Hikotaのバルサ考察ブログ

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【マッチレビュー】25−26 ラ・リーガ第22節 エルチェ対バルセロナ

こんにちは。Hikotaです。平日開催の試合は当日朝にレビューをアップしているのに、休日開催の試合は翌日になってしまうのは、なんかこう、自分の弱さを感じますね。

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試合背景

ホームのエルチェは昇格組ながらここまで5勝9分7敗で11位と健闘中。監督はエデル・サラビア。キケ・セティエンの元アシスタントで、彼が指揮を取った19-20の半年間はバルセロナに在籍しています。僅か半年でメッシ、スアレスと揉めた人です。監督としてはアグレッシブなボール保持とハイプレスを志向しています。

ただ、ここ最近は調子を落としており、年始からの公式戦5試合で2分3敗と勝ち点が積めていません。直近のリーグ戦では同じ昇格組のレバンテと対戦しましたが、良い所が少なく2-3で敗戦。下位との勝ち点差が詰まっているだけに、一気に降格圏に転げ落ちるリスクは十分に孕んでいます。

アウェイのバルセロナはCLのコペンハーゲン戦から中2日でこの一戦を迎えます。決勝トーナメントへのストレートインというミッションを1つ果たしたばかりなので、モチベーションのキープが気になるところ。きちんとネジを巻き直してこれたでしょうか。CLを出場停止で欠場したフレンキーの奮起に期待したいです。

前回対戦はモンジュイックでバルサが3-1で勝利しています。クラシコでの敗戦直後のゲームで、ヤマル、フェラン、ラッシュフォードのゴールが生まれています。

 

スタメン

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エルチェ

先週末のレバンテ戦から4名の変更。CBにチュストとドナルド、ボランチにメンドーサ、CFにアンドレ・シウバが入ります。バルサからローン中のイニャキ・ペーニャは今節もゴールマウスを守ります。

欠場者はフォルト、フェバス、ヌネス、ホサン、ラファ・ミル。バルサ保有権を持つフォルトと、前回対戦でゴールを決めたラファ・ミルは負傷で欠場します。フォルトは状態が良かったみたいなので、負傷が残念ですね。今季チームトップのプレータイムを誇るフェバスは累積警告による出場停止となります。

バルセロナ

CLのコペンハーゲン戦から2名の先発メンバー変更。フレンキーはピボーテに、フェランがCFに入ります

欠場者はクリステンセン、ガビ、ペドリ。尚、最近のゲームでトップ帯同が続いていたBチームのマルケスはこの試合は招集外となっています。


試合展開

前半

この日のエルチェはいつもとは異なる3-4-1-2を選択バルサの4-1-2-3(4-2-3-1)の配置に噛み合わせることを前提にメンバーを組んできました。

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狙いはマンツーマンをベースとした非保持でバルサのビルドアップを阻害し、オープンな展開を作ることでしょう。ここ最近バルサの中盤にマンツー気味に蓋をしてくるチームが増えていることは当ブログでも散々書いてきたわけですが、エルチェのアプローチはその中でも最もアグレッシブな部類と言えます。

例えば、CLリーグフェーズ第7節で対戦したスラヴィア・プラハのアプローチ。バルサの中盤にはマンツーでケアしますが、バックラインの4枚に対しては前線3枚で柔軟に対応。後方の数的優位をキープすることでリスクの軽減を図っていました。

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スラヴィア・プラハのアプローチ

比較すると、エルチェは後方の数的同数のリスクを受け容れることで、全局面でのマンツーマンディフェンスを実現したわけです。エルチェは前節のレバンテ戦では後方に人を余らせる形でアプローチしていただけに、バルサ対策で準備した形と言えるでしょう。

しかし、ホームチームが仕掛けたオープンなトランジションゲームで先手を取ったのは、アウェイのバルサでした。

前半6分。バルサがハーフライン付近でボールを奪うと、右側に移動していたオルモが前方へスルーパス。浅いラインの背後を取ったヤマルが飛び出したGKをかわし、無人のゴールに右足で流し込みますコペンハーゲン戦の先制点を彷彿とさせるオルモ→ヤマルのラインでした。

先制点以降も殴り合いの展開が続きますが、クオリティで優るバルサが多くのチャンスを作ることになります。Sofascoreの統計では、バルセロナが前半で記録したゴール期待値は4.41で、シュート本数は17。このゲームの主導権はバルサが握っていました。

しかし、この日のバルサはフィニッシュでクオリティを発揮しきれません。特にCFに入ったフェランに多くのシュートチャンスが訪れますが、ゴールの枠に当たるなどなかなか追加点が奪えません。

すると、エルチェが反撃の牙を向きます。同点弾は28分、バルサの攻撃がフェランの力のないヘディングで終わった直後のことでした。

トランジションが緩んだバルサを尻目にGKペーニャが素早くリスタートします。CFのアルバロ・ロドリゲスが降りてボールを受け、左サイドに展開。ハーフライン付近左サイドでボールを受けたバレラが少し中に持ち出すと、スルーパス。2列目から抜け出したのは先ほどボールを捌いたアルバロ。マドリーのカンテラ出身のストライカーがジョアン・ガルシアを制して同点弾をもたらします。

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オフサイドポジションに味方を置いてバルサのDFラインを止めつつ、2列目から飛び出してきた選手がフリーで抜け出すバルサのハイラインをお手本のような形で攻略しましたね。バルサもここ数試合は相手のラインブレイクにうまく対応する構えも見せていましたが、ここはしてやられました。

バルサはフェランが32分、34分に立て続けに決定機を迎えるも、活かすことができずもどかしい時間を過ごします。今日のフェランは難しいか…と思い始めた矢先、バルサに勝ち越し弾が生まれます

40分。エルチェの右サイドからのクロスをジョアンがキャッチすると、すぐさま中盤のフレンキーへスロー。フレンキーが得意のボールキャリーで敵陣まで運ぶと右のヤマルへパス。フレンキーはそのまま背後に向かってダッシュし、フェランを経由してのリターンをもらいます。フレンキーは飛び出してきたGKとDF4人を引きつけて折り返し。フェランがゴールカバーの選手に当たらない正確なシュートを決めて勝ち越しに成功します。

エルチェが仕掛けるトランジションゲームに乗っかり、再びバルサがリードを奪うことになりました。前半はこのまま終了。2-1で折り返しますバルサが前半をリードして折り返すのは、スーペルコパ準決勝のアトレティック戦以来のこととなりました。

 

後半

後半から動いたのはリードを奪ったバルセロナの方でした。足を痛めたラフィーニャを下げてラッシュフォードを投入します。ラフィーニャは深刻な怪我ではないようですが、今季離脱が多いだけに心配です。

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エルチェは後半も大きくスタンスを変えずに、アグレッシブなスタイルでオープンなゲームを仕掛けます。ただ、このやり方は90分単位での持続性という意味では疑問が残りました。気になったのはプランBの乏しさで、当初の計画が上手くいかない時間帯の振る舞いに課題があるようには感じます。このあたりはハイプレスとリトリートを巧みに使い分けた第20節のソシエダと比べると少し弱い部分と言えるでしょう。

バルサ側で気になったのはプレッシングの掛け方で、前半から明らかに後方が準備できていない/追いついていなくても、とりあえず前線がプレッシャーをかけて簡単に剥がされてしまう場面が散見されました。特にフェランは時折周りを見ずに突っ込んでいく癖はあるように感じます。これはフリックバルサあるあるなのですが、このゲームはトランジションが肝となる展開だっただけに、その部分の判断が命取りになりかねない試合ではあったと思います。

バルサは62分に2枚替え。フェランとオルモを下げ、レバンドフスキとベルナルを投入します。ベルナルはコペンハーゲン戦に続いて長い時間のプレータイムを得ることになりました。明らかにコンディションが上がってきたようですね。

バルサに待望の3点目が生まれたのは72分のことでした。エルチェの左からの攻撃が失敗に終わった直後、敵陣浅めの右大外のヤマルにロングボールが入ります。タッチラインを割りそうなボールを上手く頭でコントロールすると、一気に前方へ持ち出しエリア内へ。縦に仕掛けると、右足でグラウンダーのクロス。慌てて戻ってきたペドロサが触ったボールはファーサイドに詰めていたラッシュフォードの足元へ。これをラッシュフォードがきっちり決めて追加点をもたらします。

セーフティリードを得たバルサは84分にフェルミンと足を痛めたクンデに代えてカサドとアラウホを投入。バランスを整えて試合をクローズする方向に舵を切ります。カサドやアラウホは最近こういう使われ方で終盤投入されるケースが増えましたね。クンデもひとまず深刻な怪我ではないようです。

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何とか追いすがりたいエルチェですが、序盤から走り回ってたこともあり、バルサのゴールを脅かすだけのエネルギーは残っておらず。シュートまでのシチュエーションを作ることができませんでした。試合はこのまま3-1で終了バルセロナがリーグ戦で連勝を飾り、首位をキープしました。

 

雑感

バルセロナがこの試合で記録したゴール期待値6.44は計測を開始して以来、ラ・リーガで最高の数値だったとのことです。それで3点しか奪えなかったわけですから、この日は第20節のソシエダ戦以上に得点力が下振れた試合だったと言えるでしょう。もう少し効率良く得点が奪えていれば楽にゲームを進めることができました。

ただ、エルチェの仕掛けたトランジションゲームには完勝したと言えます。この試合のエルチェ側のゴール期待値は1.0に留まりました。サラビアは「ハイリスク・ハイリターン」をめざしてこのゲームに臨んだと思いましたが、結果としては「超ハイリスク・ローリターン」となってしまった形です。それはバルサの選手たちのクオリティの高さと、サラビアのゲームプランの柔軟性の乏しさの両面の表れだったのではないでしょうか。

バルサ側のクオリティという文脈では、真っ先に名前を挙げるべきはフレンキーでしょう。CL欠場がいい休養になったのか、引き続きコンディションの良さを見せつけました。得意なオープン展開だったこともあり、バーティカルな動きで違いを作り続けました。SofaScoreの統計によるとこのゲームでビッグチャンスクリエイト4回を記録しており、最近の試合ではファイナルサードでの貢献度に一層の磨きがかかっています。

年末のビジャレアル戦からハイパフォーマンスを披露しているフレンキーですが、その前の12月の公式戦で珍しく3試合連続でスタメンを外れたのがいい薬になったのかもしれません。ビジャレアル戦以降のフレンキーは吹っ切れたようにプレーしており、積極的なターンでマーカーを剥がし、前線に走り込んでチャンスを作るなど、より得点に直結するプレー選択が見られるようになりました。2人目のお子さんが産まれたこともモチベーションアップの原因かもしれませんね。

また途中出場でまたしても結果を残したラッシュフォードにも触れておきましょう。淡白なプレースタイルに不満はあれど、1844分の出場で10G9Aはシンプルに素晴らしい成果ですね。途中から試合に入ってもコンスタントに得点に絡めているので、彼をベンチからのスタートにできるだけのスカッド状況が理想です。そういう意味でヤマル・ラフィーニャのレギュラーの2枚が残りの試合でどこまで健康体を維持できるのかが焦点になってきます。

あと、どうでもいい情報ですがバルサ側の得点者は前回のエルチェとの対戦と全く同じでしたね。得点の順番まで一緒です。

CLのストレートインが決まったので2月はゆっくりできる...と思いきやミッドウィークに挟まってくる国王杯。次は中2日でアルバセテとアウェイで対戦します。アルバセテといえば、2部所属ながら4回戦でマドリーをノックアウトして上がってきた曲者です。奇跡の連続を夢見るチャレンジャーとの決戦はタフなものになりそうですが、上手く選手を入れ替えながらきっちり次のラウンドに進みたいところです。

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