スタメンです。ホームのアラベスは5-4-1の守備的なフォーメーション。いつもの4バックではなく、5バックできましたね。残念ながら乾は捻挫による欠場です。一方のバルセロナは一週間後に迫るCL準決勝を見据えて大幅なローテーションを敢行。ラングレ、アルバ、メッシ、アルトゥールがベンチスタート、ラキティッチは珍しく招集外になりました。左SBにはセルジ・ロベルトが入り、アレニャとビダルが中盤に入りました。
■消極的過ぎたアラベス
先述した通り、守備的なスタンスで試合に入ったアラベス。この試合の前にはアラベスの会長がアラベルト監督の退任を暴露、監督の姿勢を非難するなど不穏な空気が流れていたアラベス。前半戦はCL出場権争いに食い込めるほど調子は良かったのですが、後半戦に入って徐々に失速しています。しかし、クラブの規模を考えると非常にいいシーズンを送っているように思われます。そのため、残留を確定させている今の状況では失うものはなかったはず。それだけにこの試合ではもう少し積極的なサッカーを見せて欲しかったところ。ホームですし。5-4だけでなく1トップのボルハ・バストンも深い位置に下がっていましたし、正直バルサとしてはプレスかけられたほうが苦しいんですがね…。
■ボールに多く絡んだコウチーニョ。その陰にカンテラーノ2人あり
さて、自陣で強固なブロックを築くアラベスに対して圧倒的なボール支配率を保ったバルサ。ボールを運ぶ作業は相当スムーズに進みましたが、バイタルエリアのスペースを消されているため、崩すのは困難に思われました。にも関わらず、前半だけでシュート10本を放ったバルセロナ。
中心となったのはコウチーニョ。メッシ不在のチームにおいて間のスペースでボールを受けられる彼は前半に多くボールに絡み、仕掛けの中心になっていました。マンチェスターユナイテッド戦で素晴らしいゴールを決めたコウチーニョですが、まだまだトップフォームではありませんが、前半はいつもよりも躍動しているように見受けられました。メンタル的な充実も1つの要因でしょうが、今日のコウチーニョを支えたのは間違いなく彼の後方に位置するセルジ・ロベルトとアレニャでした。
「気が利く」という観点においてラキティッチと並んでチームトップクラスのセルジ・ロベルトと、躊躇なく縦パスを刺せるカンテラ期待のアレニャ。彼ら2人の絶妙な計らいによって、コウチーニョは自らの一番得意な左のハーフスペースでボールを受けることができていました。特にどのポジションでもチームを機能させることのできるセルジ・ロベルトの能力には本当に脱帽ですね。
この3人の絡みで印象的だったのは前半12分。ユムティティから左のハーフスペースでアレニャがボールを受けるとコウチ―ニョがハーフスペースに落ちる動きを見せ、相手右SBを引き付けます(①)。その動きに呼応してタイミングよくセルジが裏に走りこむとアレニャがすかさずスペースにスルーパス(②)。コウチーニョは素早く反転すると中に侵入、セルジからのマイナスの折り返しを受けます(③)
相手DFのブロックにあい、残念ながらシュートまでいけませんでしたが、非常にスムーズな連携でした。コウチーニョとの連携に苦慮している選手が多い中、初めて組んだユニットでここまで完璧に崩せるのは流石の一言。カンテラーノ特有の感覚と言うんでしょうか、アレニャとセルジの非凡な選手を感じることができたシーンでした。
一方の右サイドはなかなか機能しませんでした。まあセメド・ビダル・デンベレのフィジカルユニットだとどうしても有機的な絡みへの期待は薄れてしまいますが、単調な攻撃に終始してしまっていました。セルジ・ロベルト、両サイドに欲しいです笑。
■バルベルデ、またしても神の采配炸裂
前半、攻めたものの無得点に終わったバルサ。メッシという切り札を手元に置いているバルベルデが取った策は右サイドバックのセメドとセルジのポジションを入れ替えるというものでした。先述したように左に比べて、右サイドの攻撃が上手くいってないからこその采配かと思いますが、これが面白いほどハマります。
後半9分、セルジ・ロベルトがビダルとワンツー。リターンを受けると、得意の中央方向へのドリブルを開始します。この動きとCFのスアレスに気を取られていたアラベス守備陣は後方から忍び寄るアレニャに全く気付いていませんでした。セルジからのパスをスアレスが完璧なスルー。アレニャがフリーでボールを受け取ると左隅に流し込む完璧なフィニッシュでバルサが先制します。
このゴールにはバルベルデも非常に嬉しそうな顔をしていました。まさにしてやったりといった感じのゴールだったのでしょうか。アレニャは前半戦のビジャレアル戦以来のシーズン2ゴール目です。アップ中のアルバとメッシも祝福していましたし、アレニャがチーム内で愛されていることが分かりますね。
大胆ローテーションを敷いたウエスカ戦でふと思ったことなのですが、選手はローテーションで休めても、監督って休めないんですよね。シーズン全試合フル出場ですから本当に大変な仕事だなと改めて感じています。最近のバルバルデは積極的にローテを採用しています。彼が昨シーズンの失敗から学び、成長している証です。これも当たり前ですが、選手だけでなく監督も日々成長ですね。
この6分後にセットプレーからピナのハンドを誘発してPKを獲得したバルサ。これをスアレスが決め切り、リードを2点に広げました。セーフティーリードを得たバルセロナはコンディション維持のために、メッシ、アルバ、アルトゥールと主力を次々と投入。あとはバルベルデバルサお得意の塩サッカーにシフトし、試合をこのままクローズ。2-0でアウェイのバルサが勝利し、優勝に王手がかかりました。
■今夜のアトレティコ戦次第でリーガ優勝決定
ということで殆どリーガを手中に収めたバルセロナ。今夜の試合でバレンシアがアトレティコに勝利すれば、リーガ2連覇が決まります。仮にアトレティコが勝ってしまっても次節セルタ戦に勝利すれば優勝決定です。来週からリバプールとの大一番が始まりますので、是が非でも今週中にリーガは終わらせておきたいところです。
一方のリバプールはマンチェスターシティと熾烈なタイトルレースの真っただ中。当然ローテーションなどできる余裕もありません。まあそれが勝敗を分ける要因かと言われれば微妙なところですが、少なくとも、バルサの選手たちのほうがいいコンディションで試合に臨めそうです。
ここにきて本当に選手層の厚さが恩恵をもたらしていますね。ビダルやユムティティ、セメドのような選手が控えている状況は正直頼もしすぎます。アレニャのような若手がゴールを決めるとチームも盛り上がりますね。3冠にむけて期待は高まるばかりですが、気を抜かずにまずはリーガを獲得してほしいところです。寝不足が続きますが、アトレティコ対バレンシアの一戦も観戦しようと思っています。ブログの記事にはしませんが、Twitterで試合については呟いていくのでそちらも是非よろしくお願いします。
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