Hikotaのバルサ考察ブログ(仮)

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【考察】チリの戦士。アルトゥーロ・ビダルの獲得は正しかったのか?

はい、こんにちは。4月2つ目の考察記事です。今回は闘う男、チリ代表MFアルトゥーロ・ビダルについてです。ではでは、記事に参りましょう。

 

◎多くのファンに疑念を抱かせたビダル獲得

昨夏、バルセロナバイエルン・ミュンヘンからビダルを獲得することを発表しました。当時、この獲得は多くのファンから批判されました。ビダルと言えば、レバークーゼンユベントスバイエルンなどのトップクラブで主力として活躍してきた選手です。ユベントスやチリ代表、バイエルンではタイトルを多く獲得するなど、勝者のメンタリティーも持ち合わせており、攻守に渡ってチームに貢献できる優秀なMFです。にも関わらず、この獲得が懐疑的な見方をされたのは主に以下の理由からでしょう。

①チームスタイルにフィットしない(であろう)

②年齢

当時、多くのファンは中盤の補強にバイエルンチアゴ・アルカンタラやPSGのヴェッラッティのような技術と戦術眼を兼ね備えた、所謂「バルサのDNA」を持った選手を望んでいました。ビダルは世界でも屈指の能力を持ったMFではありますが、明らかにタイプとしては労働者。バルサというクラブが本来求めるタイプではありません。さらにはメッシやスアレスと同い年の選手を獲得するというこのフロントの判断に疑問を抱くファンが多かったようです。何を隠そう、僕もこの取引には否定的な見解を持っていました。

 

◎結果、大活躍

第31節終了時点で、26試合出場で2ゴール5アシスト、プレータイムはチームで12番目の長さです。この数字以上にビダルは現チームにおいて重要なピースになりました。シーズンの序盤は思ったように出場機会が得られず、ベンチでふて腐れていたり、SNSに不満を書き込んだりと不満分子と化していました。しかし、コウチーニョの不適応やアルトゥールの負傷により巡ってきたチャンスでその価値を示すことでビダルはチーム内での立場を確かなものにしていきましたね。ビダルの良さはなんといってもネガティブ・トランジションの鋭さです。類稀なるスタミナと危険察知能力で、ボールロストの瞬間に相手に襲いかかる彼の姿はまさにハンターそのもの。一方、ユベントス時代に見せていた2列目からの飛び出しは控えめになっています。バルサで与えられた役割をしっかりと彼が理解している証拠ですね。ユベントス時代は中盤でありながらシーズン2桁ゴールをマークするなど、得点力を武器にしていましたが、バルサでは自分の強みを活かすことよりもチーム(メッシ)を最大限にサポートをすることに重きを置いているように見えます。この献身性こそがバルサで立ち位置を得ることができた大きな要因です。絶対的レギュラーではありませんが、今シーズンビダルがいてくれて助かったという試合は少なくありません。

 

◎なぜバルサビダルを欲したのか?

 ペップ・グアルディオラの退任以降、バルサは中盤での支配力を失う一方です。以前のようにポゼッションを保てなくなるということは、即ち相手にボールを持たれる時間が長くなるということです。シャビやイニエスタのような純バルサ産のMFはボールを持たせれば誰もがひれ伏せるほどの存在感ですが、ボールを取り上げられれば途端に非力な存在へとうって変わります。ペップ以後、ラキティッチアンドレ・ゴメス、パウリーニョなどよりフィジカルな選手が獲得されていることは偶然ではありません。バルサはもはや技術とポゼッションだけでヨーロッパを蹂躙するチームではなくなってしまった何よりの証拠です。そしてビダルもまたその系譜を継ぐフィジカル系の中盤です。(バルサの中では)ボールさばきとテクニックで劣りはしますが、それを補って余りある体の強さとエネルギーがあります。特に相手のボールを奪いに行くエネルギーは凄まじく、ボールを奪えなくとも相手にプレッシャーをかけることで守備を非常に楽にしてくれます。メッシとスアレスがビックマッチ以外では殆ど守備をしない現チームに置いて1.7人分くらいの働きを見せるビダルはまさにうってつけでした。

 

◎アルトゥールはポゼッションを高め、ビダルはネガトラを一手に担う

余談ですが、サッカーというスポーツは大まかに4局面に分かれると言われています。

①ボール保持時(攻撃時)

②ボール非保持時(守備時)

③ポジティブ・トランジション(守備から攻撃の切り替え)

④ネガティブ・トランジション(攻撃から守備の切り替え)

という4局面です。先ほども書いたようにバルサは②が非常に弱いチームです。バルサの黄金期を築き上げたグアルディオラは②の時間をできるだけ短くするために、①と④の精度を極限まで磨き上げました。①まずできるだけボールを長く保持する。④もし奪われたらすぐに取り返す。を徹底したことで頂点へと上り詰めたのです。実際、ペップ政権は上手くいきすぎていた側面が強いのであまり引き合いに出すのもどうかと思いますが、あの頃に比べるとポゼッションもトランジションもかなり質が落ちてしまいました。ですが、今シーズンの新戦力であるアルトゥールとビダルを観ていると、ふいにペップ時代を思い出すんですよね。あの頃はチーム全体でハイレベルなポゼッションとネガトラを実践していましたが、その二つがアルトゥールとビダルそれぞれに分裂したようなそんな気持ちに何故かさせられます笑。

 

◎それでも拭えないフロントへの疑問

結果、ビダルの獲得は大成功!ビダル万歳!フロント万歳!で終わったらやっぱりダメなんだと僕は思います。今シーズンに限ってみればビダルの獲得は大成功と称して差し支えないでしょう。しかし、将来のバルサのことを考えると…。ビダルのような選手を獲得することは今シーズンのタイトルレースにおいては、非常に有用な手ではありましたが、見方を変えれば問題を先延ばしにしているように思えてなりません。実績のある選手を外から獲得することはカンテラ出身の若手の出場機会を奪うことに繋がりかねません。今シーズン、トップチームに昇格したバルサ期待のアレニャはリーグ戦わずか320分の出場に留まっています。伸び盛りの21歳の選手が4試合分に満たないプレータイムしか得られていない現状は問題視する必要があります。ビダルとはタイプが違うとはいえ、中盤の枠を1つ埋めてしまっているのは紛れもない事実です。来シーズンにはフレンキー・デヨングの獲得も決まっており、ますますカンテラーノは肩身の狭い思いをすることかと思います。今冬のムリージョとボアテングの獲得にも代表されるように、バルサは戦力の拡張をカンテラより補強に頼るチームになってしまいました。今シーズンのビダルの働きには頭が上がりませんが、それとこれとでは話は別。補強の成功や結果に惑わされすぎてはいけません。色々な価値観があっていいと思います。個人的見解を述べれば、やはりバルサには他のクラブとは違ったクラブであって欲しいという願いがあります。ビダルの活躍を100%喜びきれないのはこのような事情があるからなのです。今のバルサの現状と理想のジレンマを象徴するような存在ですからね、ビダルは笑。

 

記事は以上になります。如何だったでしょうか。実はビダル記事に見せかけたフロント批判のような記事になってしまいました笑。footballistaの3月号でもフロントの重要性はかなり強調されていました。

 仮に今シーズン3冠を達成できたとしてもフロントが現状のスタンスを変えない限り、バルサの未来は暗い、と結論付けるしかありません。最早ビダルのプレーに愛着が湧いているだけに、彼の獲得を後悔することにならないように祈るばかりです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。