいと思います。今回のテーマは「ブスケツ退団後の中盤」について。23‐24を考える上で外せないポイントがブスケツの穴をどのようにして埋めるのかという点。ブスケツ退団をどのように捉え、対策を打っていくかが23‐24の成否を占います。

非常に困難なミッションですがシャビに解決策はあるでしょうか。

それでは。

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↑前回記事はこちらから!

 

ブスケツがいなくなって困ること

結論から言うと、ブスケツの穴を埋めるのはあまりに難題であり、誰を補強しようとほぼ不可能なミッションです。デビューの次のシーズンから14シーズンにわたってバルサピボーテのポジションを守り抜いてきた彼はまさにレジェンド。今でも十分評価されていると思いますが、それでも過小評価感は否めません。

今更ブスケツの偉大さを語るまでもないかと思いますが、彼がいなくなって困ることを以下に並べます。

1,ビルドアップ

2,引いた相手に対するボール出し

3,ボール奪取力の低下

4,セットプレーにおける高さ

他にも色々ありそうですが、主要なものを4つ挙げてみました!それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1,ビルドアップ

ブスケツバルサのビルドアップの中核であり、基準であり続けます。バルサのビルドアップ対策はいかにブスケツに制限をかけるかで、その成否が決まります。僕自身、これまでのバルサの試合を見るときはまずブスケツを見るようにしていました。観戦の基準でもあったわけです笑

ブスケツに蓋をするのはバルサ対策の基本のきであり、それを怠ったチームはタコ殴りにされるのが常でした。代表例は2022年カタールワールドカップでのスペイン対コスタリカコスタリカブスケツを自由にしていたのですが、これが失敗でした。ブスケツは自由にチームをコントロールし、スペイン代表は7-0の大勝。年老いても変わらぬ実力を誇示する結果となりました。

長年ビルドアップの中心であったシャビ・エルナンデスの退団以降、ブスケツの重要度は増すことになりました。「ブスケツを抑えろ」が至上命題になった近年のバルサ対策に対して、バルサブスケツの役割を分散させてきました。

代表的なのはイバン・ラキティッチバルベルデ時代にブスケツと中盤中央でコンビを組んだ彼はブスケツが閉じられた際のビルドアップの出口として機能。シャビほどのクリエイティビティやパス精度はないものの、堅実なプレー選択とサイドチェンジでバルベルデ監督に重用されました。

同じ形で22-23に存在感を放ったのがフレンキー・デ・ヨング。インテリオールが定位置ですが、ボール保持時にはブスケツと同じ高さまで下がり、ボールを引き出します。対戦相手が潰したい第一優先選手がブスケツであることを逆手に取って、フレンキーは躍動しました。ガビが左IH化することもあり、フレンキーは配置上最も掴まえづらい選手として恩恵を受けたわけです。

フレンキーのセカンドピボーテ

ブスケツは元来、わざと自分に「目線を集める」ことで他の選手に時間とスペースを与えることに長けた選手です。シャビやイニエスタ、メッシの退団でクローズアップされることが多くなり粗も目立つようになりましたが、22-23はいい形で彼の真骨頂が再び垣間見えたシーズンだったのではないでしょうか。

ただ、これがブスケツの存在を逆手に取った形だったので、彼がいなくなった後同じようなメカニズムで上手くいくとは限らないでしょう。特に恩恵を受けていたフレンキーに来季はマークが集中する形になるはず。そうなったときの解決策はあるのかどうかがポイントになります。

 

2,引いた相手に対するボール出し

特にリオネル・メッシの退団後、バルセロナは引いた相手から得点を奪うことに苦労しています。密集地帯を掻い潜るドリブル、相手の守備ラインを無力化するフライスルーパス、バックライン手前から放つミドルシュート、そして正確無比な直接FKと1人でいくつもソリューションを持つ怪物の退団でそうなるのは、まあそりゃあそうでしょという感じなのですが。

メッシ後の崩しの中核となったのが弱冠20歳のペドリですが、彼はメッシ退団後負傷の影響で半分近くの試合を欠場しています。シャビ監督が崩しの形をきちんと構築しきれていないのも影響して、シャビバルサは得点力ではなく、失点数の少なさでリーガチャンピオンに上り詰めたわけです。

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そんなチームにおいてラストパサーとしての顔も見せていたのがブスケツでした。3列目から繰り出す背後へのスルーパスブスケツならではの柔らかさがありました。特に「ラストパサーブスケツ」の恩恵を受けたのが新加入のラフィーニャでした。

今季ラフィーニャが必ずしもプレーが上手くいっておらず、力が入りすぎてシュートやクロスが上手くアジャストしないことが多くありました。前半戦は僅か2ゴールと本人もフラストレーションを溜めている様子でした。

その中でラフィーニャがチーム内で上手く立ち回るようになったのがブスケツからのパスに反応して結果を出してから。このバレンシア戦での先制弾は、綺麗にブスケツのフライスルーパスに反応してワンタッチでゴールを陥れました。以来、ブスケツが前向きでボールを持つと迷わず背後に走り抜けるラフィーニャの姿は印象的でした。

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ラフィーニャに限らず、ブスケツのパスに救われたアタッカーは多いはず。彼の退団でラスト30メートルのクオリティが下がる危険性もあります。特に相手が9人で自陣に引き、ほとんどスペースがない場合にブスケツのパスは局面を打開してきました。

希望があるとすれば、シャビの指導の元、フレンキーにファイナルサードへのパスの意識が芽生えていることでしょうか。特に後半戦は左のハーフスペースから右大外に走りこむクンデへのフライスルーパスが目立ちました。新シーズン彼がどこまで決定的な働きができるか注目が集まります。

フレンキー→クンデのパターン

 

3,ボール奪取力の低下

シャビバルサにおいて、生命線であるのが高い位置からのプレッシング。瞬く間にバルセロナのレギュラーを勝ち取ったガビに代表されるように、激しく相手にプレッシングをかけてボールを奪い、最短距離でレバンドフスキのシュートに繋げるショートカウンターがシャビバルサの最大の武器になっています。

シャビバルサにとっての初タイトル獲得になったスーペルコパ決勝レアル・マドリー戦でも武器になったのは高い位置からのプレッシング。ボール奪ってからの素早いショートカウンターで2点を奪いました。敗れてしまいましたが、CL第2節のバイエルン戦もプレッシングを武器に前半は互角に戦えたと思います。

プレッシングの局面で力を発揮するのがブスケツです。決してスピードはないですし、機動力は現代の中盤の選手の中でも下の部類だと思います。が、奪いに行く守備の中では読みと、長い脚を活かしてボールを絡めとる能力は一級品です。

スーペルコパ決勝のガビの先制点はまさにブスケツがカマヴィンガから長い脚を伸ばしてボールを奪ったところから。

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逆にブスケツは引いた局面での守備や、広大なスペースをケアしなければならない仕事は苦手としています。ルイス・エンリケ期以降、ブスケツは批判の対象になり始めたと僕は思っているのですが、ブスケツにとって不利な状況が続くようになったのが1つの要因かなと考えています。チーム全体でボールを奪いに行くメカニズムにおいては22‐23でも光るものを見せました。

シャビバルサは比較的オープンな構造になっているので、ブスケツにかかる負担もそれなりには大きかったです。どこかで限界はきたかなあとは思います。後任のピボーテはボール奪取力に加えて、広いスペースを管理するだけの機動力のある選手が求められるでしょう。

 

4,セットプレーにおける高さ

あまりイメージはありませんが、ブスケツは意外と身長が大きいです。ひょろひょろしているので空中戦は決して強くありませんが、185cmの選手がいるのはセットプレーの守備において非常に重要です。物理的な高さはセットプレーでモノを言いますからね。

尤も、今のバルサは例年に比べると平均身長が上がっています。現チームで明確に小さいのはペドリとガビくらいなものです。こう考えると、バルサもだいぶフィジカルなチームになったなあという気持ちです。ペップバルサ期の180cm以上のレギュラー選手ってピケ、ブスケツアビダルくらいしかいませんでしたから。

ただ、中盤センターに空中戦が強い選手がいたら安心感はあります。フレンキーは空中戦が強い選手ではありませんし。高さがある選手がいてくれたほうがありがたいなあとは思います。

 

まとめ

今回はここまで!後編では具体的にブスケツ後のバルサの中盤に向けて考察を進めていきたいです。

ここまでブスケツのシャビバルサにおける貢献をざっくり書いてきましたが、改めて偉大な選手を失ったんだなあと思いました。もう少しブスケツの退団を深刻に捉えなくてはならないのかもしれませんね。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。