こんばんは。早速試合のほう見ていきましょう。
バルセロナは、ラングレ、アルバ、アルトゥールがベンチスタート。ブスケツが累積により出場停止です。若きカンテラーノ、アレニャに期待がかかります。
一方のバレンシアは左SBのガヤ、さらにはアタッカーのゲデスが負傷により欠場。マルセリーノお馴染みの4-4-2でバルサに挑みます。
前半です。
ボールを支配するバルサとしっかりブロックを作ってカウンターを狙うバレンシアという予想通りの構図。バレンシアはハイプレスをかけずじっくりとバルサを自陣におびき寄せ、鋭いロングカウンターでバルサ守備陣を脅かし続けます。前半いきなりメッシのパスをカットすると鋭いカウンターを仕掛けます。このピンチはテアシュテーゲンのスーパーセーブとポストによって救われますが、脅威を感じるには十分すぎるシーンでした。
前半24分、バレンシアは自陣中央でメッシからボールを奪うとそのままロングカウンター。ロドリゴがスピードを活かしラキティッチを振り切るとスルーパス。走りこんだガメイロが流し込みバレンシアが先制。メッシのところがファウルっぽくもありましたが、判定は覆らず。ロドリゴとガメイロの好連携が光った得点です。
前半32分、ガメイロとピケが衝突し共にピッチを離れている時間にスコアが動きます。左サイドを抜け出したチェリシェフがクロス。これに走りこんだヴァスをセルジ・ロベルトが倒し、バレンシアにPKが与えられます。これをパレホがしっかりと沈め、バレンシアに追加点。バルサは2点のビハインドを背負います。
しかし前半39分、バルサが1点を返します。セメドをラトが倒し今度はバルセロナにPK。これをメッシが決め。1-2。バルサにとっては後半に希望のもてる得点です。
◎アレニャとビダル、前で仕事をしたい系インテリオール
前半は2失点を喫してしまったバルセロナですが、この試合の中盤はラキティッチ、ビダル、アレニャと新鮮な顔ぶれになりました。この3人とブスケツ、アルトゥールはそれぞれタイプが違いますが、アレニャとビダルは間違いなくアタッキングサードでプレイしたい選手。アレニャはこの試合でも積極果敢にスルーパスやミドルシュートを狙ったように明らかにラスト30メートルで違いを生み出せるタレントです。一方のビダルもネガトラ鬼プラスと前線への飛び出しを武器にしている選手なので、後方でバランスを取るタイプではありません。さらにバレンシアが後方に4-4のブロックを敷いてきたことでバルサはSBが高い位置を取り、後方は2CBとラキティッチがバランスを取る形になりました。2トップを3枚で見る形ですね。しかし、案の定バレンシアはラキティッチの両脇のハーフスペースを狙ってきました。例えばグアルディオラ率いるシティは「偽SB」としてウォーカーやデルフを内側に配置することでアンカー脇をプロテクトしますが、この試合におけるバルサのリスクマネジメントは不十分だったと言えるかもしれません。アルトゥールがいれば気を利かせてアンカー脇を埋めてくれているのですがね。前半のバルサは特に中盤でパスをカットされることが多く、さらにネガトラにより奪回もあまり上手くいかなかったため、カウンターに晒されることが多かったですね。
◎ピケの衰え、痛いユムティティの離脱
今シーズンのバルサはピケとラングレがCBが務めています。今期新加入のラングレは非の打ち所がなく、まさに獅子奮迅の働きを見せています。ピケとのコンビネーションも良く、ビルドアップ、空中戦、ロングフィード、戦術眼などバルサのCBに求められる資質をハイレベルで備えています。しかし、今シーズンは相方のピケのフィジカル面での衰えが顕著です。08-09シーズンからバルサの守備陣を支え続けた男ですが、32歳を迎えた今シーズンはさすがに衰えが隠せなくなってきています。元々スピードがあるタイプのCBではないため、今シーズンはスピードのあるアタッカーに対して後手を踏むシーンが散見されます。コパセビージャ戦ではプロメスに置き去りにされ、ヴェルマーレンとコンビを組んだこの試合でもロドリゴ&ガメイロのスピードのある2トップに翻弄されました。バルサというチームはどうしてもボール保持の時間が長くなる分、後方に広大なスペースができてしまいます。だからこそバルサのCBには「対人お化け」が求められるわけです。身長の低いマスチェラーノがあれだけCBとして重宝されたのはこのような背景があるのです。ラングレも対人は悪くありませんが、圧倒的というわけではありません。だからこそユムティティの離脱が痛い。彼のようにフィジカルの強さと足元の技術が兼ね備わっている選手は世界に多くいません。一刻も早い復帰が望まれます。あとは、トディボにも期待です。彼のプレーをフルで見たことがないのでまだ何も話せませんが、フランス産のCBはエグいの多いですからね笑
後半です。
後半開始からバルサはセメドに代えてアルバを投入します。アルバが入ることで途端に左サイドが活性します。アルバの投入によりさらに相手を押し込みます。ネガトラの速さでボールをすぐさま奪い返しショートカウンターで多くのチャンスを作ります。時折、バレンシアのカウンターで決定機を作られますがなんとか防ぎます。
後半18分、スアレスが中央左よりでボールを持つと単独で仕掛けます。これはCBに止められますが、すぐさまビダルがボールを拾うとすぐさま横のメッシにパスをすると、メッシが左足を一閃。エースの完璧な一撃でバルサが同点に追いつきます。
その後は一進一退の攻防が続きますが、スコアは動かず。2-2の引き分けに終わります。
【雑感】
勝ち点2を失った試合ととるか、1ポイントをもぎ取った試合ととるかは意見が分かれるところでしょうか。過密日程が続くのでローテーションは好意的に受け止めたいところ。アレニャは攻撃面では素晴らしいパフォーマンスを披露しましたが、メッシのいる右サイドに置くのは守備面で厳しいものがあったかもしれません。バルサの右インテリオールのタスクは難しいですからね。メッシはさすがの2ゴールでしたがロストやバスカットされるシーンが時折見られたのが気になりました。まあ彼も人間ですからね笑。次はコパクラシコですか。難しいゲームが続きますね。上手くやりくりして欲しいところです。
バレンシアは素晴らしい守備ブロックとカウンターでした。特に1点目はボールを奪ってから守備時の幅のまま中央を攻略しての得点でしたので完璧でしたね。課題を挙げるとすれば遅攻でしょうか。カウンターが脅威になる一方で、バルサの守備が整って仕舞えばなかなかボールを運ぶのに苦労していた印象です。復調傾向にあると思うので、後半戦の躍進に期待ですね。そろそろゲデスが見たいところです。
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