こんにちは。Hikotaです。バルセロナがデッドラインデーのお祭りの蚊帳の外になって何年経つでしょうか。あ、ダブル・ジョアンの獲得は〆切日だったような気もしますね。
試合背景
ホームのアルバセテは、現在セグンダで9勝6分9敗の12位に位置します。リーグの成績に対して国王杯では快進撃を続けており、準々決勝に駒を進めてきました。3回戦でセルタをPKで退けると、4回戦でアルベロア就任直後のレアル・マドリーから大金星を上げ、スペイン2強のもう1チームへの挑戦権を獲得しました。
一方、アウェイのバルセロナは週末のエルチェ戦から中2日でこの一戦を迎えます。1/4のエスパニョール戦から中2日or3日の間隔で試合が続いており、このゲームが10連戦目になります。相手はマドリーを下して上がってきているチームだけに油断は許されませんが、主力選手のプレータイムは気になるところです。
ちなみに、両者の前回対戦はアルバセテがプリメーラに在籍していた04-05シーズンまで遡ります。当時はライカールト政権ですね。エトーとメッシがゴールを決めたみたいです。この頃のメッシは17歳ですね。
スタメン

アルバセテ
先週末のサラゴサ戦から6名の変更。国王杯のマドリー戦のメンバーとは9名が一致するので、こちらはカップ戦仕様のメンバーということなのでしょう。
ベンチには先のマドリー戦でゴールを決めたベタンコールと、元マドリーのCBであるバジェホが控えます。
バルセロナ
エルチェ戦から6名の先発メンバー変更。バックラインは3人が入れ替わっており、アラウホは離脱前の11月チェルシー戦以来の先発メンバー入りになりました。チーム最長のプレータイムを誇るエリックはこの試合も元気に先発です。
欠場者はクリステンセン、ガビ、ペドリ、ラフィーニャ。エルチェ戦のハーフタイムで交代になったラフィーニャは右脚内転筋の過負荷でこのゲームを欠場します。離脱期間は1週間ほどです。
ミッドウィーク開催ですが、今季は国王杯にBの選手を全然連れていきませんね。このゲームもマルケスのみです。トップの選手層に余裕があるわけではありませんが、Bも余力がなさそうではあります。そのレベルの選手が育ってないのかもしれませんが。
試合展開
前半
国王杯マドリー戦と同じくアルバセテは5-3-2のフォーメーションをベースとします。原則はミドルプレス〜ローブロックでスペースを埋めることを非保持の優先事項とします。

CBへハイプレスに行くことは稀で、基本2トップはアンカー脇を埋める形で真ん中のレーンへのボールをケア。その分、ミドルゾーンは中盤3枚で横幅を管理する必要があり、特に両サイドのIHはサイドのレーンのケアが必要になるため、大きな負荷がかかる設計となっています。
2トップも低い位置に下がってくるのでポジトラが大変ですが、2トップのプエルタスとメディナは技術が高く、時間が作れるタイプだったのでロングカウンターの形もある程度作れていました。ただ、カウンター対策という意味でアラウホはよくやっていたと思います。
対して、ボールを保持するバルサはベルナルをアンカーに置く4-1-2-3気味でゲームをスタートします。いつもよりもフレンキーのIH成分は強かったと思います。
しかし、バルサはスペースをきっちり管理するアルバセテの5-3-2に苦戦を強いられ、なかなかシュートのシチュエーションに持っていくことができません。
その原因の1つが右サイドへの攻撃の偏り。これはコペンハーゲン戦の前半と同じ現象で、ヤマルにボールが集まりすぎて右からの崩し一辺倒になってしまうことに問題があります。今日の左サイドにはレギュラーのラフィーニャとバルデが不在だったので、尚更チームはヤマルにボールを集めようとします。
アルバセテは先述の通り中盤の横幅は3枚が根性で管理することになっているので、もう少し中盤の3人のところで揺さぶりをかけたかったのが正直なところです。2レーン以上を跨ぐパスが少なく、最終的にはヤマルのクオリティ次第の攻撃ルートに終始しました。

上記のイメージですが横方向の逆サイドのIHを有効に使えたら良かったですね。この辺りはペドリの不在を色濃く感じます。フレンキーはクロスターゲット役をメインでやっていましたが、もう少しエリアの手前でボールを引き取って相手の中盤を困らせるプレーがあってもいいかなと思いました。前半の最後の方はその辺を意識していたように見えましたが。
あとは左にカンセロを持っていくのも1つのオプションだったと思いますが、ヤマル&カンセロのコンビネーションを試すのを優先した、といったところでしょうか。カンセロのヤマルへのサポート自体は悪くなかったと思います。
引いた相手を崩すのに手間取るバルサですが、より効率の良い方法で先制点を奪います。
39分。相手のGKから敵陣低い位置の右WBにロブパスが出たところで、ラッシュフォードが良いアプローチでプレッシャーをかけると、フレンキーが連動して挟みにきてボールを奪います。フレンキーが奪ったボールを素早く右サイドに流すと、走り込んだヤマルがダイレクトでシュートを放ち、ネットを揺らします。
ラッシュフォードとフレンキーの守備の連携が良かったですね。フレンキーはやはりコンディションがいいのか、相手へのアプローチのスピードが格段に速いですね。フレンキーが得点を決めたヤマルではなく、良い守備を見せたラッシュフォードを真っ先に讃えに行ったのは、ちゃんと褒めポイント抑えてるなと思いました(笑)
前半はこのまま1-0で終了。バルサがリードを奪ってハーフタイムを迎えます。
後半
ハーフタイムに動いたのはバルサの方でした。前半の内にカードを貰って退場しそうな雰囲気が丸出しだったカンセロを下げてクバルシを投入。エリックを右SBにスライドさせました。本来休ませたいのはエリックの方なのでカンセロは要反省ですね。90分の運用が難しい選手です。

スタンスを変化させたのはアルバセテの方で、前半に比べると前からの圧力を強めるようになります。前半は静的にやりながらロースコアに抑えつつ、後半スイッチを入れるというのはゲームプランの1つとして想定があったのかもしれません。真面目に勝ちに来ていますね。
アルバセテのスタンスの変更でよりオープンな展開に試合は移行することになります。分岐点になる2点目を挙げたのはまたもアウェイチームでした。
56分。ラッシュフォードが蹴った左コーナーキックをアラウホがニアサイドで豪快に頭で合わせ、ネットを揺らします。久々に先発に戻ってきた背番号4の1発でバルサがセーフティリードを奪います。ラッシュフォードはこれでシーズン10ゴール10アシストを達成です。
しかし、アルバセテは諦めません。61分に2枚替え。マドリーから2ゴールを奪ったベタンコールを投入し、2トップの一角だったメディナを中盤に下げる攻撃的な采配を実行。更に73分にも2枚替えで、システムを3-4-2-1に変更して得点を狙います。
バルサ側は66分に3枚替え。カサド、フェルミン、フェランが投入されます。78分にはフルタイム出場が難しそうだったアラウホが下がり、クンデが入ります。エリックは再び左CBに戻ることになりました。しっかりこのゲームもフル出場ですね。

オープンな展開の中でチャンスが作りやすくなったバルサはオルモやフェランがチャンスを迎えますがいずれも活かすことはできず。エルチェ戦に引き続き得点力という意味では冷え込んでいますね。
すると、アルバセテが意地を見せます。流れの中からの綺麗なゴールはオフサイド判定でノーゴールになりますが、87分にバルサ陣内の中ほど、右からのフリーキックからCBのモレノが頭で合わせて1点差に詰め寄ります。
バルサもそれほど動揺せず、冷静に攻めてマルティンのグラウンダークロスからフェランのゴールがようやく決まりますが、こちらもオフサイド判定で取り消されます。
1点差で迎えたアディショナルタイム。ホームの大声援を受けたアルバセテが大チャンスを掴みます。右ポケットに抜け出した途中出場のガメスがジョアン・ガルシアの頭上を抜くループシュートを放ちます。これは完全に枠を捉えていましたが、ゴールカバーに入っていたマルティンが決死のクリア。値千金のプレーで失点を防ぎます。
アルバセテの猛攻はここまで。2-1のスコアでバルサが何とか逃げ切りに成功しました。これで国王杯は準決勝進出。直近の公式戦17戦で16勝目となりました。
雑感
最後はヒヤヒヤさせられましたが、何とか逃げ切りに成功しました。試合内容は褒められたものではありませんが、90分で試合を終わらせて次のラウンドに進めたこと、怪我人を出さなかったこと、この2点はポジティブな部分でしょう。
プレータイムが嵩んでいるエリックとヤマルをフルで起用したのは疑問が残りましたが、それ以外の選手のプレータイムは上手く管理できたのではないでしょうか。フレンキーはコペンハーゲン戦で全休しているので良しとしましょう。ルーニーがこのゲームでも使われないのは不憫ですね。
アルバセテは試合を通じて勇敢な振る舞いで、素晴らしいチャレンジャーでした。状態が悪かったとはいえマドリーを倒したのはフロックでなかったことをこのゲームで証明したと思います。最後のループが決まっていれば同点で延長だったので、本当にマルティンに救われました。
バルサ側で気になるのは先述のヤマルに偏る攻撃ルートと、得点力の部分でしょうか。前者に関してはラフィーニャ、バルデ、ペドリと左側を担うレギュラークラスがいないのが大きな要因です。ただ、フリックバルサは引いてくる相手に対して、攻撃のやり直しと揺さぶりが足りないとはずっと思っているので、その辺りは今後ベルナルがピッチ上で影響力を増すことに期待したいです。
ヤマルからの崩しは相手が最も警戒しているルートなので、どんなにクオリティが高くても1人でやれることに限界はあります。この試合でも何度もヤマルがドリブルやクロスで仕掛け、上手くいかない場面が続きました。ヤマル1人の問題もありますが、チーム全体の構造として改善の余地はありそうです。
得点力に関してはまあ水物なのであまり心配はしていません。オルモにはもう少し頑張って欲しいところですが!
さて、国王杯に関しては次がベスト4となります。準決勝のみホーム&アウェーでやるので、来週と3月上旬に試合は行われます。対戦相手はまだ分かりませんが、もうプリメーラのチームしか残っていないので目新しさはありません。どこが来ても勝てる力はあると思います。
準決勝の前に、週末は再びリーガの戦いに戻ります。今週はホームでマジョルカと対戦します。ボロボロの状態ながらリーガではマドリーが全然勝ち点を落としてくれないので、緊張感のあるタイトルレースが展開されています。過密日程が続くので選手たちの無事と勝利を祈りたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。