Hikotaのバルサ考察ブログ

主にFCバルセロナが好きです。他サポの方大歓迎です

【マッチレビュー】25−26 ラ・リーガ第29節 バルセロナ対ラージョ・バジェカーノ

こんにちは。Hikotaです。今更ですが、ラポルタが会長に再任しましたね。既定路線ですが!

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試合背景

ホームのバルセロナは23勝1分4敗で首位を走ります。2位マドリーとは勝ち点4ポイント差で優勝争いはまだ続いている状況です。マドリーは1月のどん底状態からは抜け出した感もあり、簡単に勝ち点を落としてくれる雰囲気ではありません。

また、4日前にCLのニューカッスル戦で強度の高いゲームをこなしていることから、ホームでの連戦とはいえ疲労が気になるところではあります。この後は代表ウィークも控えているので、選手の過負荷は避けたいところです。

アウェイのラージョは7勝11分10敗の13位。降格圏の18位との勝ち点差は前節終了時点で6ポイントとなっています。8位フィニッシュで欧州カップ戦の出場権を獲得した昨季と比べると、勝ち点を積むのに苦労しているようです。

リーガでの躓きの一方で、ヨーロッパでの舞台では進軍を続けており、初参戦のカンファレンスリーグではベスト8に進出を果たしています。そのため日程は厳しくなっており、バルサより1日少ない中2日でこのゲームに臨むことになりました。

両チームの前回対戦は今季第3節。通信機器の不良でVARが利用不可になるという珍事があったゲームは、1-1の引き分けに終わっています。

 

スタメン

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バルセロナ

CLのニューカッスル戦から中3日のバルサは1名の先発メンバー変更。ニューカッスル戦で負傷交代したエリックに代えて、アラウホがスターティングメンバー入りします。疲労が気になるところですが、あまりメンバーを代えてきませんでしたね。尚、スタメンを外れたエリックもベンチには入っています。

欠場者は引き続きクリステンセン、バルデ、クンデ、フレンキー。クリステンセン以外の3人は4月中の復帰が見込まれています。

ラージョ

一方のラージョは3日前のECLのサムスンスポル戦から5名先発を入れ替えてきました。中盤から前の選手はイシ以外総取っ替えですね。デ・フルートスやアルバロといった主力組のアタッカーはベンチスタートになります。

主な欠場者はメンディ、トレホ、イリアス。CBのメンディは前節のレバンテ戦で退場処分を受け、このゲームは出場停止となります。

 

試合展開

前半

・ハマらないラージョのプレス

開始早々にラージョはバルサの弱点であるSB裏のスペースを突いて決定機を迎えます。これはジョアン・ガルシアのスーパーセーブで難を逃れますが、いきなり危ないシーンを作られ、ひやっとしました。

しかし、ラージョは開始1分の決定機の次のシュートを放つまで40分以上の時間を要すことになります。このゲームの前半はバルサのボール保持に対して、ラージョのプレッシングが上手くハマらなかったことがトピックの1つとして挙げられるでしょう。

バルサのボール保持に対してラージョは前線からのプレスを敢行しますが、このプレスの掛け方が今のバルサにはあまり有効ではなかったと思います。

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ラージョはプレスの特徴は、WGがCBにプレスをかけずに中央のユニットだけでバルサのCBと中盤3枚を管理することです。つまり中央は4対5の数的不利で対応することになるわけです。

具体的に言うと、CFのイシは左CBのマルティンをケアし、右CBのクバルシに対しては左IHのグンバウがジャンプして対応することになります。その分中盤3枚のマークは受け渡しながら対応することになります。

対バルサだと、どちらかと言うとマルティンがジャンプ側の対象になることが多いのですが、ラージョの対応は違いましたね。ここ数試合のマルティンの活躍を踏まえると、彼を放置するのもそれはそれで危険という評価なのかもしれません。

バルサからするとラージョのこのプレスのやり方は中央でフリーの選手を作りやすい分、プレス回避にはそれほど苦労しませんでした。ペドリ、ベルナル、フェルミンが上手く立ち位置を入れ替えながら前進する形は作れていました。

 

・「省エネモード」で効率良く先制

ニューカッスル戦の疲労を抱えるバルサはこのゲームは「省エネモード」で対応。要所ではきっちり走るものの、激しいプレッシングやアップテンポのボール保持を控える形でのらりくらりとゲームを進行させます。

前述の通り、ラージョのプレスにはあまり苦戦しなかったため、上手く敵陣での時間を増やしながらゆったりと得点を狙っていきます。

ただ、ニューカッスル戦でフルタイムで出たヤマルとラフィーニャの両ウイングの状態が悪く、なかなか崩すまでには至りません。違いを作っていたのはフェルミンで、切れ味鋭いターンで幾度となく局面を打開していました。

やや停滞感が漂う展開の中で、スコアを動かしたのはセットプレーでした。

24分。アラウホが敵陣でインターセプトして奪ったところからコーナーキックを獲得します。右からのコーナーはクリアされますが、再度獲得した左コーナーをカンセロが蹴り、ファーサイドでアラウホが頭で合わせてバルサが先制に成功します。

フリックバルサは意外にセットプレーに強く、特にここ最近はプレースキックからの得点が多くなっています。難しい展開の時にセットプレーでスコアを動かせるのは美点です。フリック政権になってカンセロがキッカーを務めた記憶はないのですが、良いキックでした。アラウホもよく決めましたね。

以降は大きなチャンスを迎えるわけでもなく、ペースを落としながら試合を進めるバルサ。対してラージョもそれほど無理して攻めるようなことはありませんでした。結局前半で彼らが放ったシュートは最序盤の決定機と43分のセットプレーのみでした。

彼らも彼らでミッドウィークの疲労を抱えているのもありますし、デ・フルートスやアルバロといった主力アタッカーをベンチに残しているため、ビハインドを最小に前半を折り返せるのは悪くないという判断だったかもしれません。

前半はこのまま1-0で終了。バルサが1点リードでハーフタイムを迎えます。

後半

・フェルミン交代で失った推進力

両チームともにハーフタイムに動きました。バルサは4戦連続の先発でプレータイムが嵩んでいたレバンドフスキを下げてフェランを投入。ラージョはアンカーのバレンティン、WGのカルロス・マルティンを下げてエスピノ、アルバロ・ガルシアを投入します。

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エスピノは本来SBの選手ですが、アンカーで起用されることになりました。前半はバレンティンがフェルミンに押され気味だったので、ここの対応を強化したい意図でしょうか。

後半開始からゴールに迫ったのはやはりバルサですが、後半に入ってもややエネルギーが足りない様子で淡白な攻撃に終始します。ビハインドであればハーフタイム明けにギアを上げてくることが多いのですが、この試合はリードしていることもあり、省エネの姿勢に変更はありませんでした。

その中で前半同様に前線を牽引していたのはフェルミンだったと思います。ポケットへのランニングやラフィーニャへのラストパスでチームを活性化させていました。

しかし、61分にフェルミンはベルナルとともに交代を命じられてしまいます。代わって入ったのはオルモとカサド。そのままのポジションで入ります。

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フェルミンは50分過ぎに太腿を痛めたような様子もあって大事を取ってということなのかもしれませんが、ニューカッスル戦でも70分前に交代していまたし、本人としては消化不良でしょう。ヤマルとラフィーニャがアンタッチャブルな存在なのは不文律とはいえ、今日の出来で真っ先に下げられるのは本人としては納得感がなさそうです。

そして、この試合で最も脅威になっていたアタッカーを下げたことで推進力を失ったバルサは、主力組のデ・フルートスとウナイ・ロペスを投入したラージョにじわじわ追い込まれていくことになります。

 

・チームを勝たせる守護神の存在

交代直後、入ったばかりのカサドの空中戦の部分を早速狙われてコーナーキックを献上すると、こちらも投入されたばかりのウナイ・ロペスが決定的なヘディングシュートを放ちます。これは何とかジョアン・ガルシアのスーパーセーブで難を逃れます。

フェルミンとベルナルの交代以降、バルサのシュートは68分のセットプレーからのシュート2本に留まっており、流れの中からのフィニッシュは60分のフェルミンのシュートがこの試合で最後になりました。

ファウルを辞さないラージョの姿勢とファウルを取らないジャッジの傾向もあり、徐々に保持でリズムを失っていきます。後半開始から投入されたフェランは亡霊のように存在感がなく、ヤマルとラフィーニャはイージーなミスを繰り返して攻撃の機会を潰し続けました。

見兼ねたフリックは珍しくヤマルを下げることを決断。82分にラッシュフォードを投入します。ラフィーニャもパフォーマンスは良くなかったですが、非保持のことを考えると下げられないという判断でしょう。

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攻めあぐねるバルサを尻目に、ラージョは終盤に決定機を掴みます。83分にはエスピノが2列目からの飛び出しでオフサイドラインを掻い潜って抜け出し、GKとの1対1を迎えますがシュートを上に外してしまいます。これが一番の決定機だったので救われました。

エルチェ戦の失点(下画像)を彷彿とさせる抜け出され方でしたね。オフサイドポジションにアタッカーを置いてバルサのラインを高い位置で止め、その後方から人が飛び出してくるやり方は非常に対バルサで有効な連携です。

エルチェ戦失点シーン

89分にはラッシュフォードとカンセロの拙守から左サイドを壊され、デ・フルートスに決定的なシュートを放たれますがこれもジョアンがストップ。この試合2つ目のビッグセーブでチームを救います。

また、ジョアンが素晴らしいのはシュートストップだけではなく、クロスに対する反応です。ポジショニングと準備が良いので、相手の球足の速いクロスに対しても余裕を持ってキャッチすることができます。シュートストップに比べると目立ちませんが相手のチャンスを摘んでくれる大きなプレーです。

前半には足を痛めた様子でシュチェスニーが準備するシーンもありましたが、結局ジョアンが最後までプレーしました。ニューカッスル戦で負傷交代しただけに心配ではありましたが、彼が最後までピッチに立っていなければ勝ち点3は難しかったかもしれません。

90分には限界を迎えたカンセロを下げてエスパルトを投入します。エスパルトは4戦連続で出場することになりました。怪我人多発の状況とはいえ、しっかりフリックに評価されていますね。

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試合はこのままバルサが逃げ切って1-0で終了。苦しみながらもバルサが何とか勝ち点3を手にしました。

雑感

ニューカッスル戦の疲労を色濃く感じる苦しいゲームでした。これだけ疲れているのであればもう少しメンバーを入れ替える余地はあったのではないか?と思ってしまうところはあります。

ただ、この試合でベンチに入っているメンバーで本当の意味でフリックの信頼を勝ち得ているのはオルモくらいなのでしょうし、そのオルモもパフォーマンスが良いとは言えない出来だったと思います。選手起用は悩ましいところです。

ただ、疲れているのはラージョの方も同様で、彼らも得点を奪うだけのエネルギーが足りなかったように見えました。やはり欧州カップ戦との二足の草鞋は大変です。選手は入れ替えたとしても、週末の試合への準備期間が十分に取れないのはオトラのクラブとしては難しい部分はあるでしょう。

マンオブザマッチは言うまでもなく、ジョアン・ガルシアでしょう。足の状態は気になるところですが、初めての代表招集を楽しんできてほしいですね。今のパフォーマンスであればW杯本大会に行く資格は間違いなくあるでしょう。

そして、最近毎試合のように褒めている気もしますが、クバルシとマルティンの2CBはまたしても賞賛に値するプレーを見せました。

19歳と24歳のコンビとは思えないほどプレーに安定感があり、大きな怪我をしない耐久力を誇る彼ら2人の存在で今季のバルサは救われています。全く休ませられる見込みは立ちませんが、怪我なくシーズンを完走してくれることを祈るばかりです。

さて、この後インターナショナルウィークで2週間近くのインターバルを挟み、チームはアトレティコとの3番勝負に挑むことになります。ワンダ・メトロポリターノでのリーグ戦がファーストラウンドになります。

国王杯で敗退を喫した屈辱を考えればフリックとチームは当然3試合とも勝つ気でいるでしょう。代表戦で怪我人が出ないことを祈りながら、大一番を楽しみに待ちたいと思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。