Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

リオネル・メッシの退団

終わってしまった。突然に、本当に突然に物語は終わってしまった。

 

本来であれば終わるはずではなかった。昨夏の時点で切れかかっていた縁は、ゆっくりと時間をかけて修復していった。両者の関係は再び永遠に向かうものと思われていた。本当にその寸前まで達しようとしていた。

 

しかし、現実は本当に残酷であった。

 

2021年8月5日、FCバルセロナは経済的な理由により、リオネル・メッシとの新契約が不可能になったことを発表した。

 

昨夏、メッシがバルセロナを去る決断をし、時の会長、ジョゼップ・マリア・バルトメウにその試みを阻まれたことは周知の事実である。あの瞬間メッシとバルサの関係は終わる寸前だった。

 

精神がボロボロになるまで追い込まれた背番号10だったが、それでもピッチに立ち続けた。そんなキャプテンを支えるように若い力が台頭した。そして彼らに呼応するように本来のパフォーマンスと笑顔をメッシは取り戻したのであった。

 

バルトメウという劣悪な暴風雨が去った後のバルサとメッシの関係はこれまで通りの雲ひとつない完璧なものへと戻ったはずであった。

 

リーグとCLのタイトルは逃したものの、国王杯のタイトルを獲得できたことはシーズン前の状態から考えると上出来以外の何物でもなかった。世代交代にも成功し、会長もメッシと旧知のジョアン・ラポルタが就任したことで、バルサを取り巻く空気は限りなくポジティブなものへと変換された。

 

『一度は退団を決意した失意のキャプテンが、若い選手たちと共に再び立ち上がり、タイトルを獲得。代表でも成功を収め、メンタル的に充実。チームの財政を鑑みて50%の年俸のカットを受け入れ、2026年までの契約延長にサインする。』

 

最高の筋書きはあっさりと覆された。

 

世界最高、恐らく歴代最高の選手が経済的な理由により、21年間過ごした愛するクラブを追われたのである。こんなに残酷なことがあるだろうか。

 

彼のプレーでどれだけの人間がバルセロナのサポーターになっただろうか。彼の左足がどれだけバルサに勝利をもたらしてきただろうか。彼の存在がFCバルセロナというクラブの格をどれだけ押し上げてきただろうか。どれだけのファンがリオネル・メッシという選手に夢を見せられてきただろうか。

 

そのような選手が迎える幕引きとして、今回の退団劇はあまりにお粗末で残念である。本当に受け入れ難い。クラブの公式発表を見ても、ラポルタの会見内容を伝え聞いても、現実に起こっていることだとは到底思えない。数日前まで誰しもがメッシの契約延長を疑っていなかったのだ。現実感はまるでない。

 

極東の一ファンでもそうなのだから、メッシ当人の心情を考えると本当に胸が痛い。これほどクラブに貢献してきた選手をこのような形で見送らなければならないことが辛い。もっと相応しい終わらせ方ができなかったのだろうか。

 

やはり怒りの矛先は前会長へと向かう。ゴミのようなプランと計画性のない補強で、メッシを怒らせ、退団寸前の精神状態まで追い込んだ彼を、結果的に経済的な理由でメッシが退団せざるを得ない状況を作った彼を許すことは到底できない。彼のような低俗な会長を生み出したことはソシオ制最大の汚点であり、歴史の1頁に刻み込み、教訓とすべきである。

 

僕がバルサを観始めたのは丁度メッシが10番をつけてプレーした最初の年であった。僕の知るバルサはメッシのいるバルサであり、それ以外ではない。当然、いつかは覚悟してた。でも、こんな終わり方は想像すらしていなかった。決して受け入れることはできない。

 

今はメッシに対して「ありがとう」の気持ちすら見つからない。バルサでプレーをしているメッシが見たい。それだけである。

 

 

 

駄文、大変失礼いたしました。