Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【考察】進化か、喪失か。バルサが進めるカメレオン化

こんにちは。今日は選手ではなく、チームにスポットを当ててみたいと思います。比較的抽象的な話にはなってしまうと思いますが、ご了承ください。

 

◎神格化されるペップバルサ

いきなり脱線してしまいますが、僕が本格的に欧州サッカーを観戦し始めたのは、2009年からでした。バルサを本腰入れて追い始めるのはもう少し後になります。この時点でお察しの方が多いかと思いますが、僕がバルサを好きになったのはジョゼップ・グアルディオラによってデザインされた圧倒的なサッカーに魅了されたからです。ペップバルサを振り返る企画はいつかやろうと思っているので(ネタがなくなるシーズンオフ期間かな…)、ここでは詳しくは触れませんが、とにかく圧倒的に強かったです。強さと美しさをまさに「車の両輪のように」兼ね備えていた稀有なチームでしたね。シャビ曰く、「相手を絶望させる」サッカーでした。当時は世界中のチームがバルサ対策を捜し求めていましたし、日本でも体格が似ているというだけで「バルサ化」を推し進めるべきという無謀な論調も目立っていました笑。それくらい世間を席捲したチームでしたし、間違いなくサッカー史に残るベストチームの1つであるでしょう。そのため(僕を含めて)クレの多くは、どうしてもペップバルサの幻影を追い求めてしまいがちです。ノスタルジーに浸るだけの価値はありますが、あまりに比較対象が偉大過ぎます。本当にペップの幻影を追い求めることが、バルサにとって最適な道なのでしょうか。本記事では、現代サッカーの変化にも触れながら、今のバルベルデバルサが失ったもの、得たものについて書いていきたいと思います。

 

◎進化し続ける現代サッカー

インターネットの急速な発展により、現代サッカーは急速に進化しています。僕らのような素人でもデバイス1つとネットワーク環境さえあれば、世界中のサッカーを観ることができる時代ですからね(DAZN様、いつもありがとうございます)。今やどのチームも戦術アナリストを雇い、相手チームの特徴を丸裸にした上で、試合に臨んでいます。最早選手と監督だけで成立するスポーツではなく、フロントやメディカル、テクニカル部門など様々な役割の人間が絡みあう複雑なゲームに昇華しつつあります。footballistaの言葉を借りるなら、まさに「総力戦」ですよね。誤解を恐れずに言えば、ペップバルサは「プランB」を持たないチームでした。正確に言うと、「プランBを持っていないわけではないけど、ほとんどの場合プランAで相手を蹂躙できる」チームでしょうか笑。しかし、ペップが退任してから早7年。この7年の間にサッカーはますます進化しています。当時の常識はもう現代では通用しないのかもしれません。現代サッカーの大きな特徴として、プレッシングを始めとする守備戦術の進化が挙げられます。ほとんどのチームが守備時に明確なルールを持っていますし、スター集団のPSGやレアル・マドリ―でさえ、秩序を保ってサッカーをしています。また、トランジションの精度も上がり続けており、近年は「ストーミング」という概念も出てきましたね。「ストーミング」という言葉自体定義するのは難しいのですが、ここで強調したいのは「相手にボールを持たせる」ことを起点にしている考え方だということです。これはボールありきでサッカーを構築するバルササッカーと対を成すサッカーであり、バルサにとって厄介な相手です。要するにボールを持たれても苦にならない相手ということですからね。自陣でボールを持っているよりも、敵陣でボールを持たせていた方がチャンスが広がるという考え方ですよね。現にグアルディオラ率いるマンチェスターシティは、ストーミング派の旗頭であるリバプールを苦手にしています。

 

◎テーマは「柔軟性」

さて、前置きがまたしても長くなってしまいましたが、ここからが本題ですね。このような時代の流れに対して、バルサはどのような道を歩むべきなのでしょうか。バルベルデが監督になって2年、バルサは良く言えば、柔軟性のあるチームへと変貌しました。このブログでは再三申し上げているのですが、バルベルデがトップクラスの監督として優れている点は戦術的柔軟性と修正力です。自チームの戦力と相手の戦力、戦術、弱点などを的確に見抜き、戦術とフォーメーションを柔軟に採用します。じゃんけんで例えるなら、今までグーだけで戦っていたバルサが、チョキやパーも出せるようになってきたという感じでしょうか。フォーメーションを考えても今シーズンは5つを使い分けています。4-3-3、4-4-2、4-3-1-2、4-2-4、3-5-2。さらには人選によって戦い方は変化しますので多様性という意味では近年のバルサにおいてずば抜けています。逆説的に言えば、スタイルの喪失と言えるのかもしれません。バルベルデバルサは相手にポゼッションで負ける、もしくは互角の数値を記録することも少なくありませんし、支配力はますます低下する一方です。今のバルサをどう評価するのかは人によって異なるのではないでしょうか。今のバルベルデサッカーを決して許せない人もいれば、時代とスカッドに即していると評価する人もいるでしょう。どちらが正しいというわけではありません。単純な価値観の違いだということですね。

 

◎個人的見解

個人的にはどちらかと言えば、前者の考え方を持っています。ペップバルサは僕にとって究極のチームでありますが、それでも今のバルベルデのこの1年半の仕事はほぼ完璧だったと感じています。MSNという強烈な個に頼りきり、疲弊したチームにバランスを取り戻したのは間違いなく彼の功績です。メッシを始めとする主力選手たちからも信頼されています。以前のバルベルデの記事でも書きましたが、バルベルデだから今のサッカーになっているのではなく、バルサバルベルデを必要としていた。僕はそう解釈しています。相手にポゼッションで競り負けることは、我々ファンにとって非常にストレスフルですが、少なくとも現状は必要なアップデートだったのではないでしょうか。仮に、パコヘメスやキケ・セティエンのような理想追求型の指揮官がチームを率いていたら、魅力的なサッカーだったとしても結果は出ていなかったかもしれません。

 

バルサが得た守備強度

バルベルデが就任してから、明らかに上がったのがボール非保持時の守備強度です。

サッカーというスポーツは大まかに4局面に分かれると言われています。

①ボール保持時(攻撃時)

②ボール非保持時(守備時)

③ポジティブ・トランジション(守備から攻撃の切り替え)

④ネガティブ・トランジション(攻撃から守備の切り替え)

ビダルの記事でも紹介したこの概念ですが、バルサは②ボール非保持時が構造的に弱いチームです。これまでのバルサは②の弱点を覆い隠すために、①ボール保持時の時間を長くすることで②の時間自体を短くしていました。①を長くするためには、ポゼッションの質はもちろんのこと、④ネガティブトランジションで奪われたボールを直ぐに奪い返すことが肝要になってきます。しかし、2015年のシャビ退団で①の質が低下、さらには守備貢献の乏しいMSNの登場で④による即時奪回も機能不全に陥りました。この状況で就任したバルベルデはどうしたのかというと、①〜④の全局面をバランス良く鍛えることを選択しました。その結果、バルサは相手によって戦い方を変えられるカメレオン戦法を取れるようになりました。特にボール非保持時の守備強度は非常に向上しました。特に今シーズンは、即時奪回が厳しいと判断するや否や、リトリートを選択し、強固な4-4ブロックを形成します。CB2人の充実が目立ちますが、チームとしての意識が変わりつつあることが分かります。後半戦のクラシコベティス戦は相手に攻め込まれる場面が多かったですが、それでも勝ち切れたのはチームとして、大きな成長ではないでしょうか。ボール非保持時に「相手をコントロール」するような感覚さえあります。ラキティッチピボーテへの適応、さらにはネガトラお化けのビダルの獲得も守備力向上に貢献していますね。アイデンティティの喪失と言われればそれまでです。しかし、あくまでバルサは時代の激流に合わせてチームを最適化していると個人的には感じています。バルサがボールを大切にするスタイルを捨てていないことは、来夏のフレンキー・デヨング獲得からも伝わります。メッシがいるうちは少なくともこのスタイルは継続でしょうし、結果を残せばバルベルデは来年も指揮官です。メッシがいなくなったらどうするか?の答えは未だに出ませんが(てか解決策はありません苦笑)、少しずつ進めていくしかありませんね。

 

如何だったでしょうか。冒頭でも述べた通り、かなり抽象的な話になってしまいましたね笑。散々偉そうなことを書いてきましたが、実は僕もペップ時代の幻影に苦しんでるファンの1人なんですよね笑。現チームのサッカーに憤りを覚えることも少なくありません。本記事はそんな自分のモヤモヤ感を払拭するために書いたようなものです笑。今のバルサに対して思うことは人それぞれかと思います。皆さんも是非ブログのコメント欄やtwitterに意見や考えを書き込んでください。楽しみにしてます!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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