Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】CL準々決勝1stレグ マンチェスターユナイテッド対バルセロナ

待ちに待ったCL再開。今こそローマ戦の雪辱を果たすとき。マンチェスターユナイテッドとの準々決勝です。

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スタメンです。ホームのユナイテッドはリンデロフ、スモーリング、ショーの3バックを採用。左ウイングバックには右サイドが本職のダロトが努めます。アンカーにはフレッジが入り、2トップはルカクとラッシュフォードで構成されます。一方のバルセロナは先週末のアトレティコ戦から1人のメンバー変更。右サイドバックにセルジ・ロベルトではなく、より守備力に特長のあるセメドが起用されます。

 

【前半】

序盤からボールを支配するバルセロナと守るユナイテッドの予想通りの展開になりました。

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上図はバルサボール保持時の両チームの形です。ユナイテッドが2トップを敷いてきたことにより、ブスケツが最終ラインに下がって数的優位を確保します。これによって簡単にボールを運ぶことができていましたね。ブスケツが後ろに下がることでユナイテッドは逆に中盤で数的優位を得られるはずですが、右サイドのメッシがほとんどの時間真ん中にいたので、中盤での守備は困難になっていました。ユナイテッドとして1番怖いのは、アンカーのフレッジの両脇をメッシに使われることです。そのため基本的には前にボールを運ばれた際は、DFラインと中盤のラインの間のスペースを消すことで安価のの脇のスペースを消すことで弱点を覆い隠そうという意図が窺えました。普通のチームならボールは持てるけど…っていう展開になりそうですが、そこで何とかできるのがバルサというチームの強さです。

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バルサの先制点の図

前半12分、突然均衡が破れます。相も変わらずボールを回すバルセロナ。SBを有効活用しながら右に左にユナイテッド揺さぶります。ここまで回されるとユナイテッドはプレスを諦め、後方にブロックを作って待機します。ここではまずライン間でスアレス、メッシ、コウチーニョにボールを持たせないことに念頭に置いていたように思います。ここを見逃さないバルサラキティッチのバックパスを受けたとき、ブスケツはピッチ中央で全くプレスを受けていない状態でした。その瞬間、メッシが下がる動きで対面のショーを欺くと、一気にギアを入れ斜めにダッシュします。ブスケツはメッシの動きに合わせて完璧な浮き球パスを送りました。さらにそのメッシの動きとは逆に走りこんだのがスアレスです。完全にメッシの動きに気を取られたユナイテッド守備陣はスアレスをケアし切れず。メッシのこれまた完璧なクロスをフリーでスアレスがヘディングシュートすると、これがショーに当たってオウンゴールバルサが幸先よく先制します。ユナイテッドとしては、ここまで早く失点するプランはなかったでしょうから痛いですね。5枚DFがいただけに何とか守りたい場面だったかもしれません。

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完璧な崩しでした!お見事!

貴重なアウェイゴールを奪ったことで優位に立ったかに思いましたが、上手くリズムが生まれません。先制点後、バルサが(恐らく)意図的にペースを落としたことで、ユナイテッドが次第に前に出てこられるようになりました。中盤が精力的に動くことでバルサのパス回しを段々と妨害するようになります。ユナイテッドの攻撃はサイドからのクロス、もしくはショートカウンターが主。基本的にはルカク、ラッシュフォードの、フィジカル的優位性を活かしていこうという攻撃の意図が窺えました。単騎で仕掛ける場面はほとんどなく、サイドにインサイドハーフやFWが流れることで、ユニットで崩そうと試みることが多かったですね。ただビッグチャンスを作るには至らず。この辺はバルサがリズムが悪いなりに、相手をコントロールすることができていた証左ですね。ユナイテッドのチャンスらしいチャンスは、ヤングのクロスからダロトが大きく枠を外したヘディングシュートくらいでした。逆に35分には、コウチーニョのシュートがデヘアのセーブを強いるなど、バルサに追加点のチャンスもありましたが、前半は1-0のまま終了します。

 

【後半】

ハーフタイムでのメンバー交代はありません。後半になるとますますユナイテッドが攻勢を強めます。この試合を語る上で大切なポイントになってくるのが「フィジカル」です。バルサに比べるとユナイテッドをこのフィジカルで優位性を保っていました。何せヤングとフレッジ以外は全員180cm以上の巨漢軍団ですからね笑。特に制空権は完全に握られました。バルサはプレスをかけられると、テア・シュテーゲンからスアレスへのロングパスを頻繁に使って、プレスを回避しますが、今日のスアレススモーリングに完敗でしたね。また、ユナイテッドは中盤の3人、特にマクトミネイとフレッジがかなり精力的な動きを見せていました。彼らの働きによってセカンドボールの回収率を上げたユナイテッドはバルサを次第に押し込み始めます。結果的に当たり損ないましたが、ラッシュフォードのボレーシュートなど、決定機に繋がりそうな場面はいくつかありました。じゃあこのマズそうな展開に対して対策が打てるのがバルベルデの良いところだよねってことで後半20分、動きを見せます。アルトゥール、コウチーニョをベンチに下げ、セルジ・ロベルト、ビダルを投入します。これによりシステムは完全な4-4-2に変更されます。まあぶっちゃけ交代前もほぼ4-4-2なんですが、大切なのは純粋な中盤を4人並べたことです。

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セルジ・ロベルトとビダルという献身的かつ運動量豊富な選手を両サイドに置いたことにチームバランスは劇的に改善します。特にセルジ・ロベルトはなぜ彼がバルベルデに重宝されているのかを改めて示すパフォーマンスを見せました。右サイドの位置から何度も裏を突き、ユナイテッドのラインを下げることに成功しました。ただ守るだけでなく、ある程度ユナイテッドゴールを脅かすことで相手も安心して攻められなくなりますからね。正直彼はラスト30メートルのクオリティが上がればアタッカーでもやっていけるだけの選手ですよ。本当に気が利くというか、めちゃくちゃ技術レベルが高いわけではないんですが、頭と体でバルサスタイルを理解している彼は間違いなく今のバルサに不可欠です。そしてこのシステム変更は守備強度の高いラキティッチを真ん中に置ける、という意味でも一定の効果があります。こうして上手くユナイテッドの攻撃をコントロールし始めたバルサは終盤にはパス回しで時間を使うなど試合巧者ぶりを見せつけ試合はこのまま1-0で終了。バルサアウェイゴール1点のアドバンテージを得て、勝負はカンプノウでの2ndレグに持ち越されました。

 

【雑感】

両チームにとって悪くない結果だったんじゃないかなっていうのが一番の感想ですね。バルサとしてはアウェイゴールを奪ったうえでクリーンシートですからね。一方のユナイテッドもホームで敗れはしたものの、最少失点で切り抜けましたし、カンプノウで2点取れば一気に優位に立てるわけですから、悔しくはあってもポジティブに2ndレグを迎えられるのではないでしょうか。そして試合内容を一言でまとめるのであれば、「非常に決定機の少なかった試合」と言えるのではないでしょうか。総シュート数はユナイテッドが10本、バルサが6本。枠内シュートはユナイテッドが0本、バルサが3本というデータが示す通りです。デヘアとテアシュテーゲンという世界屈指のGKを有している両チームですが、彼ら2人がスーパーセーブを披露する機会は殆どありませんでした。両チームとも守備が安定していた証拠ですね。ピケ・ラングレコンビは相変わらずの安定感でしたし、ユナイテッド守備陣も非常に集中していました。一方の攻撃陣は評価が難しいところ。バルサに関してはバルベルデの采配からも読み取れる通り、1-0のままで全然OKというスタンスでした。追加点を無理に取りに行くというよりも、試合を殺すことに注力していたので評価し辛い笑。ユナイテッドの攻撃は、少しシンプル過ぎるきらいがあると感じました。単調、と言っては少し失礼過ぎるかもしれませんが、もう少しバリエーションがあったほうが怖かったかなというのが正直な印象です。まあユナイテッドもベストメンバーじゃなかったでしょうし、カンプノウでは死に物狂いで来るでしょうから、今日の感覚で挑んでしまったら痛い目を見そうです。

 

ひとまず1-0という最低限の結果は残しましたが、1点のアドバンテージくらいでは全く安心できません。去年の教訓もあることですし。ただ、デンベレやマルコムといったカードを切らず、しっかりと勝ち切る現チームは不安定ながらも少しずつ頼もしさが出てきました。最後のボール回しはバルサらしい試合の終わらせ方で嬉しくなりました笑。土曜日には最下位のウエスカとのアウェイ戦があります。ピケとスアレスが累積警告で出場停止ですが、他の選手もしっかりと休ませて欲しいところではあります。スモーリングにやられたメッシが鼻骨骨折なんていう情報もありますし。

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いやー、バルベルデがこれくらいローテしてくれたら奇跡ですね笑。正直嫌だけど負けてもいいからくらいの気持ちで思い切って!あ、ラキティッチはどうせ出ます!笑。トディボとかここで使わないならいつ使う?って感じですし!メッシはウエスカ戦に出場するかと思ってましたが、骨折が本当ならメンバーからも外れるかもしれませんね。その場合、ベンチメンバーはどうなるのか…。とりあえず、明日のスカッドリスト楽しみにしておきますか!

 

とりあえず勝ててよかった。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。