Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】CL準々決勝2ndレグ バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド

1stレグの激闘からわずか1週間。今度は聖地カンプノウに赤い悪魔を迎えての一戦です。差はわずかに1点。両チームがどのようなアプローチを取ってくるのかとても期待したいところです。

 

◎いつも通りのバルサ、変えてきたユナイテッド

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スタメンは上図の通りです。ホームのバルサ、1stレグからの変更はセメド→セルジ・ロベルトのみ。いつも通りの4-3-3で試合に臨みます。中盤4枚やデンベレの先発を推す声もありましたが、大きな変更はありませんでしたね。一方のユナイテッドは変化を出してきました。初戦の5-3-2から4-3-3への変更にはスールシャール監督の点を取りに行くとのメッセージが窺えますね。3トップにはラッシュフォード、リンガード、マルシャルと若さとスピード溢れるトリオが起用されます。ベルギーの重戦車ことルカクのベンチスタートは意外なチョイスでした。

 

◎ユナイテッドが選んだ地上戦

1stレグでは敗れはしたものの、ユナイテッドが活路を見出していたのはロングボール戦法でした。1stレグの記事でも書きましたが、ユナイテッドはヤングとフレッジ以外の選手は全員180cmを越えていました。それに対してバルサが対抗できるのはせいぜい両CBとブスケツラキティッチくらいのものです。特に両サイドバックの空中戦の弱さはバルサの最もメジャーな弱点の1つですから、そこを突いてくると戦前予想を立てていました。しかしスールシャールが選んだのはあくまで3トップのスピードを活かしたショートカウンターでした。前半のファーストプレー、裏に抜け出したラッシュフォードがバー直撃のシュートを放ち、バルサにいきなり先制パンチを食らわせます。PSG戦のルカクのゴールを彷彿とさせるような唐突な決定機でした。ユナイテッドは3トップを中に絞らせて前線に残し、ショートカウンターに備えさせていました。当然中盤の負担は半端ないんですが、そこは若いフレッジとマクトミネイが何とか頑張って、3トップ+ポグバで何とか点取ってきて!っていうのがスールシャールのプランだったのでしょうか。いずれにせよ、この意図は選手たちにしっかりと伝わっており、最初の5分はバルサを押し込みました。

 

◎老獪な対応力とアルトゥール

さて、いきなりゴールを脅かされてしまったバルサ。ユナイテッドの勢いに驚いたのかしばらくは浮き足立っていました。いましたが、一昨日の考察記事でも書いたように今のバルサは相手や状況に即して対応する術を体得しつつあります。高いポゼッションですぐさまペースを握ってしまいます。バルサからしてみれば、ユナイテッドの3トップのラインを越えてしまえばい、相手の中盤は3枚です。メッシやSBをうまく活用すれば、数的優位は容易に作ることができます。ユナイテッドとしても3トップの誰かを中盤に下げてしまうとカウンターの威力がダウンしてしまいますからね。カウンター狙いのチームにとって相手がボールを持っている状況は本来望み通りのはずですが、今日のバルサのパス回しのレベルはあまりに高すぎました。特にアルトゥールのパフォーマンスは素晴らしく、難しい局面でも簡単にプレスを回避する姿は芸術的でした。本当に末恐ろしい選手です。

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ユナイテッドの守備。リスクを冒す。

 

◎ユナイテッドの弱点

ということでユナイテッドがボールを奪う位置は段々と後方に下がっていきました。ボールを奪う位置が下がるということは即ち、ボールを前に運ぶ作業が必要になるということです。ユナイテッドの今日の4パックでは質の高いビルドアップなかなか実現しませんでしたね。プレスをする際には奪えそうな選手のところに敢えてボールを出させるのが定石です。標的に選ばれたのは両SB。不慣れなリンデロフと右利きの左SBであるヤングでした。ユナイテッドがロングボール多用しないなら、とりあえずここでビルドアップが詰まる可能性が高いよねっていうことはバルベルデじゃなくてもわかることで。まさにメッシが挙げた先制点はヤングのボールロストから生まれました。もちろん奪ってからのメッシの股抜き→カットインシュートはゴラッソでしたが、ユナイテッドからするとゲームプランが裏目に出た失点という印象を受けました。単にヤングの軽率なミスと断じることはできません。

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メッシ先制点直前の図。バルサのパスコース制圧守備が光る。

 

◎手を抜かなかったバルサ

首尾よく先制に成功したバルサでしたが、先制後も1stレグのようにペースを緩めることはありませんでした。相手に主導権を渡すことなく、ボールをキープし続けます。メッシの2点目は、デヘアのミスによるラッキーな側面が強いですが、それでも追加点を取りに行くという姿勢の産物かと思います。ユナイテッドの選手たちは2点目を食らった後、かなり意気消沈してしまいました。カンプノウで3点必要ともなれば、気持ちは分かりますが。この試合、バルサのパス回しは先述した通り非常に冴えていました。63%というポゼッション率以上に、ユナイテッド守備陣を困難に陥れていました。改めてバルベルデバルサの引き出しの多さを感じましたね。

↓こちらの記事も是非

https://hikotafootball.hatenablog.com/entry/2019/04/15/104943?_ga=2.262623368.569685974.1555508731-558789908.1548046030

 

◎不可解だったスールシャール采配

やはりこの試合、ポイントになったのはスールシャールの采配でしょうか。個人的にはルカク先発でロングホールを多用された方が怖さはありました。それこそW杯でベルギー代表がやってみせたように、敢えてサイドに置いてSBとのミスマッチを意図的に起こすくらいの工夫があってもいいのかなとは感じました。あまりに3トップ任せだったというか。MSNやBBCならそれで成立するかもしれませんが、マルシャルやラッシュフォード、リンガードはこれからの選手。バルサ相手に違いを作ってくれって任せきるのはまだ酷なのかなと思いました。後半ダロトを入れて5バックにした決断もイマイチ意図が伝わらなかったですね(どなたか読み取れた方いたら教えてください)。まあスールシャールもまだ監督に就任して半年も経ってないですし、これからだと思います。来期に向けてどのようなチームを築いていくのか楽しみなところではあります。ユナイテッドを特別応援しているわけではありませんが、海外サッカー好きとしてはやはりユナイテッドには強くあってほしいという気持ちがあります。今夏の移籍市場注目しましょう(ウッドワード頑張れ)。あ、あとマクトミネイがものすごく好印象でした。PSG戦もそうでしたし、1番戦えていた選手です。彼のように気概のある若手がいるチームはとても楽しみですね!

 

◎ようやく炸裂「コウチーニョ砲」

皆さん、「コウチーニョ〜!!」って叫びましたか?笑 久々にコウチーニョのミドルが飛び出しました。最後のコウチーニョ砲っていつだろう…ってくらい決めてませんでしたからね!フリーで余裕があったとはいえ、名手デヘアからの得点は大きな自信になったのではないでしょうか。コウチーニョも嬉しそうでしたが、周りのチームメートも嬉しそうに祝福していたのが印象的でした。「雑音なんか聞こえねーよ」パフォーマンスから察するに、とりあえず来シーズンも残留ですかね?まあまだ復調したのか判断するのは早すぎますが、今日のゴールが大きなきっかけになってくれたら…!彼、スペースメークだったり、動き直しだったり相当見えない部分で頑張ってくれている選手なので、僕もあのゴールはとても嬉しかったです。今シーズンも残りわずかですが、良い感触を持って来シーズンに臨んでほしいところです。

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◎久々のCL準決勝

アグリゲートスコア4-0でバルサが4年ぶりのCL準決勝進出を決めました。対戦相手はリバプールポルトの勝者です。あと2チーム倒せば悲願のCL優勝です。今シーズンのバルサはCL制覇に並々ならぬ意欲を示してきました。優勝を逃せば、失敗のシーズンとみなされるでしょう。久々の準決勝ということでこちらもドキドキしてしまいますね笑。CL制覇の鍵は、現在2位のアトレティコに9ポイントの差をつけているリーガの優勝を出来るだけ早く決まることでしょう。バルサはあと3勝すれば優勝決定ですから、4月の残り試合で3連勝すれば準決勝の前にリーガ優勝が決定します。5月にはコパの決勝もありますし、リーガで楽ができるように何とか4月中に決めて欲しいところです。トットナムインテルPSV、リヨン、ユナイテッド。今シーズンのCLで与し易い相手は1チームもありませんでした。ただ、CLではまだ負けていないことからも現チームの充実ぶりが窺えます。準決勝と決勝の相手がどこであれ、今のバルサが実力を発揮し切れば勝てる可能性は大いにあります。あと2つ、取りきりましょう!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。