こんにちは。Hikotaです。ニューカッスル戦の2ndレグが日本時間の木曜2:45キックオフだと気づいて絶望しております。この時間はいつも睡眠のタイミングに困ります。
試合背景
ミッドウィークに開催された国王杯のセミファイナルで敗退したチーム同士の対戦となりました。アトレティックはソシエダ、バルセロナはアトレティコ相手にそれぞれ2戦合計スコアで敗れました。
ホームのアトレティックはここまで10勝5分11敗で9位。今季はリーガとCLと二足の草鞋に苦戦した印象で、一時はリーガで降格圏付近まで沈み、CLもリーグフェーズで敗退となってしまいました。しかし、CLのリーグフェーズが終了してからのリーグ戦では3勝2分と持ち直し、順位を上げてきています。
一方のバルセロナは21勝1分4敗で首位に立ちます。2位マドリーとの勝ち点差は暫定で1ポイント。中2日でCLのニューカッスル戦を控えており、離脱者が増えている状況なので、上手くメンバーのやりくりはしたいところです。
両チームは今季既にリーガとスーペルコパで2回対戦しており、いずれもバルサが大勝してきます(4-0、5-0)。フリック体制になってから対アトレティックは5戦5勝と、非常に相性の良い相手になります。
スタメン

アトレティック
国王杯のソシエダ戦から5名の先発変更。ウナイ・シモン、ゴロサベル、ボイロ、ウナイ・ゴメス、セルトン・サンチェスが先発入りします。ソシエダ戦から中2日ということもあり、選手を入れ替えてきました。
主な欠場者はエギルス、パレーデス、ジェライ、プラードス、ニコ・ウイリアムス、サナディ。ニコは今季離脱が多く、なかなかコンディションが安定しませんね。W杯イヤーですが大丈夫でしょうか。
バルセロナ
アトレティコ戦から中3日のバルサは4名の先発メンバー変更。クンデ、ペドリ、フェルミン、ラフィーニャに代えて、エリック、カサド、オルモ、ラッシュフォードがスターティングメンバー入り。
尚、バルデとクンデの負傷離脱を受けて、Bチームから右SBのシャビ・エスパルト、CBのアルバロ・コルテスがベンチ入りしています。
欠場者はクリステンセン、バルデ、クンデ、ガビ、フレンキー。バルデとクンデは少なくとも1ヶ月級の離脱になりそうです。ガビはまだメンバーには入れませんが、今節の遠征には参加しており、復帰が近づいている状況です。
試合展開
前半
立ち上がりから目立ったのはアトレティックの積極的なハイプレスでした。2トップがバルサの2CB、ダブルボランチがバルサのダブルボランチのマークを担当する攻撃的なプレスで主導権を握りにかかります。

上図のように前から人を順番に捕まえていく形で、負傷でウナイが交代するまでの最初の10分は高い位置でボールを奪うことを優先事項としており、その狙いは上手くはまっていたと思います。1トップとトップ下に機動力の高い選手を入れることでプレスを尖らせる選手起用ですね。
良かったのがトップ下に入ったセルトン・サンチェスでベルナルへのパスコースをケアしながら、バルサのビルドアップユニットで最もボールスキルが怪しいマルティンに巧みにプレッシャーをかけていました。マルティンは彼のプレッシングにかなり苦戦したと思います。
バルサ側は左ウイングにラッシュフォードが入ったことでビルドアップが難しくなった側面がありました。彼は大外の広いスペースでは真価を発揮しますが、内側で味方と繋がるスキルには乏しく、ハイプレスに対してビルドアップの出口になりきれないシーンが目立ちしました。
また、この試合で語らなければならないのはピッチコンディションの悪さ。アトレティコとの国王杯1stレグに続いてここに触れなければならないのが残念なのですが、バルサの選手だけでなくアトレティックの選手をスリッピーなピッチに足を取られる場面が多く見られました。
特に影響を受けていたのがヤマルで、バランスを崩してボールロストとパスミスを連発。アトレティコ戦で強度高く90分やり切ったこともあって、足の踏ん張りが効いていない印象でした。今季の中でも彼にとってはかなり悪いゲームだったと言えるでしょう。
アトレティックは非保持のメリハリも付いており、ハイプレスがかからないタイミングは素早く帰陣し、4-4-2のブロックを形成します。

しかし、バルサのセットオフェンスも上手くいかず、前半はほとんどシュートに結び付けられませんでした。
右サイドは前述の通りヤマルのところでボールが落ち着かず、結果として距離感が悪くコンビネーションでの崩しがほとんど見られませんでした。クンデがいなかったことも影響していたと思います。
左サイドはカンセロとラッシュフォードの単機性能で相対的にはチャンスを作りかけますが、ラッシュフォードとカンセロの使いたいスペースが若干被っているようにも見えました。また、これはラッシュフォードとカサドの同時起用時によく見られる現象ですが、左の8番位置が上手く使えていないのが気になりました。
カサドは手前での仕事は精力的にこなしていましたが、ベルナルと組む時はもう少し8番の仕事もやっていかないとチームの機能性としては難しいかと思います。1年目の方がその辺は積極的でしたが、今季は出番が少ないこともあってプレー選択が極めて保守的になっています。
また、ここ数試合で気になるのはフェランの状態の悪さ。身体が重く、オフザボールの動きが激減しており、試合に与える影響が極めて弱くなっています。CFの選手がもう少し周りと接続してくれないと色々難しいですね。今のフェランがレバンドフスキより優先される理由はないように思います。
総じてアトレティックの非保持が上手くいっていた45分間だったと思いましたが、一方でアトレティックもバルサのゴールには迫り切れませんでした。ここはアトレティック側も疲労があったのでしょうし、ニコの不在で若干クオリティが下がっているのは否めないのかなと思います。
バルサも比較的ラインコントロールが上手くいっていたように見えましたし、GKのジョアン・ガルシアがいい飛び出しでピンチを未然に防ぐ回数が多かったです。
前半は両者ともにシュート数が少なく、大きなチャンスのないまま0-0で終了します。
後半
後半開始から両者とも動きます。バルサは腹痛でコンディションが悪かったベルナルに代えてペドリ、アトレティックは前半いいパフォーマンスを見せていたセルトン・サンチェスに代えてサンセを投入します。

バルサは早速ペドリにボールが集まり、チームにリズムが生まれ始めます。右サイドにレーン移動し、ポケットを取りに行った最初のプレーはチームメートに対する「ここから攻めるぞ!」という強烈なメッセージだったように見えました。戦術面だけでなく精神面でもゲームチェンジャーですね。
一方アトレティックがサンセを入れた理由も明確で、フィニッシュ局面のクオリティの強化を図った形でしょう。53分にはスルーパスに抜け出して反転シュート、58分にはマイナスのクロスを受けてシュートを放ち、バルサゴールを脅かしました。58分の方はかなりの決定機でしたが、ジョアンがよく防ぎました。
主導権を握り切れないバルサは62分に3枚替えを敢行。オルモ、ラッシュフォード、フェランを下げて、フェルミン、ラフィーニャ、レバンドフスキを投入します。一気に主力組を入れて点を奪いに行きます。

前半と同じく低い位置でのロストからピンチを招くシーンは散見されたものの、攻撃の形を作り始めたバルサ。目を見張ったのはフェルミンのスキルで、彼とペドリはあまりピッチコンディションを苦にせず、普段通りプレーしていました。ペドリ以外でボールが落ち着くところができたのが大きかったです。
そして68分。バルサに待望の先制点が決まります。
スローインの流れから敵陣左大外でペドリがボールを受けると内側にドリブル。相手選手の目線を引き付け切ると、右サイドへ鋭いパス。これをペナルティエリア右で受けたヤマルが少し中に持ち出して左足を一閃。これがファーサイドのポストに当たってゴールネットを揺らします。

「左で作って最後はヤマルが仕留める」の形がハマりました。ペドリはヤマルと同レベルで相手選手の目線を集められる選手で、彼がいればヤマルはよりフリーになることができます。
また、ここで見逃せないのはフェルミンの動きで彼が背後に抜け出す動きで左SBのボイロを吊り出したことでヤマルへのパスコースが開通しました。フェルミンの動きを上手く活かしたタイミングでパスを出したペドリのクオリティは言わずもがなです。
先述の通り、ヤマルはこのゲームではほとんど良いところがなく、苦しい時間を過ごしていただけに大きな得点となりました。毎試合高品質のプレーを維持するのは難しいですが、悪いなりに我慢して最後に結果を残すのはエースらしくていいなと思います。
しかし、バルサのシュートはこのヤマルのゴールが最後になります。流石に疲れが見え、アトレティックの攻勢を受ける形で試合はここから推移していくことになります。
アトレティックは失点直後にグルセタ、ヴェスガを投入し、その5分後にはハウレギサルを下げてエデル・ガルシアを入れて得点を狙います。
バルサは78分に足を攣ったカサドを下げてアラウホを投入。バックラインの4選手のポジションをスライドさせて対応します。各選手のユーティリティ性に感謝です。

疲労で最後のエネルギーが出ないのはアトレティックも同じで、ヤマルも下がって懸命に非保持に取り組むバルサの牙城に迫り切ることができません。
試合はこのまま1-0で終了。バルサが苦しいゲームを耐えきり、勝ち点3を手にしました。
雑感
フリックバルサでの1-0の試合を見た記憶がなく、試合結果を遡ってみたところ、昨季の後半戦のマジョルカ戦が最後のウノゼロ勝利でした。ということは今季初めての1-0勝利ということですね、おめでとうございます。ちなみに昨季は結構1-0の試合あったのでただの印象でした。
ミッドウィークにあれだけ激しいゲームをこなしたあとだったので、コンディションの面で難しい状態ではありました。幸運だったのはアトレティックの方も国王杯があり、彼らの方が休みが少なかったことです。
それでも、チームはよく戦ったのではないでしょうか。ヤマルのゴールでも書きましたが、状態が悪い日にできることをできるだけやる、というのは大事な姿勢だと思いますし、それを実践できていました。
このゲームでのマンオブザマッチはジョアン・ガルシアでしょう。ビッグセーブが多かったわけではありませんが、的確な飛び出しで背後へのボールを処理し続け、クロス対応も安定感がありました。チームに安心感を与える守護神としての影響力は絶大です。
逆に心配なのはオルモ、ラッシュフォード、フェランの状態。彼らは怪我明けから状態が上向いておらず、このゲームでも大きなインパクトを見せることなく試合から退きました。特にフェランは試合後にフリックが「自信を失っている」とコメントしており、メンタルの部分で負のスパイラルに陥ってそうです。
さて、休む間も無く、チームは中2日でニューカッスルとの決戦を迎えます。初戦は敵地セント・ジェームズ・パーク。リーグフェーズでは接戦を演じたスタジアムであり、油断の余地はありません。3月は厳しいスケジュールが続きますが、乗り越えてほしいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。