Hikotaのバルサ考察ブログ

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【考察】ラフィーニャ不在をバルサはどう埋めるべきか

こんにちは。Hikotaです。

さて、本日は4月以降の戦いに向けて最も重要な論点についてつらつら書いていきたいと思います。

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今季4度目の離脱を強いられることに

「FIFAウイルス」と呼ばれる厄介な病原菌は、今季も世界中のクラブを脅かしています。今季のバルセロナもその例に漏れることはありませんでした。

2026年3月末にアメリカの地で行われた親善試合のブラジル対フランスにて。先発出場したラフィーニャは負傷によりハーフタイムでの交代を余儀なくされます。

その後、クラブから発表された離脱期間は4〜5週間。小さいものも含めると今季4度目の離脱になってしまいました。全く負傷離脱がなく、バロンドール級の活躍を見せた昨季とは対照的に、今季はコンディション不良に苦しみ続けるシーズンとなってしまいました。

また、ラフィーニャのような南米の選手にとっては、インターナショナルウィークは長い大陸間移動が付き物で、ヨーロッパの選手に比べると身体に与える負担は大きいものがあります。

現在プレミアの某チームの代表離脱が話題になっていますが、こういったことが起こらないためにもカレンダーは何とかしたいものです。年間70試合以上をこなすのは多くのスター選手にとって現実的ではありません

そして、ラフィーニャの不在がバルサに与える影響は計り知れないものがあります。

集計したところ、今季のラフィーニャ出場時の勝率は約87%(31試合)を誇りますが、対して不在時は60%(15試合)まで低下する結果となっており、露骨に重要性が数字に表れています。

前置きが長くなりましたが、今回はなぜラフィーニャがフリックバルサにとって欠かせないのか、そしてラフィーニャ不在時にバルサはどう戦うべきなのか、その2点について書いていきます。

 

バルサ加入以降の歩みを振り返る

まずは少し歴史を振り返りましょう。2022年夏にリーズからバルセロナに加入したラフィーニャですが、加入から1年半は平凡なパフォーマンスに終始します。

22−23シーズンの最終形

ウインガーをタッチラインいっぱいに開かせるシャビ監督の戦術のもとで、主に右WGとして多くの試合に出ますが、大外に固定されるタスクでは期待値に応えることは叶いませんでした。

バルセロナが求める大外での単騎突破力に乏しく、無理矢理相手を抜こうとしてゴールラインを割ってしまうこともしばしば。懸命に守備のタスクをこなし、背後を狙う動きは一定の評価が上がったものの、シュートが枠に飛ばずに多くの決定機をフイにしました。

最初の1年半は「ワーキング・ウインガー」としては優秀、程度の評価でした。そのため、毎試合のように60分過ぎにベンチに下げられ、怒りを露わにするシーンも少なかったです。本人は今でもこの時期の早期交代について恨み節が止まりません。

ただし、シャビの名誉のために言っておくと、今のラフィーニャのブレイクのきっかけを作ったのもシャビでした。

23-24シーズンの後半戦。台頭するラミン・ヤマルが右サイドのポジションを手中に収めたタイミングで、シャビはラフィーニャの左サイドへのコンバートを決断します。

23-24シーズンのシーズンの最終形

当時の左SBが大外でバリューを発揮するジョアン・カンセロだったこともあり、ラフィーニャはここでバルサ加入以来はじめて「大外のタスク」から解放されることになります。

自由の身になったラフィーニャはここから水を得た魚のように活躍を始めます。左のハーフスペースから持ち前の走力を活かして、エリア内に飛び込む形で多くの得点を生み出し始めます。

記憶に残るのはやはりPSGとのCL準々決勝でしょう。左サイドで先発したラフィーニャは2戦合計で3得点を記録する大活躍を見せました。チームは敗れたものの、この2試合は彼にとって1つの転機となったのではないでしょうか。

移籍騒動を乗り越えた3シーズン目に監督に就任したのはドイツの名将であるハンジ・フリック。ここでラフィーニャの才能は劇的に開花することになります。

24-25シーズンの最終形

フリックが持ち出した狂気的なハイラインとオフサイドトラップを用いた守備戦術の採用により、シャビ時代に比べるとアタッカーが「下がって」守備をする必要性は格段に薄まりました

上記を背景に、ラフィーニャもエネルギーを敵陣でのプレッシングとボール保持時により多く使うようになりました。その結果、過去2シーズンとは別人のように得点とアシストを量産していきます。

最終的な個人成績は57試合で34ゴール22アシスト。過去2シーズンは20G/Aに留まっていたことを踏まえると、信じられない変化です。駆け出しの若手ならいざ知らず、28歳でここまでのブレイクスルーを遂げる選手は珍しいのではないでしょうか。

 

ラフィーニャが欠かせない3つの理由

「フリックバルサの申し子」と表現して差し支えない活躍を見せているラフィーニャですが、彼がチームに欠かせない理由はどこにあるのでしょうか。今回は大枠3点にまとめました。

①「裏」・「幅」・「手前」を使い分けて

前述した通り、シーズンを経るにつれて「古典的な大外ウイング」から「中央を主戦場としたセカンドトップ」に変貌を遂げたラフィーニャ。ポジションレスに動き回ることでマーカーを撹乱し、スペースを突くことに特長があります。

セカンドトップとしてのラフィーニャが素晴らしいのは2ライン間から背後を狙うだけでなく、時にを取ってドリブルを仕掛け、時に手前に落ちて味方と繋がるなど、動きが多彩である点でしょう。背後ばかり狙う選手の動きは捉えやすいですが、変幻自在に動く彼のオフザボールは分かっていても掴まえるのは至難の業です。

中央で味方と繋がるスキルが向上した

現在のバルサには世界最高のパサーと世界最高のクロサーがいますが、それは受け手がいてこそ真価を発揮するもの。ペドリやヤマルのラストパスのファーストチョイスとしてラフィーニャは機能し続けています。

彼が受け手として優秀なのは、ボールホルダーや周囲の味方の状況を冷静に見れることでしょう。ラインブレイクが独りよがりではなく、ホルダーと胸を合わせて最良のタイミングを図ることができるスキルは、足の速さ以上に重要な要素です。

ラフィーニャが不在のバルサは、途端にオフザボールの量が減り、それは攻撃の停滞に繋がります。足元でボールを受けたがる選手が多いバルサにおいて、ボールを持たずして相手に脅威を与えるタイプのアタッカーは貴重な存在なのです。

②爆発的な走力を活かしたプレッシング

爆発的な走力はボール保持時のオフザボールだけで活きているわけではありません。ラフィーニャをより重要な存在たらしめているのは、相手への強烈なプレッシングの先導者であることです。

前述の通り、フリックバルサはアグレッシブなハイラインとオフサイドトラップ戦術を採用しています。厳格な指揮官から「ラインを下げるな」と指示を受けた選手たちは、世界で最もスリリングな守備を披露しています。

アグレッシブなスタイルの生命線になっているのが、「ボールホルダーへのプレッシング」です。特にゾーン2以降で相手にオープンでボールを持たれると背後に抜けられるリスクは極めて大きく、そのシチュエーションは即座に決定機に繋がることになります。

このプレッシングの命運を握っているのがラフィーニャなのです。彼が先鋒となり、相手のCBに激しくプレッシャーをかけることで、チームのプレッシングのボルテージは一気に上がります。ホルダーへのアプローチスピード2度追いを厭わないスタミナは他の選手には決してないスキルです。

プレッシングが優れているのはフィジカルだけが要因ではありません。特筆すべきはランニングコースの巧みさです。闇雲に追うのではなく、確実にパスコースを切りながら相手にアプローチしていることが分かります。

更に上手いなと思うのは、真っ直ぐにアプローチに行かずに、小刻みにランニングコースを変えながら相手に近づいていく動作。ホルダー目線で言えば複数の選択肢をラフィーニャに制限されている感覚になるため、結果苦し紛れのロングキックを誘発したり、ミスを誘ったりします。

あまりにもリスキーなフリックバルサの守備戦術をギリギリのところで支えているのがラフィーニャであり、彼の不在でバルサのバックラインはより無防備な状態に陥ってしまうのです。彼と同じレベルの非保持のタスクがこなせるアタッカーは世界にそう多くはないでしょう。

③ピッチで発揮するキャプテンシー

シャビ時代は少々不満分子感もあったラフィーニャですが、今や真のリーダーとして眩いばかりの存在感を放っています。

今季開始時点でバルサの上位3名のキャプテンは、テア・シュテーゲン、ロナルド・アラウホ、フレンキー・デ・ヨングの面々でした。しかし、テアは冬の移籍市場で退団し、アラウホは試合から遠ざかり、フレンキーはラフィーニャと同じく細かい負傷で稼働が安定しないシーズンを送っています。

必然的に、彼らに次ぐカピタンであるラフィーニャが腕章を巻く試合が今季は増えています。そして、現在のバルセロナで最もキャプテンマークが似合う選手は満場一致で彼なのではないでしょうか。

キャプテンマークが似合う選手になった

10代〜20代前半の選手が大半を占める現チームにおいて、ラフィーニャはいい兄貴分で、精神的支柱であり続けています。誰よりも走ることで背中でチームを牽引し、苦しい時にはチームメートを叱咤激励で鼓舞する姿は頼もしく映ります。

数字に表れない部分で、ラフィーニャのキャプテンシーに救われているのは間違いないとおもいます。

 

ラフィーニャ不在をどう埋める?

まず大前提として、これだけ戦術的に不可欠な存在が欠けたとしても、フリックは自身の哲学に対するこだわりを軟化させることはないでしょう。ラフィーニャが離脱した前半戦もラインを下げて、より現実的な戦法にシフトすることはありませんでした。

なので、基本的にやり方は変わらないと思います。その上で、ラフィーニャの不在によるダメージをいかに和らげるか?が焦点になってくるのではないでしょうか。

ラフィーニャの不在で最も致命的になるのはプレッシングの部分で、現スカッドで彼と同じだけのパフォーマンスを出せる選手はいません。ボールを奪う力、相手のボール保持から自由を奪う力は間違いなく低下するでしょう。

となるとバルサが取るべき方法は中盤の構成力を高め、ボール保持の密度を上げることでしょう。アップテンポな展開を減らし、クローズドなボール保持のフェーズを増やすことで守備の時間自体を削ることが必要になってくるはずです。

ここで注目したいのは中盤の構成です。ペドリ、マルク・ベルナル、フレンキー・デ・ヨングの3名は、実はまだピッチに揃い踏みしたことがありません。まずは彼ら3名をピッチに並べるところから、4月はスタートするのではないかと見ています。

まずは3人を並べてみるのではないか

この3名の役割分担としては、流動的にポジションを変えながらベルナルが右寄りのアンカータスクペドリが左ボランチ↔︎左IHフレンキーが高めの位置で積極的にエリア内に侵入していくことになるでしょう。また、相手によってフレンキーとダニ・オルモを使い分けていくのがいいでしょう。

そして空いた左ウイングのポジションには、フェルミン・ロペスを入れるのが最もベターな選択肢ではないでしょうか。今季はここまで12ゴール16アシストを記録しており、ヤマルの次にゴールを生み出しているのがこの選手です。

今季公式戦12G16Aの成績を残す

最近は良くも悪くも「中盤離れした」プレーを披露しており、彼はアタッカー枠として考えたいと思っています。将来的なラフィーニャ退団後は彼が左ウイングを務めることを想定して、固定して使ってみて欲しいなという願望を個人的に持っています。

フェルミンは背後にも走れますし、ムラはありますがトランジションの部分で強度を出すことも可能です。中央のスペースで単騎でマーカーを剥がすスキルに関してはラフィーニャよりも得意だと思います。

何より、バルサの左ウイングはフィニッシャーとして機能することが求められるため、単純な思考ですが、数字が出せる彼を置くことは理に適った選択肢にはなるでしょう。

ただ、今季フェルミンとオルモが同時起用される際はオルモが左を務めることが多いので、フリックのプランは少し違うかもしれません。オルモは真ん中の方が好きなのですが。

シンプルに左ウイングの2番手であるラッシュフォードを起用する手もありますが、彼をスターターとして常時起用するのは避けた方がいいでしょう。得点が必要な際のジョーカーとして待機してもらうのが最も現実的な起用法と考えます。

むしろ、ここ最近目覚ましいパフォーマンスを見せているカンセロを一列上げるプランの方が現実的でしょうか。圧巻の攻撃力を見せているカンセロですが、相変わらず守備の部分は不安定なままなので、バルデの復帰後は彼らを縦に並べるオプションも想定可能です。

本来であれば、ここにガビの名前もあげたいところです。非保持の強度を出すという意味では22−23でその実力は実証済みです。

今季負担を背負わせることは避けたい

ただ、長期離脱から帰ってきたばかりの彼に多くを背負わせるのは得策ではないでしょう。フリックは怪我明けの選手に対する起用は慎重な傾向があり、今季前半戦のベルナルと同じようなプレータイムに留まるのではないでしょうか。

まとめると、ラフィーニャが離脱する4月は下記のような形をベースに推移していくのではないかと考えます。

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あとがき

色々書きましたが、やはり整理していくとラフィーニャの穴を埋めるのは容易ではありません。こう言っては元も子もないですが、1番の解決策は彼に1日でも早く戻ってきてもらうことでしょう(笑)

結局1番の解決策は早く帰ってきてもらうこと

ただ、彼ももう29歳ですし、フルスプリントが多いプレースタイルから細かい筋肉系の負傷とはこれからも付き合っていく必要があるのは間違いないです。バルサとしても彼がいない時の解決策は今の段階から模索していかなければなりません。

それにしても、こんなにもラフィーニャがバルサにとって不可欠な存在になるということは全く想定の範囲外でした。2年前の自分が「ラフィーニャはバロンドールの有力候補になる」と聞いていたら間違いなく笑い飛ばしていましたと思います。

エリックの記事でも書きましたが、線でチームを追っていると選手の成長や変化を見られて楽しいですね。こういう選手のストーリーを書きたくて細々とブログを続けているところはあります。

ラフィーニャの素早い回復と、今季残り試合でのバルサの成功を願って記事は締めたいと思います。早く帰ってきてください!

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↑後半戦は毎試合マッチレビューも書いているので是非!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。