はい、こんにちはー。さて、今回は久々のバルサ以外のマッチレビューを書いていきたいと思います。扱う試合は2月末にCLでバルサが対戦するナポリ。自慢でも何でもなく、僕は普段全くセリエの試合を観ないので、予習という意味で観戦記をブログに残しておこうと思いまして。セリエの試合は戦術的にレベルが高いと聞くので、常々追いたいとは思っているのですが、バルサ追うので精いっぱいのHikotaです苦笑
なので、今回はほぼほぼ自分の勉強のために書きます!のであまり参考にならないかもしれませんが・・笑。ただ、いつも読んでくださる皆様もバルサメインで追いかけている方が多いと思うので、少しでもタメになれば幸いです。基本、ナポリ中心に書きますがサンプドリアも見てて面白かったので少し触れながら書きますのでご了承ください。
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■スタメン
スタメンです。冬加入の日本代表吉田麻也はまだベンチに入れず。観たかったのですが、残念です。知らない選手もチラホラで知識不足を露呈・・笑。サンプドリアのクアリアレッラは昨シーズンの得点王ですね。37歳の大ベテランですがいまだに一線でやれているのは流石。ちなみにサンプドリアの監督はあのラニエリです。
ナポリは4-3-3ですね。アンカーにはセルタで活躍して冬加入のロボツカが入っています。ベンチにはオスピナ、クリバリ、アラン、ポリターノ、ロサーノ、メルテンス、ジョレンテと有名選手がズラリ。序列なのかローテなのかはよく分かりません笑。監督はガットゥーゾです。
■ナポリの特徴
ナポリと言えば、欧州有数のボール支配率を誇るチームです。ということでまず押さえておきたいのはナポリのボール保持です。ここはかなり特徴が見られました。
特筆すべきはSBの挙動。SBがサイドのレーンの高い位置でボールを引き出すシーンはほとんど見られず、4バックのラインを維持してビルドアップをするシーンが多く見られました。そのため、バルサやマドリ―で見られるような中盤の選手を落としてビルドアップするようなシーンはほとんどありません。
特に右サイドバックのヒサイは内側のレーンにいることが多く、オーソドックスなサイドバックが大外を回ってクロスというのはあまりパターンとしてはありませんでした。その代わり頻繁に見られたのがインテリオールがサイドのレーンに進出してボールを引き出すプレー。
サイドバックが高い位置を取らない分、インテリオールがそのスペースに流れてボールを引き出します。中央よりもサイドの方が安全にボールを引き出しやすい、かつサイドに流れることで中央の相手のボランチを引っ張り出して中央にスペースを創出することが狙いでしょうか。このインテリオールの動きに伴って、WG(インシーニェ)はハーフスペースに進出。ライン間でボールを引き出すか、裏のスペースを狙います。
左サイドで特に見られたのがサイドのレーンに流れたインテリオールに一旦ボールを預け、ハーフスペースでSBやWGがボールを受け直して逆サイドに展開するパターン。左で作って右で仕留めるのはサッリ時代からの十八番のようです。このように「外」と「内」の出し入れが上手いのもナポリの大きな特徴ですね。
サイドバックの挙動としては外側を回るオーバーラップよりも、内側を駆け上がるインナーラップの方が多いと言えば分かりやすいですかね。左のルイは外側を状況によっては外を駆け上げるプレーも目立ちましたが、右のヒサイは前にカジェホンがいることもあってかほとんど内よりでプレーしていました。
CFのミリクは大柄ですが頻繁にライン間に顔を出し、ポストプレーをしているのが印象的でした。特にインテリオールが空けたスペースにタイミングよく降りてボールを受ける挙動は目立ちましたね。ストライカーとしての役割だけではなく、しっかりとこのようなタスクを担っていることが確認できました。
またボール保持をする上で、非常に重要になってくるのがアンカーの選手。インテリオールの2人がよく動く分、アンカーのロボツカは基本的中盤センターから動かず、上手くバランスを取ることが求められます。結構これはリスクが高いなと思ったのは結構アンカーの周りが手薄になることが多いんですよね。その分、後ろに人が多いんですが。
■サンプドリアの対策
試合としては、ナポリが前半の早い時間帯に2点を先行します。前半2分の先制点はまさに狙いが出た形で、内よりのポジションをとった左SBのルイが逆サイドのカジェホンにサイドチェンジ。カジェホンの折り返しはDFに阻まれましたが、そのこぼれ球を拾って繋ぎ、サイドに流れた左インテリオールのジエリンスキのクロスにミリクが頭で合わせて得点を奪いました。
ただ、サンプドリアの修正も早かったです。スタートはスタメンでも記したとおり、中盤フラットの4-4-2だったと思いますが、前半10分ごろから4-3-1-2に配置を変えました。
低い位置にいるサイドバックはある程度捨てつつ、状況に応じてインサイドハーフがプレッシャーをかけに行くスタイルですね。4-4-2だとどうしてもアンカーのロボツカが浮いてしまいがちだったので、そこは明確にガストン・ラミレスをぶつけることで対処しました。
ロボツカに蓋をしたことでサンプドリアはある程度ナポリのビルドアップを制限することに成功します。インサイドハーフの2人には負荷がかかりますが、中央を締めることでナポリの使いたいスペースを制限してきました。
また、攻撃は上手くロボツカの脇を突いていこうという意図が多かったです。再現性が高かった攻撃のパターンとしてはクアリアレッラが左のハーフスペースでボールを引き出し、逆サイドに展開してその折り返しからゴールを狙うというもの。
ナポリはボール非保持時、4-1-4-1もしくはジエリンスキが1つ前に出る4-4-2で守ります。ナポリに限らず、アンカーシステムを採用するチームはその脇は弱点になりがちです。ましてや先述したようにインテリオールが頻繁に中央からいなくなるチーム戦術故にここは弱点かもしれませんね。
また4-1-4-1で守る際にサンプドリアのアンカーを誰が見るのか?がかなり不明瞭な印象を受けました。基本ボール保持がコンセプトのチームなので、ハイプレスが基本です。バルサと戦う時にどう来るのかは分かりませんが、ブスケツのケアをどうするのかは注目したいポイントの1つです。
ちなみに試合はナポリが2点先行するものの、サンプドリアのアンカーのエグダルがフリーになって前線にボールを配給すると、クアリアレッラが見事なダイレクトボレーを決め、1点差に詰め寄ります。どうでもいいんですが、クアリアレッラと言えば2010年のワールドカップでのスーパーゴールが印象に残ってます。シュートの上手さは年齢重ねても変わらないんですね、驚きです。
さらに後半も攻めたてて、70分過ぎにPKを獲得。サンプドリアが同点に追い付きます。他にも決定機を作るなどして10分から73分あたりまではサンプドリアの戦術変更が効いてるなと思った次第です。
■4-2-4で力勝ち
ガンガンに押されて同点に追い付かれてしまったナポリは、選手交代。メルテンス、ポリターノを投入し、配置を4-3-3から4-4-2に変更しました。両サイドにはアタッカー色の強い選手を起用しているので4-2-4と表現したほうが適切かもしれません。
多分アンチェロッティ前監督の時は、4-4-2でやっていたと思うのでこちらも選手たちは慣れているのだと思います。この攻撃的な変更に応えて最終的には2点もぎとって勝つわけですが、バランス的にはかなり前がかりな陣容になっています。特に左ウイングのインシーニェは守備が得意なタイプの選手ではないと思うので。
なんとなく戦術的にはサンプドリアのほうが優勢だったのかなとは思うんですが、最後は選手の質で勝ったような印象を受けました。
■まとめ
さて、この試合で読み取れたナポリの特徴を最後にまとめておきます。
①ビルドアップ時、SBが高い位置を取らない
②その分、インテリオールがサイドに流れてボールを引き出す
③WG、インテリオール、SBが内と外を上手く出入りする
④左で作って右で仕留める形が多い。
⑤構造上、攻守両面でアンカーが穴になり易い
⑥4-2-4というオプションの存在
簡単にまとめるとこんな感じですかね。これ、勘違いされそうなので再度言っておくとこの分析はあくまで僕がこのサンプドリアとの試合を観た中で気づいたことであって、今シーズンのナポリの特徴を表しているわけではありません。もしかするとたまたまこういうコンセプトでこの試合に臨んだだけで、普段は全然違うのかもしれません笑。そこを加味したうえで、参考にしていただければなと思います。
さて、実際にバルサと2月末に対戦するわけですが、この試合を観た率直な感想としては、バルサから見るとかなり与しやすい相手だなと。与しやすいというのは実力ではなく、タイプ的にと言う意味です。もちろん、ガットゥーゾ監督もバルサ対策を色々仕込んでくるでしょうから、今回の印象が当たるとは限りませんが。
勝敗はともかくとして面白いゲームにはなりそうです。やりたいことがはっきりしているチームだけに、バルサ相手にどのような戦い方をしてくるのか今から楽しみにしています。本当はナポリの試合もう1、2試合見て書きたいんですが、余裕があるかどうか・・笑。もしかしたら見てTwitterでチラッと発信するかもしれないので、ご興味があれば是非覗いてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。