こんにちは。Hikotaです。フィナリッシマの中止が本当に残念です。メッシと若いバルサの面々との邂逅を楽しみにしていました。
試合背景
ホームのバルセロナはここまで22勝1分4敗でラリーガの首位に立ちます。2位マドリーとの勝ち点差は暫定で1ポイントとなっており、タイトルレースは僅差で続いています。
ただ、中2日でニューカッスルとのCLラウンド16の2ndレグが控えており、当然そちらの日程も考慮しながらこのゲームに臨むことになるでしょう。
一方のセビージャは8勝7分12敗の14位に位置します。降格圏とは僅か6ポイント差で、まだ残留争いからは抜け出せていない状況です。2010年代はヨーロッパリーグで無類の強さを誇ったチームですが、過去3シーズンは財政難の影響で、2桁順位に沈んでいます。尚、直近5試合は1勝4分の戦績で勝ち点を積んでいる状況です。
前回対戦は昨年の10月。ホームのセビージャが積極果敢なプレッシングでバルサを圧倒し、4-1で勝利しています。バルサからすると今回はリベンジを期した一戦になります。
スタメン

バルセロナ
ニューカッスル戦から中4日のバルサは3名の先発メンバー変更。アラウホ、フェルミン、ヤマルに代えて、エスパルト、オルモ、ルーニーがスターティングメンバー入り。
ヤマルの先発落ちは1/8のスーペルコパ準決勝のアトレティック戦以来となりました。エスパルトはこれがプリメーラデビューとなります。尚、ガビはこの試合からメンバーに復帰。第2節以来のベンチ入りとなります。
欠場者はクリステンセン、バルデ、クンデ、フレンキー。
セビージャ
先週末のラージョ戦から2名先発を入れ替えてきました。 変えてきたのは両SB。アスピリクエタ、サラスに代えて、カルモナ、スアソが先発に選ばれます。
主な欠場者はマルコン、キケ・サラス、ペケ・フェルナンデス。
試合展開
前半
・不器用だけど最低ラインは保証する
前半戦での対戦時と同様、セビージャはマンツーマンの色が強い非保持を披露します。CBとCF以外はマンツーマンで対応するのが原則で、受け渡しはあるものの、基本的には人ベースでマークについていくのが原則になります。

ただし、後方はCBが1枚余るのが原則になるため、必然的にバルサ側もCBの1枚が余る形になります。フリーになるのは最もボールスキルが劣る左CBのマルティンであることが多かったです。彼にボールを誘導しながらタイミングを見て襲いかかってボールを奪う意図はあったと思います。
しかし、バルサはその意図を逆手に取ります。
8分。バルサの自陣でのビルドアップから。センターサークル手前でマルティンがフリーでボールを持つと、アグメがペドリのマークを捨てて突撃してきます。このアプローチに対してマルティンは落ち着いて左大外のカンセロへボールを逃します。

カンセロはスルスルドリブルで持ち上がって相手を引きつけると、左のポケットに走ったラフィーニャへパス。ラフィーニャのヒールでの落としをエリア内で再度受け取ったところで相手に足をかけられてPKを獲得します。これをラフィーニャがきっちり決めてバルサが早い時間帯に先制します。
前述の通り、マルティンのボール出しは怪しい部分があり、絶好のパスのタイミングを逃してチームメイトに叱られるシーンも珍しくありません。しかし、壊滅的に苦手かと言われればそうでもなく、不器用ながら良い持ち出しやフィードが飛び出すことは実は少なくありません。
前回対戦で同じようにプレッシングのターゲットにされたのはアラウホでした。彼は見事にカモにされ、ハーフタイムでの交代を余儀なくされました。
それに比べるとマルティンはミスもありながらも、セビージャのプレッシングに対して刺さることはできていたように感じます。マルティンは3点目の起点にもなっており、求められる仕事は完遂していたと評価しています。
・プレースタイルがマッチするカンセロ
この試合、珍しかったのはバルサの左サイドからの攻撃回数が右サイドを大きく上回ったことでした。ラミン・ヤマル不在の中で大きな輝きを放ったのは、左SBのカンセロでした。
やはり目を見張るのは単騎での保持性能の高さです。突破力とボールリリースのタイミングの良さで、大外のレーンからセビージャの守備組織を文字通り破壊していきます。
1点目のPK奪取から約10分後。左大外の高い位置でクバルシのサイドチェンジを受けるとドリブルをスタートします。「カットインと見せかけてキックフェイント」の十八番のパターンで縦に抜けようとすると、相手のハンドを誘発して再びPKを獲得。これをまたしてもラフィーニャが決め、バルサが2点差に突き放します。
カンセロの保持面が強烈なのは前回所属時から分かっていたことなのですが、肝心の非保持はどうなのか?は気になるところです。
相変わらず緩慢な集中力と、マークを簡単に外してしまう悪癖は感じますが、シャビ政権ほど粗が見えづらい印象もあります。理由はフリック政権での非保持の組み方との相性の良さにあるでしょう。
周知の通り、フリック・バルサはラインを高めに保ち前線から激しいプレッシングをかけることを志向します。

画像はアトレティコ戦のレビューからの引用です。上記で言うところのクンデのように、SBはリスクを恐れず相手のSBに突撃することが求められており、カンセロの背後を取られることを一切恐れない姿勢とマッチしている部分はありそうだと感じます。
勿論ビッグマッチだと使いづらいのは変わっていないと思いますが、このゲームのようにチーム全体でのプレッシングが機能している展開では、彼の特性を上手く全面に出せることは再確認できました。
・マンツーマンを悩ませた3人の動き
セビージャのマンツーマンベースの非保持が前半戦ほど刺さらなかった理由はマルティンとカンセロの貢献だけではありません。大きかったのはラフィーニャ、ペドリ、ベルナルの立ち位置の微調整でした。
第一のポイントは中盤中央に落ちていくラフィーニャでした。彼が中盤化することで、対面のSBがどこまでついてくるかを確認します。対面のファンルは流石に深い位置まで全部出てくるわけではないですが、ある程度ラフィーニャに引っ張られて背後のスペースを空けがちなことをバルサは序盤で認識合わせをします。
ここで動いたのはペドリとベルナル。彼らは頻繁に左右を入れ替えるだけではなく、列上げも敢行。ラフィーニャが空けたスペースに走り込む動きでセビージャのマーク担当を撹乱します。
38分の3点目はまさにバルサの選手たちが立ち位置で相手を惑わせたところから生まれたゴールでした。

上図のように完全にセビージャの組織は瓦解しており、本来真っ先にケアすべき背後のスペースがぽっかり空いてしまっています。このシーンでは完全にラフィーニャが右SBのファンルを、レバンドフスキが右CBのニャンゾウを定位置から引っ張り出しており、上手く配置で相手を動かしてスペースを生み出しました。
その背後のスペースでボールを引き出したベルナルが左サイドからグラウンダーでクロスを送ると、遅れて入ってきたオルモが巧みなシュートを決めます。
ベルナルのマークはアレクシス・サンチェスが担当していましたが、彼はアタッカータイプなので流石に列を上げていくベルナルを追いかけて自陣深くまで下がることはできませんでした。それを分かっているベルナルが上手く列を上げてセビージャの非保持を分断するのは意識的にやっていたと思います。
やはりペドリとラフィーニャはこのチームの核だと実感しましたし、そこにベルナルが加わると鬼に金棒ですね。
3点目を奪ってペースを落としたバルサは前半のアディショナルタイムに左サイドを破られ失点。やや勿体無い形でした。
前半はこれで終了。3-1でバルサがリードしてハーフタイムを迎えます。
後半
・前半終了間際の1発がいい薬に
前半終了間際の得点を反撃の狼煙に変えたいセビージャは後半開始から勝負の3枚替え。モペイ、バルガス、エジュケのアタッカー3枚を投入し、4-2-4気味に変更。大きく攻勢に出る事を意図します。
一方のバルサはハーフタイムでペドリを下げ、フェルミンを投入します。いつも通りオルモがペドリの位置に下がり、フェルミンはトップ下に入ります。

交代選手の活躍でチャンスを掴んだのはバルサの方でした。
51分。フェルミンが敵陣の浅い位置やや左でボールを持つと対面の選手をドリブルで剥がします。フェルミンはそのまま斜め方向にボールを持ち出すとエリア内右のラフィーニャへパス。ラフィーニャはカットインしながら左足でシュート。これが相手にディフレクトしてゴールに吸い込まれます。
ラフィーニャはこれでハットトリック達成。ニューカッスル戦に向けて景気の良いゴールラッシュとなりました。また単騎でチャンスを作ったフェルミンの攻撃性能が光りました。彼は良くも悪くもアタッカーの選手になったと感じます。
セビージャはアタッカーの枚数を増やしたことで却ってプレッシングの強度が落ちたように感じました。交代策が裏目に出たとは言わないものの、ガラッと変えすぎた感もあったかなと個人的には感じました。
逆に言うとバルサ側は前半アディショナルタイムの失点がいい薬になった印象で、後半しっかり巻き直してゲームに入ったのが良かったですね。ラフィーニャを筆頭にプレッシングとネガトラは非常に精力的でした。
勢いに乗れないセビージャを尻目にバルサは60分にダメ押しの5点目を記録します。自陣左サイドのコンビネーションからカンセロが完全に抜け出すとドリブルで独走し、最後はエリア内で再び切り返してシュート。リードを4点に広げることに成功します。
・ニューカッスル戦に向けた交代策
セーフティリードを得たバルサは、ミッドウィークのニューカッスル戦に向けて選手を休ませる方向に舵を切ります。
まずは67分に3枚替え。カンセロ、ベルナル、ルーニーを下げてアラウホ、カサド、ヤマルを投入します。

ルーニーは久々の先発でしたが、この試合は左サイドが目立っていたこともあり、やや消化不良の出来となりました。この試合でリーグ戦デビューを飾った右SBのエスパルトが3バックの右として振る舞う時間が長かったですが、2人の連携はもう少し見たかったところではあります。
セビージャは70分にカストリン、78分にブエノを投入しますが試合の大勢は変わらず。勝利を確信したバルサは背番号6を準備させます。
82分、ガビコールが響き渡る中、ラフィーニャとの交代でガビが約半年の離脱から復帰を果たしました。交代の直前にエスパルトが足を攣ってしまいざわついたものの、プレー続行可能という判断でこの交代が実現しました。18歳の根性に感謝です。

終盤、ゴールに飢えたレバンドフスキにチャンスが訪れましたが枠を捉え切ることができず。この試合出番がなかったフェランも含めてCFの状態は気がかりなところです。
逆に後半アディショナルタイムにはまたしても緩みを突かれてソウの得点を許しますが、これはご愛嬌でしょう。
試合はこのまま5-2でタイムアップ。バルサが大量得点で勝ち点3を手にしました。
雑感
無事前半戦のリベンジを果たすことができました。やはり中2〜3日に比べると中4日は選手たちの動きがいいですね。思えば前回のセビージャ戦はCLのPSG戦から中2日だったのでヘロヘロでした。もう少し上手く選手のやりくりをする余地はあるようにも思いますが、今の選手層で求めすぎるのは酷な話でしょうか。
ヤマル先発落ち、ペドリ前半のみのゲームで大量得点は良い兆しです。カンセロ・ラフィーニャにベルナルとペドリが絡む左サイドは今季で1番見応えのあるコンビネーションでした。また、引き続きクバルシの状態が良さそうなのもポジティブなポイントです。
ラ・リーガデビューのエスパルトは細かいミスは見られたものの、非保持で大きな穴を空けずに90分やり切ったのは素晴らしかったなと思います。上々のデビュー戦と言えるでしょう。次はもう少し高い位置でのプレーを見てみたい感じもします。
さて、次戦は中2日を挟んで、ホームカンプノウにニューカッスルを迎えます。1stレグは1-1のドローに終わっており、スコアイーブンで2ndレグを迎えることになりました。簡単なゲームにはならないでしょうが、勝って次のラウンドに進むまなければなりません。序盤から気合の入った試合展開に期待したいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。