こんにちは。Hikotaです。日本時間金曜朝のゲームはひたすらに眠いです。
試合背景
ホームのアトレティコはバレアレス、デポルティーボ、ベティスを倒してセミファイナルに進んできました。リーグ戦では13勝6分4敗で3位。首位バルセロナとの勝ち点差は13となっています。CLではプレーオフに回っているため、2月の試合数はバルセロナよりも2ゲーム多くなっています。直近5試合は2勝1分2敗の成績です。
冬の移籍市場では大きく動いたチームの1つでした。ハビ・ガラン、コナー・ギャラガー、ジャコモ・ラスパドーリを放出する一方、オベド・バルガス、ロドリゴ・メンドーサ、アデモラ・ルックマンを獲得し、チーム力の強化を図っています。
一方のバルセロナは今季の国王杯ではグアダラハラ、ラシン・サンタンデール、アルバセテと下部リーグのチームを下して、準決勝に進出。このアトレティコ戦が今季の国王杯で初めてのプリメーラのチームとの対戦となります。怪我人を出しながらも直近の公式戦18試合で17勝をあげており、好調を維持しています。
両チームの前回対戦は12月のリーグ戦。アトレティコがバエナの得点で先制しましたが、バルサがラフィーニャ、オルモ、フェランの得点で逆転し、3-1で勝利しています。
スタメン

アトレティコ
週末のベティス戦から4名の先発変更。昨季と同じく国王杯の守護神はムッソが務めます。ベティス戦を欠場したプビルが戻ってきました。バリオス不在の中盤にはジョレンテが入り、右SBはモリーナが務めることに。前半戦の対戦でゴールを決めたバエナがベンチスタートでグリーズマンが先発を飾ります。
欠場者はカルドーゾとバリオスのピボーテ2人になりました。
バルセロナ
週末のマジョルカ戦から2名の先発メンバー変更。マジョルカ戦では鼠蹊部の不快感で90分ベンチに座り続けたフレンキーが先発に戻ってきました。このビッグマッチでの彼の相方に選ばれたのは、マジョルカ戦で久々のフル出場を果たしたカサドでした。CFはフェランがチョイスされます。
欠場者はクリステンセン、ガビ、ペドリ、ラフィーニャ、ラッシュフォード。ラッシュフォードはマジョルカ戦で打撲を負ったようで、このゲームを欠場することになりました。
試合展開
前半
前半戦で対戦した際のアトレティコの非保持のアプローチはやや曖昧なスタンスでした。特にペドリへの対応が中途半端だったのが肝で、バルサの2ゴールは自由を得たペドリのプレーから生まれており、当時のアトレティコのアプローチには疑問の声も上がったと記憶しています。
今回はシメオネがどうアプローチするのか?に注目が集まりますが、このゲームではペトリがいません。前提条件が違うという点を考慮し、見ていきましょう。
前半立ち上がりから目を引いたのがアトレティコのハイプレス。4-4-2の布陣をベースに前から人を捕まえていく形でバルサのビルドアップを阻害していきます。ライン間の選手は積極的にCBが迎撃に出るシーンが目立ちました。

この日のトピックとして語らなければならないのはワンダ・メトロポリターノのピッチコンディションの悪さです。自チームのコケがメディアで訴えるほどに状態が悪く、よりボールを繋ぎたいチームにとっては不利な環境ではありました。
ピッチコンディションの恩恵を受けたのはホームチームでした。前半6分、ハイプレスを受けたエリックが自軍ゴール方向へバックパス。これをジョアン・ガルシアがトラップしきれずにそのままゴールを割ってしまいます。
劣悪なピッチでボールのバウンドが読みづらかったエクスキューズはあるものの、ジョアンの明確なミスでした。また、序盤からのアトレティコのハイプレスが実った得点でもありました。
そして、この日のアトレティコは前半戦とは違い、メリハリのある守備を見せます。ハイプレスをかからない時は潔く撤退。グリーズマンを右SHに落とす5-4-1にシフトし、バルサの押し込み攻撃に対抗します。

ハイプレスからのショートカウンターと、リトリートからのロングカウンターを使い分け、先制後もバルサのゴールを脅かします。
ロングカウンターからアトレティコが2点目を奪ったのは先制点から8分後。オルモが蹴ったコーナーキックがミスになり、力なくGKムッソにキャッチされると、ムッソは素早く前方へパントキック。左で待ち構えていたルックマンに通ると、いち早く前に出てきたアルバレス→モリーナ→グリーズマンと繋がり、最後はエリア右から背番号7が左足で決めます。
このシーン以外にもバルサの走力は足りておらず、アトレティコと比べると緩いハイプレスに終始。ピッチコンディションの問題とは別に両チームのモチベーションの差は感じました。
その隙をこの日のアトレティコは逃さず。33分、右サイドからのビルドアップでグリーズマンがバルデの背後でボールを受けると、ジュリアーノが背後は抜け出します。アルバレスを経由して最後はルックマンがフィニッシュであっという間に3点目。
この試合を通して、アトレティコは徹底して保持非保持両面で高い位置を取ることが多いバルデの背後を狙っていました。特に厄介だったのはグリーズマンで、サイドに流れてボールを受けて味方に繋げる能力は一級品。彼のワンタッチスルーパスはハイラインにとって致命傷になります。この日の先発起用は正解でした。
3点ビハインドでフリックは堪らず前半のうちに交代を決断します。カサドを下げて、レバンドフスキを投入。フェランを左に回し、オルモを中盤に下げます。前半のうちに負傷以外で選手を交代させるのは就任後初めてではないでしょうか。

カサドだけが悪かったわけではありませんが、フリックとしては、得点を奪いに行くメッセージを前半のうちにチームに伝えたかったというところでしょうか。本来であればベルナルを入れたかったところですが、劣悪なコンディションのピッチで怪我明けの彼をプレーさせたくない判断は理解できます。
しかし、この交代を嘲笑うかのようにアディショナルタイムでアトレティコが4点目。またしてもバルサの左サイドで背後を取られると、モリーナ→ルックマンと繋いで最後は不振のアルバレスがエリア外から強烈な一発を叩き込みました。グリーズマンと同じく、モリーナの先発抜擢も当たりましたね。
前半は0-4で終了。悪夢のような45分でした。
後半
後半開始からの選手交代はなし。流石にハーフタイムで喝を入れられたか、バルサが強度を上げてアトレティコを攻め込みます。立て続けにフェルミンが3本のシュートを放つなど、チャンスを作りかけます。
バルサがゴールをようやく揺らしたのは53分のこと。セットプレーからフェルミンが放ってシュートのこぼれ球をクバルシが巧みに押し込んで1点返します。
さて、ここから1点でも多く返したいバルサですが、何とこのゴールが約8分間のゴールチェックの末に取り消されてしまいます。映像を見返しても、どこがオフサイドなのかよく分からず不可解な判定ではありました。
この取り消しでトーンダウンしたバルサは、それ以降期待値の高いシュートを放つことができません。
アトレティコ側の非保持で名前をあげたいのは2人。まずはこの試合でピボーテ起用のマルコス・ジョレンテ。抜群のカバー範囲とスペース管理の勘の良さでバルサの中央のコンビネーションをシャットアウト。彼をヤマル側のピボーテに置いたのはシメオネの名采配でした。

もう1人はそのヤマルと対峙したルジェーリ。剥がされることを恐れずにガツガツヤマルに喰らいつくことで大きな仕事をさせなかったのは大きかったですね。出足が良いのでヤマルにボールが入る前に止めるシーンも多くありました。
65分過ぎからアタッカーを3枚替えて前線の強度を保ったアトレティコに対して、バルサはようやく77分に最終ラインのクバルシとバルデを下げて、アラウホとカンセロを投入。前線の駒不足感は否めませんでした。

個人的にはルジェーリがイケイケだったことを考えると、ルーニーを入れてヤマルを内側でプレーさせたかったところですが。あとは左からの構築・崩しが皆無だったので、カンセロの投入はもう少し早く決断してもよかったかもしれません。
何とか1点でも返して2ndレグに望みを繋ぎたいバルサですが、85分にアクシデント。フェランのバックパスがミスになったツケをエリックが払い、一発退場。残り時間を10人で戦うことになりました。仕方なくここでフェルミンを下げてマルティンを投入し、4-4-1へ。

ルノルマンを入れて更に逃げ切り体制になったアトレティコを10人で切り崩すのは難しく、スコアは前半から動かずに0-4で試合終了。あまりに大きなビハインドを背負ってカンプ・ノウでのリターンレグを迎えることになりました。
雑感
1年半以上のフリック体制で最大の敗北となりました。前半で4点のビハインドを背負うのは僕が観てきた中で記憶にありません。あのフリックバイエルンとの2-8ですら前半は3点ビハインドで済んでいました。
難しいピッチコンディションのゲームで、ビルドアップのリスクが大きかっただけに、もう少し柔軟に闘っても良かったかもしれませんが、足が使えて背後を狙えるラフィーニャの不在は痛かったですね。勿論、ハイプレスを空転させるペドリの不在のインパクトも痛感しました。
ここ数試合は戦績が極めて良く、誰が出ても勝てるチームになりつつある感触もありましたが、やはりこのレベルの相手になると主力中の主力がいないと厳しくなってしまうのが現実ということでしょう。
アトレティコは前述の通りですが、用意していたゲームプランと、グリーズマン、モリーナ、ルジェーリあたりの先発起用が大当たりしましたね。こちらも繰り返しになりますがジョレンテのピボーテも凄まじかったと思います。近年はほとんどサイドでプレーしている印象ですが、中央に回ってあのパフォーマンスは流石の一言です。
あとルックマンは良い意味であまり新加入感がない選手ですね。2トップの一角だけでなく、左サイドでも違和感なく使えるのはアトレティコにとって朗報でしょう。選手層という意味ではバルサよりもアトレティコの方が充実していますね…。
アトレティコとしてはホームでベティスに負けた直後のゲームでかなり気合が入っているように見えましたし、逆にここ数試合でほとんど勝っていたバルサはハングリーさに欠けていたように感じます。ここから仕切り直すしかありませんね。
4点のビハインドでかなり厳しい状況ですが、まだ何かを失ったわけではありません。リターン・レグはカンプノウでやれるわけですし、怪我人もクリステンセン以外は戻って来られる見込みです。奇跡に向けてまた爪を研ぎたいですね。
手痛い敗北ですが、これが2月で良かったと思えるような残りシーズンにして欲しいところです。
最後までお読みいただきありがとうございました。